千歌「鞠莉ちゃんのお父さんが日本に来るって!?」
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部室
鞠莉「ええ……。どうやら統廃合の手続きにわざわざこっちに来るみたい」
千歌「いつ!?」
鞠莉「来週の月曜」
千歌「私、直接話してみる!」
鞠莉「……」
千歌「鞠莉ちゃん?」
鞠莉「こっちに来る話の最後に言われたの」
鞠莉「統廃合は決定だ。これ以上その話はしない様に。って……」
八人「……」 ダイヤ「お見通しの様ですね……」
果南「鞠莉で無理なら千歌がいくら直接言ったところで……」
善子「仕方ない。ここは堕天使である私が直接」
花丸「やめるずら」
千歌「……私は言われてないもん!」
曜「千歌ちゃん……」
ダイヤ「そんな屁理屈が通用する相手では……」
千歌「屁理屈なのはわかってる!」
千歌「それでも何もしないよりはいい!」
梨子「そうね。本来なら会うことも敵わない人だもの」
ルビィ「ルビィも千歌ちゃんに賛成」 鞠莉「千歌っち……」
千歌「鞠莉ちゃん、ごめんね」
千歌「私のせいで鞠莉ちゃんがお父さんに怒られちゃうかもしれない」
千歌「それでも……」
千歌「チャンスがあるのなら挑戦したい!」
鞠莉「……」
鞠莉「わかったわ。私も腹をくくる」
鞠莉「一緒に怒られましょ」テヘペロ
千歌「うん!」
ダイヤ「……」 月曜・集会
鞠莉パパ「初めまして。理事長の小原です」
鞠莉パパ「既に理事長代理より聞いての通り」
鞠莉パパ「本校の統廃合が正式に決定しました」
鞠莉パパ「今後の予定としては――」
――――
――
曜「あはは、なんかもう『来るなよ』って感じだったね」
梨子「それでも行くって決めたんでしょ?」
千歌「……うん。行くよ」 理事長室
コンコン
『どうぞ』
ガチャ
九人「失礼します」
千歌「初めまして、理事長。この学校のスクールアイドルAqoursのリーダー高海千歌です」
鞠莉パパ「初めまして。話は鞠莉から聞いてるよ。鞠莉と仲良くしてくれてありがとう」
千歌「……こちらこそ鞠莉さんにはいつもお世話になっております」
鞠莉パパ「それで、鞠莉の友達が私に何か用かな? あいにく私は今、統廃合の件で忙しくてね」
鞠莉パパ「悪いけど手短に頼むよ」
千歌「っ……」
鞠莉(千歌っち……)
千歌「では……単刀直入に言います」
千歌「統廃合の話、もう少しだけ待って頂けませんか?」 鞠莉パパ「鞠莉」
鞠莉「私も同じです!」
鞠莉「改めて、理事長代理としてお願いします」
鞠莉「もう少しだけ私達に時間を下さい」
九人「お願いします!」
鞠莉パパ「……」
鞠莉パパ「私は十分待ったつもりだが」
千歌「あともう少しなんです! どうかお願いします!」
鞠莉パパ「ふむ」
鞠莉パパ「話はそれだけかな?」 千歌「は、はい……」
鞠莉パパ「ならもう帰りなさい」
千歌「そんな!」
鞠莉「パパ!」
鞠莉パパ「君達に話すことはなにもない」
鞠莉パパ「いや、価値がない」
千歌「どうしてですか!?」
鞠莉パパ「具体性がないからだ」
鞠莉パパ「君は『あともう少し』と言った」
鞠莉パパ「あともう少しとはいつまでか? あともう少しで何をするのか?」
鞠莉パパ「待つことで私に何かメリットはあるのか?」
鞠莉パパ「そういった具体性もなしに私が交渉のテーブルにつくと思うかね、鞠莉」
鞠莉「……」 鞠莉パパ「君達にはまだわからないかもしれないけど」
鞠莉パパ「結論を先延ばしにするのにも費用がかかる」
鞠莉パパ「その費用を君達が負担してくれるのか?」
千歌「それは……」
鞠莉パパ「ましてや既に決定した事項だ」
鞠莉パパ「これを覆すとなると、私がたくさんの人に頭を下げなければならない」
鞠莉パパ「君達の様にただ頭を下げるだけではなくてね」
九人「……」
鞠莉パパ「わかったらもう行きなさい」
鞠莉パパ「これ以上は私も――」
コンコン 鞠莉パパ「……どうぞ」
ガチャ
九人「!?」
黒澤パパ「お久しぶりですな。小原さん」
鞠莉パパ「!?」
ルビィ「お、お父さん!?」 鞠莉パパ「……お元気そうでなによりです。黒澤さん」
鞠莉パパ「応接室へ案内します。鞠莉、お友達を下がらせなさい」
鞠莉「はい……」
黒澤パパ「いえ、その必要はありません」
黒澤パパ「私が今日来たのは彼女達と同じ」
黒澤パパ「この学校の統廃合の件です」
鞠莉パパ「……」 鞠莉パパ「黒澤さんが一体どういう風の吹き回しで……」
黒澤パパ「それが娘に頼まれましてな」
黒澤パパ「普段、私に我儘など言わない子なんですが」
黒澤パパ「涙ながらに訴えられましてね」
黒澤パパ「親として何もしないわけにはいかないなと」
ダイヤ「……」
ルビィ(お姉ちゃん……)
鞠莉(ダイヤ……)
黒澤パパ「黒澤家も微力ながら力添え致します。どうか彼女達のお願いを『条件付き』で聞いて頂けないだろうか」スッ
鞠莉パパ「oh my God……失礼。黒澤さんに頭を下げられて断れる人間はこの町にいませんよ」 鞠莉パパ「わかりました」
鞠莉パパ「条件次第で統廃合の件、考え直しましょう」
黒澤パパ「感謝致します。条件は二つ」
黒澤パパ「一つ目、期限は私から――」
黒澤パパ「今年末までに。と言いたいところですが」
黒澤パパ「その時期は小原さんもお忙しいでしょう」
黒澤パパ「なので、十一月末までで如何ですかな?」
鞠莉パパ「ええ。こちらとしても助かります」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています