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善子「ルビィが心を開いてくれない」 [無断転載禁止]©2ch.net
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2017/09/24(日) 20:10:04.75ID:yxzGLnRv
善子「おはよう…… いい朝ね、リトルデーモン達」

花丸「よしこちゃん、おはようずら」

ルビィ「お、おはようございます…… 津島さん…………」

善子「だーかーらー! よしこでも津島さんでもなくて ヨ・ハ・ネ! だってば!!」

ルビィ「ピギィ! ご、ごめんなさい……」ナミダメ

花丸「よしこちゃん、やめるずら。ルビィちゃんが怖がってるよ?」

善子「…………」
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2017/09/24(日) 20:11:27.85ID:yxzGLnRv
ルビィ「うゆゅゅゅ……」ビクビク

花丸「よしこちゃん?」

善子「……ずらまる、ちょっと来なさい」

花丸「急にどうしたずら?」

善子「いいから! こっち!!」グイッ

花丸「あっ、分かったから…… 引っ張らないで欲しいずら」

ルビィ「うゅ……?」キョトン
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2017/09/24(日) 20:12:45.08ID:yxzGLnRv
〜校舎裏〜
花丸「それで? こんなところに連れてきて、どうしたずら?」

善子「ルビィが一向に心を開いてくれない」プクー

花丸「……うん?」

善子「だから! ルビィが私に対してよそよそしすぎるってこと!」

花丸「はあ」

善子「何よ、『津島さん』って…… 私たちはもうAqoursの仲間で、と、友達じゃない……」

花丸「ふーん、そういうことずら〜」ニコニコ

善子「なによ! その顔は!?」

花丸「なんでもないずらよ〜」

花丸(よしこちゃんもかわいいとこあるなぁ)
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2017/09/24(日) 20:13:53.02ID:yxzGLnRv
善子「まあいいわ……」ムスッ

善子「ずらまるはルビィと親しいでしょう? 私もその…… リトルデーモンとの絆を深めておかないと! 【あちら側】との戦いのときに不利になるかもしれないし!!」

花丸「要はルビィちゃんと仲良くしたいってことずらね」

善子「ま、まあ、ずらまるに分かりやすく言うならそういうことね」

花丸「ルビィちゃんは元々人見知りだから、すぐに仲良くなるのは難しいと思うずら」

善子「で、でも、その割にはAqoursには馴染んでいるじゃない? 2年の先輩とも普通に話せてるし」

花丸「最初は大変だったずら。千歌さんがAqoursに勧誘してきたときも、ルビィちゃんすっごく驚いて叫んでたから」

善子(そういえば、あの叫び声にびっくりして木から落ちちゃったんだわ)
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2017/09/24(日) 20:16:24.83ID:yxzGLnRv
善子「そこからどうやってAqoursに加入するまでいったの?」

花丸「うーん、色々あったけど…… きっかけは千歌さんが飴をくれたことじゃないかな」

善子「飴?」

花丸「うん。ルビィちゃんはお菓子が大好きだから」

花丸「千歌さんに飴をもらって、バスの中でお話して…… それで少し打ち解けたみたいだったずら」

善子「なるほどね…… それなら、ヨハネのとっておきのお菓子を与えましょう」

花丸「ルビィちゃんは甘いのが好きだから、甘いお菓子がいいと思うずら」

善子「わかったわ」
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2017/09/24(日) 20:18:13.09ID:yxzGLnRv
〜翌朝・教室〜
善子「おはよう、リトルデーモン!」

花丸「おはようずら」

ルビィ「お、おはようございます…… 」

善子(今日こそはルビィを懐柔するわよ!)

善子「今日はヨハネのお気に入りのお菓子を持って来たの。リトルデーモン達も、ひとついかがかしら?」

ルビィ「え、お菓子!?」ワクワク

善子(早速食いついて来たわね)

花丸「これは…… 真っ黒な飴? ずら??」

善子「堕天使にふさわしい漆黒のキャンディーよ」

ルビィ「でも、コインとかお魚さんとか、いろんな形があってかわいいね」

善子「さあ、好きなのを選んでちょうだい」

ルビィ「じゃあルビィはこのお魚さんにしようっと」アーン

花丸「マルは菱形のやつにするずら。 なんか漢方薬みたいな匂い…… 」

花丸「…………」モグモグ
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2017/09/24(日) 20:21:02.69ID:yxzGLnRv
花丸「ずらーーっ!! しょっぱい! 辛い! 生臭い!!」ゲホゲホ

花丸「よ、よしこちゃん? これは一体なにずら?」

善子「なにって…… サルミアッキっていう飴よ。 美味しいでしょ?」

花丸「すさまじい味ずら…… 美味しいとか不味いでは語れないぐらい」

善子「そう? こんなに美味しいのに」モグモグ

花丸「ずらぁ……」

花丸「そう言えばルビィちゃんは?」

ルビィ「あわゎゎゎゎ…………」ブクブク

花丸「大変! ルビィちゃんが白目剥いて気絶してるずら!」

善子「え、うそ!? なんで?」

善子「ルビィ! しっかりしなさい!!」

ルビィ「うゆぅ〜〜……」

ルビィは保健室へ運ばれ、2日ほど学校を休んだ
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2017/09/24(日) 20:22:27.40ID:DIwP6rNt
支援
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2017/09/24(日) 20:22:37.52ID:yxzGLnRv
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善子「ルビィとの距離が広がった」

花丸「そりゃあ、まあ……」

善子「あのあと普通の飴も持ってきたけど、『大丈夫です』とだけ言って目も合わせてくれなかったわ」

花丸「仕方ないずら。あの錆びるめっき? はマルにとってもとらうまずら。あんなすさまじい味の食べ物があるなんて」

善子「『サルミアッキ』ね。美味しいのになぁ」

花丸「よしこちゃんは、普通の人は味覚が違うみたいずら」

善子「それって堕天使的ってこと!?」キラキラ

花丸「あぁ、うん、そうずらねー……」ジトー
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2017/09/24(日) 20:23:34.92ID:yxzGLnRv
善子「でもこのままじゃまずいわね。 ずらまるは頼りにならないし」

花丸(今回のはマルのせいじゃないずら)

花丸「じゃあ上級生に相談してみたら?」

善子「上級生、ね…… そう言えば梨子さんは転校生なのに、千歌さんや曜さんとも昔からの友達みたいに打ち解けているわ」

善子「ちょっと梨子さんに秘訣をきいてくる!」ダッ

花丸「がんばってずら〜」
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2017/09/24(日) 20:25:45.04ID:yPYZw6QW
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2017/09/24(日) 20:29:04.49ID:yxzGLnRv
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善子「と言うわけで、ルビィとの距離を縮めたいんだけど……」

梨子「なるほど…… 状況はわかったわ」

梨子「それでは、善子ちゃんに、古来より伝わる禁断の秘技を伝授します」

善子「禁断の秘技……」ゴクリ

梨子「そう。この技を受けた乙女は須らくめろめろになってしまいます……」

梨子「その名も壁ドン!!」

善子「壁ドン」

梨子「からの壁クイ」

善子「壁クイ……?」

梨子「言葉で説明するよりも実際にやってみた方が早いわね。 いいかしら?」

善子「お、お願い!」
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2017/09/24(日) 20:30:30.35ID:yxzGLnRv
梨子「まずは相手を壁際に追い詰め、顔の横で手をつく」

梨子『おい、善子!』ドン

善子「ひっ」

梨子「そして相手の瞳を見つめながら、顎に指を添えて……」

善子「り、りこさん?」ドキドキ

梨子「甘い声でこうささやくの」

梨子『私の物になれよ……』

梨子「と、こんな感じよ」パッ

善子「……」ポー

善子「はっ……! これはなかなか……」

梨子「どう? 参考になったかしら?」

善子「え、ええ! ありがとう梨子さん」

善子「早速ルビィに試してくるわ」タッ

梨子「ふ、また一人導いてしまったわね」
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2017/09/24(日) 20:31:52.87ID:yxzGLnRv
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善子「ルビィと会話すらままならなくなったわ」

花丸「梨子さんに聞いたことをそのまま実践したの?」

善子「ええ! 完璧に『壁ドン』をマスターしたはずなのに…… 何がいけなかったのかしら」

花丸「……よしこちゃん、もしかしてばかなの?」

善子「馬鹿じゃないわよ!!」ムキー

花丸「……」

善子「でも、正直もう打つ手なしだわ。 ルビィを見かけても、話しかける前に逃げられちゃうし」
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2017/09/24(日) 20:32:34.00ID:yxzGLnRv
花丸「よしこちゃんは本当にルビィちゃんと仲良くなりたいの?」

善子「当然でしょ! ……その、リトルデーモンを使役できないなんて堕天使失格だし」

花丸「それなら、ダイヤさんに相談してみたらいいずら。 ルビィちゃんのことを一番よく知ってるのはダイヤさんずらよ」

善子「確かに、ダイヤさんなら……」

花丸「でも! これで駄目なら、今度こそ本当にどうしようもなくなっちゃうよ? 慎重にいくずら」

善子「わ、わかったわ」
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2017/09/24(日) 20:37:49.57ID:yxzGLnRv
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ダイヤ『なるほど…… お話は分かりました』

ダイヤ『ルビィは善子さんのことが嫌いな訳ではありません。 ただ少し怖がっているだけですわ』

ダイヤ『あの子は昔から怖がりで…… オバケとか妖怪とか、そう言った話を聞くと眠れなくなって、よく私の布団に潜り込んできていましたわぁ』

ダイヤ『こ、こほん。 ……『堕天使は怖くない』ということが分かれば、ルビィも怯えることはなくなるでしょう。あとは、一緒に過ごしていればいつの間にか仲良くなれますわよ』
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2017/09/24(日) 20:38:32.30ID:yxzGLnRv
〜沼津市街〜
善子(ダイヤさんのアドバイスは聞けたけど…… これをどうやって活かせばいいかしら?)テクテク

善子(そもそも堕天使は怖くないし! かっこいいわよ)

善子(まあ、それがルビィに伝わらないとダメなんだけど…… 黒い服がいけないのかしら?)

善子(ルビィの服はパステルカラーのかわいい系ばかりだし。そう、ちょうどあそこにいる子みたいな……)

善子「って、あれルビィじゃない! ……一緒にいる二人組の男は何かしら? よくみたら、なんか絡まれてるぽい?」
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2017/09/24(日) 20:39:58.55ID:yxzGLnRv
男A「ねえ君、今何してるの? ヒマだったら俺たちと遊びに行こうよ」

男B「この子すっげーかわいいじゃん! ほら、おごるからお茶しようよ」

ルビィ「あ、あの……」ブルブル

男B「さあ、行こうぜ!」グイッ

ルビィ「ピギッ……」

善子「ちょっと、嫌がってるじゃない! 離しなさい!!」パシッ

男B「イテッ! なんだよお前」

ルビィ「津島さん……」
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2017/09/24(日) 20:41:50.90ID:yxzGLnRv
男A「あれ、もしかしてこの子の友達? だったら君も一緒に遊ぼうよ」

男B「そ、そうそう! 俺らこの子と一緒に楽しもうって言ってただけだし」

善子「楽しむ? この子が怖がってるの、わからない?」

ルビィ「うゆゅゅゅ……」ガクガク

善子「それ以上しつこくするなら、ヨ、ヨハネが地獄の業火でおしおきしちゃうんだからっ!」

男B「はぁ? ヨハネ? 地獄??」

男A「なんかこいつめんどくさそうだな」

ヨハネ「だ、堕天龍鳳凰縛をおみまいしゅるわよ!」ブルブル

男B「……」

男A「オーケー、悪かったよ。俺らは退散させてもらうわ。行こうぜ」

男B「ああ」

善子「ほっ……」
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2017/09/24(日) 20:43:45.24ID:yxzGLnRv
善子「ルビィ、大丈夫? 腕とか痛くしてない?」

ルビィ「うん……///」ポー

善子「そう、ならよかった」

ルビィ「……ごい」

善子「え?」

ルビィ「津島さん、すごい……! あんな風に男の人に立ち向かえるなんて、かっこいい!!」

善子「ま、まあね? 堕天使にかかれば人間ごとき余裕っていうか? あと津島さんじゃなくてヨハn」

ルビィ「堕天使ってすごい! ルビィも堕天使にしてください!!」キラキラ
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2017/09/24(日) 20:44:50.52ID:yxzGLnRv
善子「えぇ!? どうしたの急に」

ルビィ「お願いしますヨハネ様!」

善子「ヨ、ヨハネ様……」ニヘー

善子「はっ……! オ、オホン、仕方ないわね…… でも、いきなり堕天使になるのは無理なの。だから、まずは貴女をヨハネのリトルデーモンにしてあげるわ」

ルビィ「はい! お願いします!!」

善子「では、貴女に堕天名を授けましょう…… 貴女の名は、『ルキフェル』」

ルビィ「ルキフェル……」ゴクリ

善子「リトルデーモンの契約は、血より濃く宵闇より深い魂の契約…… 今後貴女は、いつ何時もヨハネの魂と共に在るのよ。覚悟はいいかしら?」

ルビィ「もちろんです、ヨハネ様! 」

ルビィ「えへへ、これでルビィ……じゃなくてルキフェルもリトルデーモンに……!」
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2017/09/24(日) 20:48:45.73ID:yxzGLnRv
〜1週間後・校舎裏〜
善子「ルビィに懐かれすぎて辛い」

花丸「のろけは結構ずら」

善子「のろけじゃないわよ! この1週間、ルビィったら四六時中べったりなのよ? 毎朝わざわざうちまで迎えにくるし、帰りも付いてくるし……」

花丸「でも、よしこちゃんはルビィちゃんと仲良くなりたかったんでしょ?」

善子「仲良くなるってレベルじゃないわよ! 確かに距離は縮まったけど…… あの子には0か100かしか無いの!?」

花丸「ルビィちゃん、スクールアイドルもそうだけど好きな人はとことん好きだから」

善子「あ〜、そう言えばそんなタイプだったわね…… 調子に乗って『魂の契約』なんて言うんじゃなかったわ……」
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2017/09/24(日) 20:50:34.37ID:yxzGLnRv
ルビィ「あ、ヨハネ様いた! 何の話をしてたんですか?」

善子「ひぃ! ちょ、ちょっと堕天黙示録 第6章について議論をね」

ルビィ「第6章って言うと…… ノアの方舟ですね!」

善子「え、ええそうなのよ」アハハ

花丸(それは創世記ずら)

善子「そ、そうだ私、ちょっとお手洗いに行って来るわね」

ルビィ「ま、まさか学校のお手洗いが洪水に!? ルビィ、じゃなかった…… ルキフェルもついていきます!」

善子「ち、違うって! 普通に行きたいだけだから」

ルビィ「え、それならルビィもヨハネ様と一緒に……///」

善子「一緒にって何!?」ダッ

ルビィ「あー! 待ってください、ヨハネ様ー!」ダッ

花丸「行っちゃったずら…… 二人とも楽しそうで羨ましいなあ」

花丸「そうだ、マルもよしこちゃんのリトルデーモンにしてもらおうかな?」

花丸「そうすればみんなで楽しめるずら、ふふっ♪」

stg終わり
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