善子「最後ノート?」
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-沼津
??「そのノートに名前を書かれた人の……」
善子「ま、まさか……死ぬ……なんてことが!?」
??「それはデスノートやね。これは名前を書かれた人の最後、死因が見れるノートや」
善子「死因?」
??「生き物は必ず死ぬ。でも死に方は様々……これにはそれが見える」
善子「はぁ……」
鞠莉「は、花丸……」
梨子「っ………」ドキッ
善子「ずら丸………」ゴクッ
花丸「もう、みんなこないから朝4時の悪夢が蘇ったずらー」トットット…
鞠莉「……………」
梨子「……………」
花丸「善子ちゃん、電話にもでてくれないし……」ススッ
善子「ずら丸……あんたって……」
花丸「それよりノート揃ったんだし、明日儀式をやるずら!」
梨子「花丸……ちゃん……」
花丸「ホントはすぐにやりたいところなんだけど、マルにも少し準備が必要なの」
鞠莉「花丸………花丸っ!」
花丸「……………なんずら?」
善子「あんた……ノート集めて何がしたいの?」
花丸「なにって、あんな物は人の運命を惑わすだけの悪魔のノートだってこの前にもいったずら」
梨子「そのノートを処分するって……」
花丸「この世にあっていい物じゃないからね」
鞠莉「じゃあ本当に……信じていいのね?」
花丸「何を言ってるの?」
善子「だって……あんた……」
花丸「ノートの処分は勿論だけど、マルはノートによって歪んでしまった善子ちゃんの因果を正したいの」
梨子「そ、そうだよね……やっぱり花丸ちゃんは花丸ちゃんだよね?」
花丸「さっきから何を言ってるずら?」
鞠莉「ふー……いつもの花丸じゃないの……驚かさないで……」
花丸「も〜! 待ち合わせにこないうえになんずら!?」
善子「ごめん、悪かったわよ」
梨子「ホント、ビックリしたけど……」
鞠莉「じゃあダイヤが言ってたのは何かの間違いだったのかしらね」
花丸「なにかあったずら?」
善子「マリーが、花丸がもう死んでるなんて言うから、変な事いっぱい想像しちゃったわ」
花丸「あー………」
梨子「でも花丸ちゃんはちゃんと……」
花丸「まぁじっさいマルは死んでるけど……」
鞠莉「え……?」
梨子「へ?」
善子「は……?」
花丸「もしかして、ダイヤさんマルの名前書いたの? それだときっと驚いたかな」
善子「何言って……え?」
花丸「あ、逆にマルの事を視たのなら冗談だって思う事もあるのかな?」
梨子「は、花丸ちゃん?」
花丸「ダイヤさんはそのあたり、なんて言ってたずら?」
鞠莉「ちょっとまって花丸……」
花丸「見た感じマルに対する態度もそう変わっていないし、やっぱり冗談だと……」
善子「待ちなさいよ!!」バンッ
花丸「………………」
善子「なんなの、なに平然としてるの? 自分が死んでるって、よくそんな事言えるわね!」
花丸「でも、本当にマルは……」
善子「じゃあ今私の目の前にいるあんたは何なの!? 幽霊とか亡霊とか、そういうのとか言うワケ!?」
花丸「マルは……マルずら……」
善子「解んないって! ずら丸は友達が死んでましたって言われて、平気でいられるの!?」
梨子「善子ちゃん……」
善子「いきなりあんたが死んでたなんて言われて、私達がなにもなかったように話を進められると本気で思ってるの!?」
花丸「……………」
善子「それって今私におこってる事よりももっと問題なんじゃないの!?」
花丸「…………そんな事、ないよ」
鞠莉「花丸……話してくれない?」
梨子「花丸ちゃん……」
花丸「話すと言っても……んー……」
善子「自分の生死を平然と口にしといて、あとなにを迷うのよ」
花丸「いやぁ、どうやって説明したものか……」
梨子「なにかまたややこしい状況になっちゃうの?」
鞠莉「因果がどうとかの話?」
花丸「ううん、結局のところ今のマルには影響のない事なので、みんなに余計な心配をかけるだけかなぁと」
善子「じゃあなんで自分が死んでいるって事サラっと言うのよ!」
花丸「だって、そこを否定したらダイヤさんのノートに信憑性もなくなって、そこから全体的に広がる事だってあるわけだし」
鞠莉「私達がノートをジョークグッズの類だと思うって事?」
花丸「そう。ただでさえ善子ちゃんは不安定な状況なのに、余計な事で時間を無駄にしたくないずら……」
梨子「それで儀式を急いでいたの?」
花丸「それもあるし、マルの本能がそうさせるの」
善子「なによ、じゃあ死んでますってサラっと流して強引に儀式までやろうとしてたの?」
花丸「まー思った以上に善子ちゃんの熱い言葉が聞けて嬉しかったずら」
善子「バカにすんな!!」
花丸「ぁぅ……」
鞠莉「そこは同感。私達がそんなに薄情に思われていたなんて」
梨子「私達、やっぱり花丸ちゃんの事信じたいの」
花丸「ご、ごめんなさい……」
善子「だから儀式は明日やるってのは分かったわ、でもそれまでにちゃんと話して……」
花丸「ん………あ、でもお昼休みもう終わるずら」
善子「んも〜〜! そのマイペースなのがなんかムカつくわねー!」
梨子「ふふっ……」
鞠莉「………………」
善子「じゃあ放課後! 練習終わったらここで話す! いいわね!」
花丸「わ、わかったずら……」
梨子「でもよかった……花丸ちゃんがやっぱり花丸ちゃんで」
花丸「もう……最初からそう言ってるずら……」
鞠莉「ん……そうね」
善子「ってわりと時間ギリじゃないの! 走るわよずら丸!」ダッ
花丸「廊下を走ってはいけないずら」タッ
善子「構わないわよっ!」ダダダダ…
ピロリン
善子「ん、LINE? マリーから……」ピッ
シャイ煮『さっきのはきっと花丸なりの優しさよ』
善子「ん?」 ピロリン
シャイ煮『私達の空気、最初に比べてずっと明るかったのは、花丸が死を意識させないようにしてくれたからだと思うわ』
善子「…………」
善子「そんなの………」 ピロリン
シャイ煮『あのままの流れでいたら、本当に私達は前へ進めなくなっていたかもしれない』
善子「わかってるわよ……」 ピロリン
シャイ煮『だから、私達は花丸を信じる。それだけ決まれば……いいわよね?』
善子「……………」
花丸「善子ちゃん、走りながら携帯いじると危ないよ?」スッ
善子「えっ?」 ゴツン!
花丸「だから言ったのにー」タッタッタ
善子「いっつつ……」
花丸「お先ずら〜〜〜♪」スタタタタ
善子「なによ……嬉しそうにしちゃって……」
-放課後 スクールアイドル部部室
ダイヤ「花丸さん、果南さん! 今日も自主練していきますわよ!」
果南「ホント気合入ってるね〜ダイヤ」
ダイヤ「当然です! アゼリアがその名でライブができる機会はそう多くないのですから!」
花丸「あー………」
鞠莉「悪いわね〜ダイヤ、今日は花丸はうちが借りていくわ!」ギュッ
花丸「はぅっ」
ダイヤ「え、なぜですの?」
果南「ギルキスは練習しないの?」
善子「や、やってるわよ」
ルビィ「梨子ちゃん善子ちゃん、新しい衣装は間に合いそう?」
梨子「んえっ!?」
曜「ギルキスだけ急に衣装変更するっていうからちょっと気になってたんだけど」
千歌「大丈夫そう? ライブ来週だよ?」
善子「だ、大丈夫よ。この堕天使ヨハネの新たなる漆黒の聖衣、楽しみにしていなさい」
ルビィ「漆黒の聖衣〜」キラキラ
千歌「なんだかよくわかんないけど、すごいの作ってるんだね」
梨子「う、うん……まぁ……」
曜「もし手伝えることがあったら言ってね」
梨子「ありがとう」
梨子「何気に日数まずいんじゃないのかな?」コソッ
善子「デ、デザインさえ決まればなんとかなるわよっ」コソコソ
ダイヤ「とにかくライブに向けて一日たりとも無駄にできないのです。花丸さんはこちらに!」グイグイ
花丸「ずらー……」
鞠莉「こっちも大事な要件だって言ってるでしょ!」グイ
花丸「ず〜ら〜……」
果南「ちょっと鞠莉、強引だよ?」
梨子「……………」
善子「……………」
鞠莉「え、今日はやめとく?」
梨子「花丸ちゃんの話は勿論大事で、気になりますけど…」
善子「ライブの準備が遅れているのは……まぁ……若干やばかったりもするし?」
鞠莉「むぅ……あ、じゃあ夜にっ…」
花丸「夜はダメずら〜、マルも準備しないといけない事があるずら」
善子「明日の儀式は…絶対なのよね?」
花丸「可能な限り急ぐべきだよ」
梨子「と、とりあえずその儀式のため集まった時に話を聞くという事で…」
鞠莉「私はそれでもいいけど……善子は?」
花丸「……………」
善子「いいわよそれで……ずら丸の事、信じるって決めたんだし」
梨子「うん、そうだね」
花丸「ありがとずら……」
ダイヤ「なにやってますの、行きますわよ〜!」
花丸「今行くずら〜〜」タッ
鞠莉「じゃあ今日は……」
梨子「本気で作業しよ!」
善子「ふ、余裕よ!」ビシッ
-夜 善子ちゃんのお部屋
善子「ふ、ふふ……ついに完成したわ……」フラフラ
ピッ ピッ……
善子「画像送信っと……はぁ……」バタッ
善子「衣装のデザインは出来た……曲のアレンジはマリーと梨子が仕上げてくれる……」
善子「デザインさえ決定すれば既存の衣装を弄るだけでなんとかなる……」
善子「完成した曲とじっさいにフォーメーション練習には……週末を返上すれば……」
善子「今出来る事はやった……あとは………」
ピロリン
善子「えっと……マリーは……ん、オッケーってことね」
ピロリン
善子「梨子は……ん、こっちもオッケー。じゃあ後は作るだけね……」
prrrr…
善子「ん……梨子?」ピッ
善子「もしもし」
梨子『善子ちゃん、ごめんね作業終えたばかりなのに…』
善子「いいわよ、どうせ横になってボーっとしてるだけだし」
梨子『ん…………』
善子「どうしたのよ…」
梨子『いよいよ、明日だね』
善子「あ、儀式ね……うん」
梨子『……………』
善子「梨子……?」
梨子『うまくいくかな……』
善子「いってくれないと困るわよ」
梨子『そうだね……』
梨子『……………』
善子「どうしたのよ……」
梨子『儀式が終わったらね、その……善子ちゃんの寿命はまたわからなくなるんだよね…』
善子「そうらしいわね」
梨子『運命が変わったら……運命共同体って、どうなるのかな?』
善子「そのへんは良く分からないわね。言葉のイメージだと一蓮托生みたいなものみたいだけど」
梨子『うん……そうだね……一蓮托生……運命を共にする……』
善子「なにか気になる事でもあるの?」
梨子『えっと……花丸ちゃんがね、私の運命が善子ちゃんを繋ぎとめているって言ってたじゃない?』
善子「そうね」
善子(そのせいで梨子の寿命もひっぱられて短くなっているとも……)
梨子『すべてが解決したら私達、運命共同体じゃなくなっちゃうのかなって……』
善子「さぁねぇ……わからないわ」
梨子『そっか…わからないよね』
善子「それにあんまり興味もないし」
梨子『え……そうなんだ………』
善子「前にも言ったけど、運命とかそういうものの認識がちょっと変わったからね」
梨子『よく堕天の運命がどうとか言ってたのに……』
善子「ぐ……い、いいのよそれは……」
梨子『あやふやだなぁ…』
善子「ふ、ふん……」
梨子『とにかく明日……がんばろ』
善子「儀式そのものは簡単だってことだけど」
梨子『そうなんだ』
善子「条件がそろえばって言ってたから、そういう意味なら明日は完璧でしょ」
梨子『そっか…じゃあ明日儀式が終わったらどうする?』
善子「衣装作るに決まってるじゃない!」
梨子『はは、そうだね。手伝う』
善子「頼むわ……」
梨子『ん……じゃあもう切るね、また明日……おやすみなさい』
善子「おやすみー」 ピッ
善子「………………」
善子「運命共同体なんかより、もっと強いものがあるのよ…リリー」
-次の日 早朝
prrrrr…… prrrrr……
善子「ふぁ……ぁ、ん……」モゾモゾ ピッ
善子「あい……」
花丸『おはよう善子ちゃん! 儀式の準備はできてるので、マルの家に来て欲しいずら』
善子「む…………こんな時間から?」
花丸『儀式の都合上、人目の少ないうちがいいからね』
善子「そう、わかったー……ふあぁ……」
花丸『それじゃまた後で〜ずらっ』ピッ
善子「んしょ………ふぅ………行きますか」
乙
LINEのアカウント名がシャイ煮なのはよしまりどっちのセンスだ -花丸ちゃんの家 境内
鞠莉「あ……ふ……こんな時間に呼び出されるとは思ってなかったわー」
梨子「おはようございます。うぅ、寒い……」
善子「おはよ……ぜぇ…ぜぇ……」
梨子「善子ちゃんどうしたの!?」
善子「なにって、バスもでてないから自転車飛ばしてきたのよ……ふぃ…」
鞠莉「連絡くれたら車を回してあげたのに」
善子「いいわよこれくらい……」
花丸「みんなよくきてくれたずら」ザッ
善子「あ、ずらま……」
梨子「わー花丸ちゃん可愛い!」
鞠莉「oh-もしかして巫女服ってやつ?」
花丸「それは神社だよ。これはただの作務衣ずら」
善子「普通そんなにフリルやリボンはついてないと思うんだけど?」
花丸「こ、これは前にルビィちゃんが色々つけてくれたの……」
善子「いいんじゃないの?」
花丸「ん……あ、それよりみんな準備はいい?」
善子「ノートとルビィから借りたアイドル名鑑」ドシッ
梨子「私もノートを…」
鞠莉「ノート三冊とダイヤに借りた、私達が初めてスクールアイドルとして作った衣装よ」
梨子「え、すごい! わぁ、シンプルだけど王道ならではの可憐さがでてますねー」
善子「よく借りられたわね、そんなの」
鞠莉「ま、そこは企業秘密よ」
花丸「うん、それで大丈夫だと思うずら」
善子「すぐに始めるの?」
花丸「ここじゃなくて、儀式の準備をしている場所があるからマルについてきて」
-お寺の裏山
鞠莉「へー、遠くから見ているだけじゃわからなかったわね、こんな場所があるなんて」
梨子「森だと思っていたけど、ここだけ開けてるんだ……」
善子「おぉ、なんかいい雰囲気の場所じゃない?」
花丸「よくわかんない黒魔術とかしないでね」
花丸「ここずら」ザッ
鞠莉「これって、焚火?」
善子「なにこれ、キャンプファイヤーでもするの?」
花丸「儀式の際にね」
梨子「周辺に置いてある台座はみたいなのは?」
花丸「ある法則に沿って配置してあるその台座に、アイドル名鑑とダイヤさんの衣装を置いて」
善子「ここでいいの?」ズシッ
鞠莉「オッケー」サッ
花丸「次に焚火の前にある台座にみんなのノートを置いて」スッ カチッ
梨子「あ、ここね」
ボゥッ!
善子「あっつ!」
鞠莉「花丸ー、火を点けるなら先に言って!」
花丸「ごめんずらー」
梨子「び、びっくりしたー」
善子「あーでもまだ寒いから丁度いいわねー」
梨子「いや、これちょっと…熱い…」
鞠莉「すごい勢いね〜」
花丸「善子ちゃんはノートを置いた台座の前に、鞠莉ちゃんはその右隣、梨子ちゃんは左隣へ」
善子「え、ここ……ちょっと熱いんだけど…?」
鞠莉「近いわねー…」
梨子「はぅ……」
花丸「ガマンするずら〜」
花丸「そのままそこに立っていて、しばらく時間を待つから」
善子「えぇ、この熱いのそのままなのね…」ジリジリ
鞠莉「ガマン……ガマン……」ジリジリジリ…
梨子「あぅ……き、きついよ?」ジリジリジリ…
花丸「じきに慣れるずら〜」
善子「慣れるか!」
ザッザッ…
梨子「花丸ちゃん?」
花丸「時間が来るまで、少しマルの話をするずら……」
善子「ん………」
鞠莉「話してくれるのね」
花丸「ダイヤさんがマルの死因を見て信じられないのも無理のない話だったずら…」
善子「それはあんたがもう……死んでいるから……?」
花丸「それと、死因ずら」
鞠莉「死因……目の前の花丸は元気そのものなのに、ほんとにどういうワケ?」
花丸「えっと、マルも一度どういうのか見ておきたいから……っと」パサッ
善子「それ、私の最後ノート……」
花丸「善子ちゃん、ためしにここにマルの名前を書いてみて欲しいずら」
梨子「え、それって…!」
善子「何言ってんのよ、そんな事したら余計に因果の鎖ってのが絡んでくるんじゃないの?」
鞠莉「…………」
花丸「マルの場合は大丈夫ずら……はいこれ、ペンも用意してあるから」スッ
善子「い、嫌よ! あれだけもうノートは使うなと言っておいて……」
花丸「ノートは今日、確実に処分する。でもこの先同じような物が出てきた時、マルにとっての経験としておきたいの」
鞠莉「それって、ノートはまだあるっていう事?」
梨子「え?」
花丸「ノートかどうかは分からない。だけど人を惑わす呪いはこの世界にはたくさんある。どういう形で現れるかも様々」
梨子「呪い………」ゴクッ
善子「それとこれに何の意味が……」
花丸「マルはこれからも人に害をなす存在は許すことが出来ない。そういう運命を背負ってしまったからね」
善子「どういう事よ……?」
花丸「それを教えるという意味でも書いて見て。どういう表現がされるのかも、知っておきたいの」
善子「……………」
梨子「善子ちゃん……」
鞠莉「善子……」
善子「わ、わかったわよ!」バッ
花丸「ゴメンね。あんまりいい気分じゃないかもだけど、表示される内容をそのまま教えて」
梨子「…………」
鞠莉「…………」
善子「…………」
善子(そういえば前に書こうとして辞めたところがある……)
国木田花
善子(……………丸……)サラッ
国木田花丸
善子「………………」ドキドキ…
善子「あ、でてきた……」
梨子「ノートは…なんて?」
鞠莉「………」ゴクッ
花丸「……………」
善子「なにこれ………」
国木田花丸
享年15歳 死神に魂を刈り取られ死亡
善子「し、死神?」ビクッ
梨子「え?」
鞠莉「どういう事なの?」
花丸「………………」
善子「享年15歳……死神に魂を刈り取られ……死亡……」
梨子「死神……?」
鞠莉「魂を刈り取られって……なによそれ……」
花丸「なるほど、マルは死神ということか……」
善子「なんなのよこれ、ずら丸!」
梨子「ほ、ほんとなの善子ちゃん」
鞠莉「花丸……自分が死神って……?」
花丸「落ち着くずら善子ちゃん」
善子「だってこれって……普通の死因じゃないじゃない!」
花丸「そう。マルはあの日、突然死んだの……」
梨子「15歳って……今年の事?」
花丸「正確には、今年の7月。沼津の花火大会の後ずら」
鞠莉「え、でも花丸はずっと私達と一緒に……」
花丸「うん。マルはマルで、それは変わらない。でも魂は違う……」
善子「なによそれ……中身は別人だっていうの?」
花丸「ううん、ちゃんと国木田花丸。でも国木田花丸は、一度死んでいるの」
梨子「死神に殺されたって言う事?」
鞠莉「でも自分の事を死神って……」
花丸「マルは自分がどういう存在なのかはよくわかっていないの」
善子「はぁ? どういう事?」
花丸「マル自身……えっと、この場合はマルの中にいる存在、もう一つの魂の事」
梨子「??」
花丸「意識としてそこにあったのは、この土地を守るという意識。たぶんマルは土地神や土着神だったずら」
鞠莉「……ん?」
善子「あんたは沼津の土地神だっていうの?」
梨子「あ、善子ちゃん意味わかるの?」
善子「言葉のニュアンスとしてはね……」
花丸「いつからそこにいて、いつから町を見守っていたのか曖昧なんだけど、それはきっとマルと一緒になったからかな」
鞠莉「死神っていうのはどういう事なの?」
花丸「それは、認識の違いずら」
梨子「??」
花丸「マルは最後ノートの事を悪魔のノートと呼んだよね」
善子「そうだったわね」
花丸「でも、人によってはそれは誰かの運命に干渉して救う事も出来るかもしれない、奇跡のノートでもある」
梨子「それが良いか悪いかという以前の認識って事ね」
花丸「つまりノートの死因に死神とでるという事は、そのノートを作った誰かにはマルのような存在はそう認識されているという事ずら」
鞠莉「じ、じゃあ花丸は死神じゃ……ないってこと?」
花丸「それはわからないずら」
善子「なんでよ」
花丸「土地に仇なす存在に、マルはきっと容赦のない存在であったはずだから……」
善子「守るために………殺すって事?」
梨子「……………」
鞠莉「じゃあどうして、花丸は死んだの?」
花丸「それは………」
善子「なによ、ずら丸が何か土地に対して悪い事をしたっていうの!?」
梨子「よ、善子ちゃんっ」
花丸「動いちゃダメだよ善子ちゃん。もうじき儀式が始まる…」
善子「ぐっ……いいからワケを話しなさいよ!」
花丸「………マルは、昔から霊感がすごかったの」
梨子「霊感……」
鞠莉「よく聞くけど実際どういうのが霊感が強いというのかわからないアレよね?」
花丸「明確な差でいえば視えるか視えないか、存在に触れられるかどうか……そしてマルは視る事も触る事も出来たの」
梨子「でもそれって昔からなんでしょ? どうして急に……」
花丸「確かに子供の頃から他の人とは違うものをたくさん視ていて、それにはもう慣れた生活だったの」
善子「むぅ……なんかちょっと特別っぽいわね……」
鞠莉「なんでそこで悔しそうにするのよ」
花丸「ふふ、善子ちゃんが天使がどうとか言ってる横で何かが浮遊していたの、知らないでしょ?」
善子「いっ…ち、ちょっとそういうのは今はいいのよ……」
花丸「今では曖昧になった以前のマルにもお互いに視えている存在として認識はしていたの」
梨子「花丸ちゃんがし……えっと、土地神様を視ていたって事?」
花丸「マルも視ていたし、同時にマルも視ていた……お互いに」
鞠莉「ややこしい表現ね」
花丸「あの日……マルは意識していなかったけど、ただそこを浮遊いているだけだったけど、マルとすごく近くにいた」
善子「……?」
花丸「お寺に続く石階段の途中で、マルはマルとすれ違った……それをマルは視線で追ってしまった」
梨子「えっと……うん……?」
鞠莉「あとでわかりやすく教えて……」
花丸「いつもの通いなれた階段で、意識をマルに向けたから、マルは足を踏み外した」
善子「………」ゴクッ
花丸「マルも本来干渉しないような存在だったけど、お互い存在を認識していたから、とっさにバランスを崩すマルに手を伸ばしてしまった」
梨子「え、まさか……それだけで?」
花丸「石階段から転げ落ちるマルはその途中、マルに触れてしまった……触れてはいけない存在だったマルに……」
善子「でもそれって、助けようとしたんでしょ?」
花丸「そんなの関係なかったの。マルはそういう存在だったのを、そうして知ったの」
鞠莉「……………」
花丸「階段から落ちたマルは死んでいた。でも原因はマルにあった……」
梨子「まって、じゃあ花丸ちゃんは今……」
花丸「どうしてそうしたのか、今のマルと同調しているマルには曖昧…ただ善子ちゃんの言う通り、助けようとしたんだと思う…」
善子「それで………」
花丸「今のマルには漠然としているけど、それでも明確な目的があるの……」
善子「ややこしい言い方ね…」
花丸「この土地に蔓延る人に仇なす存在は消滅させる。ただそれだけが目的」
善子「なによそれ……じゃあこれからどうするのよ」
花丸「これから?」
善子「ノートを処分したら、あんたはどうするのかって」
花丸「マルはマル本来の人生を歩みつつ、そういう存在がいれば動くだけ……」
鞠莉「んーつまり、なんだか色々わかってない事もあるけど、花丸はその……人間でいいわけ?」
花丸「勿論ずら」
梨子「神様なのかなって思っていたけど……」
花丸「そんな曖昧なものじゃないちゃんとした人間、国木田花丸だよ、梨子ちゃん」
善子「…………それでもあんたは……」
花丸「っと、話し込んでるうちに時間ずら」
鞠莉「儀式を行うのね」
梨子「ん……」
善子「ちょっとまってまだ聞きたい事が…」
花丸「時間を逃すわけには行かないから、それは終わってからにして欲しい」サッ
梨子「えっと、どうすれば……」
善子「むぅっ……」
花丸「じっとしているだけでいいよ、マルがやることを見守っていて欲しいずらっ」スッ
善子「わかったわよ…はい、ノート……」
花丸「うん。すぐに終わらせて、善子ちゃんを更生させるずら」
善子「不良か!」
梨子「ふふ…」
花丸「いまからマルがノートを焚火に投げ込むから、そこで善子ちゃんの因果の鎖は切れます」
鞠莉「それだけでいいの?」
花丸「ただ焼くだけだと、善子ちゃんは死にます」
善子「は、はぁ!?」ドキッ
梨子「大丈夫……なの?」
花丸「運命に干渉し、因果に深く干渉した意識、それを一方的に破棄する行為。これを世界は認めないの」
鞠莉「タダで捨てる事は出来ないって事?」
花丸「すべての行動はいつか自身に返る。良い事も悪い事も……それすなわち…」
善子「……………」ゴクッ
花丸「因果応報ずら」
梨子「因果応報……聞いた事あるかも」
善子「わ、私がやったことが返ってくるって事?」
花丸「ある意味では逆流するとも言うけど、なんにせよ善子ちゃんが結んだ因果の糸はすべて善子ちゃんに返り…」
鞠莉「…………返り…?」ゴクッ
花丸「善子ちゃんを因果の渦に飲み込もうとする」
善子「」ゾクッ
梨子「で、でも大丈夫なんでしょ? なにかするんだよね?」
花丸「勿論、そのために縁を起点として善子ちゃんに結ぶ。ようは渦に引きずり込まれないように因果の糸で繋ぎとめるの」
鞠莉「そのためにそれぞれ必要なわけね」
善子「…………」ドキドキ…
花丸「善子ちゃんに返る因果は全部で4つ。それを繋ぎとめるための縁も4つ」
梨子「私と、鞠莉さんと……」
鞠莉「ルビィのアイドル名鑑に、ダイヤの衣装ね」
善子「な、なんか聞く分にはすごく頼りないんだけど……本や衣装で大丈夫なの?」
花丸「大丈夫ずら。そこはマルを信じるずら」
善子「ど、どっちのずら丸を………あ、いやいいわ……」
梨子「うん。花丸ちゃんはずっと花丸ちゃん」
鞠莉「正直私はさっぱり理解できてないけど、ようは死んだけど生き返ったって事でしょ?」
花丸「あはは、それでもいいずらっ」
善子「信じてるわ。だから……」
花丸「うん。それじゃ始めるね」サッ
花丸「人が持つ魂の輝きとその運命を悪戯にかき乱す存在を……マルは許さないずら」ババッ
ボワッ! ボボボボ…
梨子「ノートが……」
鞠莉「随分勢いよく燃えるのね……」
善子「…………」
花丸「きた!」
ドンッ! ドンッ! ドドッ! ゴォッ
梨子「な、なにあれ?」
鞠莉「火の中から黒い筋が……あれが因果の糸?」
善子「…………!」グッ
梨子「善子ちゃん!!」
善子「………あぅ…」
鞠莉「花丸! 黒い糸が善子に!!」
花丸「大丈夫、視て……」
善子「…………?」
梨子「あ、光ってる……」パァ
鞠莉「ワオッ! これってマリーも!?」パァ
花丸「それが縁の糸、善子ちゃんとみんなを繋ぎとめる絆……」
梨子「あ、衣装と本も光ってる」
善子(う、くっ……なんか足元からすごい引きずり込まれる感じ……でも……)
梨子「善子ちゃん!」パァァ
鞠莉「善子!!」パァァ
善子(みんなからのびた光が私を繋ぎとめてくれている……これなら…)
花丸「いま4つの因果が善子ちゃんの体を突き抜けて、大地に溶け込んだ……これで……」
ズオォォォォォ…! ドンッ!
善子「!?」ビリッ
梨子「きゃあ!」ビリッ
鞠莉「ば、爆発!?」
花丸「え……?」
梨子「は、花丸ちゃん! 焚火がすごい……燃え上って……」
鞠莉「なんなの……炎が……黒く染まってる……」
善子「え…な、なに?」
花丸「なにこれ……こんな因果の塊……見た事ない………」
梨子「だ、大丈夫だよね?」
花丸「……………」
ブオオォォ! ゴアァ
善子「ひっ!」
鞠莉「炎が! 花丸!!」
花丸「ど、どうして……これだけの運命をどこに内包してたの……ノートには4人しか……!?」
善子「う………ああああああああぁぁっ!!」
梨子「善子ちゃん!!」
鞠莉「様子がおかしい……花丸! 花丸!!」
善子(あ、ああっ、な、なにこれ、頭の中に何かが………意識が…引きずり込まれそう……!)
梨子「善子ちゃん! きゃあ!!」
鞠莉「どうしたの? っ!?」ビクッ
善子(ま、真っ暗になっちゃった…どうしたの、これ、なんなの!?)
梨子「花丸ちゃん! 善子ちゃんの足元に渦が! 善子ちゃんが沈んじゃう!!」
花丸「どういうこと……どういうことなの……?」
善子「ぐっ……う、ああぁ……!!」
花丸「善子ちゃん! ノートに何を書いたの!?」バッ
梨子「え…?」
鞠莉「何を……」
花丸「これだけの因果、数人書いた程度じゃ起こりえない!! 他に何か書いていたの!?」
善子「ぐ……うぅぅ……!」
梨子「苦しそう……どうにかならないの?」
鞠莉「善子の体が沈んでいる!!」
花丸「善子ちゃん!!」
梨子「うぅ…や、やだーー!!」ガッ
鞠莉「梨子!?」
梨子「善子ちゃんを、連れて行かないで!!」ググッ
花丸「梨子ちゃん!? 梨子ちゃんも引きずり込まれちゃうよっ!!」
鞠莉「くっ!」ダッ
花丸「鞠莉ちゃん!!」
鞠莉「梨子! その腕、絶対に離すんじゃないわよ!!」ググッ
梨子「はいっ!!」グググッ
鞠莉「花丸! 私達が繋ぎとめてるうちに、なんとかして!!」グッ!
花丸「善子ちゃん、がんばって答えて! 起因がわからないとマルは動けないの!」ガッ
善子「うぅ……ぁ……ぁ……」
花丸「ノートに何を書いたのか、思い出して! がんばって!!」
善子(あぁ…なんだか感覚が……私、まだ生きてるよね……えっと……何を書い……?)
梨子「善子ちゃん!!」
善子(梨子……そうだ、こんなところで死にたくない……私はこれからも……梨子と……)グッ
善子「…ぅ……………ぁ…」ググ
花丸「なに?……………うん……」ガバッ
花丸「………ぷし……ろーど?」
おいおいおいおい
ドキドキしながら読んでたのに、いいところで切ってくれるな そういやそんなことも書いてたな
まさかストーリーに関係あったとは 長い伏線だったんだなw
しかしこれがインガオーホー… しかし文章が上手いなあ
とても読みやすい
よく出来たラノベって感じ たくさんの従業員抱えてるんだからそれがまとめてきたらそりゃあ… 株式会社プシロード
創業22年目にブランド力低下により他社に吸収合併され商標登録を移譲、抹消される こんなつまんねーネタで終わるのかよ
伸ばし過ぎだろ 花丸「ぷしろーどって言ったんだね? 間違いない?」
善子「ぅ………ん……」コクッ
花丸「ぷしろーど……ぷしろーど……」
花丸「ぷしろーどってなに!?」
梨子「も、もしかしてプシロードの事を言ってるのかな?」ググッ
鞠莉「あのゲームとかの?」グイー
花丸「知ってるの? 具体的に何か教えて欲しい!」
梨子「よ、善子ちゃんが好きなゲームやキャラクターを作ってる会社だったと思うけど…っ!」グググ…
花丸「会社ぁ!?」
鞠莉「株式会社プシロードね、確か……」グッ
花丸「なんてものを書いてるの!」グッ
梨子「善子ちゃんそんなの書いてたんだ……でもそんなの意味があるの?」
鞠莉「人の名前以外でもいけたんだ」
花丸「こっちのほうが問題だよ!!」
梨子「ど、どうして? んん…!」ググッ
鞠莉「そんなにマズイ事なの?」グググ
花丸「マズイよ! 会社って、小規模だけど国と同じなんだよ!」
梨子「国? 国家ってこと?」ググググ…
鞠莉「そんな大袈裟なもの!?」ズルズル…
梨子「ま、鞠莉さんっ! 善子ちゃんの体が…もう!」ズル…
鞠莉「こ、腰まで…!? んんっ、花丸ーー!!」ズルズル…
花丸「人の因果ではなく、人の想いが集束する環境、器……」
梨子「善子ちゃん!!」
花丸「たくさんの人が運命を預ける場所、集団意識を象徴するもの……そんなものに干渉して…!」
梨子「じ、じゃあこれって…!?」ズル…
花丸「会社と運命を共にした何か……因果をも飲み込んでいる存在…」
鞠莉「そんな……なんとかならないの!?」ズル… ググッ
梨子「よ、善子ちゃんが!!」
善子(あれ……なにも聞こえなくなった……体も軽い……私どうなったのかな……)
鞠莉「梨子、善子の体を後ろから持ち上げて! 私は前から!」ガッ ググ
梨子「は、はい!!」サッ
花丸「えっと……人の集団意識……それらに宿り束ねる存在……」ブツブツ
善子「………………」
梨子「善子ちゃん!!」ギュゥゥゥゥ!
鞠莉「善子!!」ググ…!
花丸「崇められる象徴……この場合会社という組織だから…えーっと…」ブツブツ
鞠莉「り、梨子!? あなたまで足が沈んでるわよ!!」
梨子「え? きゃっ!」ズ…
鞠莉「どうして? こっちは地面に遮られているのに?」
梨子「………運命共同体…だから?」
鞠莉「そんな、それじゃこのままだと梨子も一緒に!?」
梨子「……………っ!」
善子「…………梨……子…?」
鞠莉「花丸! 花丸まだなの!!」ググ
花丸「わかった! これは厳密には集合意識じゃなく、そこに生まれた鎮守神の類!!」バッ
鞠莉「なんとかなるの?」
花丸「アプローチの仕方さえ間違えなければ……でも…時間が少しかかって…」
鞠莉「なんでもいいから、できるならやって!!」ググググ
花丸「わ、わかったー!」
梨子「よ、善子……ちゃん……!」ズズズ…
善子「………………」
鞠莉「くっ……そ、もう…腕も、掴めない……」ズルズル…
善子(体の感覚がなくなって……どうなったのかな……)
梨子「ま、鞠莉さ……もうっ…!」ズズズ…
鞠莉「梨子! あなたの腕をこっちに伸ばして!」ガッ
梨子「ご、ごめんなさい…もう……」ズズ…
鞠莉「梨子!!」
ズズ…… ズズズズ……
鞠莉「梨子!! 善子!!」ガッ
…………。
鞠莉「む…うぅっ!!」ドンッ
鞠莉「くぅっ…くそっ! くそっ!!」ドンッ ガリッ
花丸「―――――」ブツブツ…
鞠莉「花丸!! 梨子も…善子も……っ!!」ガッ
花丸「…………まだだよ…まだ、終わりじゃない」
―――――
善子「………………」
善子(もうなんの音もしなくなったな……)
善子「……………」キョロキョロ
善子(どうなったんだろ、私……渦に飲み込まれちゃったのかな……)
善子「…………ぁ…」
善子「ん、声がでる……」
善子「おーーい! 梨子ー! マリー! ずら丸ー!」
善子「………………」 シーン…
善子「ちょっと……梨子!! マリー!!」
善子「……………えっと…冗談ならやめてよね!」
善子「……………………」
ヨシコチャン
善子「っ!? 梨子!! どこ!?」キョロキョロ
ヨシコチャン
善子「聞こえてるわ! どこなの!?」
善子「……………」
フワッ
善子「ん……だ、誰……?」
ヨシコチャン
善子「な、なにかいる……後ろに……」
ヨシコチャン
ヨシコチャン
善子「梨子……声はするのに視えない……でも……」
スッ…
善子「あ………あったかい……」
善子「なにかが触れている感覚……優しい、あったかい気持ち……」スッ
善子「梨子……なの?」
梨子「善子ちゃん!!」バッ
善子「うわあぁぁ!!」
梨子「きゃっ!!」ビクッ
善子「な、なんでいきなり目の前に現れるのよ!!」
梨子「なに言ってるの、ずっと呼んでたんだよ?」
善子「あ、そうなの……なんだか声はすごく遠くから聞こえてたような…」
梨子「私も善子ちゃんの声、目の前に姿はあるのに、すごく遠くから聞こえていたよ」
善子「ん………」
梨子「善子ちゃん……」
善子「な、なに?」
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