ダイヤ「秋の終わりに」梨子「2人の夜道をあたためて」
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ダイヤ「...」カキカキカキ
ダイヤ「...」パタンッ
ダイヤ「ふぅ...」
ダイヤ「やっと半分ってところでしょうか...んー」
ダイヤ「...」
ダイヤ「もうこんな時間...さすがに練習も終わってますわよね」
ガララッ
ダイヤ「?」
梨子「失礼します」
ダイヤ「梨子さん、...?」
梨子「おじゃましに来ちゃいました」ニコッ ダイヤ「...は?」
梨子「だーかーらー、ダイヤさんのお邪魔をしに来ました」
ダイヤ「いや、いみわから...ん"ん、練習は終わったのですか?」
梨子「はい、みんな帰りましたよ?」
ダイヤ「ならあなたも、いつまでも学校にいてはいけませんわ」
梨子「えー」
ダイヤ「えーではありませんが」
梨子「ふふっ、冗談ですよ」ニコッ
ダイヤ「ならさっさと」 梨子「...」テクテクテク
ダイヤ「?」
梨子「...」ジッ
ダイヤ「な、...なんですの...」
梨子「んっ」ダキッ
ダイヤ「うひゃっ!?」ビクッ
梨子「ダイヤさん...あったかいです...」ギュッ
ダイヤ「り、りりりりりり、りりりり!!?!?」
梨子「りりり?...目覚まし時計みたいになっちゃった」クスッ ダイヤ「り、梨子さん!!!!あなたっっっ!!なにをするのですか!!!」ウギギギギ
梨子「んー?」スリスリ
ダイヤ「ちょ、...やめ...っん」
梨子「嫌ですか?」
ダイヤ「...え」
梨子「私にこうされるの...嫌ですか?」ウルウル
ダイヤ「うっ」
梨子「...」ウルウル
ダイヤ「いやとか、そういう問題ではなく...」キョロキョロ 梨子「こんなこと、鞠莉さんと果南さんに毎日されてますよね」
ダイヤ「あの2人は別に」
梨子「んーーーっ」ムギュッ
ダイヤ「なっ、あなた、いったい何を考えて...」
梨子「なにも」
ダイヤ「なにも...って」
梨子「ほら、生徒会のお仕事、全然進まないですよね?」
ダイヤ「いやそれは、あなたが邪魔をするからで」
梨子「はい」
ダイヤ「わかってるのならやめてくださいな」
梨子「なら、今日はおしまいに」
ダイヤ「はぁ?」 梨子「もうこんな時間ですよ?...ダイヤさん、少し頑張り過ぎです」ナデナデ
ダイヤ「うっ」
梨子「今日も練習参加しないで...机に向かってばかり」
ダイヤ「...」
梨子「もっと私たちを頼っていいのに」
梨子「そしたらもっと一緒に居れるのに」
梨子「全部一人で片付けようとして」
ダイヤ「、...生徒会長ですので」
梨子「私、ダイヤさんのそういうとこ、...嫌いです」
ダイヤ「...」ビクッ 梨子「...」
ダイヤ「...頼れっていったって...そんなの」ボソボソ
梨子「ねぇ、ダイヤさん」
ダイヤ「なんですの」
梨子「バス...最後のやつ、行っちゃいました」
ダイヤ「まぁ、時間が時間ですし」
梨子「帰りましょ?一緒に」ニコッ
ダイヤ「...」
梨子「ダイヤさんと一緒に並んで帰りたいなぁー」 ダイヤ「...なにを企んでいますの」
梨子「なにも」
ダイヤ「...」
梨子「それとも」
ダイヤ「?」
梨子「この暗闇の中、私一人で帰らせる気ですか?、女子高生一人きりで...」
ダイヤ「んなっ、あなたねぇ」
梨子「私の身になにかあったら...そのときは」クルッ
ダイヤ「...」
梨子「...」 ダイヤ「はぁ...わかりました...一緒に帰ればいいのでしょう...」
梨子「そうです、さすが生徒会長さんですね!」ニコッ
ダイヤ「...なんのつもりか知りませんが...まぁいいです」
梨子「やったぁ」
ダイヤ「...今片付けるので、少々お待ちを」
梨子「仕方ないですねぇ、生徒会長の言うことなので、待ってあげましょう」
ダイヤ「追い出しますわよ?」
梨子「じょーだんですよぉ、冗談」ニコニコ
ダイヤ「ふんっ」 -----
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梨子「うぅ...やっぱり外は寒いですね」ブルブル
ダイヤ「ほら、行きますわよ」テクテクテク
梨子「ダイヤさんは寒くないんですか?」
ダイヤ「寒いですわ、...だからこそとっとと歩く、お家のこたつが恋しいですので」
梨子「みかん食べたいですね」ニコニコ
ダイヤ「おこたでのみかん...格別ですわねぇ」
梨子「あっ、硬度下がりました今!」
ダイヤ「やかましいですわ」
梨子「ふふっ」
ダイヤ「なんですのもぉ」クスッ 梨子「ダイヤさんダイヤさん」ピトッ
ダイヤ「ちょ」
梨子「嫌ですか?」
ダイヤ「くっつきすぎですわ」
梨子「ぶーぶー」
ダイヤ「豚さん?」
梨子「ダイヤさん、嫌いです」プイッ
ダイヤ「あら、怒ってしまいました」
梨子「そうです、可愛い後輩は拗ねてしまいましたよ、生徒会長のせいで」 ダイヤ「梨子さんにも、こんな一面があるのですね」
梨子「...なんですか」ムゥ
ダイヤ「いえ、少し意外でした」
梨子「ふんっ、ダイヤさんが私のなにを知ってるんですか」
ダイヤ「あなたはよく、Aqoursの練習ですと...お姉さん的な立場でいてくれていますわよね」
梨子「...」
ダイヤ「だから不思議だったのです...いつもとは打って変わって、妹のようで可愛らしいと感じたので」ニコッ
梨子「...」
ダイヤ「?」 梨子「...」
ダイヤ「梨子さん、顔が赤いですわよ」
梨子「...夕焼けのせいです」
ダイヤ「もう沈んでるのに?」
ペシッ
ダイヤ「あだっ!」
梨子「...ばか」ボソッ
ダイヤ「なっ、あなた年上の私になんてことするのですか!」
梨子「うるさいです、知りません」テクテクテク
ダイヤ「ちょ、お待ちなさい!!」
梨子「...やです」テクテクテク
ダイヤ「っっっ、もぉ」テクテクテク 梨子「...」ピタッ
ダイヤ「?」
梨子「ダイヤさん」
ダイヤ「...なん、ですの」
梨子「寒いですよね」
ダイヤ「はぁ、寒いですわね...だから早く帰ろうと」
梨子「手、冷たいです」
ダイヤ「え?」
梨子「私、手が冷たくて、死にそうです、緊急を要します」
ダイヤ「死にはしませんわ」
梨子「...」ジトッ ダイヤ「あっ、そういえば」ガサゴソ
梨子「?」
ダイヤ「ふふふ...やはり生徒会長、このようなひみつ道具を隠し持っているなんて」
梨子「突然の独り言はさすがに引きます」
ダイヤ「はい、これ」
梨子「...」
ダイヤ「...」
梨子「なんです...これ」
ダイヤ「ホッカイロですわ!」ドヤッ
梨子「いや、それは見たらわかりますが」 ダイヤ「...こうしてシャカシャカして」ブンブン
梨子「ダイヤさんって」
ダイヤ「はい?」ブンブン
梨子「おばかですよね」
ダイヤ「え」
梨子「そのホッカイロ、あげますよ、ダイヤさんに」
ダイヤ「え?いや、これはあなたに...あの...」
梨子「ばか...ダイヤさんのばか...ばか...」テクテクテク
ダイヤ「ちょ、なにを怒って」テクテクテク 梨子「はぁ...期待した私もおばかでした」
ダイヤ「おばかおばか、ってさっきからなんですの、言いたい事があるならハッキリと」
梨子「ん」ニギッ
ダイヤ「...え?」
梨子「手」
ダイヤ「...」
梨子「手、繋いで欲しかった...んです...けど」プルプル
ダイヤ「...」ドキッ
梨子「迷惑...嫌じゃなきゃ」プイッ ダイヤ「...」
梨子「...」
ダイヤ「梨子さんの手...冷たいですわね」
梨子「ダイヤさんのは、あったかいです」
ダイヤ「ホッカイロ、握ってましたので」
梨子「ん」ピトッ
ダイヤ「歩きづらい」
梨子「でもこの方が」
ダイヤ「あたたかいのでしょう?」クスッ
梨子「ん」ギュッ ダイヤ「なんだか今日の梨子さんは、...めんどくさいですね」
梨子「こんな私は嫌ですか?」
ダイヤ「そうですわねぇ...」
梨子「...」
ダイヤ「たまになら、よいかもしれません」ニコッ
梨子「...」
ダイヤ「無反応ですか」
梨子「なら、たまにこうして...」
ダイヤ「?」
梨子「たまにでいいので、今夜みたいに一緒に帰ってほしいです」 ダイヤ「ふふっ」
梨子「...なんで笑うんですか」ジトッ
ダイヤ「いえ、...なんでもありませんわ」
梨子「むっ、言ってください、気になります」プクッ
ダイヤ「言ったら怒るでしょう?」
梨子「怒りません」
ダイヤ「絶対怒りますわ」
梨子「怒りません」
ダイヤ「...」
梨子「...」 ダイヤ「ん」ツンッ
梨子「んぐっ」
ダイヤ「いつまで膨れているのですか」
梨子「ダイヤさんがあまりにもわからず屋さんなので」
ダイヤ「そうでしょうか」
梨子「鈍ちんさんでもありますし、おばかさんでもあります」
ダイヤ「私の評価低すぎませんか?」
梨子「そうです」
ダイヤ「なら、一緒に帰るなどと」 梨子「そこは私がとっても、とーーーっても優しいので、仕方なくで」
ダイヤ「なら一人で帰りますが?手ももう繋がなくてよろしいでしょう」
梨子「んーっ!!」ニギッ
ダイヤ「なんて握力ですの」
梨子「ちゃんとお家まで送り届けてください、生徒会長の使命です」
ダイヤ「めんどくさいですわねぇ」
梨子「めんどくさい禁止」
ダイヤ「なんでですの」
梨子「知りません」 ダイヤ「怒ってます?」
梨子「怒ってません」
ダイヤ「怒ってる」
梨子「怒ってません」
ダイヤ「ふふっ」
梨子「笑わないでください!!」ムスッ
ダイヤ「また膨れましたわね、...正月のお餅のようです」ツンツン
梨子「むきーっ!!」 -----
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ダイヤ「ほら、着きましたわよ」
梨子「...」
ダイヤ「そのお顔で家へ戻ったら、ご家族の方が心配されますわ」
梨子「生れつきですので」
ダイヤ「それはかわいそうに」ニコッ
梨子「なんかダイヤさん...私のことなめてます?」
ダイヤ「なめてませんわ...ほら、家にお入りなさいな」 梨子「約束ですよ」
ダイヤ「?」
梨子「また、こうして一緒に」
ダイヤ「はいはい、約束しますわ」
梨子「ん」ニコッ
ダイヤ「笑ってくれましたわね」
梨子「忘れてなくて安心したからです」
ダイヤ「当然ですわ、かわいい後輩のお願いですもの、...めんどくさい、めんどくさくて可愛い後輩の」ニコニコ
梨子「ダイヤさん...ほんと嫌いです」 テクテク
ダイヤ「?」
梨子「これ、返しますね」
ダイヤ「...ありがとうございます」
梨子「ん、じゃまた明日」
ダイヤ「...」フリフリ
バタンッ ダイヤ「...」
ダイヤ「はぁ...帰りますか」
ダイヤ「...」シャカシャカ
ダイヤ「ホッカイロ...やはり良いですわね」
ダイヤ「...けど、何故でしょう」
ダイヤ「...」
ダイヤ「先程より...ずっと寒く感じますわ」
ヘクチュッ
おわり ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています