千歌「新人メイドの高海千歌です!」
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・1
鞠莉「ってことで新しいメイドの千歌っちよ!」
千歌「よろしくお願いします!」
梨子「はぁ……」
鞠莉「何よテンション低いわね!」
梨子「いやお母様がテンション高すぎるんですよ」 鞠莉「梨子が暗すぎるのよ!シャイニー!」
梨子「うるさいなぁもう……」
千歌「シャイニー!」
梨子(あ、この子馬鹿だ)
鞠莉「ってことでダイヤ、曜。千歌っちをよろしくね」
曜「了解であります!」
ダイヤ「構わないですけど……何故今更新人を?別にわたくしと曜さんだけで充分でしょう」 鞠莉「いいじゃなーい別に」
ダイヤ「奥様、貴女はいつも勝手なことをして迷惑を」
鞠莉「うるさいわねこの石頭メイドは」
ダイヤ「すみません、お給料から引いておいてください」ゴトッ
曜「壺で殴るのはダメだよダイヤさん!」 鞠莉「はい、じゃあみんな自己紹介しなさーい」
曜「小原家専属メイドの渡辺曜です!よろしくであります!」
ダイヤ「メイド長の黒澤ダイヤです。よろしくお願いしますわ」
梨子「娘の梨子です。よろしく」
千歌「エリザベス女王の跡継ぎの高海千歌です!よろしくお願いします!」
ダイヤ「鞠莉さん、この子クビにしましょう」
鞠莉「自分のクビも同時に飛ぶけどいい?」
ダイヤ「……このハイテンション金髪バカ……」
梨子「声漏れてますよ」 千歌「冗談通じないなんて……もしかして石頭?」ヒソヒソ
鞠莉「噂によると頭突きで鉄板100枚貫けるらしいわ」ヒソヒソ
ダイヤ「……」シュラ
曜「包丁はシャレにならないから!」 鞠莉「千歌っちの教育宜しくねー。私は仕事に戻るわ〜」スタスタ
ダイヤ「ほんっと勝手な人なんですから」
曜「まぁまぁ、今に始まったことじゃないでしょ」
梨子「すみません、後でキツく言っておきます」 ダイヤ「千歌さん……と言いましたね」
千歌「はい!」
ダイヤ「ふざけてるようですが、そんなのでメイドが務まるとお思いで?」
千歌「一生懸命がんばります!」
ダイヤ「口でいうことは簡単ですわ。問題は行動で示せるか」
千歌「はい!」 ダイヤ「威勢はいいですね。わたくしは厳しいですわよ?」
千歌「……鞭で叩かれたりするのかな」ヒソヒソ
曜「……確かダイヤさんの部屋のクローゼットにあったような」ヒソヒソ
ダイヤ「曜さん?」ギュゥゥゥ
曜「ふぎゃあ!耳がぁ!」 ダイヤ「屋敷を案内するので付いてきてください」
千歌「はーい」
トテトテトテ……
梨子「……私は部屋に戻るわね」 曜「梨子ちゃん」
梨子「なに?」
曜「あんまりハッスルしすぎないようにね。声が漏れふぎゃあ!!太もも!!」
梨子「部屋に近づいたら耳取るから」スタスタスタ
曜「はい……」 ダイヤ「曜さん?何をしていますの、行きますわよ」
曜「後から追いつくので先に行ってて……」プルプル
千歌「おお!かっこいいセリフ!マンガで見たことある!」
ダイヤ「いいから早く来なさい」
千歌「ウーラジャー!」 ダイヤ「返事は『かしこまりました』です!」
千歌「かしこかしこまりましたかしこ〜!」
ダイヤ「……根本から叩き直す必要がありますわね」
曜「太ももが……痛い……」
・1 終わり ・2
ダイヤ「ここがキッチンです」
千歌「おおーひろーい!」
ダイヤ「当たり前でしょう。天下の小原家ですわよ」
千歌「ここでチャーハンとか作ったら美味しいだろうなー」
ダイヤ「何故にチャーハン」
曜「焼きそばとかもう絶品だよ!」
ダイヤ「貴女は黙ってなさい。次行きますわよ」 ダイヤ「そこがお手洗い、そして少し奥に行ったところにある扉が客間です」
千歌「お金持ちの家でよく見る鹿の首だ……」
ダイヤ「奥様の趣味ですわ」
曜「ただの飾りじゃないんだよ」
千歌「そうなの?」 曜「角を捻ると……」クイッ
ジョボボボボ
曜「なんと鼻からレモンティーが出るのであります!」
千歌「わーー!すごーーい!」
曜「面白いでしょー?」 千歌「私もやらせて!」
曜「いいよ、はいどうぞ」
ジョボボボボ
千歌「あはははは!」
曜「あはははは!」
ダイヤ「……バカが2人……」 善子「ちょっとー、うるさいわよー」
ダイヤ「あら善子様。おはようございます」
善子「せっかくの休みなんだから寝かせてよ……あら、その子は?」
ダイヤ「ああ、この子は……」
千歌「新人メイドの高海千歌です!」 善子「新人〜?聞いてないわよ」
曜「それは善子様が奥様の話をちゃんと聞いてないからじゃ」
善子「いやだって姉さんの話まともに聞いていいことある?」
曜「まぁ……9割くらい意味不明だもんね」
千歌「あの、この人は?」
ダイヤ「奥様の実妹である善子様です」 千歌「妹……。あ、よろしくお願いします!今日からお世話になりまくります!」
善子「いやなりまくられたら困るけど」
千歌「あんなところやこんなところまで掃除とか頑張ります!」
善子「……何この子」
ダイヤ「多分バカです」 善子「あ、そう……まぁいいわ。ダイヤ、コーヒー入れて」
ダイヤ「かしこまりました」
善子「ふぁ〜あ……梨子は?」
曜「部屋に戻りましたよ」
善子「またハッスルしてるんじゃないのあの子」
曜「はは……」
千歌「ハッスルって?」
ダイヤ「知らなくてよろしい」 ダイヤ「コーヒーです」
善子「ん」カチャカチャ
ドバッ
千歌「うっわ、砂糖あんなに……」
曜「善子様は大の甘党なんだよ」
善子「〜♪」ドバッドバッ
千歌「……見てるだけで胸焼けする」
曜「……同意」 ダイヤ「お体に障りますわよ」
善子「ほっといてよ。私の勝手でしょ」
ダイヤ「全く……」
千歌「……でも痩せてるねー」
曜「スレンダーだよね。羨ましい」
千歌「……出るとこ出てないよねー」
善子「」ピクッ
曜「あ」 善子「……あんた今なんて?」
千歌「おっぱいちっちゃいなーって」
曜「おおう、ど真ん中ストレート」
善子「……出てけー!」ドカーン!
千歌「あひゃあああ!!」 ダイヤ「貴女は考えて発言することを覚えなさい」
千歌「すみません太郎……」
ダイヤ「反省してませんね……」ピクピク
千歌「してます!」
ダイヤ「ったく……まぁいいですわ。次の部屋に行きますわよ」
千歌「はい!」 ダイヤ「――で、突き当りの大きな扉が奥様の部屋です」
千歌「凄い……」
曜「屋敷で一番大きな部屋だからね」
コンコン
「はぁい」
ダイヤ「ダイヤです」
曜「曜です」
千歌「え?えと、千歌っちです!」
ダイヤ「『っち』は余計です」 「どぞー」
ガチャ
ダイヤ「失礼しま……暑い!」
ムワァァァア
鞠莉「アーロハー♪」
曜「な、何をしてらっしゃるので……?」 鞠莉(ビキニグラサン姿)「真冬に南国気分ごっこしてたの〜」
千歌「暖房半端ないほどついてる……」
ダイヤ「な……」
鞠莉「3人もどう?今日はもう上がりでいいら〜」
ダイヤ「……奥様」
曜「千歌ちゃん逃げるよ!」
千歌「え?何で?」
曜「いいから早く!」タタタタ
千歌「わっ」 ガチャバタン
曜「耳塞いで!」
千歌「え、あ、うん」サッ
『何をしていますの貴女はーーーー!!!』ビリビリビリ!!
千歌「うひゃーー!!」
『そんなに怒らなくても』
『やかましい!早く片付ける!暖房を切りなさい!こんな事してるから電気代が高くつくのです!!大体貴女は普段から』
曜「こうなると長いから、次の部屋行こうか」
千歌「う、うん」 ー客間ー
善子「……あーうるさ。まーた姉さんダイヤを怒らせたわね」
善子「……」ズズズ
善子「……ゲームしよ」
・2 終わり いいとこのお嬢なのにメイド長が似合い過ぎるダイヤさん ・3
ジャボジャボ
千歌「ひゃあー!ちべたいー!」ギューッ
曜「冬の雑巾絞りは辛いねー」ギューッ
ダイヤ「はいはい、文句を言わない。やりますわよ」
千歌「ふぁーい」 ダイヤ「またそんな気の抜けた返事をして!」
千歌「すみませーん」
ダイヤ「その減らず口は閉じてあげましょうかね」
千歌「お、お掃除に裁縫道具を使うんですか?」
曜「どおどお、ダイヤさん」 ダイヤ「さぁやりますわよ」
千歌「……ホントにこのめちゃくちゃ広い書庫を3人でやるの?」
曜「頑張ろうね」
ダイヤ「1時間で終わらせますよ」
千歌「1時間!?頭おかしいんじゃないの!?」
ダイヤ「……」ガタッ
曜「おおっと、広辞苑2冊はダメだ」 千歌「ん〜……」フキフキ
ダイヤ「黙ってやりなさい」フキフキ
千歌「思ったんですけど」
ダイヤ「何です」
千歌「全然汚れてなくないですか?」
ダイヤ「当たり前です。2日に1回はしてますから」
千歌「えー!だったらやらなくてもいいじゃーん!」 ダイヤ「ダメです。ここはホコリが貯まりやすいのでこまめにやらないと、大事な書物が傷んでしまいます」
千歌「こういうところは年末にゲホゲホ言いながらワイワイやるところだよ……」
曜「年末にまとめてやるとそれこそ大変だからね。書庫は普段から使うから」
千歌「うぇ〜……」
ダイヤ「何です文句ばっかり。それでもメイドですか」
千歌「これじゃただの掃除屋だよ」
曜「あはは……」 千歌「フキフキフキフキスナフキン〜♪」フキフキ
千歌「フキフキ〜……ん?」ピタッ
千歌「何この真っ黒な本」スッ
千歌「背表紙も表紙も何も書いてない……んー?」 曜「どしたのー?」
千歌「これってなんの本だろ?」
曜「どれどれ……見たことないなぁ」
千歌「なんにも書いてないんだ」
曜「中見たら?」
千歌「大丈夫かな。頭がダイヤモンドメイド長にヘドバンされないかな」
曜「ちょっとくらい大丈夫だよ。その発言の方がよっぽど危険だから」 千歌「どれどれ……」ペラペラ
曜「『堕天使ヨハネの死亡録』?なんか1ページ目から死んでるけど大丈夫かな?」
千歌「なになに……『これは神に背中を向け、地の底へと堕ちた天使の、人間界での瞬きの時間の記録である』……何言ってるか全然わからないや」
曜「あ、なんか名前書いてる」
千歌「どこ?」
曜「ここ、下のところ」 >>51 一つ飛んだ 修正
千歌「どれどれ……」ペラペラ
曜「『堕天使ヨハネの死亡録』?なんか1ページ目から死んでるけど大丈夫かな?」
千歌「なになに……『これは神に背中を向け、地の底へと堕ちた天使の、人間界での瞬きの時間の記録である』……何言ってるか全然わからないや」
曜「あ、なんか名前書いてる」
千歌「どこ?」
曜「ここ、下のところ」
千歌「あ、ホントだ。えーと……『身を隠すため、人間界では仮名を名乗ることにした。人間界では私は――』」 ーーー
ダイヤ「終わりましたわね」
千歌「うへー、疲れた……」
曜「お疲れ様、千歌ちゃん」
ダイヤ「少し休憩にします。終わったらエントランスに集まるように」
千歌「はーい」
スタスタスタ…… 曜「千歌ちゃん、コーヒー飲む?」
千歌「私コーヒー飲めない……」
曜「ありゃ、そうなの」
善子「ふん、お子様ね」
曜「善子様。お仕事は?」
善子「こっちも休憩よ。曜、コーヒー私の分も」
曜「かしこまり!」ビシッ 千歌「……」ジーッ
善子「何よ、人の顔をジロジロと」
千歌「いやその……」
曜「コーヒーお待ちどー!千歌ちゃんはレモンティー入れてきたよ」
善子「サンキュ」ドバドバ
千歌「ありがと!」 善子「〜♪」ズズズ
千歌「……」ジーッ
善子「だから何よさっきから。言いたいことがあるから言いなさい」
千歌「えっと……」
千歌「堕天使ヨハネって何ですか?」
善子「!?!?」ブッフォォォ
善子「あづっ!!コーヒーこぼれたぁぁ!!」
曜「わっ、大変!」 善子「ちょ、何であんたそれを!?」
千歌「書庫にありましたよ」
善子「なっ!?ちゃんとカモフラージュ出来てたはずなのに!!」
曜「ええ……あれで隠してたつもりなんだ……」
千歌「大天使ミカエルの怒りが現世をー」
善子「ああああああああ!!!中身を声に出すんじゃないわよ!!!!」
曜「あ、ちょ、善子様。足元にこぼしたコーヒーが」
ツルッ
ゴッチーーーーン!!
善子「いっっったーーーー!!!」
ギャーギャー!
梨子「……うるさいわね……」 ー鞠莉の部屋ー
鞠莉「んー休憩中に飲むコーヒーは格別ね!」
鞠莉「はー……あらこの写真は……」スッ
鞠莉「懐かしい〜!高校の頃の善子じゃなーい!」
鞠莉「うふふ……この頃の善子は可愛かったわ〜♪自分のこと本気で堕天使とか言っちゃって……あははっ」
鞠莉「善子が面白いこと書いてた、あの真っ黒のノートはどこやったかしら」
鞠莉「今度ダイヤに探してもらおーっと」
・3 終わり 一旦ここまで
また今日の夜にでも
メイドのお仕事はあまり分からないので、細かいところは見逃してください 曜ちゃんのポジションいいね
キャラクターの個性をいい感じに崩してほのぼのする まるルビはセットで出てきそう
かなんは主人かなん? ・4
千歌「買い出し?」
ダイヤ「ええ。朝食のパンがもうすぐ無くなるので」
千歌「てっきり作るのかと……」
ダイヤ「それもいいですけど、奥さまが大層気に入ってるパン屋がありまして」
千歌「へぇー……じゃあ行ってらっしゃいませ」
ダイヤ「貴女も行くんです」ムギュゥゥ
千歌「ほっへはがぁ!(ほっぺたがぁ!)」 ーー
ガヤガヤガヤ
「いらっしゃいませー!」
「今日はいいお魚入ってるよー!」
千歌「賑わってますねー」
ダイヤ「この町一番の市場ですから」 千歌「いろんなお店がある……」
ダイヤ「……貴女はこの町の出身ではなくて?」
千歌「はい。ついこの間来たばかりです」
ダイヤ「そうですか……」
千歌「ん、なんだかいい匂いがする!」
「嬢ちゃん!焼きたてのケバブはどうだい?」
千歌「ケバブ!食べたい!」 ダイヤ「こら、ダメですよ」
「お、小原さんとこのメイドちゃんじゃねーか。嬢ちゃんは新入りか?」
千歌「はい!高海千歌でーす!」
「はっは!元気があっていいな!」
千歌「元気だけが取り柄です!」
ダイヤ「余計な事を言わない」 「買い物かい?」
ダイヤ「はい。パンを少々」
「ああ、花丸ちゃん達のところか。よろしく言っといてくれ」
ダイヤ「わかりました」
「ケバブはいらねーか?」
ダイヤ「気持ちだけ受け取っておきますわ」
「はっは!相変わらずだな!」
千歌「頭硬いですよねー?」
ダイヤ「また来ますわね」ギュゥゥゥ
千歌「耳がぁ!!」 「またよろしくなー!」
ダイヤ「はい、失礼しますわ」
千歌「痛い……」
ダイヤ「自業自得です」
千歌「ケバブ食べたかった……」
ダイヤ「諦めなさい。ほら、着きましたわよ」
千歌「クンクン……おお、パンの匂いだ!」
ダイヤ「当たり前でしょう。パン屋なんですから」 ガラガラ
花丸「いらっしゃいませー!……あ、ダイヤさん」
ダイヤ「ご機嫌よう。どうですか、最近は」
花丸「ボチボチずら。そちらの人は?」
ダイヤ「この前入った新人です」
千歌「新人メイドの高海千歌です!よろしくお願いします!」
花丸「よろしくお願いしますずら」ペコリ ダイヤ「ルビィは?」
花丸「ちょっと待ってね。ルビィちゃーん!」
ルビィ「はーい!……あ、お姉ちゃん」
ダイヤ「休憩中でした?」
ルビィ「ううん、大丈夫」 千歌「お姉ちゃん?」
ダイヤ「ルビィはわたくしの妹です」
千歌「え!?妹!?」
ルビィ「はい」
千歌「嘘だ!」
ダイヤ「嘘じゃありません。何を言うのです」
千歌「だってこんな小動物みたいな可愛い子のお姉ちゃんがこんなリクガメの甲羅みたいにカチカチ頭なわけぎゃあああああ!!」
ダイヤ「貴女は失礼という言葉を知らないのですか?」
千歌「故郷に置いてきました」
ダイヤ「ほんっと減らず口ですね……」 千歌「姉妹で全然違うことしてるんですね」
ダイヤ「別に姉妹が同じことをしなければいけないなんて決まってませんから」
千歌「まぁ確かに……」
花丸「今日はどうするずら?」
ダイヤ「フランスパンと食パンと……」 千歌「……」キョロキョロ
ルビィ「新作のパンはどうですか?」ヒョコ
千歌「わっ」
ルビィ「みかんコロネです」
千歌「みかんコロネ?」
ルビィ「はい。みかんクリームが中に入ってるんです。さっぱりした甘さで食べやすいですよ」
千歌「何それ美味しそう……」 ルビィ「一口食べてみます?」
千歌「いいの!?」
ルビィ「はい。どうぞー」
千歌「あむっ」パクッ
千歌「〜!おーいしー!」
ダイヤ「千歌さん?」
千歌「はうっ!1個だけしか買いませんから!」
ダイヤ「まだ何も言ってないのですが」 千歌「おねがいします〜!1個だけ〜!」ベタベタ
ダイヤ「くっかないでください!鬱陶しい!」
千歌「ダイヤさぁん〜」
花丸「……変な新人さんずら」
ルビィ「あはは……」 ダイヤ「はい」スッ
千歌「え?」
ダイヤ「お小遣いです。まだお給料もらってないでしょう」
千歌「いいんですか?」
ダイヤ「今回だけですよ。来月からは自分のお金で買いなさい」
千歌「ありがとうございます!ダイヤさんのやわもち頭!」
ダイヤ「それは褒め言葉ですの?」
千歌「最高級の褒め言葉です!やったー!」
ダイヤ「買いすぎてはダメですよ?」
千歌「はーい!」
ダイヤ「全く……」 花丸「変だけど、面白い新人さんずらね」
ダイヤ「やかましくて疲れますわ」
花丸「ふふ、ダイヤさんは面倒見がいいずら」
ダイヤ「教育係ですから」 千歌「みかんコロネください!」
ルビィ「はーい!おいくつで?」
千歌「全部!」
ルビィ「全部!?」
千歌「あ!あとさっきのケバブ買ってくる!」ガラガラガラ
ダイヤ「あ!こら待ちなさい!千歌さんんんんん!!」ダダダ
ルビィ「行っちゃった……」
花丸「やっぱり変な新人さんずら……」 一旦ここまで
今日にもう1話投下できるか頑張ってみます ・5
鞠莉「じゃ、よろしくね」
曜「了解であります!」
鞠莉「果南によろしく」
曜「はーい!」 曜「〜♪」イソイソ
梨子「あら、どこか行くの?」
曜「あ、梨子ちゃん。果南様のところだよ」
梨子「……私も行っていい?」
曜「ん、珍しいね」
梨子「暇だから」
曜「この前届いてた同人誌は読み終わったの?」
梨子「なんの話?」ニコッ
曜「何でもありません……」 ーー
ガタンゴトン ガタンゴトン
曜「はい、お弁当」
梨子「ありがとう。曜ちゃんのお弁当久しぶり」
曜「今日はきのこの炊き込みご飯だよ」
梨子「開ける前に言わないで欲しかったな」パカッ
曜「あ、ごめんね」 梨子「うん、美味しそう」
曜「お嬢様のお口に合うでしょうか」
梨子「お嬢様って呼ばないでって」
曜「あはは、ごめんね」
梨子「……ん、美味しい」
曜「良かった」 梨子「どれくらいかかるんだっけ」
曜「1時間くらいかな」
梨子「そんなに近かったかしら」
曜「結構遠いよ」
梨子「……」パクッ
曜「私も食べてもいい?」
梨子「どうぞ」
曜「いただきます!」
梨子「……」パクッ ー郊外ー
果南「〜♪」キュッキュッ
果南「……ん」ピタッ
「こんにちはー!」
「こんにちは」
果南「お、珍しいお客さんだ」 曜「お届けものでーす!」
果南「いらっしゃい、曜」
梨子「こんにちは、果南さん」
曜「梨子、久しぶり。元気?」
梨子「はい」 果南「届けものって鞠莉から?」
曜「はい!これです」
果南「ありがと」
梨子「今日はお客さんいないんですね」
果南「んー、最近閑古鳥ないちゃっててねー」
曜「松浦食堂の美味しさを皆忘れたのか……」 果南「んーというかこの辺人減っちゃってねー」
梨子「まぁ、お年寄りの方が多かったからですからね」
曜「中々キツいこと言うね」
梨子「自然な流れよ」
果南「ははっ、相変わらずだね梨子」 果南「何か食べる?奢るよー」
梨子「あ、さっきお弁当食べたんで」
果南「ありゃ残念」
曜「私が作ったんです!余ってるから食べます?」
果南「ん、じゃあ貰おうかな」 曜「今日はきのこの炊き込みご飯です」
果南「おお、美味しそう」パクッ
果南「……ん、また腕上げたね曜」
曜「ありがとうございます!」ビシッ 果南「よし、もう今日は店閉めよう!」
梨子「え、いいんですか?」
果南「いいよ、待っててもどうせ来ないし」
梨子「自由だ……」
果南「2人とも、今日は時間ある?」
曜「大丈夫でーす」
梨子「ありますけど……」
果南「よし、釣りしに行こうか」 果南「ほっ」ピシャッ
曜「おおー、イカだ!」
梨子「寒い……」
果南「今日は冷え込むねー」
梨子「いや海にいるからだと思いますけど……全然釣れないし……」
曜「来た!……長靴……」 果南「鞠莉から聞いたけど、面白い新人が入ったんだって?」
梨子「面白いというかうるさいというか……」
曜「千歌ちゃんでしょ?面白いよー!」
梨子「いや毎日騒々しいんだけど」
曜「梨子ちゃんちょっと敏感すぎるんだよ。夜あんなに声上げてるクセにふぎゃあ!!耳がぁ!!」 梨子「千歌ちゃんもだけど、ダイヤさんの怒鳴り声が……」
曜「それは今に始まったことじゃないじゃん……いてて……」
梨子「お母様も相変わらずだし……はぁ……」
果南「鞠莉もダイヤも相変わらずかー。それはよかった。ほっ」ピシャッ
曜「わっ!ヒラメだ!」
梨子「すごい……」 果南「善子は元気?」
曜「ええ、相変わらずです」
果南「今度顔出してって言っといて」
曜「かしこまり!」
梨子「善子叔母さん、あんまり来たがらないですよね」
曜「果南様のこと、昔から少し苦手みたいですから」
果南「来ないならこっちから迎えに行くって言っといてー」
梨子「は、はい……」
曜「あはは、逃げられないなー」 グツグツグツ
果南「ほいっ、出来たよー」
曜「おお!美味しそう!」
梨子「いい匂い……」
果南「名付けて『今日釣った魚をぶち込んだけ鍋』ー!」
梨子「定食屋さんがそのネーミングはどうかと」
果南「梨子のはっきり言うところ、嫌いじゃないよ」 曜「んー!美味しい!」
梨子「あったまる……!」
果南「はー美味い!」トクトク
曜「あ、お酒」
果南「いやー鍋にはやっぱね。飲まないと」
梨子「まだ夕方ですよ……」
果南「たまにはこういう日があってもいいじゃん……ぷはーっ!」
梨子(オヤジくさいなぁ……) 曜「はむはむ」
梨子「あ!私が狙ってた豆腐!」
曜「早い者勝ちだよっ」
梨子「食べ過ぎよ!私全然食べてない!」
果南「まま、喧嘩しないの。まだあるから」
曜「イカ美味しいな〜」パクパク
梨子「だから食べ過ぎだって!」
果南「まぁまぁ落ち着いて梨子……」
・5 終わり 曜「はむはむ」
梨子「あ!私が狙ってた豆腐!」
曜「早い者勝ちだよっ」
梨子「食べ過ぎよ!私全然食べてない!」
果南「まま、喧嘩しないの。まだあるから」
曜「イカ美味しいな〜」パクパク
梨子「だから食べ過ぎだって!」
果南「まぁまぁ落ち着いて梨子……」
・5 終わり ・6
千歌「うー寒い……」シャッシャッ
曜「冷えるねー」シャッシャッ
千歌「こんな朝から庭掃除なんて……凍え死んじゃう……」
曜「大丈夫だよ。豪華なお墓建ててあげるから」
千歌「死んでるのに大丈夫とか無責任な事言わないで」 『奥様!!早く起きなさい!!』ビリビリビリ
千歌「おぉ〜……ダイヤさん朝から元気だなー……」
曜「多分もう1発くるよ」
千歌「え?」
『善子様!!いつまで寝てるんですか!!』ビリビリビリ
千歌「おー……モーレツゥ」
曜「姉妹揃って寝坊助だから」
千歌「変なところ似てるね」 曜「さ、早く庭掃除終わらせないと私達も怒鳴られるよ」
千歌「はーい」
ー朝食ー
鞠莉「あ〜行きたくない〜」カチャカチャ
善子「永久にベッドに入っていたい……」
ダイヤ「馬鹿な事言ってないで早くお食べなさい。今日は朝から定例会でしょう」 鞠莉「めんどくさぁい。ダイヤ、代わりに出てくれない?」
ダイヤ「奥様……いい加減にしなさい」
鞠莉「そ、そんなに怖い顔しなくてもいいじゃな〜い」
善子「あのオヤジ達めんどくさいのよ……誰かさんと同じ石頭だし」
ダイヤ「善子様?」
善子「わーかったわよ。すぐ怒るんだから……」 鞠莉「ねぇ善子。最初の挨拶善子がやってくれない?」
善子「は?嫌よ。先月も私がやったでしょ」
鞠莉「おねがぁいん♡」クネクネ
善子「気持ち悪いわね。いい歳したおばさんが何してるのよ」
鞠莉「自分もおばさんのクセに」
善子「喧嘩なら買うわよ」 鞠莉「スキあり!」バッ
善子「あ!私のパン!返しなさいよ!」
鞠莉「あむっ」
善子「むきーーー!!」
ダイヤ「いいから早く支度をしなさい!遅れますわよ!」
千歌「すっごく嫌そう……」
曜「定例会の時はいつもこうなんだよ」
千歌「そうなの?」
曜「重役の人達と上手く行ってないんだってー」
千歌「へぇー……」 ーー
ダイヤ「行きますわよ。車に乗ってください」
善子「うぁーい……」ノロノロ
ダイヤ「テキパキ動く!」
善子「あれ、姉さんは?」
ダイヤ「そういえば……どこいったのです」 パカラッパカラッ
鞠莉「んー!今日は乗馬日和ね!行くわよスターブラスト号!」
ダイヤ「……今夜の夕食は馬刺しですね」
善子「姉さん!早く戻ってきなさい!」 ダイヤ「じゃ、家のことよろしく頼みますわよ」
ようちか「はーい」
ダイヤ「行きますわよ、お二人とも」
よしまり「うぁーい……」
ブロロロロ……
千歌「……大変だね」
曜「そうだね」
千歌「あの2人ってちゃんと働いてたんだね」
曜「まぁ、普段は家で仕事してるから。会議とか定例会とかの時は今みたいに外出するけど」
千歌「そうなんだ。善子様とか毎日やつれた格好してるから不思議だったんだ。原稿書いてるかと思ってた。薄いやつ」
曜「先入観半端ないね」 梨子「門の前で何話してるの」
千歌「あ、お嬢様」
梨子「……お嬢様って言うのやめて」
千歌「じゃあバイタリズム様」
梨子「使ってるシャンプーで呼ぶのはOKだと思った?」 曜「梨子ちゃんでいいんだよ、千歌ちゃん」
千歌「馴れ馴れしくない?」
梨子「いいのよ。私がそうしてほしいんだから」
千歌「分かったよ、梨子ちゃん」
梨子「うん。じゃあ学校行ってくるわね」
千歌「いってラッシャー板前」
梨子「はいはい……」
曜「コマネチで返さないと」
梨子「いや、なんでよ」 ーー
千歌「今から何するの?休み?」
曜「残念ながら違うよ。掃除と洗濯」
千歌「えー……」
曜「えーって、仕事なんだから」
千歌「家事が仕事なんて聞いたことない!」
曜「いやメイドが何言っちゃってるの……」 ー
曜「天気いいから洗濯物干すよー!」
千歌「はーい」
曜「ホイホイっと」パンパン
千歌「うわぁ……エッチな下着……」
曜「それ奥様のだね。相変わらずの趣味だなぁ……」
千歌「まぁらしいっちゃらしいね……」 曜「ん、見たことない下着だ」
千歌「どんな下着があるか覚えてるの?」
曜「まぁ毎日してたら覚えちゃうよ」
千歌「変態だ……」
曜「その罵りは不本意だ」 千歌「見たことないって、新しいのを誰か買ったのかな」
曜「んー多分……わぁ、どキツイ……」
千歌「こっちのシンプルなのは?」
曜「あ、これは善子様のだね」
千歌「3人分の下着……つまり残りは……」
曜「……梨子ちゃん、なにか悩みがあるのかな」
千歌「そういう方向の心配になるんだ」 千歌「へー……ってなんで知ってるの?」
曜「……こっそり開けてるのは黙っててください」
千歌「えーどーしよっかなー?」ニヤニヤ
曜「いやマジで。お願いします。目ん玉えぐり取られちゃう」ギュゥゥゥ
千歌「わ、分がっだがらはなじでぇぇぐるじぃいいい!」 ーー
フィーン
千歌「掃除機かけるのがこんなに苦痛なんて……」
曜「広いからしょうがないよ。昔はほうきではわいてたんだから贅沢言わないの」
千歌「ルンバ買おうよルンバ」
曜「とことん楽な方向に走るなぁ……」
千歌「楽して稼ぎたいのだ」
曜「ダメイドだ……」 千歌「フィィィィィン」コロコロ
曜「口で掃除機の真似してサボってもダメだよ」
千歌「結構似てると思わない?」
曜「下らないことしてないで早くしないと終わらないよ」
千歌「モノマネコンテストに出ようかな」
曜「絶対予選敗退だからオススメしない」 ーー
千歌「どへぇ……終わったぁ……」
曜「よーし、そろそろ皆帰ってくるから夕飯の準備しようか」
千歌「私はもうダメだ……あとは頼ん……だ……」ガクッ
曜「ハイハイ行くよー」グイッ
千歌「曜ちゃんの鬼ー!」ズルズル 曜「これは梨子ちゃんと私たちの分」カチャカチャ
千歌「あれ、今日は一緒に食べていいの?」
曜「うん。千歌ちゃん、そこの料理持ってきてー」
千歌「え?どこ行くの?」
曜「離れだよ」 ー離れー
ガチャ
千歌「ここは……?」
曜「プライベートルームだよ。さ、料理運んで」
千歌「何でここに?」
曜「奥様と善子様、ダイヤさんは今日ここで食事するから」 千歌「どうして?いつものダイニングじゃ……」
曜「今日はキツいお仕事だからね。そういう日は決まって3人でここで食事するのが決まりなんだ」
千歌「へぇ……」
曜「ワインはこれでいいかな?よし、と……戻ろうか千歌ちゃん」
千歌「う、うん……」 ーー
ダイヤ「ただいま戻りました」
鞠莉「づかれだ……」
善子「うへぇ……」
千歌「お、おかえりなさいませ」
曜「おかえりなさいませ。お夕食の準備、出来ております」
ダイヤ「ご苦労さま。お二人とも、離の方へ」 鞠莉「よっしゃあ!飲むわよー!」
善子「程々にしなさいよ。酒癖悪いんだから」
鞠莉「固い事言わないのー!ダイヤじゃないんだから!」
ダイヤ「何ですって?」
モー! オコラナイノー! ダイタイアナタハ……
曜「よし、千歌ちゃん。梨子ちゃんの帰るのを待とうか」
千歌「はぁい……」 ー再び離れー
善子「もーあのハゲオヤジほんっと融通効かないんだから!どうにかならないの?」
鞠莉「ムリよムリー。あれは死なないと直らないわね」
ダイヤ「口が悪いですわよ、はしたない」
鞠莉「いーじゃない。ほらダイヤ、座って」 ダイヤ「……全く、鞠莉さん貴女は昔から」
鞠莉「メイドモード解除してるんだから説教はなしよ!」
善子「そうよ。切り替え切り替え」
ダイヤ「善子さんもです。貴女がしっかりしないからこの人は」
善子「ダイヤがいるからいいかなーって」
ダイヤ「わたくしばかり頼ってもらっても困ります!」 鞠莉「頼りにしてるわよ、マイベストフレンド♡」
善子「右に同じ」
ダイヤ「調子のいい……」 鞠莉「あら〜?顔がにやけてるわよ〜?」
ダイヤ「にやけてません!」
善子「素直じゃないんだから」
ダイヤ「貴女に言われたくないですわ!」
鞠莉「はいはい。乾杯にしましょ」
ダイヤ「鞠莉さん!」 善子「もう、ほらグラス持ちなさいよ」
ダイヤ「……覚えてなさい」
鞠莉「おー怖い怖い!」スッ
ダイヤ「……はぁ」スッ
善子「ふふ……」スッ
鞠莉「じゃあ、お疲れ様ってことで!」
「「「カンパーイ!」」」
・6 終わり おつ
もしかして>>136と>>137の間抜けてます? >>136修正
曜「いやだって定期的に届く梨子ちゃん宛ての荷物、全部女の子しか出てこないよ?」
千歌「へー……ってなんで知ってるの?」
曜「……こっそり開けてるのは黙っててください」
千歌「えーどーしよっかなー?」ニヤニヤ
曜「いやマジで。お願いします。目ん玉えぐり取られちゃう」ギュゥゥゥ
千歌「わ、分がっだがらはなじでぇぇぐるじぃいいい!」 >>153
>>136じゃなくて>>137の修正
ミスばっかでごめんなさい ・7
千歌「お給料はいったーー!」
曜「やったね!」
千歌「どれどれいくらかな……」ゴソゴソ
千歌「……!!」
曜「おーすごい顔」
千歌「……こ、こんなに貰っていいの……?」
曜「太っ腹だよねー。私も最初びっくりしたもん」 千歌「やばい……いい競走馬買えるよ……」
曜「年頃の女の子がそれはちょっと……」
ダイヤ「無駄遣いしないように」
千歌「はい!ルンバは無駄遣いに入りますか?」
ダイヤ「魂胆が丸見えなので無駄遣いです」
千歌「ちっ……」
ダイヤ「舌打ちしました?」
千歌「してません」 鞠莉「今日は皆休みでいいわよ〜。お給料で遊んできなサーイ」
千歌「いやったーー!奥様サイコーー!」
鞠莉「え?ウルトラ美人スタイル抜群心が広すぎるって?も〜褒めすぎよ〜」
曜「全く言ってないですよ」 千歌「お買い物行きたーい」
曜「私もー」
千歌「でもまだどこに行けばいいのかよく分からない……」
曜「一緒に行こうか。案内してあげる」
千歌「うん!」
曜「せっかくだし梨子ちゃんも呼ぼう」
千歌「おっけー!」 ー梨子の部屋ー
梨子「……」カチカチ
梨子「……あ、委託されてる」
梨子「買おうかな……お小遣い入ったし。いやでも来週のオンリーイベで使う費用が……」
梨子「……」
梨子「いやでも早く買わないと無くなって……ああ、どうしよう」
梨子「んー……」カチカチ
梨子「……買う!」ターン! 千歌「呼ばれて飛び出てドドドーン!」
梨子「うっひゃあああああ!!」
千歌「梨子ちゃーん!お買い物行こー!……何見てたの?」
梨子「ちちちょっと!ノックしなさいよ!」
千歌「はいサードー」コーン
梨子「馬鹿なの?」 千歌「あ、パソコンだ。エッチな動画見てたなー?」バタン
梨子「み、見てないわよ!」
千歌「じゃあ何見てたのー?」
梨子「プライバシーだから答えられません」
曜(また同人誌サイト漁ってたな……)
梨子「」ギロッ
曜「何も言ってないよっ」
梨子「……」ジーッ
曜「怖いよ……」 梨子「……」ジーッ
曜「怖いよ……」
千歌「美人なのにそんな顔したらダメだよー」
梨子「び、美人?」
千歌「うん。梨子ちゃん美人だよねー」
梨子「……それより、何か用だったの?」
曜(結構単純なんだよね……) ーーー
梨子「何買うの?」
千歌「お洋服!」
曜「そろそろ新しいの欲しかったんだー」
梨子「曜ちゃんお裁縫得意じゃない。自分で作ればいいのに」
曜「それでもいいけど、お店にも素敵なお洋服があるから」 千歌「え、曜ちゃんお洋服作れるの?」
曜「うん、まぁ少し」
梨子「私が着てるこの服」
千歌「え、まさか」
梨子「そう、曜ちゃんが作ってくれたんだよ」
千歌「えーー!すごーーい!」
曜「いやまぁ、そんなことは……」 千歌「お店に売ってるもの変わらないじゃん!人は見かけと行動によらないんだね!」
曜「褒められてる……のかな?」
千歌「ワタナベブランドとして一儲けしない?」
梨子「給料貰ってすぐに儲け話って……」 ーー
千歌「やー買った買った!」
曜「満足満足」
梨子「あの……ほんとに良かったの?私の分、奢ってもらっちゃって……」
千歌「いいんだよー!こーいうときは社会人に任せるのだ!」
梨子「社会人って……」 曜「お小遣いは取っときなよ。買いたいものあるんでしょ?」
梨子「うん、まぁ……」
曜「来週オンリーイベントとかふぎゃあ!太もも!」
千歌「わっ、どうしたの?」
梨子「何でもないわよ」ニコッ
千歌「あ、そう……」 グゥ〜
千歌「お腹空いた……」
曜「お昼ご飯食べようか」
梨子「どこ行く?」
曜「えーっとこの辺だと……」 ガラガラ
花丸「いらっしゃいませー!……およ」
ルビィ「あ、こんにちはー!」
曜「2人とも久しぶりー!」
千歌「え、ここで食べるの?」
曜「うん。花丸ちゃん、奥空いてる?」
花丸「空いてるずらよ〜」
千歌「奥?」
ルビィ「そこの暖簾の向こうの部屋へどうぞ」 千歌「おー、テーブルがある」
曜「お店のパンを選んで、ここで食べられるんだよ」
梨子「飲み物も頼めるのよ」
千歌「へー!絶好のサボり場所だね!」
曜「またダイヤさんが怒りそうなことを……」
ルビィ「梨子ちゃんも久しぶりだね」
梨子「ええ、2人とも元気だった?」
花丸「うん。鞠莉さんは元気?」
梨子「うるさいくらいよ……」 ルビィ「3人とも、お飲み物は?」
千歌「何があるの?」
曜「はい、メニュー」
千歌「ふんふん……あ、みかんジュースで!」
曜「私ダージリンティー」
梨子「私はコーヒーもらおうかな」
花丸「かしこまりましたずら!」
ルビィ「待ってる間、パンを選んでてください」 千歌「みかんコロネとーえっとー……」
曜「千歌ちゃんみかん味好きだねー」
千歌「まーねー。好きすぎて髪染めたくらいだからー」
曜「え、そうなの?」
千歌「うそ、地毛だよ」
曜「そういう冗談はやめて……」 千歌「曜ちゃんはなに食べるの?」
曜「あんぱんと普通のチョココロネ」
千歌「おー。梨子ちゃんは?」
梨子「チョコクロワッサンとレーズンパン」
千歌「ふぇー……」
梨子「……なにその面白くないって顔」
千歌「そんなこと思ってないよ。フランスパン丸齧りとかしたら面白いとしか思ってないよ」
梨子「何が面白いのそれ……」 ーー
千歌「んージュースもパンも美味しー!」
花丸「ありがとうずら」
曜「至福のひと時だね」
梨子「ええ、申し分ないわ」
千歌「毎日来ます」
曜「いやそれは……明日から仕事だよ千歌ちゃん」 千歌「じゃあここに住む!」
梨子「何馬鹿な事言ってるのよ……」
千歌「馬鹿っていう方が馬鹿なんですー!」
梨子「子供みたいな事言わないの!」
ルビィ「あはは……」 ーー
ーダイヤの部屋ー
ダイヤ「……」ペラペラ
『最高級ウサちゃん抱き枕、85000円』
ダイヤ「……やっと買えるわ……」
ダイヤ「……おほっ」
ダイヤ「……」パタン スクッ
スタスタスタ
ガチャ バタン 待ってますから
>>1のペースで無理せずに書いてね ・8
ダイヤ「乗り込みます」
千歌「カチコミ?」
曜「ダイヤさんやっぱりヤk……」
ダイヤ「違います。やっぱりってなんですか」
千歌「普段の言動」
ダイヤ「どういう意味です?」ギュゥゥゥ
千歌「それそれ!いたたたたた!!」 千歌「ど、どこに乗り込むの?」
ダイヤ「善子様の部屋ですわ」
曜「あー……」
千歌「なになに?何かあるの?」
ダイヤ「百聞は一見にしかず。行きますわよ」 ー善子の部屋ー
善子「……」カチカチ
善子「……あ、くそ。誰よ後ろから撃ってきたの」
善子「ふん、ショットガンなんてアマちゃんだわ」カチカチ スドーン
善子「よし。どんなもんよ」
ガチャ バーーーン!!
ダイヤ「失礼しますわ!!」
善子「うっひゃぁぁあああ!!!」 曜「お片づけしに来ましたー」
善子「ちょ、まっ」
千歌「うわ何これ!汚っ!」
ダイヤ「相変わらず片付けができない人ですね。やりますわよ」
曜「了解であります!」
善子「待って待って待って!勝手に何してんのよ!」
ダイヤ「なにか文句でも?」ギロッ
善子「あ、いや、何でもないです……」
千歌「弱っ」 ダイヤ「邪魔ですから出ていってください」
善子「え、いや、私の部屋なんだけど」
ダイヤ「ゴミと一緒に捨てられたいのですか?」
善子「出ていきマース」 善子「くっ……油断してたわ。対策出来てなかった……」
善子「あーもう……客間行こ」
ガチャ
善子「はーあ……」
果南「やっ、善子」
善子「!!」
果南「元気だった?」
善子「失礼しました」バタン
果南「……」 ガシッ
果南「お土産待ってきたんだー。一緒に食べる?」グググ
善子「質問の意味!!」
果南「遠慮しないのー」グググ
善子「遠慮の意味調べて来なさい!」 善子「何でいるのよ……」
果南「親友に向かってその言い草は酷いんじゃないかなん?」
善子「親友になったおぼえないんだけどか」
果南「そんな悲しいこと言わないでよー!」ハグッ
善子「鬱陶しいから離れて!」
果南「冷たいなぁ」
善子「いい歳した女二人が抱き合って何の得があるのよ」
果南「コアな層」
善子「そんな層聞いたことないんだけど」 果南「部屋から出てくるなんて珍しいね。今日休みなんでしょ?」
善子「ダイヤに部屋を強制清掃されてるのよ」
果南「あははっ、まーた散らかして部屋汚くしたんでしょ」
善子「余計なお世話よ。プライバシーの侵害だわ」
果南「いい歳して片付け出来ないからおよめの貰い手も現れないんだよ」
善子「貴女に言われたくない」 果南「私は一人が好きだから」
善子「天国のお爺さん泣いてるわよ」
果南「大丈夫。どうせ酒飲んでるよ」
善子「はん、何それ」 善子「で、今日は何しに来たの」
果南「暇だったから皆の顔を見に」
善子「暇って……お店上手くいってないの?」
果南「最近はずっと閑古鳥鳴いててね」
善子「ふーん……」
果南「そろそろ辞め時かなーって」
善子「……ま、好きにしたらいいんじゃない?貴女のお店だし」
果南「あはは、善子らしい返しだ」 果南「ね、ね、面白い新人が入ったって聞いたんだけど」
善子「ああ……あのバカメイドのこと?」
果南「どこにいるの?会ってみたい」
善子「私の部屋掃除してるわよ」
果南「行ってくる」
善子「だめよ」 果南「何で?いいじゃん」
善子「貴女にだけは私の部屋に近づかせない」
果南「昔善子の部屋にあったノートのポエムを拡大印刷して屋敷中に貼りまくったの、まだ引きずってるの?」
善子「20年以上私の怒りの炎を燃やし続けてるのよそれ……!」 善子「思ってないでしょ……」
果南「思ってる思ってる」スクッ
善子「思ってるなら部屋に行こうとするな」ガシッ
果南「ちっ」 ガチャ
千歌「善子様ー、このノート捨ててもいいかってダイヤさんが」
善子「あ、それはダメよ。棚に置いといて」
千歌「えーどう見てもゴミなのに……」
善子「人の私物ゴミ呼ばわりとはいい度胸ね」 果南「お、この子が新人ちゃん?」
千歌「え?あ、はい!高海千歌と申します!」
果南「おー元気が良くてよろしい!」
千歌「あの、どちら様で……?」
果南「あ、ごめんね。松浦果南と申します」
善子「この人は姉さんとダイヤの同級生よ」 千歌「へー……ダイヤさんとも?」
果南「うん、そだよー」
千歌「なんかダイヤさんと鞠莉さんの関係がイマイチ分からないんですけど……」
果南「んーその辺の話は長くなるからまた今度ね。それより善子の部屋掃除してるんだって?」 千歌「そーなんですよ!めちゃくちゃ汚い!」
善子「うるさいわね!」
果南「私も手伝ってあげようか?体力なら自信あるよ」
千歌「是非!」
善子「やめなさい!!」 ーー
ダイヤ「ふぅ……やっと終わりましたわ」
曜「ゴミ袋がいちにーさんしー……」
千歌「よくこんな部屋にいたね……」
善子「別にいいでしょ。私の勝手よ」
ダイヤ「掃除してもらっといてその言い草は何です?」
善子「頼んでないし」 ダイヤ「善子様、少しお話があります」
善子「また今度ね!」ダッ
ダイヤ「曜さん」
曜「はいよー!」ガシッ
善子「あっ!コラ離しなさい!」ジタバタ
曜「ごめんなさい、逆らうとあとが怖いから」
善子「主従関係どうなってんのよ!」
ダイヤ「さ、こちらの部屋に」
善子「あああああぁぁぁぁ……」ズルズル
千歌「連れてかれちゃった」
曜「しょうがないね」 ープライベートールームー
ダイヤ「ふぅ……遅くなりましたわ」
果南「お疲れ様」
鞠莉「うふふ、善子はこってり絞られたみたいね」
ダイヤ「どうせ懲りてないんでしょう。全くあの人は……」
果南「ダイヤも相変わらずだね」
ダイヤ「果南さんこそ」 鞠莉「さ、飲みましょ。座って座って」
ダイヤ「こういう時は行動が早いんですから」
鞠莉「お説教はぶっぶーよ♡」
ダイヤ「……誰の真似ですの?」
鞠莉「誰でしょ〜?」
ダイヤ「貴女は……!」
果南「もう、ダイヤ怒りすぎー。更年期?」
ダイヤ「やかましい!」
鞠莉「怒りんぼ硬度10」
ダイヤ「鞠莉さん!」
果南「……!……!」バンバン
ダイヤ「なにツボってるんですか!」 鞠莉「よーしかんぱーい」
果南「かんぱーい」
ダイヤ「……もうついていけません……」
・8 終わり >>214
果南「あはははっ、ごめんごめん。悪かったって」
善子「思ってないでしょ……」
果南「思ってる思ってる」スクッ
善子「思ってるなら部屋に行こうとするな」ガシッ
果南「ちっ」 乙
和みながら初期のハヤテのごとく!をふと思い出した ・9
梨子「……」
『進路調査票』
梨子「……ふぅ」 梨子「ただいま」
ダイヤ「おかえりなさいませ、お嬢様」
鞠莉「おかえりンゴリラッパンツ、My daughter!」
梨子「んー……」
鞠莉「梨子、学校どうだった?」
梨子「別に、普通ですよ」 鞠莉「宇宙人とか来なかった?」
梨子「来てません」
鞠莉「美輪明宏が一日講師に来たとか」
梨子「ありません。どんな状況ですかそれ」
鞠莉「じゃあ教師が生徒との絆を深めるために校庭で鬼ごっこを……」
梨子「部屋に戻ります」
スタスタスタ 鞠莉「ああん、梨子〜」
ダイヤ「奥様、しつこすぎます」
鞠莉「だってぇ」
ダイヤ「どっちが子供かわかりませんわ」
鞠莉「脱いだらすごいのよ!」バッ
ダイヤ「脱がなくてよろしい!」 鞠莉「んー……」
ダイヤ「お嬢様、なにか悩んでいるようですね」
鞠莉「そーなのよねぇ……私には話してくれないの」
ダイヤ「接し方の問題でしょう」
鞠莉「普通だよ?」
ダイヤ「普通の概念が欠落しているようですね」
鞠莉「そんなことないわよ〜」
ダイヤ「まぁ、心配なら手を打ちましょうか」
鞠莉「よろしく〜」フリフリ
ダイヤ「ちょっと!」 ーー
トントン
梨子「はい」
曜「梨子ちゃん、ちょっといい?」
梨子「どうしたの?」
曜「なんか悩んでるみたいだから……」
梨子「別に悩んでないけど」 曜「隠さなくていいよ。相談してくれればいいのに……」
梨子「いやだから悩んでないって」
曜「分かってる。分かってるよ梨子ちゃん」
梨子「何がよ」
曜「委託されてた新刊が売り切れちゃってたんでしょ?」
梨子「」パシーン
曜「あべし!」 梨子「予約してるに決まってるでしょ。抜かりはないわ」
曜「否定しないんだ……なんで叩かれたの……」
梨子「用がないなら出ていって」
曜「わ、分かった!アレだ!」
梨子「なに」
曜「この前買ったちょっとエッチな下gふぎゃあ!耳がぁーーーー!!」 ー
トントン
梨子「……はい」
千歌「こんちかー」
梨子「今度は何」
千歌「今度はって、私今日初めて来たよ」
梨子「どうせ曜ちゃんの差し金でしょう」
千歌「そうやって人を疑うのは良くないと高海は思うよ」
梨子「何キャラ?」 千歌「何で変な顔してるの?分かった!おっぱい小さいこと悩んでるんでしょー。大丈夫、まだ成長の余地はあるよ!」
梨子「」パパーン
千歌「ふぎゃあ!」
千歌「叩いた……アントニオ猪木にもら叩かれたことないのに……」
梨子「よくもまぁ、人が気にしてることをそこまで平気で踏みにじれるわね」 千歌「じゃあ何悩んでるの……?」
梨子「悩んでないって」
千歌「嘘だー!」
梨子「嘘じゃない」
千歌「うーそーうーそーうーそー」
梨子「腹立つ!」 千歌「悩んでると便秘になるよ」
梨子「余計なお世話」
千歌「あ、もう既に便秘とか」
梨子「……」
千歌(図星なんだ……)
梨子「とにかく!何も無いから!」グイグイ
千歌「便秘にはねー、食物繊維が含まれてる食べ物がいいんだって」
梨子「うるさい!」グイッ
バタン ー
トントン
梨子「いません」
善子「何言ってんのよ」ガチャ
梨子「善子叔母さんもですか?」
善子「は?なにが?」
梨子「私は悩んでません」
善子「何の話よ。マンガ返しに来ただけなんだけど」 梨子「ああ……」
善子「なに、何か悩んでるの」
梨子「いや別に」
善子「そう。まぁ興味無いけど」
梨子「……」
善子「若者がそんな顔するもんじゃないわよ」
梨子「ほっといてください」 善子「ふん、何があったか知らないけど溜め込むのは良くないわよ」
梨子「……」
善子「変なところ似てるのね。やっぱり親子だわ」
梨子「似てません!」
善子「あははっ、じゃあね」
バタン
梨子「……」 ーー
花丸「珍しいね、梨子ちゃん一人なんて」
梨子「家にいると落ち着けないから」
ルビィ「いつも賑やかそうだよね」
梨子「賑やかというかうるさいというか……」
花丸「何か悩みごとずらか?」
梨子「……そんなに悩んでるように見える?」 ルビィ「うん、そうだね」
梨子「私って顔に出やすいのかなぁ……」パクッ
梨子「あ、美味しい」
花丸「鞠莉さんに相談してみれば?」
梨子「お母様にはちょっと……」
ルビィ「ダイヤさんとかは?」
梨子「んー……」 花丸「曜ちゃんとか千歌ちゃんには?」
梨子「自分のことだから2人に相談するのはね……」
ルビィ「そっか……難しいね。はい、ハーブティー」
梨子「ありがとう」
花丸「ゆっくりしてってね」
梨子「うん」
梨子「……」ズズズ
ピロン
梨子「メール……ダイヤさん?」 ーー
ガラガラガラ
果南「よし、今日は終わり!」
果南「酒でも飲むかー」
果南「……ん?」
梨子「こんばんは」
果南「梨子。急にどうしたの。一人?」 梨子「……少し、相談がありまして」
果南「あら、珍しい」
梨子「急にごめんなさい」
果南「んーん。寒いから中に入って」 果南「はい、お味噌汁」
梨子「ありがとうございます」
果南「で、どうしたの?」
梨子「えと……その」
果南「進捗ダメですとかは私無理だよ」
梨子「違います」 梨子「……あの、これなんですけど」ペラッ
果南「ん?……進路調査票?」
梨子「はい……その」
果南「あー卒業後の進路を悩んでるってこと?」
梨子「はい」 果南「なるほどね……なんで私に?鞠莉に相談すべきことじゃないの?」
梨子「えと……お母様にはちょっとしづらくて……」
果南「んー……なるほど……ダイヤとかは?」
梨子「ダイヤさんに、果南さんに相談したら?と言われまして」
果南「そういうことか……よし、分かった」
梨子「?」 果南「梨子、今日は泊まっていきな」
梨子「え、あぁ……はい」
果南「鞠莉には私から言っとくね」
梨子「は、はい……一体何を?」
果南「少しだけ昔話をしようか」
梨子「昔話……?」
果南「うん。20年以上前の話――」
果南「鞠莉、ダイヤ、私。3人ともまだ若かった頃の話」
めっちゃ少なくて申し訳ない
また今夜頑張って更新します あんたらいくつだよと思いかけたけど、鞠莉が高校生の子持ちだもんな
昔話楽しみに待ってる じゃあルビィはいくつだ?
ようちかより年上か?
大人でグラマラスボディか? 夜中に投稿します
あんまり遅くならないように頑張る 高校を卒業した私たちは、それぞれ違う進路に進もうとしてたんだ
鞠莉は留学、ダイヤは進学、私は競泳の選手として就職しようとしてた
鞠莉は留学を終えたら親の会社を継ぐ、ダイヤは大学卒業したら家を継ぐ予定だったんだ
そう、ダイヤの家は由緒正しい網元なんだよ。黒澤家って言ったら漁業関係者じゃ知らない人はいないくらい 初めて聞いた?まぁ、ダイヤは自分のことを話したがらないからね
私はずっと競泳しててね。オリンピック候補選手だった時もあったんだよ
まぁ、ずっと泳いでばっかだったから勉強は全然できなかったけど……
でもね、留学から帰ってきた鞠莉の第一声が―― 鞠莉「会社を立ちあげるわ!」
ダイヤ「は?」
果南「何言い出すの鞠莉」
鞠莉「会社を立ちあげるの!私社長になる!」
ダイヤ「また馬鹿なことを……」
鞠莉「本気よ。やりたいことができたの」 果南「いや……でも親御さんの会社を継ぐんでしょ?」
ダイヤ「社長ならいずれなれるではありませんか」
鞠莉「だってパパったら会社を継ぐなら方針は全部決めさせろっていうんですもの。やってらんないわ」
ダイヤ「やってらんないって……そんな簡単に」
鞠莉「いいの。もう勘当してきたから」
かなだい「勘当!?」
鞠莉「ええ!マリーはやってやるわよ〜!」 果南「ちょ、ちょっと鞠莉!」
ダイヤ「……果南さん……」ポン
果南「ダイヤ……」
ダイヤ「もう止めても無駄ですわ」
果南「……だね」 ー☆ー☆ー
梨子「やることが極端なのは昔からなんですね……」
果南「うん。その辺の男の人より男らしいんじゃないかな」
梨子「でも確かに、生まれてから一度もおじいちゃん達の話をされたこともないです」
果南「絶縁状態みたいだよ。昔言ってた、梨子には悪いことしたなーって」
梨子「私に?」 果南「うん。おじいちゃんおばあちゃんに会わせることが出来なくて申し訳ないって」
梨子「……別に気にしてないのに」
果南「ふふ、今度鞠莉に言ってあげて」
梨子「はい」
果南「話戻すね。鞠莉が会社を立ちあげるって言ってから数年経った頃」
ー☆ー☆ー 鞠莉「果南!ダイヤ!私今度結婚するの!」
ダイヤ「はぁ……?」
果南「また突拍子もないことを……」
突然結婚する発言。驚きを通り越して呆れたよ
よく聞くと、会社を設立する時にとてもお世話になった人と一緒になるんだって しかも……
鞠莉「ベイビーも授かったのよー!」
結婚報告と同時に妊娠報告もしてきて、さすがについていけなかったよ
鞠莉「私は来年Motherになるんだわ……!」
めでたいことなんだけど、何故か素直に喜べなかったんだ。理由は
ダイヤ「いい加減にしなさい!!」
鞠莉「ワオっ!」
果南「だ、ダイヤ……?」 ダイヤ「何故貴女は……いつもいつも大切なことに限って事後報告するのです!!」
鞠莉「な、なんでそんなに怒るの……?」
ダイヤ「当たり前でしょう!これでは」
ダイヤ「……お祝いの準備も出来ないではありませんか……」
鞠莉「ダイヤ……」
果南「そーだよ、鞠莉。どうしてその時に言ってくれないの?」
鞠莉「果南……」
ダイヤ「わたくしたち、親友ではありませんの?」 鞠莉「〜〜ダイヤーー!!」ダキッ
ダイヤ「わっ!身重なんだから安静にしなさい!」
鞠莉「ダイヤ〜!大好き〜!」
果南「ありゃ、浮気?」
鞠莉「うん、ダイヤなら浮気してもいいかも……」
ダイヤ「馬鹿なことを言うんじゃありません!!」 ……うん、そうだよ。その時の赤ちゃんが梨子
会社は一番しんどい時だったけど、お腹の梨子と旦那さんの為に鞠莉は一生懸命頑張ってた。
そして、梨子が生まれた日―― 消えたんだよ、忽然と。連絡がその日から全くつかなくなったんだ
ただ消えただけなら良かった
子育ての為に何とかひねり出して貯めてた貯金が無くなってたんだ
いつから計画してたか分からない。もしかしたら、最初からそのつもりだったのかもしれない 私はね、当時海外の大会に出場するために日本に居なかったからあとから聞いたんだけど、当時の鞠莉は見てられなかったみたい
いつも底抜けに明るくて、快活な彼女なんて見る影もなくて
精神科にもかかったんだ
会社の経営もままならず、倒産寸前まで追い込まれた 鞠莉「……」
ダイヤ「鞠莉さん……」
鞠莉「……」
ダイヤ「前を向きましょう。会社はまだ立て直せます。それに」
鞠莉「……ダイヤ、わたしは……どうすればいいの……?」
ダイヤ「ここでくじけてはダメです!ゆっくりでいい、また一から」
鞠莉「もう無理よ……お金もなくなっちゃったし」 ダイヤ「お金ならまた何とかなります!何ならわたくしが!」
鞠莉「いいよ。ねぇ、ダイヤ」
ダイヤ「……」
鞠莉「どうやったら、楽に死ねるかしら」
ダイヤ「……!」
バシン!!
鞠莉「……!」 ダイヤ「何を……何をふざけたこと抜かしてるのですか!!!」
鞠莉「……何すんのよ」
ダイヤ「貴女が馬鹿なことを言うからです」
鞠莉「ダイヤに何がわかるのよ!!私は」
ダイヤ「知らないわよ!分かるわけないじゃない!!」
鞠莉「!!」 ダイヤ「知らないけど……貴女までいなくなったらこの子はどうするんですか?」
鞠莉「……!」
ダイヤ「この子にとってこれから頼りは貴女だけなんです。死ぬなんて、考えてはいけません」
鞠莉「……梨子……!」
ダイヤ「会社は、まだ立て直せます……大丈夫です」
ダイヤ「わたくしもいますから」 ー☆ー☆ー
果南「当時許婚もいて、いよいよ継ぐっていう時にダイヤは家を飛び出したんだ。鞠莉を隣で支えるために」
梨子「じゃあダイヤさんも……」
果南「うん、勘当された方だけどね」
梨子「そう……だったんですか」 果南「そこからは、なんとか会社を立て直してね。今ではシャイニーグループって言ったら知らない人はいないくらいの大会社」
梨子「会社の名前もう少し何とかならなかったんですかね……」
果南「あははっ、私もダイヤも昔言ったことあるんだけどね。これがいい!って聞かなくて」
梨子「人の話を聞かないのも昔からだったんだ……」 果南「私も鞠莉の会社を手伝うつもりだったんだけど、ダイヤに」
ダイヤ『貴女にはわたくしたち二人が間違わないように外から見張っててください』
果南「って言われてね」
梨子「そのまま競泳を?」
果南「うん。でも、脚怪我しちゃって。ほら」
梨子「大きな傷……」 果南「3回手術したんだ。それでも治らなくて。まぁ、いい頃合かなって辞めたんだ。年だったし」
梨子「トレーナーとかにはならなかったんですか?」
果南「それも考えたけど……もう水泳はいいかなって。会社もやめて、じいちゃんがやってたこの店を改装してやりはじめたんだ」
梨子「そう……だったんですか」 梨子「善子叔母さんは、どうして一緒に仕事するようになったんですか?」
果南「乗り込んできたんだよ。鞠莉とダイヤで会社を立て直し始めた時に」
ー☆ー☆ー ガチャ バーーン!
ダイヤ「な、なんですの!?」
善子「はぁ……はぁ……」
鞠莉「よ、善子?」
善子「……っ!」ツカツカツカ
ダイヤ「あ、ちょ」
グイッ
善子「私を雇いなさい」
鞠莉「はっ?」
ダイヤ「何を急に」 善子「急にクソもないわよ!あんた達が勝手するせいで私が迷惑被ってんのよ!!」
鞠莉「い、意味が」
善子「とぼけたこと抜かすとぶん殴るわよ」
ダイヤ「よ、善子さん落ち着いてくださいな」
善子「落ち着いてられるか!姉さんが逃げたせいで全部お鉢が回ってきたのよ!会社を継げだーこの人と結婚しろだー勝手に決めだしたのよあのクソ親父!冗談じゃないわ!!」
鞠莉「oh...sorry……迷惑かけたわね……」 ダイヤ「善子さん、鞠莉さんは決して」
善子「知ったこっちゃないわよ。謝罪の気持ちがあるなら私をここで雇いなさい」
鞠莉「……分かったわ」
善子「ふん、それでいいのよ。今日疲れたから寝るわ」パッ ダイヤ「よ、善子さん!」
善子「何よ」
ダイヤ「あの、家の方々とは」
善子「縁切ってきたに決まってるじゃない」
ダイヤ「なっ……」
善子「じゃね、おやすみ」
パタン
ダイヤ「……鞠莉さん……」
鞠莉「仕方ないわ……私のせいだし……」 ー☆ー☆ー
梨子「善子叔母さんらしいというか……」
果南「ふふっ。ま、そういうわけだよ」
梨子「……」 果南「その紙」
梨子「!」
果南「何を書くのも梨子の自由。どういう道に進むかは梨子次第」
梨子「……」
果南「別に無理に鞠莉の会社を次ぐ必要はないんだよ。自分の進路は、自分で決める。だけどね」
果南「時には信じられないくらい苦労することもあるし、悲しいこともある」
果南「そういう時は、必ず周りを頼ること。一人で抱え込まない」
果南「これだけは、覚えておいてね」
梨子「……はい、分かりました」
果南「うん、よろしい」 梨子「あ、一つ気になったんですけど」
果南「なに?」
梨子「ルビィちゃんて、ダイヤさんの妹ですよね?黒澤家って今は……」
果南「ああ、今はダイヤの従姉妹が継いだみたいだよ。ダイヤのお父さんはダイヤが出ていってから荒れちゃったらしくて、結局ダイヤの叔父さんに経営権が移ったんだって」
梨子「そ、そうなんですか……」 果南「ダイヤの両親は熟年離婚。その後、再婚した相手との子がルビィなんだ。ダイヤの時とは違って随分自由にしてたみたい」
梨子「あの、ダイヤさんとルビィちゃんっていくつ離れてるんですか?」
果南「えーと、確か……22?とかそんくらい」
梨子「にじゅ……!?」
果南「うん」
梨子「……なんか、いろいろ全部解決しました」
果南「ははっ、それは良かった」 9もう少しだけ続きます
長くなって申し訳ない
また今夜にでもできたら 長くなって申し訳ないってなんだ
まだまだ長く続けやがれ 乙です
だいまりのくだりでうるってきてしまった…
どんどん長くなっていいからもっと続けてください! すんません、今日は投下できそうにない……
明日はしますので ー翌朝ー
梨子「ありがとうございました」
果南「ううん。昔話しただけで役に立ったか分からないけど」
梨子「いえ、十分です。聞けてよかった」
果南「偉そうに色々言ったけど、どうするかは梨子次第。よく考えて決めるんだよ」
梨子「はい」 果南「あ、これ。鞠莉とダイヤに」
梨子「……干物?」
果南「うん。お酒のアテに」
梨子「ありがとうございます……」
果南「皆によろしくね」 梨子「えっと、あの果南さん」
果南「何?」
梨子「あの……袋かなにかに入れてもらえると……」
果南「そのままでいいじゃん」
梨子「剥き出しの干物持って電車に乗れと?」 ーー
梨子「ただいま」
ダイヤ「おかえりなさいませ、お嬢様」
梨子「……」ジッ
ダイヤ「どうしました?」
梨子「いえ……」 ダイヤ「……奥様が部屋でお待ちです」
梨子「お母様が?」
ダイヤ「はい」
梨子「分かりました」 トントン
『カムイーン!』
梨子「失礼します」
鞠莉「おかえり、梨子」
梨子「用は何ですか?」
鞠莉「進路調査の紙、ちょっと貸して」
梨子「え?……はい」 鞠莉「〜♪」サラサラ
梨子「ちょっと何してるんですか」
鞠莉「はいどーぞ!」
『第一希望:百合漫画家』
梨子「……」ゴトッ
鞠莉「梨子〜?壺はMotherを殴る道具じゃないわよ〜?」 梨子「もう返してください!ろくな事しないんだから……」
鞠莉「んふふ、ごめんね」
梨子「で、用ってなんですか?」
鞠莉「別に?顔を見たかっただけよ」
梨子「はぁ?」
鞠莉「曇り顔じゃなくなったわね。良かった」
梨子「はぁ……」 鞠莉「ま、よーく考える事ね」
梨子「……お母様は」
鞠莉「ん?」
梨子「……いえ、何でもないです」
鞠莉「?ま、そんなわけだから。部屋に戻っていいわよ」
梨子「はい。失礼します」 ー梨子の部屋ー
梨子「……」ペラッ
梨子(……やりたいこと……)
梨子「……」
サラサラ
・9 終わり ・10
ー客間ー
善子「コーヒー入れてー」
シーン
善子「曜ーダイヤー千歌ー」
シーン
善子「……誰もいないんかい」 パタパタパタ
善子「ん?」
ガラッ
千歌「お客様ごあんなーい」
ルビまる「おじゃましまーす」
善子「んっ」
千歌「あ、善子様。邪魔なんで出てって貰えます?」
善子「何よその口の聞き方!」 花丸「あ、善子さんだ」
ルビィ「こんにちは」
善子「パン屋娘達じゃない。何しに来たのよ」
千歌「女子会ですよ。じょ・し・か・い」
善子「大事なことだから?」
千歌「二回言いました」
ダイヤ「やかましいですわ」 善子「ダイヤ、コーヒー入れて」
ダイヤ「はいはい、分かりましたわ。花丸さんとルビィは何を飲みます?」
花丸「マルはお茶で……」
ルビィ「ルビィはオレンジジュース!」
ダイヤ「かしこまりました」
千歌「あ、私カフェオレで」
ダイヤ「貴女も来るんです」ギュゥゥゥ
千歌「いたたたたた!!耳千切れる!!」
スタスタスタ…… 善子「で、何しに来たのよ」
花丸「曜ちゃんに招かれまして」
善子「曜に?」
ルビィ「はい。曜ちゃんのお裁縫教室です」
善子「お裁縫教室?」
曜「ごめーん!お待たせー!」
ルビィ「あ、曜ちゃん」
曜「道具一通り持ってきたよー。やろうか」 善子「ちょっとちょっと。何するのよ」
曜「手袋とマフラーを手編みで作りたいって二人が言うから、教えるんです」
善子「へぇー……」
曜「向こうの部屋に行こうか。広いし」
ルビまる「はーい!」
善子「……」 善子「千歌」
千歌「何です?コーヒーはさっき入れましたよ?」
善子「違うわよ。あんた編み物って出来る?」
千歌「できませーん」
善子「やっぱり」
千歌「むっ、どういう意味ですか?」
善子「別に。イメージ通りと思っただけよ」
千歌「善子様も出来なさそうですね」
善子「まぁ、できないわよ」
千歌「ですよねー」
善子「腹立つわねこの……」
千歌「もし出来るなら少しは見直してもいいですよ」
善子「何様よこのダメイド」 善子「あんた特技とかないの?」
千歌「ひとくち食べたみかんの品種名を当てられます」
善子「微妙……」
千歌「あ、あとみかんジュースのメーカー当てもできます」
善子「みかん以外の特技はないの?」
千歌「善子様よりバスト大きい」
善子「特技つってんでしょ」 ダイヤ「特技かは分かりませんが、家事全般は最初から出来ましたわよね」
善子「へぇ、そうなの」
千歌「持って生まれたスキルです」
善子「どういうことよ」
ダイヤ「メイド初、という割には最初から掃除も料理も問題なくこなしてましたわね。以前なにかしていたのですか?」
千歌「ドラゴンの王として世界征服を少々」
善子「少々ってなによバイトか」 ダイヤ「真面目に答えてください」
千歌「真面目です」ヘンガオ
ダイヤ「……」ギュゥゥゥ
千歌「ほっぺたはそんなに捻れませんんんんん!!!」
善子「ほんとは何してたの?」
千歌「過去は振り返らない主義なんです」
善子「何よそれ……」 ダイヤ「……まぁ、いいですわ。詮索するのも野暮ですし」
善子「……」
千歌「私ちょっと曜ちゃん達のところいってきまーす」
ダイヤ「邪魔しないように」
千歌「はいはーい」
トテトテ
善子「……なんかあの子謎が多いわね」
ダイヤ「まぁ、わたくしたちも似たようなものですわ」
善子「ミステリアスな女は今時流行らないわよ」
ダイヤ「それは少し違うような……」 ー
曜「糸をとって……そうそう」
花丸「んん……難しいずら」
ルビィ「……」ヌイヌイ
曜「ルビィちゃん上手だね」
ルビィ「えへへ、楽しい」
花丸「ルビィちゃん教えて〜」
ルビィ「曜ちゃんに聞いた方が……」 千歌「こんちかメイドは萌え萌えキュン♡」ガチャ
曜「あれ。千歌ちゃんもやる?」
千歌「やらない!」
曜「なんで来たの……」
千歌「私多分出来ないから」
花丸「やってみないと分からないよ?」
千歌「自分不器用ですから……」
ルビィ「なんで高倉健……?」 千歌「曜ちゃん、編み物もできるなんて器用だね」
曜「楽しいよ。千歌ちゃんもやろう」
千歌「来年からやる」
曜「遠いなぁ……」
千歌「不器用なちかちーは花丸ちゃんが持ってきたパンが食べたいのだ」
曜「パン?」
千歌「そのバスケットに入ってるのはお見通しだ!」 花丸「よく分かったね」
千歌「匂い」
ルビィ「わんちゃんみたいだね千歌ちゃん」
千歌「へっへっへっ」
曜「真似しなくていいから……」 ーー
花丸「だいぶ分かってきたずら」ヌイヌイ
曜「うん、随分手際が良くなったね」
ルビィ「曜ちゃんの教え方分かりやすい」
曜「ありがと」 千歌「Zzz……」
花丸「寝てる……」
ルビィ「お仕事中なんじゃ……」
曜「あはは……まぁ今日は他に来客もないし、掃除も少ないから大丈夫だと思うけど……そろそろ夕飯だから」
花丸「じゃあマル達はお暇するずら」
ルビィ「そうだね、明日の仕込みもあるし」
曜「分かった。玄関まで見送るよ」
花丸「今日はありがとうずら」
ルビィ「ありがとう、曜ちゃん」
曜「どういたしましてヨーソロー!」
花丸「語呂悪いずら」
曜「自分でも思った」 ーー
「……ちゃーん、ちかちゃーん」
千歌「ぅあ……」
曜「千歌ちゃん、起きて」
千歌「……はっ」
曜「そろそろ夕飯の時間だよ。キッチンに行かないとダイヤさんに怒られちゃう」
千歌「やっば、寝てた……」
曜「今日はお仕事少なくてよかったね」
千歌「忙しかったらダイヤさんにスクリュードライバー食らうところだった」
曜「あはは……」 曜「ほいっ」フワッ
千歌「ん!……マフラー?」
曜「この前作ったんだ。少し早い曜ちゃんサンタからのクリスマスプレゼント」
千歌「……暖かい」
曜「気に入ってくれた?」
千歌「うん、ありがとう!」
曜「よし、行こうか」
千歌「OK牧場!」
曜「前から思ってたけど千歌ちゃん少しオヤジ臭いよね……」
千歌「失敬な」
・10 終わり 謎多き千歌ちゃん
どんな過去があるのか気になります! ・11
皿洗い中
千歌「馬刺し馬刺し馬刺し〜♪馬刺しーをたべるーときー♪日本酒日本酒日本酒〜冷やでーキューっと〜」カチャカチャ
曜「何歌ってるの……」カチャカチャ
千歌「熊本サラリーマンの楽しみ歌」
曜「あ、そう……」 千歌「ふーふーん♪」カチャカチャ
ツルッ
千歌「あっ」
曜「あ」
パリーン!
千歌「やば……」
曜「あらら」
千歌「やばい隠さないとダイヤさんに投げっぱなしジャーマン食らう」パッパッ
曜「ちょっとちょっと」 ダイヤ「終わりましたか?」
千歌「うわっ」
ダイヤ「……何をしていますの?」
千歌「最近流行ってるお皿パズルです。リアルでしょー」
ダイヤ「なるほど、興味があるので詳しく聞かせてください」ズルズル
千歌「あああぁぁぁぁ……」
曜「あーあ……」 ダイヤ「――全く貴女は、どうして怒られるようなことをするんですか」
千歌「その疑問はダイヤさんが怒らなければ解決すると思います」
ダイヤ「ほんっっっと減らず口ですね」ギュゥゥゥ
千歌「ひぎゃあ!右耳分離の危機!!」
ダイヤ「決して仕事が出来ない訳では無いのに、勿体ない」
千歌「勿体ない精神は大事ですよ」
ダイヤ「ほんっっっと減らず口ですね……」 ガチャ
鞠莉「手を上げろ!!」
ダイヤ「何です次から次へと」
千歌「おお、なになに?」
鞠莉「早く手を上げろ!さもないとこの子の命はない!」
ダイヤ「何を馬鹿なことを……ん?」
千歌「わぁ、なんですその可愛いうさちゃんのぬいぐるみ」
ダイヤ「ああああああ!!」スビシッ
千歌「めがぁぁぁぁぁ!!!」 ダイヤ「返しなさい!!何をしてるんですか!!」
鞠莉「ふっふー!にーげろー!」
ダイヤ「奥様ぁぁぁああ!!」
千歌「めがぁぁぁぁぁ!!」ジタバタ 千歌「あー……酷い目にあった……」
曜「〜♪」コトコト
千歌「曜ちゃん何してるの?」
曜「コーンポタージュ作ってるの」
千歌「あれ?もう夕飯は終わったよ?」
曜「んふふ、外は冷えるからあったかいスープがいるの思って」 千歌「外に出るの?」
曜「うん」
千歌「何で?」
曜「千歌ちゃん、ニュース見てないの?」
千歌「報道ステーションの熱盛しか見てない」
曜「あはは……」 梨子「いい匂いがする」
善子「何作ってるの?」
曜「お二人ともいいところに。屋上バルコニー行きましょう」
善子「えー何でよこの寒空に」
千歌「ねー、曜ちゃんって少しおバカなの?」
曜「私だってたまには怒るんだよ」
梨子「か、顔が怖いよ曜ちゃん」 ーバルコニーー
ちかよし「ふたご座流星群?」
曜「はい。今日がピークなんです」
善子「知ってた?」
千歌「これっぽっちも」
梨子「二人とももう少しニュースとか新聞読みましょうよ」
善子「私活字アレルギーなの」
梨子「なにそれ……」
曜「部屋に黒魔術の本とかあr」
善子「口縫い付けるわよ」ムギュッ
曜「ふぁい……」 善子「っていうかホントに寒い……」
曜「はい、曜特性スープです」
梨子「ありがとう。あったかい……」
千歌「私も欲しい!」
曜「はいどーぞ」
善子「なんで流れ星なんか見ないといけないのよ」
曜「まぁまぁ、たまにはいいじゃないですか」 梨子「お母様とダイヤさんは?」
千歌「追いかけっこしてたよ」
善子「いい歳してなにしてんのよ」
梨子「またダイヤさん怒らせたわね……」
バーン!
鞠莉「シャイニー!」
ダイヤ「お待ちなさい!コラ!」 鞠莉「あら、みんな揃ってどうしたの?」
曜「お願いごとをしに」
鞠莉「お願いごと?」
曜「んふふ、はいお二人とも」
鞠莉「あら、温かいスープ」
曜「ダイヤさんも」
ダイヤ「はぁ……ありがとうございます……」 善子「まだなの?」
梨子「そろそろじゃ……あっ!」
曜「きたきた!」
千歌「わぁー……」
ダイヤ「……綺麗ですわね」
鞠莉「お願いごとしないと!」
善子「働かなくてもお金が手に入りますように」
梨子「なんて不純なお願いごと……」
鞠莉「ダイヤが優しく接してくれますように」
ダイヤ「誰のせいですか!!」
曜「1日1個いいことがありますように」
梨子「それ、ささやかなようで贅沢ね」
曜「そうかな?」 千歌「……お願いごと……」
千歌「……」
ダイヤ「……千歌さん?」
千歌「……四次元ポケットが手に入りますように」
ダイヤ「千歌さん?」
曜「あはは……」
・11 終わり ・12
鞠莉「……」カタカタカタ
鞠莉「……ん〜疲れた……」ノビー
トントン
鞠莉「はぁい」
善子「姉さん、書類できたわよ。チェックお願い」 鞠莉「サンキュー!そこに置いといて」
善子「はいはい」
鞠莉「根詰め過ぎないようにね」
善子「姉さんもね」
バタン
鞠莉「……」
鞠莉「そうね、少し休憩しましょうか」 鞠莉「〜♪」トテトテトテ
ダイヤ「こら千歌さん!またサボって!」
千歌「やばい必殺『雑巾掛け演技・アカデミー女優モード』が見破られちゃった!」
曜「なにそれ……」
ダイヤ「馬鹿な事言ってないで手を動かす!」
千歌「へーい……」
鞠莉「あらあら、楽しそうね」 ダイヤ「奥様。休憩ですか?」
鞠莉「ええ」
ダイヤ「コーヒーでも入れましょうか」
鞠莉「んー紅茶の気分かしら」
ダイヤ「かしこまりました」 ダイヤ「はい」コトッ
鞠莉「サンキュー!……んー美味しい!」
ダイヤ「休憩中に申し訳ありませんが、明日の会食は先方の都合で1時間遅らせてくれと連絡が先程ありました」
鞠莉「りょーかい」
ダイヤ「では」
コツコツコツ……
鞠莉「……」ズズズ
鞠莉「あー……今日もいい天気ね」
鞠莉「……寒いけど」 ーー
ガラッ
花丸「いらっしゃいませ……あれ」
鞠莉「チャオ〜♪」
ルビィ「鞠莉さん。お一人ですか?」
鞠莉「ええ。奥空いてる?」
花丸「空いてますよ」
鞠莉「一席借りるわね〜」 花丸「ご注文は?」
鞠莉「カモミールティーちょうだい」
花丸「かしこまりました」
鞠莉「パン選んできてもいい?」
花丸「はい。珍しいですね、一人なんて」
鞠莉「たまにはね〜。何にしようかしら」 鞠莉「クロワッサンとーあとはー……あらレモンケーキあるじゃない!」
ルビィ「新作です」
鞠莉「一個もらうわね」
花丸「貰うのは困るずら」
鞠莉「言葉の綾よ〜お金はあるって。ほら」
ルビィ「お財布見せなくても大丈夫です……生々しい……」 鞠莉「んー相変わらず美味しいわね♪」
花丸「ありがとうございます」
ルビィ「今日はお休みなんですか?」
鞠莉「んーん。休憩中よ」
花丸「こんなにのんびりしててもいいんですか?」
鞠莉「大丈夫!ダイヤと善子とがいるから」
ルビィ「いいのかな……」アハハ
花丸「……ごゆっくり」 ーー
鞠莉「Zzz……」
ルビィ「寝ちゃったけど……」
花丸「……連絡したほうがいいかな?」
ルビィ「そうだね。電話してくる」 ガララ
ダイヤ「失礼します」
花丸「ダイヤさん」
ダイヤ「鞠莉さんはいますか?」
ルビィ「いるよ、こっち」
ダイヤ「……この人は全く……」 ルビィ「お姉ちゃん、怒らないであげてね」
ダイヤ「寝てる人間を起こしてまで説教する趣味はありませんわ」
花丸「鞠莉さん、なんだか楽しそうだったずら」
ダイヤ「……まぁ、この人は元々一人で行動するのが好きな人ですから。今は自分の立場を弁えてほしいですけど」
ルビィ「うちはお一人様も歓迎だよ」
ダイヤ「そういう問題ではありません」 花丸「おぶって帰るずら?」
ダイヤ「大丈夫です、車で来ました。ご迷惑かけて申し訳ありません」
ルビィ「ううん。また来てくださいって伝えておいて」
ダイヤ「ええ。ではまた」
ブゥゥゥン……
花丸「……大変だね」
ルビィ「うん」
「あの、すいません」
花丸「あ、いらっしゃいませ」
「少しお尋ねしたいことが……」 ーー
鞠莉「……んぅ……」
ダイヤ「起きました?」
鞠莉「あら、私……?」
ダイヤ「花丸さんのところで寝ていたんです。いつまでも戻ってこないから迎えに来ました」
鞠莉「えー!余計なことしないでよー!」
ダイヤ「仕事溜まってますわよ」
鞠莉「ぶー……」
ダイヤ「ほっぺを膨らませて可愛いのは20迄です」
鞠莉「言ってくれるわねおばさん」
ダイヤ「うるさいですわおばさん」
ダイまり「ううーー……!!」 ダイヤ「ほら着きますわよ」
鞠莉「見りゃわかるわよ」
ダイヤ「はぁ?何ですその口の聞き方は」
鞠莉「こっちのセリフよ。メイドのくせに」
ダイヤ「このクルクルパーシャニー」
鞠莉「オリハルコン頭!」
ダイヤ「何ですって!?」
鞠莉「何よ!」 ブロロロロ……
千歌「あ、帰ってきた」
曜「ホントだ」
千歌「門開けてくるねー」
ポチッ
ガガガガ
千歌「おかえりなさいませー!」 ダイヤ「……」ムスッ
鞠莉「……」ムスッ
千歌「おかえりなさいませーーー!!!!」
ダイヤ「やかましいですわ!!!」
千歌「聞こえてないのかなーって」
ダイヤ「聞こえてますわよ!耳元で叫ばないでください!!」
鞠莉「ダイヤうるさい」
ダイヤ「はぁ!?わたくしではなく千歌さんでしょう!?」
千歌「……喧嘩してる……」 「あの、すみません」
千歌「ん?」
ダイヤ「来客ですか?」
「ここに高海千歌という者はいますか?」
鞠莉「千歌っちの知り合い?」
千歌「わたし?」 「あ!千歌!」
千歌「へ?……うわぁ!美渡ねぇ!!」
ダイまり「みとねぇ?」
美渡「やっと見つけた!家に帰るよ!」
千歌「何でここに!?逃げろぉおお!!」
美渡「あ!待てこらぁああ!!」
・12 終わり 更新早いのは嬉しいけど毎日に拘らなくても大丈夫よ? いま帰宅したので書いて投下します
少し遅くなります 毎日更新は嬉しいけど
リアルに影響及ぼしちゃ元も子もない ・13
美渡「待てぇぇえええ!!」ダダダ
千歌「何で!?何でバレたの!?」ダダダ
美渡「大人しく家に戻れ!」
千歌「やだ!絶対戻らない!」
美渡「こんのバカチカ!!」 曜「あれ?千歌ちゃん……と、誰?」
千歌「あ!よーちゃん助けて!!」
美渡「捕まえて!」
曜「え?え?」
千歌「必殺!ヨーソローシールド!」
曜「わっ!」
美渡「おおっとぉ!?」
ゴチーーーン!! ー
ダイヤ「どなたです今のは」
鞠莉「さぁ……」
ダイヤ「というか勝手に中に入りましたわ。不法侵入です」
鞠莉「千歌っちの知り合いかしら?」
ダイヤ「捕まえて聞きましょう」
「あのぉ……」
ダイヤ「今度は誰です?」
「あ、すみません。うちの妹がいつもお世話になってるようで……」
鞠莉「妹?」
「はい。私、高海志満と申します」 ー
美渡「ち〜〜〜か〜〜〜!!」
千歌「しつこい!だからいい歳しても彼氏出来ないんだよ!」
美渡「絶対ぶっ飛ばす……!」
曜「千歌ちゃん、ちょっと話があるから止まってくれる?大丈夫、痛くしないから」
千歌「文脈がおかしいよ曜ちゃん!怒ってるでしょ!」
曜「ほら、おいで。ほら……!」
千歌「目が怖い怖い!」 ー客間ー
善子「あのシャイニー金髪……!仕事ほっぽり出してどこほっつき歩いてんのよ!」
善子「はーもー、誰もいないし……なんで虚しくコーヒーいれないといけないのよ……」
善子「ふぅ……」ズズズ
バタバタバタ
千歌「おおおおおお!!」ダダダダドカン!!
善子「な、なに!?」 千歌「善子様邪魔です!」ドン!
善子「ぶっ!ぅあっつ!!」バシャッ
美渡「いい加減観念しろぉ!!」ムギュ
善子「ふぎゃあ!!」
曜「止まるであります千歌ちゃん!!」ムギュ
善子「ほぶっ!!」
ダダダダ……
善子「……しばく……」 美渡「まぁーーーてぇーーー!!」
千歌「もー!しつこい!」
「止まりなさい、二人とも」
千歌「うん?」
志満「ストップよ」
千歌「し、志満ねぇ!!」ピタッ 志満「久しぶりね、千歌ちゃん」
千歌「ぐっ……!」
美渡「おっしゃ捕らえたー!!」ガバッ
千歌「うわぁ!」バタン
美渡「よくもやってくれたわね!」
千歌「痛い痛い!」 志満「ちょっと美渡ちゃん」
美渡「手出ししないで志満ねぇ!こいつは私が」
志満「美渡」
美渡「ひゃいっ!?」
志満「離れなさい」
美渡「はい……」
曜「何者……?」 ーーー
志満「妹二人が迷惑かけて申し訳ありません」
鞠莉「ノープロブレム!気にしてないわよ〜」
ダイヤ「千歌さんのお姉様方でしたか」
美渡「不肖の妹が……」
志満「あなたもよ美渡」
美渡「だってバカチカが逃げるから」
志満「後でお仕置きね」
美渡「すみません」 善子「というかその前に私に謝りなさいよ!」
ダイヤ「善子様は少し黙っていてください」
善子「何よその扱い!」
ダイヤ「大方わたくしが出たあとにサボってコーヒーでも飲んでいたんでしょう。自業自得です」
善子「うっ……いやでもそれは姉さんも」
ダイヤ「二人まとめて後で説教ですから安心してください」
鞠莉「ダイヤ、安心の意味わかってる?」
q ダイヤ「すみません、話がそれました。それで、今日はどういったご要件で」
美渡「このバカを連れ戻しに来ました」
曜「連れ戻す?」
千歌「勝手な事言わないで。戻らないよ」
美渡「勝手なことしたのはあんたでしょうが!」
ダイヤ「あの、どういうことですか?」
志満「千歌ちゃんは、家出したんです」
曜「家出!?」
千歌「……」ムスー 志満「半年前、急に『自分探しの旅に出ます』って書き置きを残して家を出たんです」
善子「うっわ……今更そんなベタな……」
鞠莉「それで、千歌っちを探してここに来たと」
美渡「はい。知り合いやお客さん達の伝手を辿りながらなんとか」
善子「客って、なにか商売してるの?」
志満「うちは代々旅館を営んでおりまして」 ダイヤ「……なるほど、千歌さんが家事を一通りできる理由が分かりましたわ」
曜「家のお手伝いをしてたんだね」
千歌「……」
鞠莉「家族経営ってこと?」
志満「ええ、まぁ。一応私たちが跡継ぎってことになってます。父も母ももう年ですから」
ダイヤ「……千歌さん、貴女まさか」
千歌「……そうです、それが嫌なんです」 美渡「わがまま言ってんじゃないよ!しょうがないだろ!」
千歌「しょうがないってなにさ!家が旅館だからって勝手に私の将来決められちゃたまんないよ!」
美渡「何を!」
志満「止めなさい二人とも!」
美渡「……!」
千歌「……」 志満「度々すみません」
鞠莉「なるほど、話は理解したわ」
美渡「ホントに申し訳ありません。こいつは連れて帰るんで」
千歌「勝手に決めないでって!」
美渡「あんたは黙ってな!」
鞠莉「ストーップ」
みとちか「!」 鞠莉「事情は分かったわ。連れて帰りたいのは山々だろうけど、ちょっと待ってくれる?」
美渡「何でです?」
鞠莉「そっちの事情がどうであれ、千歌っちは今うちの専属メイドよ。勝手に連れて帰ってもらっちゃあ困るわ」
美渡「そんな!」
ダイヤ「そうですわね。仕事が溜まってますの」
美渡「何を勝手なことを!」 志満「わかりました」
美渡「志満ねぇ!」
志満「落ち着きなさい美渡」
美渡「……!」
志満「今日のところは帰ります。お騒がせして申し訳ありませんでした」
鞠莉「いーえ」
志満「帰るわよ美渡」
美渡「……分かったわよ」 志満「千歌ちゃん」
千歌「!」
志満「お母さん、心配してるわよ」
千歌「……!」
志満「失礼します」
美渡「失礼します……」
スーッ パタン
千歌「……」
・13 終わり 一旦ここまで
明日はちょっと出来るかわからない……頑張ってみます でも最近、埋め茸が活発になってるからな
このスレも時間の問題かも ・14
梨子「ただいま」
梨子「……ん?」
千歌「……」セイザ
鞠莉「……」セイザ
曜「……」セイザ
ダイヤ「……」
梨子「……何してるんですか?」 ダイヤ「お説教と事情聴取です」
梨子「またお説教……事情聴取?」
ダイヤ「はい」
千歌「だから話すことはありませんってばー」
ダイヤ「さすがにああいうことがあって何も無いで済ませることは出来ません」
梨子「千歌ちゃん、何かあったの?」
千歌「何もナッシング」
鞠莉「違う違う。Nothing」
ダイヤ「どうでもいいです」 梨子「――千歌ちゃんのお姉さん達が」
ダイヤ「ええ」
梨子「……家出してきたんだ」
千歌「……」ムスッ
ダイヤ「むくれないでこっちを向きなさい」ムギュ
千歌「ふぎゅっ」
梨子「残りの3人はなんで正座させられてるんですか?」
善子「誰が残り物アラフォー女よ!」
ダイヤ「ちょっと黙っててください」
曜「気にしてるんだ……」 ダイヤ「仕事サボったのと屋敷を駆け回ったので」
梨子「ああ……」
鞠莉「サボってないわ!休憩よ!」
善子「そうよ休憩よ!」
ダイヤ「お黙りなさい!」
善子「ひぃっ……」
鞠莉「ブラック企業よ……」
梨子「社長が言うんだ……」 ごめんなさいこれだけしか書けなかった
明日はもう少し更新します おつ
ダイヤさんはオハラカンパニーの副社長とか専務ポジションも務めてるのかね 千歌「とにかく!話すことはありません!」ダッ
ダイヤ「あ!待ちなさい!」
鞠莉「まぁいいじゃない。千歌っち自身が話したくなるまで待ちましょう」
ダイヤ「ですが……」
鞠莉「無理に問い詰めても仕方ないわ。ね?」
ダイヤ「……分かりましたわ」 鞠莉「さて、じゃあ戻りましょ」
善子「そうね」
曜「はーい」
ダイヤ「待ちなさい」グイッ
ようよしまり「ぐえっ」
ダイヤ「お説教がまだです」
鞠莉「くっ……」
善子「覚えてたか……」
曜「逃げられないかー……」
アタリマエデス オテヤワラカニ……
梨子「……」 千歌「どぅーるるっるるどぅーるるっるるどぅるーるーるーるーるーるーるるー♪」フキフキ
梨子「なんで徹〇の部屋の曲……?」
千歌「窓拭きがはかどる曲を模索してたら自然と」
梨子「あ、そう……」
千歌「手伝ってくれるの?」
梨子「いや手伝わないけど」
千歌「ケチなしこめ」
梨子「なしこ言わないで」 梨子「聞きたいことがあるの」
千歌「コミケの作戦会議は分からないからできないよ」
梨子「違うわよ」ツマミ
千歌「鼻ぁああ!!」 千歌「いてて……じゃあなに?」
梨子「家出して何がしたかったの?」
千歌「!」
梨子「跡継ぎが嫌だから家出したっていうのは分かったけど……それで、どうしたいのかなって思って」 千歌「……探しに」
梨子「探しに……何を?」
千歌「やりたいことを、探しに」
梨子「やりたいこと……」
千歌「やりたいことが分からない。だけどこのまま家を継ぐっていうのは嫌だ。だから家を飛び出したんだ」 梨子「……この家に来た理由は?」
千歌「面白いことが沢山ありそうで、なにか見つかるかと思って」
梨子「確かに面白いかもだけど……」
千歌「聞きたいことはそれだけ?仕事残ってるから行くよ」
梨子「……家出なんて長続きしないよ」
千歌「そんなことない。戻ったら負けだよ」
梨子「勝ちも負けもないでしょう……」 千歌「あるんだよ!絶対戻らない!」
梨子「子供……」
千歌「なんとでも言って。まだまだ厄介になるからよろしく」
梨子「なにそれ……」
千歌「じゃね」スタスタスタ
曜「……」 ープライベートルームー
ダイヤ「そういえば、貴女に聞いてないことが」
鞠莉「若さの秘訣?それはね〜」
ダイヤ「違います。千歌さんとどこで出会ったかです」 鞠莉「千歌っちと?」
ダイヤ「はい。貴女が千歌さんを連れてきた時はそのことをを聞きませんでしたので」
鞠莉「ん〜私と千歌っちの運命的な出会いはね〜……家の前だったかしら」
ダイヤ「はぁ?家の前?」
鞠莉「そうよ。サボり……休憩がてら散歩に行こうとしたらいたの」
ダイヤ「聞き捨てならない言葉が聞こえましたが」
鞠莉「どーでもいいところに食いつかないの。話が進まないじゃない」 ダイヤ「くっ……それで?何故うちで雇おうと?」
鞠莉「何してるの?って声掛けたら」
千歌『ここに住まわせてもらえます?』
鞠莉「って言ったから」
ダイヤ「ちょっと待ちなさい」 鞠莉「さすがにダダで住まわせるのはアレだから、メイドとして働くならいいわよって言ったの」
ダイヤ「そういうことではなく……あぁ、もういいですわ。貴女のやることに突っ込んでたら疲れます」
鞠莉「Thank you!」
ダイヤ「褒めてません」 鞠莉「ん、まぁそれと何となく昔の私に似てたから」
ダイヤ「馬鹿なところがですか?」
鞠莉「ちょっと辛辣過ぎるわよ〜?」
ダイヤ「……ま、確かに似てますわね。今日尚更そう思いました」
鞠莉「でしょ?」
ダイヤ「でもそうなると……わたくしたちが戻れと言っても説得力皆無ですわね」
鞠莉「そうねぇ……」 ー千歌の部屋ー
千歌「あーちかれた……ホントに疲れた……」
トントン
千歌「ふぁーい」
曜「ちーかちゃん」
千歌「あれ、曜ちゃんどしたの?」
曜「ちょっといいかな?」
千歌「いいともー」
曜「良かった。入るね」 千歌「何しに来たの?スマブラ?」
曜「違うかなー。スマブラはまた今度しようか」
千歌「じゃあなに?モンハン?」
曜「遊びに来たわけじゃないよ。お話」
千歌「……またー?」 曜「千歌ちゃん、お父さんやお母さんとは仲良くないの?」
千歌「急に何でそんなこと……」
曜「まぁいいから。どうなの?」
千歌「……跡継ぎの話をするようになってからほとんど口聞かなくなった」
曜「ふんふん、そっか」
千歌「私が親と仲悪かったら何かあるの?」
曜「うーん、何かあるというか……ちゃんと向き合った方ががいいよ」
千歌「何?お説教はゴメンだよ」 曜「そうじゃなくて、ちゃんと話せる時に話すべきだってこと」
曜「私みたいに、失う前にね」
千歌「……え?」 乙乙、無理しないでね
曜ちゃんの過去も語られそうで楽しみ 乙です
曜ちゃんの過去もなかなか辛そう…
無理せず自分のペースで進めてくださいね 書けなくてごめんなさい、遅くなってすいません、少なくてごめんなさい
変な強迫観念で書くなよ、好きに書け
こっちは好きで読んで、好きで保守しとんねん
保守してんだから早く書けなんて誰もおもてないで One more Hoshushine Story 曜「私のパパはね、船長だったんだ」
曜「かっこよかったんだよー!小さい頃から憧れだった。大きくなったらパパみたいになるんだって」
曜「ママはね、とっても優しくて、手先が器用でなんでも作ってくれたんだ。裁縫が好きなのもママ譲りなの」
曜「パパの影響で制服が大好きでね。自分で洋服を作るようになったんだ」 曜「四年前、二人の結婚記念日。パパとママはパパが操舵する船で旅行に行ったの」
曜「それきり、帰ってこなかったけどね」
曜「あとから聞いた話では、パパたちが向かった海域は、急な大シケになってたんだって」
曜「二人のために服、作って待ってたんだけどね……」 曜「私ね、千歌ちゃん」
千歌「……!」
曜「人って変だなって思ったんだ。そこに無いものを常に欲しがってる」
曜「ある時はそれが当たり前になってる。失ってから初めてそれが大事か分かる」
千歌「……」 曜「千歌ちゃんは、何かを求めて家を飛び出してきたんだよね」
千歌「……うん」
曜「それはいいと思う。でもね……」
曜「今自分の前にあるものと、人と、もう1度向き合ってみて」
曜「失って後悔する前に、ね?」
千歌「……うん」
曜「うふっ、ごめんね変な話しちゃって」 千歌「……うん」
曜「うふっ、ごめんね変な話しちゃって」
千歌「……一つ疑問が」
曜「うん?」
千歌「なんでこの屋敷に来たの?」
曜「仕事の関係で、パパと奥様……鞠莉さんは知り合いだったんだ」
千歌「そういうこと……」 曜「元々くるつもりは無かったよ?でも、私がパパとママに贈るつもりだった服をね」
鞠莉『それ、私にちょうだい。無駄にはさせないわよ』
曜「って言ってくれたから」 つまり曜ちゃんはパパとママにメイド服を贈るつもりだったのか…… 乙
つまり曜パパはメイドコスが趣味だったのか・・・ 千歌「……それ、だけ?」
曜「うん。それだけだよ」
千歌「そ、そうなんだ……」
曜「じゃあ私戻るね。聞いてくれてありがと」
千歌「ううん、こっちこそありがとう。ちゃんと考えてみる」
曜「うん!おやすみ」
千歌「おやすみ」 パタン
曜「……」
『貴女が曜ね?』
『……誰?』
『あら、その服は?』
『……私が作った』
『へぇ……!凄いじゃない!』 『でも無駄になったから捨てるの』
『何で?勿体ないわ』
『だって、パパとママはもういないから』
『……ふぅん、じゃあその服私にちょうだい。無駄にはさせないわ』
『何で?』
『私が着たいからよ。ダメ?』
『……』 『そんな顔をしないの。せっかく可愛いんだから』
『……だって、わたし』
『大丈夫よ、貴女はひとりじゃないわ。これからは――』 キリがいいところまでとりあえず
今夜また更新します ・15
ー松浦食堂ー
ガララ
果南「いらっしゃい……およっ」
鞠莉「かなーん!」
ダイヤ「こんにちは」
善子「変わってないわね」
果南「……今日はもう店じまいかな」 ーー
果南「はいどーぞ」
ダイヤ「ありがとうございます」
鞠莉「果南の料理久しぶりね〜」
善子「キムチはないの?辛いやつ」
果南「あるよ。ちょっと待ってね」 果南「―なるほどね。あの新人メイドちゃんは家出娘だったのか」
ダイヤ「梨子さんの話だと、目的もふわっとしてるようで」
鞠莉「千歌っちらしいわよねぇ」
果南「君たちも家出娘だから何も言えないと」 善子「んぐんぐ……ぶはっ。もう娘なんていう歳じゃないけど」
鞠莉「あははっ、もうすっかりおばさんね私達」
ダイヤ「家を飛び出して20年あまり……歳もとるはずです」
果南「一回帰ってみようとは思わないの?」
鞠莉「んん……そうねぇ」
ダイヤ「どんな顔して家に帰れというんですか」 果南「時間の流れは色んなものを変えていくよ。過去は無かったことにはならないけど、あの時とは違って自分の中に残ってるんじゃない?」
善子「そうかしら。老けたくらいで何も変わってないような気がするけど」
鞠莉「……果南の言う通りかもね。堕天使堕天使言ってた善子も今じゃ売れ残りアラフォーだし」
善子「ケンカなら買うわよ」
鞠莉「変わらないのはダイヤの頭の硬さくらいね」
ダイヤ「表に出なさい」
果南「まま、落ち着いて」 鞠莉「若い頃の無鉄砲さのままここまで来てしまった感じね」
ダイヤ「……一度振り返ることが必要かもしれません」
果南「だね。善子もそう思うでしょ?」
善子「……ふん、あんなクソ親父のことなんて知ったこっちゃないわよ」
鞠莉「……」ゴクゴク 果南「親が自分の親と絶縁状態じゃまずいんじゃない?」
ダイヤ「まぁ……」
鞠莉「……曜は強い子ね。あの悲しみを、ちゃんと乗り越えた」
ダイヤ「それは……貴女の貢献が大きいでしょう。貴女が家族として迎え入れたことで、曜さんは一人にならずに済んだ」
鞠莉「いえ……私は何もしてないわ。過去を見ないフリをしてる後ろめたさから、あの子には何も出来なかった」 善子「今更何言ってんのよ。少なくとも、善子は姉さんに感謝してるじゃないの」
鞠莉「そう、かしらね……」
果南「……ふふっ」
ダイヤ「なにが可笑しいんですか」
果南「いやぁ、千歌の影響はかなり大きいみたいだね」
鞠莉「……そうね」
ダイヤ「昔わたしくしたちが捨ててきたものを、まざまざと見せられてるようです」
善子「……」ゴクゴク 果南「潮時なんじゃない?観念しなよ。梨子のこともあるんだし」
鞠莉「あーー……嫌だ……」
善子「会わなくてもいいじゃない……」
果南「こらこら。ダメだよ」
ダイヤ「……」パクッ
果南「ダイヤも」
ダイヤ「」ビクッ
果南「ね?」
ダイヤ「……はい」 果南「よし、飛びっきりの日本酒持ってくる。今日は飲み明かそうか」
よしまり「よっしゃあああ!!」
ダイヤ「たまにはいいでしょう」
果南「冷?それとも熱燗にする?」
鞠莉「冷で!」
善子「私もー」
ダイヤ「わたくしは熱燗でお願いしますわ」
果南「おっけーちょっと待ってて」 ーー
千歌「……」ゴシゴシ
梨子「ご苦労さま」
千歌「あ、梨子ちゃん」
梨子「今日は真面目にしてるのね」
千歌「私はいつも真面目にしてるよ」
梨子「どの口が……」 千歌「どこいくの?おトイレ?」
梨子「女の子なんだからもっとデリカシーを持ちなさい。お母様のところよ」
千歌「へぇ……あれ、何持ってるの?」
梨子「これ?これはね……」
千歌「……進路調査票?」
梨子「うん。学校に提出しなくちゃいけないの」 千歌「へー、なんて書いたの?百合漫画作家?」
梨子「ちょっとだけ強めに叩いてもいいかな?」
千歌「違うのか」
梨子「違うわよ。普通に進学よ」
千歌「なんだー」 梨子「大学行ってちゃんと勉強しようと思って」
千歌「何の?」
梨子「経営学」
千歌「経営学って……会社継ぐの?」
梨子「ええ、そのつもりよ」 千歌「……他にやりたいことは無かったの?」
梨子「無いことはないけど……今私がやりたいことを見つめ直したら、これだったから」
千歌「……そっか」
梨子「じゃ、サボってダイヤさんに怒られないようにね」
千歌「うん」 千歌「……」
ダイヤ「千歌さん、終わりましたか?」
千歌「あ、もうちょっとです」
ダイヤ「早くしないと次がありますわよ」
千歌「はーい」
トテトテトテ…… ーー
トントン
千歌「はーい」
曜「千歌ちゃん、電話だよ」
千歌「電話?私に?」 千歌「もしもし」
『もしもし、千歌?』
千歌「……お母さん」 『良かった、出てくれた』
千歌「……なに?」
『聞いたわよ、志満と美渡から』
千歌「そう……」 『色々言いたいことあるけど……とにかく』
『元気で、本当によかった……』
千歌「……!!」 『心配したのよ……もう』
千歌「うん……ごめんなさい」
『近いうちに……帰って来なさい。ちゃんと話をしましょう。お父さんも待ってるから』
千歌「うん……うん……!」
曜「……」
曜「……良かったね」 ーーーー
ーパン屋ー
ガラガラ
花丸「あ、いらっしゃいませ」
ダイヤ「こんにちは。食パンとフランスパン買いに来ましたわ」
花丸「あ、ダイヤさんちょっとこっちに来て」
ダイヤ「何です?」
花丸「いいからいいから」 >>574
ーーーー
ーパン屋ー
ガラガラ
花丸「あ、いらっしゃいませ」
ダイヤ「こんにちは。食パンとフランスパン買いに来ましたわ」
花丸「あ、ダイヤさんちょっとこっちに来て」
ダイヤ「何です?」
花丸「いいからいいから」
ダイヤ「はぁ……?」 ダイヤ「ここは……」
花丸「マル達の居住スペースずら」
ダイヤ「何故ここに連れてこられたのです」
花丸「ちょっとね。ルビィちゃーん!ダイヤさん来たよー!」
ルビィ「はいはーい」
ダイヤ「ルビィ、一体何の用です」 ルビィ「ちょっと待ってね」スッスッ
ダイヤ「電話?」
ルビィ「……あ、もしもし?うん、ルビィだよ。ちょっと待ってね」
ダイヤ「……まさか」
花丸「さすがダイヤさん。察しがいいずら」ガシッ
ダイヤ「ちょ、放してください」
花丸「だーめ。大人しくするずら」 ルビィ「はい、お姉ちゃん」
ダイヤ「……勘弁してください」
ルビィ「ダメだよ」
ダイヤ「くっ……」
ルビィ「ほら、早く」
ダイヤ「……はぁ……」スッ ダイヤ「……もしもし」
『ダイヤか』
ダイヤ「……はい」
『元気か、身体は何ともないか』
ダイヤ「ご心配なく」 『そうか……良かった……』
ダイヤ「……お父様は、お元気ですか」
『あぁ……なんとか、な』
ダイヤ「そうですか……」 『……正月、帰ってこい』
ダイヤ「……」
『大丈夫だ。もう、何も言わない……』
ダイヤ「……はい」
『お前の、誕生日だ。祝わせてくれ……』
ダイヤ「……はい」
『一緒に酒を飲もう』
ダイヤ「……はい……」 『ルビィと、二人で帰ってこい』
ダイヤ「……はぃ……ごめんなさい、お父さ様……」ポロッ
『いいんだ、もう謝らなくていい……』
ダイヤ「はい……!」ポロポロ
花丸「……良かったずらね、ルビィちゃん」
ルビィ「うん……」 ーーー
鞠莉「……曜、返しなさい」
曜「ダメです」
鞠莉「悪い子ね。そんな風に育てた覚えはありません」
曜「なんとでも言ってください。かけるって言うまでスマホは返しません」
鞠莉「……いい度胸ね」 バーン!
善子「あ!いた!」
曜「お、来た来た」
善子「スマホとノートを返しなさい!!」
曜「じゃあお父さんに電話をかけると約束してください。そしたら返します」
善子「嫌よ!!なんで今更あのクソ親父と話さなきゃならないのよ!」 曜「約束しないなら善子様のTwitterのアカウントにこのノートの中身をアップします」
善子「この……!なんて卑劣な!!」
鞠莉「そんな脅し私には効かないわよ!!」
善子「私に効くのよ!」
曜「それ逃げろー!」ダッ!
鞠莉「あっ!」
善子「待てコラーーー!!」 ー
鞠莉「はぁ……はぁ……」
善子「ぜぇ……ぜぇ……」
曜「ふふっ」
鞠莉「ぜんっぜん追いつけない……」
善子「あーもー……」
曜「大人しく観念してください」 鞠莉「……黒幕は果南ね」
曜「さぁー?どーでしょー?」
善子「ダイヤの様子もおかしかったし……やってくれるわねあのポニテ」 曜「……鞠莉さん、私は貴女に本当に感謝してます」
鞠莉「……!」
曜「貴女が私を迎え入れてくれたから……家族と呼んでくれてから、私は今ここにいます」
善子「……」
曜「おかけで……私は、家族を失う悲しみに浸からなくて済んだ」
鞠莉「曜……」 曜「ですから、貴女も家族を大切にしてください」
曜「私からの、切実なお願いです」
鞠莉「……分かったわ」
善子「姉さん……」 >>590
曜「ですから、貴女も家族を大切にしてください」
曜「私からの、切実なお願いです」
鞠莉「……分かったわ」 善子「姉さん……」
鞠莉「曜、スマホを返してくれる?」
曜「……はい」
鞠莉「ん、ちゃんと約束は守るから。心配しないで」
曜「絶対ですよ?」
鞠莉「ええ」
曜「……では、私は外します」 善子「……ほんとにかけるの?」
鞠莉「約束、したからね」
善子「すごく嫌だ……」
鞠莉「しょーがないでしょ。果南にも言われたけど、そろそろ観念しないといけない時なのかも」
善子「はぁ……分かったわよ」
鞠莉「……じゃあ、かけるわよ」
善子「あー……なんで実の親に電話するのに緊張するのよ……」
鞠莉「自業自得ね、しょうがないわ」
善子「私のは半分姉さんのせいなんだけど」
鞠莉「今さら言いっこなしよ」スッ プルルル
プルルル
ガチャ
鞠莉「……Hello、dad」 千歌「では、行ってきます」
鞠莉「OK!行ってらっしゃい!」
ダイヤ「お姉様たちによろしくとお伝えください」
千歌「はい……その、迷惑かけてすみませんでした」
鞠莉「いーのよ!気にしてないから!」 曜「千歌ちゃん、ちゃんと話してくるんだよ」
千歌「うん!」
梨子「そのまま家に戻るわけじゃないのね」
千歌「うん……その、まだ何をしたいか見つけたわけじゃないけど……ちゃんと、自分でやりたいことを決めたいってことをきちっと話してくる」
梨子「……そう」 鞠莉「まぁ、千歌っちは今ではうちに欠かせない有能メイドだからね〜。戻ってきてもらわないと困るわ。ね、ダイヤ?」
ダイヤ「はい、そうですわね」
千歌「ダイヤさんに褒められた!やばい天変地異が起こるよ!」
ダイヤ「何ですって?」
曜「まぁまぁ……」 千歌「じゃあ、行きます」
鞠莉「うん!」
ダイヤ「道中お気をつけて」
千歌「はい!行ってきます!」
善子「お土産よろしく〜」
千歌「えぇ……図々しい」
善子「何よその態度!!」
・15 終わり ・16
果南「上手くいって良かった」
曜「えぇ、手強かったですけど」
果南「ふふっ、本当昔から変わんないんだから」
曜「でもおかけで梨子ちゃんはおじいちゃんに会えるから良かったって」
果南「そっか。それは嬉しいだろうね」
曜「はい、緊張するって言ってましたけど」 果南「高校生で始めて会うからね。無理ないか」
曜「誰もいない屋敷は広くて広くて」
果南「好きに使えて楽しいんじゃない?」
曜「んー……私は皆いて賑やかな方がいいです」
果南「そっか。まぁ、いつもうるさいくらい賑やかだもんね」
曜「はい。物足りなくて」 果南「……ま、ダイヤも鞠莉達も長い反抗期が終わってよかったよ」
曜「そうですね……」
果南「今日は泊まってく?」
曜「いえ、帰ります。主人がいない間はメイドが家を守らないと」
果南「ふふっ、そっか。気をつけて帰りなよ」
曜「はい!」 ー
果南「……」
プルルル プルルル
ガチャ
果南「もしもし、父さん?」
果南「……うん、元気。父さん腰は?」
果南「……そっか。……うん、年末帰るよ」
果南「……うん……うん。分かった、お酒と干物持って帰るね」 ピンポーン
曜「はーい」
鞠莉「たーだいまーー!!」
善子「疲れた……」
曜「あ、おかえりなさいませ」 鞠莉「よーーーーう!会いたかったわーーーー!!」ダキッ
曜「わぷっ」
梨子「ちょっとお母様。静かにしてください」
善子「ふぇー……曜、コーヒー入れて」
曜「はーい……どうでした?」 鞠莉「ま、相変わらずだったわよ」
善子「そうね。相変わらずの頑固親父だったわ」
曜「ふふ。どうでした?お嬢様」
梨子「すごく優しいおじいちゃんだったわよ。どこが嫌だったのか理解できない」 善子「あんたはあのクソ親父の怖さを知らないのよ」
鞠莉「そーよそーよ。何よ、梨子にはデレデレして。私たちには会うなり説教してきたくせに」
梨子「当たり前でしょう。20年以上も音沙汰なかったらそりゃそうなります」
善子「これからは定期的に連絡するように言われてしまったわ。最悪」
曜「まぁまぁ……」 ピンポーン
ダイヤ「ただいま戻りました」
曜「あ、ダイヤさんおかえりなさい。どうでした?」
ダイヤ「……ま、相変わらずでしたわ」
曜「おんなじこと言ってる〜……本当に3人は意地っ張りなんですから……」
ダイヤ「どういう意味です」 鞠莉「ダイヤと同じなんてたまったもんじゃないわ」
善子「そーよそーよ」
ダイヤ「はぁ?何です帰宅早々喧嘩売ってますか?」
曜「どぉどぉ」 ダイヤ「千歌さんの姿が見えませんが」
曜「あ、千歌ちゃんなら」
千歌「はーい!呼びましたかー?」
鞠莉「あら千歌っち!戻ってたのね!」
千歌「はい!昨日もどりました」 ダイヤ「どうでしたの?」
千歌「んーと……はい、これ」ピラッ
鞠莉「これは?」
千歌「契約書です。2年経ったらここを出ていきます」
梨子「雇われてる方が契約書って……」 千歌「そんで、2年経っても何も見つけられなかったら家に戻る。そう約束してきました」
鞠莉「ふんふん……あら、備考?」
ダイヤ「なになに……『ぐずったらしばいて下さい』……何ですかこれは?」
千歌「2年後、私がグズグズしてたら思いっきりシバいてください。お願いします」
善子「なーによそれ……」 千歌「どうか……よろしくお願いします」
鞠莉「んふ、分かったわ!約束しましょー!」
千歌「ありがとうございます!」
鞠莉「当たり前よ!家族の頼みは聞いてあげるに決まってるじゃない」
千歌「家族……」
鞠莉「ええ、ひとつ屋根の下に住んでるなら家族よ」 千歌「……じゃあ、ダイヤさんは口煩い姑ってことですね」
ダイヤ「何故そうなるのです」ギュゥウウウ!!
千歌「ぎぃやあああああ!!家庭内暴力!!」
ダイヤ「さ、仕事はたんまり残ってますわ。やりますわよ」
曜「はーい!」
千歌「へーい……いてて」 善子「さて、部屋に」
ダイヤ「戻ってはいけません。仕事」
善子「うげぇ……」
鞠莉「……」ダッ
ダイヤ「あ!こら待ちなさい!!」
鞠莉「エスケープ!!」ダダダダ
ダイヤ「奥様ああああ!!」ダダダダ 千歌「よっしゃ、サボるなら今だ」
曜「コラコラダメだよ」ガシッ
千歌「後生だから見逃してくれぇぇ……」
曜「はいはい、お掃除しようね〜」ズルズル
梨子「はぁ……またうるさくなるわね」
・16 終わり 終わり
見てくれた人、レスしてくれた人ありがとう
ではでは くっそおもしろかった
毎日の楽しみやった
後日談やってくれてもいいのよ 乙です
毎日みんなのどたばたに癒やされてました
みんな何かしらの答えを見つけられて良かったです >>560
善子「今更何言ってんのよ。少なくとも、曜は姉さんに感謝してるじゃないの」
ここの善子のセリフだけ修正で…… よし
ここから日常編をちかっちが巣立つ2年後までやってくれ 乙だが、え?終わりなの?
続編希望やで!
しかし年末〆に良いSSだったわ 公式設定を改変しつ流用しつつ絶妙なバランスに仕上げてて良かった みんなの台詞ひとつひとつにかわいさが溢れ出てるSSだった
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