善子「最後ノート?」
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-沼津
??「そのノートに名前を書かれた人の……」
善子「ま、まさか……死ぬ……なんてことが!?」
??「それはデスノートやね。これは名前を書かれた人の最後、死因が見れるノートや」
善子「死因?」
??「生き物は必ず死ぬ。でも死に方は様々……これにはそれが見える」
善子「はぁ……」
善子「運命共同体なんかじゃくたって、梨子がこの手を離さない限り…」
梨子「うん………離さない!」ギュゥ
善子「あなたはこのヨハネのリトルデーモンよ、永遠に」
梨子「うん!」
善子「そこには何者にも立ち入る事の出来ない、堕天の契約がなされているのよ!」
梨子「んー………うん、もう堕天でもなんでもいい!」
善子「なんでもって……ふっ、まあいいわ」ギュッ
梨子「善子ちゃん……」
善子「帰りましょう……梨子」
終わってほしくないけど続きが気になるジレンマに陥ってる
もっと続いて良いんやで? ―――
――
―
善子「…………………」パチッ
善子「ん…………まぶしっ………」
ザッ…
梨子「善子ちゃん、起きた?」スッ
善子「梨子……えっと……空が見える」
梨子「うん。帰ってきたよ……」
善子「そっか………」
梨子「体、大丈夫?」
善子「ええ、なんだかスッキリしてる」
梨子「起きれる?」グッ
善子「ありがと、大丈夫。それより……」スッ
鞠莉「グッモーニンッ、善子」
善子「マリー…って、ずら丸どうしたの!?」
花丸「…………」
鞠莉「色々無理してたみたい、今は眠ってるわ」
善子「そう……」
花丸「あー……起きてるずら〜」
鞠莉「あらそうなの?」
花丸「でも鞠莉ちゃんの膝枕が気持ちいいからもう少しこのままでー…」フニフニ
鞠莉「ふふ、いいわよ」ギュー
善子「ずら丸……」
花丸「んー?」
善子「ありがとね、その……色々と」
花丸「貴重な体験したずら…」
善子「マリーも…ありがと……」
鞠莉「ふむ…殊勝な善子もいいわね」
梨子「そうですね」クスッ
善子「だっ……ん、もう……ホントに……ありがとう……」ポロッ
鞠莉「あらあら、堕天使の涙ね」クスッ
梨子「善子ちゃん……」
善子「う、うる……さ……ぅぇ……ヒック…」ボオボロ…
花丸「終わりよければすべてよし……ずら」
鞠莉「花丸は大丈夫なの? 体」ナデナデ
花丸「マルは人間だけど、ちょっと特別なの」ゴロゴロ
善子「なに…なにかあったの?」
鞠莉「渦に糸を垂らして、二人を吊り上げた時ね…」
梨子「釣りみたいですね」
鞠莉「善子にまとわりつく黒い塊を花丸が……あれは何をしたの?」
花丸「善子ちゃんの変わりに受けただけだよ」
善子「受けたって……それって私に返ってきた因果を花丸が肩代わりしたってこと?」
花丸「そんな大袈裟なものじゃないけどね、でも善子ちゃんの因果はもう清算されたから安心ずら」
梨子「ほんとに大丈夫なの?」
花丸「ノートにマルの名前を書いても無事なのは、今のマルが因果の環からはずれた存在だからなの」
善子「なにそれ?」
花丸「説明しだすとややこしいんだけど、善子ちゃんに合わせて言うなら…条件付きの無敵モードみたいなもの?」
善子「無敵って、チートじゃないの…」
鞠莉「よくわからないけど、すごいのね花丸」ナデナデ
花丸「えへへ〜」ホワー
梨子「あ………」
善子「どうしたの?」
梨子「あ、あの花丸ちゃん」
花丸「なんず〜ら〜?」
梨子「その……私と善子ちゃん……」チラ
善子「………ん?」
花丸「?」
梨子「…………………」ギュッ
鞠莉「?」
梨子「ごめん、なんでもない……」
花丸「いいの?」
梨子「うん。もうあまり意味のない事だし…」
善子「梨子、もしかして」
梨子「それに、知ることが必ずいい事に繋がるわけでもないって、今回わかったから」
花丸「その通りずら」ムクッ
鞠莉「もういいの?」
花丸「うん、ありがとうずらっ」スッ
花丸「さて、梨子ちゃんも善子ちゃんも鞠莉ちゃんも、まだ運命を知りたいと思う?」
善子「私はいいわ。面倒事しかおこらないし」
梨子「私も……」
鞠莉「知る事の責任……重みは私達には分不相応ってのはわかるわ」
花丸「そう。マルも含め、運命なんてものを認識し、干渉するなんて人には荷が重すぎるずら」
花丸「だからこそ、日々を精一杯生きる姿こそが、人の魂を……」
善子「またそれ? この前も聞いたわよ」
花丸「大事なことずらー!」
鞠莉「oh-!大変!」バッ
梨子「ど、どうしたんですか鞠莉さん!?」
鞠莉「いつのまにかとっくに学校はじまってたわ……」
梨子「え……あーーー!!」
花丸「あぅ、完全に遅刻ずら……」
善子「そういえば儀式の邪魔になるかもってマナーモードにしてたけど……うわっ」
梨子「千歌ちゃんと曜ちゃんからメールと電話がすごい……」
花丸「マルのほうにもルビィちゃんから……」
鞠莉「こっちもよ、まったく心配性なんだから」
梨子「とりあえず無事解決したなら、急いで学校行こっ」
善子「えー……もう今日はいいんじゃないの?」
鞠莉「ちょっと疲れたわね〜」
梨子「もう、理事長自らサボろうとしないでください!」
花丸「マルはおなかすいたずら……」
鞠莉「あ、じゃあこれから何か食べに行きましょ!」
善子「賛成〜!」
花丸「食べるずら〜」
梨子「もう、花丸ちゃんまで!」
善子「梨子!」
梨子「なーにー?」
善子「一蓮托生よ!」ガッ
梨子「え…ちょ、私は行くなんて……」グッ
善子「一緒よ、これからも!」
梨子「…………善子ちゃん」
善子「私のリトルデーモンでしょ! しっかりついてきなさい!」
梨子「それとこれとはちが〜〜う!」
―――
――
―
―
――
―――
-市内の中学校 体育館特設ステージ横
ルビィ「わぁ〜すごい! カッコイイ!」キラキラ
善子「ふ、当然よ……この堕天使ヨハネの溢れる魔力を内包した新たな聖衣!! とくと見るがいい!」ビシッ
梨子「シャロンの新しい衣装もとっても可愛いわよ」
曜「でしょっ? ルビィちゃんと一緒に作り直したんだ!」クルクル
千歌「可愛いよねーこの衣装」
善子「ちょっとスルーしないで!」
鞠莉「oh-、とってもステキな衣装ね果南!」
果南「鞠莉もカッコイイじゃん」
鞠莉「ふふ、そうでしょ?」
ダイヤ「さ、ユニットトップバッターはシャロンですわよ、準備してください!」パンパン
花丸「ルビィちゃんがんばるずら〜」
ルビィ「うん、見ててね!」トテテテ…
千歌「じゃー行ってきまーす!」
曜「最初の勢いが大事だからね、がんばろう!」
梨子「がんばってっ!」グッ
善子「次は私達なんだから、アップはじめておきましょ」
鞠莉「そうね、梨子!」
梨子「はーい」
ダイヤ「わたくし達も準備しますわよ!」
果南「トリコリコステッキのリボン取れちゃった…」ポロッ
ダイヤ「なぜ今!? もう、しょうがないですわね……」カチャカチャ
果南「おーさすがダイヤ、器用だねぇ」
ダイヤ「これくらいならお裁縫とそう変わりません」
花丸「最後までバタバタずら」
鞠莉「花丸、ちょっとアップ手伝って」
花丸「ん、マルでいいずら?」
鞠莉「二人一組でやったほうが早いし、ちょっと聞きたい事があるのよ」
善子「梨子ー、柔軟手伝って」
梨子「うん」グッ
花丸「いくずら〜」ググッ
鞠莉「んっ……もっと強くてもいいわよー」ググ
花丸「わかったずら」グイグイ
花丸「それで、聞きたい事ってなんずら?」グイグイ
鞠莉「ちょっと個人的に気になってる事をねー」グニグニ
善子「いたたたたたた!」ビシッ ビキビキ
梨子「全然柔らかくならいないね、善子ちゃん」ゴキッ
鞠莉「ダイヤがノートに名前をたくさん書いたのに大きな影響がでていないのって、信じていなかったからよね?」
花丸「あ、そっちの話ね。うん、ダイヤさんはノートを信じなかった、これは大きい事だよ」
鞠莉「たったそれだけって言うか、そんなんで極端な差がでるのってどういう事なの?」
花丸「知って、認識して、意識する。これだけで人が世界に与える影響というのは思いのほか大きいものずら」
鞠莉「ふむ……認識としてあるかないか…確かに気持ちとしては大切ね」
花丸「同じ物を視る時も、知っているかそうでないかで自身の行動基準に大きな影響がでるのと同じずら」
鞠莉「あ、じゃあさ、私はノートの事も知っていたし、その重要性も認識していた。そして梨子から色々話を聞いたわ」
花丸「ふむ……」
善子「いっつつ……やりすぎよ……」
梨子「ちゃんと家で毎日柔軟体操してる?」
鞠莉「それなのに善子と私でこんなに差異がおこるのはどうして?」
花丸「んーそれは単純な話かな」
鞠莉「ん?」
花丸「梨子ちゃんにとっての縁……関係性の決定的な違いずら」
鞠莉「人と人の縁……友好関係が運命に大きく影響を与えるとかそういうの?」
花丸「うん。でも決して梨子ちゃんと鞠莉ちゃんに縁が無いわけじゃないの」
鞠莉「じゃあどういうこと?」
善子「交代よ、交代!」
梨子「はいはい、んしょっ」
花丸「梨子ちゃんにとっての運命的な出会い、なにより優先すべき対象となったのが相手じゃ、そこに差があるのは当然ずら」
鞠莉「あぁ……そういう事……ふふ」
善子「行くわよ、とりゃー!」グギギギギ
梨子「痛っ! ちょっとこれもう柔軟じゃないよ!」グキグキ
善子「ふ、まだまだねリリー」
梨子「もう、やったわね!」バッ
善子「ぬあっ、奇襲とは卑怯な!」ササッ
梨子「油断大敵よっ」
鞠莉「仲いいわねー」
花丸「ホントずら〜」
ダイヤ「そろそろギルキスもスタンバイお願いしますわ」
梨子「あ、はーい」
鞠莉「それじゃ、最高にギルティなステージを見せてあげますか」
善子「ふふ、この日を境にまたリトルデーモン達が多く誕生するのね」
梨子「そうだといいわね」クスッ
善子「なるわよ!」
花丸「マル達はここでじっくり見させてもらうずら〜」
果南「がんばってねー」
ダイヤ「気合ですわよ! 気合!」
善子「よしっ………」
梨子「もうすぐだね」
鞠莉「色々あったけど、またこうしてライブが出来て、なによりだわ」
善子「ふ……そうね」
梨子「これからも、もっとみんなとこうしてライブやりたいね」
善子「…………ん、出来るわよ……」
鞠莉「梨子と善子の運命が今はもうわからないように、私とパパの運命も不明……でも」
梨子「大丈夫だよ、きっとみんな長生きする!」
善子「どういう根拠よそれ」
梨子「根拠というか……前向きに生きていくための、ちょっとした希望かな」
鞠莉「希望ね……何も知らないまま生きるにはそれくらいあったほうがいいわよね」
梨子「何も分からないから、毎日を一生懸命生きる……この言葉、今だとよくわかる」
鞠莉「そうね……」
善子「…………………」
梨子「善子ちゃん?」
善子「大丈夫よ、梨子はきっと長生きするわ」
梨子「それは……どうして?」
善子(私の運命を繋ぎとめるために自らの寿命を縮めた……つまり、そういう事よね)
善子「堕天使と運命を共にするリトルデーモンなら当然よ」
梨子「答えになってないよ?」
善子「答えは……」ギュッ
梨子「あ………」キュッ
善子「これから時間をかけて証明してあげるわ」グッ
梨子「…………善子ちゃん」
鞠莉「善子、梨子! さぁ、出番よ!」
善子「行くわよ、リリー!」
梨子「………うんっ!」
善子(未来の事は誰にもわからないこそ、今を精一杯生きる……考えてみれば当たり前の事よね)
善子(ただそれだけ……だけどそのたった一つを、共に歩んで行けるなら、きっとどこまでだって行けるよ…)
善子「行くわよ!」
鞠莉「愛こそすべて!」
梨子「愛こそすべて!」
善子「愛こそすべて!」
「ギルティ・キス!!」
この先鞠莉ママでてきたらただひたすらに、ゴメンナサイ…… 乙!!!
引き込まれて毎日の楽しみになってた
おわるの少し寂しいくらい 乙でした!
素晴らしいヨハリリだった…
読んでてすごく面白かったからまたSS書いてください ハッピーエンドだけど、よく考えるとマルしんでんだよなあ 確かにラストうやむや感はあるな
だがすげー読みごたえあった。ありがとう! ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています