ちかなんボールGT 〜復讐鬼メノノリ〜 [無断転載禁止]©2ch.net
■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
カナーン カナーン
おじい「なんだ、海のほうから泣き声が」
ザプン
バシャバシャ
おじい「これは!?」
赤ん坊「カナーン、カナーン」 プカプカ
おじい「かわいそうに、捨てられたか」
赤ん坊「カナーン……」 チャプチャプ
おじい「それにしてもお前、赤ん坊のくせにもう泳げるのか」
おじい「はは、気に入った。どうせ孤独なこの身。ならばわしが育てよう」
赤ん坊「あぅ?」
おじい「よし、泣き声にちなんで、お前の名を果南と名付けよう」
果南「ハグぅ〜」 おじい「お邪魔します」
千歌ママ「あら、松浦さん。今日はどうしたんですか?」
おじい「おお、高海さん。実は捨て子を海で拾いまして」
千歌ママ「まあ」
果南「ハグゥ〜」
千歌ママ「かわいい子ですね」
千歌ママ「見たところ、1歳くらいかな」
千歌ママ「ふふ、あなたの1つ上のお姉さんよ、千歌」
千歌「あば?」
おじい「おお、その子が先日生まれたという」
千歌ママ「はい、三女の千歌です」
おじい「ちょうどよかった。どうか、この果南との遊び相手にしてくれませんか」
千歌ママ「ええ、もちろんですよ」
千歌「あばばば〜」 キャッキャ
果南「ハグぅ〜」 キャッキャ
千歌ママ「あらあら、さっそく仲良しになりましたね」
おじい「良かったな果南」 《数年後》
バチャバチャ
千歌(6)「ぷはっ」
果南(7)「やったね千歌。25m泳いだよ」
千歌「果南ちゃんが教えてくれたおかげだよー」
ワー ワー
千歌「ん? どーしたんだろ?」
果南「行ってみようか」
漁師A「くまったくまった」
漁師B「まさかクジラが座礁するとはな」
漁師C「とにかく水をかけないと」
クジラ「ダレカタスケテー」
果南「クジラだ」
千歌「どうしたんだろう」
果南「多分、海に帰れなくなったんだよ」
千歌「そんな、かわいそう……」
千歌「なんとかならないのかなぁ」ウルウル
果南「……」
果南「千歌、私に任せて」
千歌「え?」
ダッ
千歌「あ、果南ちゃん」 果南「よし」
漁師A「ん、これ、離れてなさい」
果南「せい!」ペタ
漁師B「危ないから触っちゃいかん!」
果南「どっせーい!」
ズゴゴゴ
漁師C「く、クジラを動かして!」
漁師B「スゲェ!」
漁師A「ヤベェ!」
ザブーン
クジラ「アザッス」 バチャバチャ 果南「ふう」
千歌「すごいよ果南ちゃん!」
果南「さ、千歌。今度は50m泳ご♪」
千歌「うん!」
漁師A「大した奴だ」
漁師B「まさかこれほどとは」
漁師C「さすがは松浦さんとこの子だ」
千歌「果南ちゃんって、ちからもちさんなんだねー」
果南「そうかな」
千歌「そうだよー。チカにはクジラさんを動かすチカラなんてないもん」
果南「そっかー」
千歌「でもあのクジラさん、海に戻れてよかったね」
果南「うん。それにチカも泣かずにすんだしね」
千歌「え?」
果南「わたし、チカが泣いてるとこ見たくないもん」
千歌「ホント? じゃあチカ、泣かない子になるね!」
果南「じゃあわたしはチカを泣かせない子になる」
千歌「えへへ」
果南「ふふ」 果南「ただいまー」
おじい「……」
果南「今日のご飯なにー?」
おじい「……」
果南「ねえ」
おじい「果南、ちょっと座れ」
果南「?」
おじい「お前、《気》を使ったそうだな」
果南「う、うん……」
おじい「あの力は外で出すなと言ったはずだぞ」
果南「……」
おじい「なぜお前が普通の人間ではありえない力を持っているのかは分からん」
おじい「しかしだからこそ、その力は普通の人の前では使ってはならんのだ」
おじい「このままでは、お前は皆から怖がられ、独りになってしまうぞ」
果南「……でも」
果南「チカは喜んでくれたもん」
おじい「なに?」
果南「あの力を使ったから、クジラを助けられたんだよ」
果南「私、間違ってないよ!」
おじい「お前……」 ―――――――
千歌(7)「ふんふふーん♪」
千歌「帰ったら今日はケーキが待ってるのだー」
男の子A「おい高海」
千歌「なに?」
男の子A「お前、あの果南とかいう化け物と友達なんだってな」
千歌「か、果南ちゃんは化け物なんかじゃないもん!」
男の子A「うるせー、化け物の友達ならお前も化け物だ。退治してやる」
男の子B「ヒーローごっこしよう。君が悪者ね」
男の子C「松浦果南ちゃんって男の子に化け物呼ばわりされても気にせずそのまま抱きしめてくれそう」
男の子AB「おらー」ポカポカポカ
千歌「や、やめてよぉ」
男の子A「くらえ気円斬(下敷き投げ)」
男の子B「いけー空円斬(リコーダーぶん回し)」
ドゴォ
千歌「きゃあ!」ドサッ
男の子A「参ったか!」
男の子B「弱い友達は、いらないからね!」
千歌「うう……」 男の子A「よし、とどめだ」
男の子B「ん?」
〇三三三 シューン
男の子A「なに!?」
ドゴォ
男の子B「ぐはっ!」
チュドーン チュドーン チュドーン ←岩を突き破っていく音
男の子A「なんだ!?」 果南(8)「……」 ゴゴゴゴゴ
男の子A「で、出たな親玉」
男の子A「くらえ気円斬(下敷き投げ)!」
ペチ
果南「……」
男の子A「ひぃ! き、効いてない」
果南「気っていうのは――」
果南「こうやって使うんだあ!」
ドン!
男の子A「うわーーー!」
チュドーン チュドーン チュドーン ←岩を突き破っていく音 果南「千歌、大丈夫!?」
千歌「うん、平気だよ」
果南「立てる? 手貸すね」スッ
千歌「ありがとー」ギュ スク
千歌「でも果南ちゃん、今日も放課後は用があるから先に帰ったんじゃ?」
果南「千歌がピンチだって気を感じてね。用事の途中だけど抜け出してきたんだ」
果南「へへへー」
千歌「果南ちゃーん」ダキ
「だいぶ《気》をうまく使えるようになりましたね、果南」
果南「あ、師匠」 ∧\
/( /( ∧ ∧ /(
/ \)`、) () ( / \ノ ~(_
)~ (
) フ シュインシュインシュイン
)` ..ィ⌒¨¨:.:....... (
)\)` ....:.:´ / (_∧
( ./ {. |. | \ (
_ ) / | |. |、 了
). / .../ /|./. |. ハ\ /
< .../ /、j.| v:.:.、:ハ、\ i .i (
) .. i| | {ソ \ .Y \ / \ | ..| ( )\
」 .|i| i| | γ_笊` リ '´_笊_ } ..| ..l ( ( /
)\) .リ .∨{ 代r少 V少 .ノ | ..| , (ノ (
\ {\ xx , xx / /.:.:′ /
\i「`\ , 厶ィ }..|!| 了
ゞ }:ーヘ `−´′ , 、/:ハ:| (
( | ハ:个:..... イ i.. | } フ シュインシュインシュイン
) ...| l |:j|:.:.:.:.:.}__ー<{ j|. i.. | :, (
)` . .}/_j_i|__/__/{/{ ̄\il:_:_i.. {_ \ //
_ ../ | | }ニニ「|ニニニ{/ / ./ ヽ \ ブ
\ . ../ .| | /ニニハニニニヽ ′ } i /
_ / | | \ニ./∨\ニ./ | | ∨ } //
ゞ. ...′ ′ V ヽ/ .V | |/ ∨ (
\ .. /、 { / ゝ/ :, /
) / \ ∨ ′ __′ (
ゞ {⌒!ー .,_j i ,. ´__}
) ..y { : : : : . . : : :.. | ´ / |/ /(
\/ / }: : : : : : : . . : : : : : :.|.ィ | / 師匠「もう私が教えることはなさそうですね」
果南「師匠?」
師匠「実は、私は今日東京へ戻らなければいけなくなりまして」
果南「そんな!?」
師匠「あなたのお爺様から1年間みっちりと《気》の使い方を教えてほしい依頼されましたが」
師匠「なかなかどうして。あなたはたった1か月で、もう《気》を自分のものとしました」
師匠「これからは一人でも大丈夫でしょう」
師匠「あなたを園田流武術子ども部門の免許皆伝とします」
果南「……」
果南「師匠、私、あんまりいい生徒ではなかったと思いますけど」
果南「ご指導、ありがとうございました!」ペコ
師匠「日々精進をするのですよ」
果南「はい!」 師匠「それと最後に一つ」
師匠「私が先程教え、あなたが敵に早速放った園田流最終奥義が1つ〈かめさめ波〉」
師匠「これは私やあなたのように、海に愛された者だけが使える技」
師匠「自分が選ばれた存在だからといって、使いどころを誤ってはいけませんよ」
師匠「〈かめさめ波〉を放つのは今のように――」
果南「はい、分かっています」
師匠「ふふ」ニコ
師匠「では果南。ご機嫌よう」
果南「はい、師匠もお元気で」
師匠「さようなら」
ピシュン
千歌「消えた……」
果南「ありがとうございました。師匠」 千歌「そっか、ここ1か月早く帰ってたのは修業してたからなんだね」
果南「うん」
千歌「じゃあその体中の傷とかも、転んだからってわけじゃなかったんだ」
果南「うん」
千歌「もお、どうしてチカに隠してたの!」
果南「だって、千歌に言ったら絶対止めるもん」
千歌「当たり前だよ!こんなに怪我して!」
果南「でも私は、この力で悪い奴から千歌を守りたい」
千歌「果南ちゃん…」
果南「だからこれからもずっと一緒にいてくれる?」
千歌「……」
果南「チカ?」
千歌「そんなの当たり前だよ」
千歌「果南ちゃん だいだいだいだいだーいすき」ギュ ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています