千歌「恋の歌詞を書いたよ!」 [無断転載禁止]©2ch.net
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ー帰路ー
千歌「という訳で、はい梨子ちゃん」
梨子「…………待って。色々理解が追いつかないんだけど」
千歌「ほら、私っていつも歌詞の締め切りがギリギリだったじゃない?梨子ちゃんに迷惑かけてばっかりだから、今回はいつもより早めに提出しようと思って!」
梨子「それは、ありがとう…助かるわ。……って、そうじゃなくて!何!?恋の歌詞って!前はあんなに書けない書けないって言っていたのに…。千歌ちゃんもしかして…こ、恋したの…?」
千歌「あれれ?梨子ちゃんもしかして気になっちゃう?」
梨子「そ、それは…。す、少しは…」
千歌「ふっふっふー。私が今回恋の歌詞が書けた理由。それはね…」
梨子「そ、それは…」
千歌「ひ・み・つ、だよ!」
梨子「…え?」
千歌「それじゃあ、梨子ちゃん!今夜からの作曲活動頑張ってね!邪魔しないように私今日はお喋り我慢するから!」ダッ!
梨子「ちょ、ちょっと千歌ちゃん!」 ー梨子部屋ー
梨子「この歌詞…ちゃんと恋の歌詞になってる…。それも片思いの切ない恋の歌詞に…」
梨子「やっぱり千歌ちゃん、誰かに恋しているのかなぁ…」
梨子(どんな人なんだろう…千歌ちゃんがここまでの歌詞を書ける程の人って…。だって、あの千歌ちゃんよ?元気一杯で天真爛漫で恋なんてまだ知らないって言っていた女の子だったのに、いきなりこんなに乙女チックな歌詞が書けるなんて…)
梨子(千歌ちゃん、こんなにその人の事を想っているなら告白とかしないのかしら…。やっぱりスクールアイドル活動をしている間は恋愛事は控えているのかな…?)
梨子(スクールアイドル活動が終わったら千歌ちゃん、その人のところに行っちゃうのかな…)チクリ 梨子(ハッ、いけないいけない!千歌ちゃんが恋をしたなら私はその恋をちゃんと応援しなきゃ!例えその人がどんな人でも!)
梨子(そりゃあ、あまりにも酷い人だったら流石に止めるけど…。千歌ちゃんが好きになった人ならきっと素敵な人なんだろうな…)
梨子(千歌ちゃん…私がこっちに越してきて最初に出来た友達。ピアノを弾く事が出来なくなった私を、またピアノが弾けるようにしてくれた人。私の人生を変えてくれた人)
梨子「私の、ヒーロー…」
梨子(私がピアノではなくアイドルを選んだ時もピアノを薦めてくれて、千歌ちゃんは私以上に私のピアノを大切にしてくれているだって気付いて、きっとあの時から私は…)
梨子(もしも、そんな私が千歌ちゃんから恋愛相談なんてされたら…。私ちゃんと相談に乗れるかしら…)
梨子「ハァ〜…………。作曲しなきゃ……」
梨子(う〜〜〜〜、でもやっぱり気になる〜〜) ー翌朝バス停ー
千歌「オッハヨー梨子ちゃん!」
梨子「お、おはよう…千歌ちゃん…」
千歌「あれ?今日は元気無いね?お寝坊さん?」
梨子「え、ええ…昨日はなかなか寝付けなくて…」
千歌「む、ダメだよ?ちゃんと寝なきゃ。アイドルは健康一番!だよ」
梨子「そ、そうね…。実は作曲が思っていたより上手くいかなくて、それで…」
千歌「あれ?珍しいね梨子ちゃんがスランプなんて」
梨子「うん…千歌ちゃんの書いた歌詞がとても素敵だったから、それに見合うだけの曲を作らなきゃって思ったら、ね」
千歌「あの歌詞そんなに良かった!?いやぁ〜、自分で言うのもなんだけど結構自信作なんだ!」
梨子「うん…とても良かったよ…。その人の事を想う切ない気持ちが読んでてすごく伝わってきた」
千歌「そ、そこまでわかるものなんだ…。何だか照れちゃうね…」 梨子(千歌ちゃんのこの反応…。やっぱりその人の事を想って作詞したのね…)
梨子「千歌ちゃん」
千歌「ん?何?」
梨子(言え、言うのよ桜内梨子。千歌ちゃんは私を助けてくれた恩人。今度は私が千歌ちゃんに恩返しする番なんだ!)
梨子「千歌ちゃんがこんな素敵な歌詞が書ける程好きになった人の事、私応援するね。今はスクールアイドルだから難しいかもしれないけど…でも千歌ちゃんがその人との事を真剣に考えたら私も相談に乗るよ。千歌ちゃんは私の一番の親友だから」 千歌「…………何のこと?」
梨子「……え?」
千歌「その、私の好きな人って」
梨子「…今回の歌詞は好きな人の事を想って書いた歌詞なんじゃ…」
千歌「私そんな事言ってないよ…?」
梨子(……………た、確かに言ってない!)
梨子「で、でも私がこの歌詞が出来た理由を聞いたら千歌ちゃん秘密って言ってたじゃない。それってその、好きな人が出来たから秘密にしたって事じゃないの…?」
千歌「あぁ〜…あれは、その…。実は今回の歌詞は花丸ちゃんに恋愛の歌詞が書きたいって相談したらオススメの恋愛小説を借りてそれを読んで参考にして書いたんだ。それをその…もったいぶったと言いますか…」 梨子(…そ、それじゃあ何!?私は千歌ちゃんが言ってもいない事をそうだと決めつけて一人で勝手に落ち込んでいたって事!?それじゃあ私…バカみたいじゃない!)
千歌「お、お〜い…。梨子ちゃ〜ん…?」
梨子 「」ギロリ
千歌「ひっ!」
梨子(…本当にもう…この人は…)クスッ
千歌「?」
梨子「もぉ〜〜〜。私、千歌ちゃんがあんな風に言うから千歌ちゃんがどんな人に片思いしているんだろうって昨日ずっと気になってたのよ?」
千歌「あははー……ゴ、ゴメンね!勘違いさせる様なこと言って…。あ!でも恋愛小説を参考にしただけで片思いの気持ちを詩に出来た私って凄くない!?ねぇ!?」 梨子「…」
千歌「ア、アレー…」
梨子「ハァ…そうね。千歌ちゃんは凄い凄い」
千歌「や、やったーー!梨子ちゃん、もっと褒めて褒めて!」
梨子「フフッ。はいはい千歌ちゃんは偉い偉い」頭ナデナデ
千歌「えへへ〜〜〜///。梨子ちゃんに褒められた〜〜」
梨子「もう…。あ、バス来たよ。はい褒めるのはお終い」
千歌「え〜〜〜もう〜〜」
梨子「ほら、行こう千歌ちゃん」
梨子(千歌ちゃん、好きな人が出来た訳じゃなかったんだ…。それだけでこんなに安心するなんて…私って実は結構単純なのかもしれない。よーし!作曲頑張らなきゃ!千歌ちゃんがあんなに良い歌詞を書いたんだもの。私も負けてられないよね!) 千歌「」頭サスリ
千歌「…………………親友、かぁ」
千歌(ゴメンね梨子ちゃん。私嘘ついちゃった。花丸ちゃんから借りた恋愛小説を参考にしたのは本当だけど…、私が「その人」の事を想って作詞したのも実は本当なんだ…。片思いしているって気持ちは伝わったみたいだけど…)
梨子「千歌ちゃんどうしたの?乗らないの?」
千歌「あ、待って梨子ちゃん!乗る乗る!」
千歌(でも、いつか…いつかきっと、私の気持ちがちゃんと伝わる日が…来たらいいなぁ…。そしてそのまま結ばれたら…なんて…贅沢かな?)ジ-
梨子「千歌ちゃん?私の顔に何か付いてる?」
千歌「う、ううん。梨子ちゃん、さっきよりも元気になって良かったなぁ、って思って!」
梨子「そう?ふふ、千歌ちゃんのおかげかも。ありがとう」
千歌「どういたしまして!にしし〜」
千歌(けど、今はまだいっか、このままでも!) ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています