千歌「果南ちゃんとの生活」
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〜十千万前〜
果南「チカー」
千歌「果南ちゃんおかえり!」
果南「今日も大量だったよ」
千歌「わあ、おいしそうなマンモス!」 バチバチ
千歌「早く食べたいなー」
果南「もうちょっとで焼けるよ」
千歌「わくわく」
果南「あはは、千歌はホントにマンモスが好きだね」 千歌「あ、果南ちゃん、木の実集めておいたよ」
果南「ありがと千歌」
千歌「これと一緒に食べるマンモスは絶品だよね」
果南「うん!」 千歌「ふう〜、食べた食べた」
果南「ごちそうさまでした」
千歌「ねえ、チカの採ってきた木の実どうだった?」
果南「うん、おいしかったよ」
千歌「えへへ〜」 果南「さ、お腹も膨れたし今日は何しよっか」
千歌「晴れてるし天体観測!」
果南「あはは、いいね」
千歌「果南ちゃん、星好きだもんね」 果南「ほら千歌、あれがデネブだよ」
千歌「うわあ〜」
果南「それであっちがベガ」
千歌「きれいだなー」 千歌「果南ちゃんって本当に星に詳しいよねー」
果南「チカの言った通り、星が好きだから」
千歌「果南ちゃんと天体観測って全然飽きないよ」
果南「私も、千歌と一緒の天体観測は楽しいな」 キラン
千歌「あ、流れ星!」
果南「ホントだ」
千歌「……」ブツブツ
果南「チカ、何をお願いしたの?」 千歌「ん、それはもちろん」
千歌「果南ちゃんといつまでも一緒にいられますようにって」
果南「チカってば…」
果南「もう、かわいいんだから」ハグ 《翌日》
果南「行ってきます」
千歌「いってらっしゃい」
果南「今日はいっぱい魚獲ってくるから」
千歌「うん、楽しみにしてる」 千歌「さて、私も木の実採ってこなきゃ」
男A「千歌ちゃん」
千歌「あ、男Aさん、おはようございます」
男A「あの話、考えてくれた?」 千歌「それは…」
男A「こんなこというのもなんだけど」
男A「僕はこの部族の長の息子だ」
男A「絶対キミに苦労はかけないよ」 (・∀・)イケメンttps://i.imgur.com/hrwcSgv.jpg 千歌「……」
男A「いい返事を期待してるよ。じゃあね」
千歌「果南ちゃん」
千歌「私、どうしたら…」 果南「ふう、大漁大漁」
果南「今日も千歌を喜ばすことができそうでよかった」
男B「果南!」
果南「男Bさん、どうしたですか?」 男B「どうしたじゃないよ。早く俺と結婚してくれ」
果南「…こないだも言ったじゃないですか」
果南「私はまだ結婚する気は…」
男B「何故だ!?他に好きな男でもいるのか!?」 果南「別にいないですけど」
男B「じゃあなぜ!?」
果南「とにかく、結婚する気はありません」
男B「ガッデム!」 果南「ただいまー」
千歌「おかえり」
果南「ほら、今日もいっぱい獲れたよ」
千歌「わあ、おいしそう!」 バチバチ
千歌「はふはふ」
果南「千歌ってば慌てて食べないの」
千歌「だっておいしいんだもん」
果南「ふふ、そう言われると獲ってきた甲斐があるよ」 果南「最後の一匹だね」
千歌「果南ちゃんが食べなよ」
果南「え、いいの?」
千歌「うん、だって果南ちゃん魚大好きでしょ」
千歌「それに、チカもうお腹いっぱいだし」
果南「ありがと千歌」ハムハム 長「失礼するぞい」
千歌「長さま」
果南「どうしたんですか、こんな時間に」
長「お前たちに話があってな」 長「千歌、果南よ」
長「お前たちももう年頃の娘だ」
長「他の娘たちのように男を迎える気はないのか」
千歌・果南「……」 長「ないのだろうな」
長「わしには分かる」
長「お前たちは互いに好き合っているのだろう」
千歌・果南「!」 長「隠さず話してみい」
千歌「はい…」
果南「その通りです」
長「やはりな」 長「だが、女同士で夫婦になるなどこの方聞いたことがない」
千歌「はい…」
長「部のためにも、ここは男を迎えて子孫を増やす気はないか?」
果南「……」 果南「私は…」
果南「ありません」
長「ふむ。千歌よ、お主はどうだ」
千歌「私も、ありません」 長「あい分かった」
長「千歌、そして果南よ」
長「お前たちには…」
長「この部を出て行ってもらう」
長「異端がいると部全体に悪影響が及ぶ」
長「分かってくれるな」
果南「…分かりました」
千歌「明日、出て行きます」 《翌朝》
果南「チカ、もう朝だよ」
千歌「うん、おはよう」
果南「おはよう。さ、支度しよう」
千歌「うん…」
果南「うーっと、絶好のお出かけ日和だね」
千歌「そうだね」
果南「これからは誰にもわずらわされることなく暮らせるね」
千歌「うん!」 果南「さて、まずは遠くに行かなくちゃね」
千歌「どうして?」
果南「部の近くにいたんじゃ、出て行った意味がないでしょ?」
千歌「あ、そっか」
千歌「私たち、本当に追い出されたんだよね」
果南「不安?」
千歌「果南ちゃんは不安じゃないの?」
果南「もちろん不安もあるよ。でも、楽しみもあるかな」
果南「誰の目も気にせず千歌と暮らせるからさ」 果南「せめてもの手向けに長が狩り道具もくれたから」
果南「飢える心配もなし」
果南「それに、何があっても」
果南「千歌は私が守るから」
千歌「果南ちゃん…」
ギュ
果南「わわ、急にどうしたのチカ?」
千歌「えへへ、抱きつきたい気分なのだ」 《夜》
ホー ホー
果南「今日はこの辺で寝ようか」
千歌「はあ、もうクタクタ」
果南「ふふ、そのうちお家も作ろうね」
千歌「でも野宿なんて初めてかも」
千歌「果南ちゃん、星がきれいだね」
果南「そうだね」
千歌「でもちょっと寒いかも」
果南「それじゃあ」
ギュ
果南「抱き合って温まろうか」
千歌「わ///」
果南「いや?」
千歌「いやじゃないけど、ちょっと恥ずかしいな」
果南「誰も見てないよ」
千歌「だって、こういうこと初めてだから」
果南「あはは、じゃあ毎日こうやって寝る?」
千歌「うーん、考えとく」
果南「ふふ、分かった」 《数日後》
果南「ふう、今日のマンモスは手ごわかったな」
ズルズル
果南「おっも」
果南「チカー、今帰った――」
果南「!」
果南「家が荒らされてる!」
果南「千歌!」 千歌「……」
果南「千歌、大丈夫!?しっかりして」
千歌「ん…」
千歌「あ、果南ちゃん」
果南「何があったの?」
千歌「違う部族の人が突然襲ってきて」
千歌「ごめんね果南ちゃん」
千歌「今まで集めた食糧、全部とられちゃった」
果南「いいよそんなのは!」
果南「千歌は大丈夫なの!?」
千歌「私は頭をぶたれただけだから」
千歌「平気だよ」 果南(しかしこの日を境に、千歌の体調は日に日におかしくなっていった)
千歌「この木の実固いなあ」
果南「もっと力を込めて割れば大丈夫だよ」
千歌「ふん」バキ
果南「ね、割れたでしょ」
千歌「うん――」
フラ
千歌「あ……」ドサ
果南「千歌!?どうしたの!?」
千歌「えへへ、ちょっとめまいが」
果南「大丈夫?」
千歌「うん、平気だよ。さ、ご飯にしよう」 ビョオオオ
千歌「冬が来たね」
果南「うん」
千歌「寒い」
果南「大丈夫、千歌?」
果南「もっと火の近くに寄って」
千歌「うん」ガタガタ
果南「温めるね」ハグ
千歌「ありがとう果南ちゃん」 千歌「果南ちゃん、お腹空いた」
果南「私もだよ。我慢しよ」
千歌「ごめんね、もうちょっと木の実集められたら」
千歌「それに、木の実とられなかったら」
果南「過ぎたことは言いっこなし」
果南「こういう時は寝るに限るよ」
千歌「うん」
果南(今までは部族で助け合って冬を乗り越えてきたけど)
果南(私たちだけじゃ、自分たちで何とかするしかない) 千歌「けほっ、けほっ」
果南「千歌、風邪?」
千歌「そ、そんなことないよ」
果南「おでこ出して」
ジュ
果南「熱っ、やっぱり風邪ひいてるじゃん」
千歌「うん、ごめんね」
果南「こういう時は栄養つけて寝なきゃ」
千歌「栄養なんてないよ…」
果南「あ…」
果南「千歌、ちょっと待っててね」
果南「川から魚獲ってくるから」
千歌「寒いよ果南ちゃん!」
果南「平気平気」
果南「いい、じっとしてるんだよ」 ビョオオオ
果南「うう、寒い」
果南「でもそんなこと言ってられない」
ザザー
果南「あ、良かった。川は凍ってない」
チャプ
果南「ひぎぃ!つ、冷たい」
果南「でも千歌のために、一匹でも多くの魚を」ジャブジャブ 千歌「……」
果南「ち、千歌」ガタガタ
果南「ほら、魚だよ。いっぱい食べよう」
千歌「果南ちゃん、ありがとう…」
果南「いま焼くからね」ガタガタ 果南「ふう、久しぶりに豪華な食事だったね」
千歌「うん…」
果南「千歌?」
バタ
果南「ち、千歌!」
千歌「……」
果南「千歌!返事して千歌!チカァ!」 果南(この日から千歌は意識を覚ますことがなかった)
果南(食べ物をとらない体は日を増すごとにやせ衰えていき)
果南(そして――)
千歌「……」
果南「千歌、春が来たよ」
果南「今日ね、千歌の大好きなマンモスを獲ってきたんだ」
果南「いつまでも寝てないでさ」
果南「一緒に食べようよ」
千歌「……」
果南「…千歌、私さびしいよ」
果南「また前みたいに話しかけてよ」
千歌「……」
果南「…狩りに行ってくるね」 千歌「…かなん…ちゃ…」
果南「!」
果南「千歌、千歌!」
千歌「果南ちゃん、おはよう」
果南「…おはよう、千歌」
千歌「果南ちゃん、チカね」
千歌「もうダメみたい」
果南「な、なに言ってるの!」
千歌「だからね、最後に果南ちゃんに言いたいことがあって」
果南「最後だなんて言わないの!」 千歌「ごめんね、果南ちゃん」
千歌「私があの時告白なんかしなければ」
千歌「果南ちゃんは部族を追い出されず」
千歌「こんな辛い生活しなくてすんだのに」
果南「なに言ってるのさ!」
果南「私は本当に千歌が好きだから」
果南「部族を出て行って、後悔なんて一つもしてないよ」
千歌「ふふ、ありがとう、果南ちゃん。嬉しいなあ」 千歌「ねえ果南ちゃん。私ね」
千歌「果南ちゃんとの生活、すごく楽しかった」
千歌「一緒に魚を獲ったことや」
千歌「一緒に星を見たことや」
千歌「一緒に寝たことでも楽しかった」
千歌「だからね、ありがとう果南ちゃん」
千歌「ずっと、ずっと大好きだよ」
千歌「ぐふっ!」バタ
果南「…千歌?」
果南「千歌、冗談だよね…」
果南「ねえ、もう一回目覚ましてよ」
果南「千歌、チカァーーーーー!!」 果南(千歌の遺体は海がよく見える崖の上に埋めた)
果南(そして私は自分が死ぬその瞬間でも)
果南(生涯、千歌との思い出をずっと胸に思い起こしていた)
果南(いつかまた出会えることを信じて) 〜201X年〜
千歌「果南ちゃーん」
果南「どうしたの千歌?」
千歌「もうダイヤさんがいじめる」
ダイヤ「いじめてなどいません!」
ダイヤ「ただ千歌さんにはリーダーとしての振る舞いをさとしていただけです」
果南「あはは、よしよし」
果南「ダイヤも、あんまり千歌に厳しくしないであげて」
ダイヤ「果南さんは千歌さんに甘いんですわ!」
曜「仕方ないよ。あの二人は赤ん坊のころからずっと一緒だったんだから」
千歌「ありがとう、果南ちゃん。もう大好き」
果南「ふふ、ありがとう千歌」
千歌「果南ちゃんは、ずっとチカの傍にいてね」
果南「うん、ずっと一緒だよ、千歌」
おしまい 乙やんね
もっと色んな時代のちかなんを書いてもいいのよ ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています