ルビィ「9月になったね」善子「そうね」 [無断転載禁止]©2ch.net
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ルビィ「新学期だよね」
善子「そうね」
ルビィ「秋だよね」
善子「そうね」
ルビィ「……」
ルビィ「他には?」
善子「え?」
ルビィ「他にもまだ何かあった気がするんだけど、思い出せなくて」 善子「ふーん、他にねえ……」
ルビィ「……」
善子「…あっ」
ルビィ「!」
善子「梨子さんの誕生日よね」
ルビィ「……うん、そうだね」
ルビィ「…ねえ善子ちゃん、他には?」 善子「ん? そうねえ……他には、何かあったかしら…」
ルビィ「……」
ルビィ「……善子ちゃん」
善子「うっ…冗談よ冗談、ルビィの誕生日でしょ?」
ルビィ「はい、そうなんです」ニコッ
善子「全く……」
善子(どうしてたまにこんな面倒くさくなるのかしらルビィって…) ルビィ「いつだと思う?」
善子「9月の21日でしょ」
ルビィ「あっ、覚えててくれたんだ」
善子「まあそりゃあね…で? それがどうかしたの?」
ルビィ「祝ってもらえるかなぁって」
善子「何言ってるのよ、そんなの当たり前じゃない」 ルビィ「……そうかなぁ」
善子「どうしてそんなに訝しげなのよ」
ルビィ「……そんなことないよ」
ルビィ「……うん…」
善子「……」
善子「…ああ、そういえば梨子さんの誕生日って9月の19日だったっけ」
ルビィ「…!」 善子「はぁーっ…やっぱりね」
ルビィ「善子ちゃん……」
善子「大体察しはつくけどお生憎さま、私は心が読めるわけじゃないから」
善子「あんたがどうして欲しいのか、それを知る術はないわ」
ルビィ「……」
善子「ま、相談くらいなら受けつけるけど?」 ルビィ「善子ちゃん…ありがとう」
善子「別に、ないならそれでもいいんだけどね」
ルビィ「ううん、聞いてほしいな」
ルビィ「善子ちゃんのそういうところ、好きだから」
善子「……私が受けつけるのは相談だけよ、ルビィ」
ルビィ「えへへ、そうだったね」 ─
ルビィ「…あのね善子ちゃん、ルビィね少し不安なんだ」
善子「どうして?」
ルビィ「ルビィと梨子さんの誕生日って2日しか離れてないでしょ?」
善子「そうね」
ルビィ「みんなはちゃんとお祝いするよって言ってくれてるけど」
ルビィ「……でもね」 ルビィ「誕生日会って準備もそうだけど、後片付けも大変だから…ルビィの誕生日が来てもみんな疲れてて祝ってもらえないんじゃないかなぁって」
善子「……」
ルビィ「学校だってあるし、練習もやらなくちゃいけない…なのにそんなことしてたら持たないよ」
ルビィ「だから…不安」
善子「……そう…」 善子「ルビィの言いたいことは分かったわ」
善子「皆のことが心配で、だけど自分の誕生日を祝ってもらいたい…そんな気持ちの間で板挟みになっていると」
ルビィ「……うん」
善子「……ふぅーっ…確かにそれはあるかもしれないし、難しい問題よね」
善子「…ただまあ、それでも敢えて言わせてもらおうかしら」
ルビィ「え?」
善子「なんとかなるでしょ」 元旦生まれのお姉ちゃんに比べりゃみんなヒマだろ(適当) ルビィ「なんとかって…」
善子「出来なかったらどうしようじゃなくて、出来るためにどうにかしようって人達だからね」
善子「行動派は特にそうだと思うし、まあ…要は成り行きまかせってことよ」
ルビィ「……でも」
善子「ルビィ」
善子「たとえ出来なかったとしても、私だけは祝ってあげるから」
ルビィ「!」 善子「……って皆そう思ってるわよ、きっと」
善子「だから不安になるよりかは期待でもして待ってれば? 案外そっちのほうが上手くいくかもしれないわよ」
ルビィ「……そうだね」
ルビィ「じゃあ、そうする」ニコッ
善子「ええ、それでいいと思うわよ」フフッ ─
ルビィ「ねえ善子ちゃん」
善子「ん?」
ルビィ「期待ついでに一つ、お願いしてもいい?」
善子「お願い? なにかしら」 ルビィ「あのね、日付けがルビィの誕生日に変わるそのときに」
ルビィ「電話をかけてほしいの」
善子「電話?」
ルビィ「そう、電話」
善子「何、おめでとうって言えばいいの?」
ルビィ「うん、それと今年もよろしくねって」 善子「……今年ならあと3ヶ月で終わるわよ」
ルビィ「そうだけど…でも、ルビィの1年の始まりはそこからだから」
善子「……」
ルビィ「それなら最初に聞きたいのは善子ちゃんの声かなぁって」
ルビィ「そう思ったの、好きだから」
善子「…ルビィ、私言ったわよね? 受けつけるのは相談だけって」 ルビィ「お願いも駄目?」
善子「……」
ルビィ「……」
善子「……仕方ないわね」
ルビィ「よかった」ニコッ 善子「……そういえば」
ルビィ「なに?」
善子「ルビィはさ、何が欲しかったりするの?」
ルビィ「…?」
善子「誕生日プレゼントのこと、一応聞いておこうと思って」
ルビィ「えっ、別にいいよ?」
善子「何でよ」
ルビィ「さっきのがそうだったから」 善子「……そう」
ルビィ「うん、ルビィはそれだけで充分だよ」
善子「……」
ルビィ「やっぱり変だったかな?」 善子「別に…あってもいいんじゃないの、プレゼントって与えることでしょ」
善子「たとえそれが、形の見えないものでも……本人にとって大切ならそれでいいと私は思うわ」
ルビィ「そっか……」
ルビィ「ねえ善子ちゃん、本当に貰ってもいいのかな」
善子「あんたが望むならね──そういうものでしょ?」ギュッ
ルビィ「うん…そうかもね」ギュ ルビィ「じゃあ、楽しみにしてる」
善子「ええ」
ルビィ「……」
ルビィ「善子ちゃん」
善子「なに?」
ルビィ「ルビィね、善子ちゃんのことが好きだよ」
善子「知ってるわよ」 ルビィ「そっか」
善子「ええ、ちゃんと知ってる」
ルビィ「ねえ、それなら善子ちゃんは?」
善子「私?」
ルビィ「ルビィのこと、好き?」 善子「……そのうち分かるわよ」
ルビィ「そのうちって?」
善子「そうね……」
善子「─来年あたりじゃない? きっとね」クスッ |c||σ.-σ|| 家銀よしルビの心地良い距離感本当素敵……。
乙ですわぁ 乙銀
善子ちゃんの励ましは
不運を乗り越えてきただけに重みがあるわw
幸せになれる一本だったよ 善子「……今年ならあと3ヶ月で終わるわよ」
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