善子「あのねルビィ、ちょっと話があるんだけど…」 [無断転載禁止]©2ch.net
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ルビィ「なに? 善子ちゃん」
善子「あの…嫌なこと言うかもしれないんだけど」
ルビィ「…? 嫌なことって?」
善子「……それは…」
ルビィ「大丈夫だよ、ちゃんと聞くよ」
善子「…ありがとう、じゃあ今から言わせてもらうわ」
ルビィ「うん」
善子「…………あのね」
善子「ルビィ…しばらく私と距離を置いてほしいんだけど……」
ルビィ「…………えっ…?」 善子「…そんな顔しないでよ、すごい罪悪感が湧くから」
ルビィ「そんなこと言われたって…無理だよ」
善子「…………」
ルビィ「ねえ善子ちゃん、どうして? ルビィそんなに嫌なことしたかな」
善子「いや、なんていうか……そういうのじゃないと思うんだけど」
ルビィ「……」
善子「その……」
善子「ルビィが近くにいるとなんかこう……落ち着かないのよ」 ルビィ「……そうなの?」
善子「………うん」
ルビィ「…でも、この前まではそんなことなかったと思うけど」
善子「そうね、だってこのことに気づいたのはつい最近だもの」
ルビィ「最近……って何かあったかなぁ」
善子「正直なにも思い浮かばないわね、いつも通り一緒に帰って、買い物して、遊んで…」
善子「だから特別変わったことなんて無かった気がするんだけど」 善子「でも、ある日からルビィが隣にくると妙に緊張するというか」
善子「嫌いになったわけじゃないのよ? でもあまり他のこととか考えられなくなるから…それが少し不安で」
ルビィ「そうなんだ……」
ルビィ「……」
ルビィ「……じゃあ、離れる?」
善子「ルビィ……」
ルビィ「善子ちゃんが困ってるなら、ルビィはいいよそれでも」 善子「…ごめんなさい」
ルビィ「ううん、いいの」
善子「じゃあ悪いんだけど明日からそうしてもらえるかしら、ああ安心して、距離を置くといっても会話をしないってわけじゃないから」
ルビィ「うん知ってるよ、善子ちゃんはそんなことしないから」
善子「…………ねえ、私やっぱり」
ルビィ「善子ちゃんとりあえず一回だけでもやってみようよ、それで駄目なら多分元通りになると思うし」
善子「……そうね、ここまで言っておいて今さら取り下げるっていうのもね」 ─
善子「…それじゃあルビィ、また明日ね」
ルビィ「うん、また明日」テヲフリ
ルビィ「……」
ルビィ「…あんまり一緒にいられないんだ……」グスッ
ルビィ「あれ、なんでだろう…会えなくなるわけじゃないのに……善子ちゃん…」ポロポロ
……
… ─翌日、学校
善子「……」
ルビィ「……」
鞠莉「ねえねえ、あの二人今日はあんまりラブじゃないのね」
ダイヤ「鞠莉さん、もう少し言い方というものがあるでしょう」
鞠莉「あら、違ったかしら?」
ダイヤ「違います、本人たちがそう明言していない以上あの子たちの関係はただの友人です」
鞠莉「相変わらず堅苦しいわね〜ダイヤは」 果南「でも確かに今日は二人ともどこかよそよそしいというか、どうしたんだろう?」
曜「うーん、私ちょっと聞いてくるね!」タッ
千歌「私もー!」ダッ
梨子「あっ曜ちゃん、千歌ちゃん! …大丈夫かしら」
花丸「……多分問題ないと思うよ」
ダイヤ「? 花丸さんは何か知っているのですか?」
花丸「うん、今日の昼頃に善子ちゃんに聞いてみたんだけど……正直呆れたずら」
「「「???」」」
花丸「実はね──」
──
─ ─昼頃、一年生教室
善子「……」ボーッ
花丸「善子ちゃん、善子ちゃん」チョイチョイ
善子「……」ボーッ
花丸「善子ちゃんってば」
善子「……あ、ずら丸…どうかしたの?」
花丸「いやそれはこっちの台詞だよ」 善子「何が……」
花丸「ルビィちゃんと何かあったの?」
善子「! ……どうして」
花丸「だって二人とも今日はすごい静かだし、元気もないし、何もないと思うほうがおかしいずら」
善子「…いつもと同じように振舞えてたと思ってたんだけどね」
花丸「ううん、全然」
善子「そう……やっぱりあまり上手くいかないものね」 花丸「ねえ善子ちゃん、よかったらマルに話してくれないかな…何があったのか」
善子「……」
花丸「もしかしたら力になれることがあるかもしれないし」
善子「ずら丸…」
善子「……ありがとう、実はね昨日──」 ─
善子「─ということがあって、それで…」
花丸「……」
善子「…ずら丸?」
花丸「…はぁーーーーーっ……」
善子「な、なによ…」
花丸「え? 善子ちゃん、本当にそれが理由で今ルビィちゃんと離れてるの?」
善子「だからそうだって言ってるじゃない…」 花丸「……心配したマルが馬鹿だったずら」
善子「はあ!? 何よそれ! 意味が分からないんだけど!」
花丸「一度、自分の胸に手を当てて考えてみるといいよ」
善子「ちょっと、教えてくれたっていいじゃない!」
花丸「嫌ずら、そんな理由でルビィちゃんの顔を曇らせている善子ちゃんには絶対教えないよ」
善子「そう言われたって……」 花丸「…とにかくマルが言えるのはここまで、あとは自力でどうにかするずら」
善子「いや、待ってってば…」
ガラッ ピシャンッ
善子「……何だっていうのよ、もう…」
善子「それが分かったらこんなに苦労しないわよ……」
──
─ ─
善子「─とまあこんな事があったんだけど…」
曜・千歌「……」
善子「正直ずら丸が何を言いたいのかさっぱりだったわ」
曜・千歌「……」
善子「…? ねえ二人とも聞いてるの?」
曜「えっ、いや聞いてるけど……ねえ?」
千歌「うん」 善子「え? 何その反応、ずら丸のとだいぶ似てるけど」
曜「…千歌ちゃん、これ言っていいのかな?」
千歌「いいと思う」
善子「ん? 二人は分かるの?」
千歌「多分、誰でも分かる気がする」
善子「……そうなの?」
曜「うん…ねえ善子ちゃん、それってさ」
曜「ルビィちゃんのことが好きだからだと思うよ」 善子「…………はい?」
曜「だって嫌いになったわけじゃないのに、隣にいると妙に意識して」
千歌「ルビィちゃんのこと以外考えられなくなるんでしょ? それって絶対好きだからだと思うけどなあ」
善子「……」
善子「……いや、いやいや…まさか……」
曜「でも話を聞いてるとそれ以外に答えが見つからないんだよね」
善子「えっでもほら、そんな兆候なんて今までなかったし……」 千歌「少しずつ好きになっていったってだけじゃないかな?」
曜「急に恋愛感情が芽生えるなんて誰にでもあるわけじゃないしね」
善子「……」
善子「……ないわ、ない」
千歌「うーん、どうしてそんなに認めようとしないんだろうね」
曜「恥ずかしいんじゃない?」
善子「そうじゃなくって! ……だってそんなこといきなり言われても…」
善子「私は、ルビィのことずっと友達だと、そう思ってたのに…」 善子「だから、そういう意味で好きなんじゃないのって急に言われても…」
曜「…まあ確かに善子ちゃんの言いたいことも分かるけど」
千歌「でも、このままでいいの?」
善子「えっ…」
曜「ルビィちゃんさ、今日ずっと元気ないよ? どっちにしても何か言わなきゃ解決しないんじゃないかな」
善子「それは……」 千歌「うん! そうと決まったら早速ルビィちゃん呼んでくるね!」ダッ
曜「いってらっしゃーい」
善子「ちょっと待って!? まだ何も決まってないんだけど!?」
曜「まあまあそう言わずに」
善子「言わずにはいられないでしょ! こんな不安定なままでどうしろっていうのよ!」 曜「大丈夫だよ、素直になれば」
善子「素直って……私は」
千歌「連れてきたよー!」
善子「早いわね!?」 ルビィ「……」
善子「ルビィ……」
千歌「それじゃあ善子ちゃん、頑張ってね!」タッ
曜「私たちはあそこら辺で見守ってるから!」ユビサシ
善子「えっ……ていうか他のみんなも何かすごいこっち見てるんだけど!?」 ガンバレー! ヨシコチャーン! ガンバッテー!
善子「えぇ…何よこの状況…こんな状態で告白するの私……?」
善子「…いや、告白? ……じゃないわよね、うん…ルビィを安心させるだけ、そうよ…それだけ」
ルビィ「……善子ちゃん?」
善子「っ…」
善子(私だってこの子のこんな顔…見たくないもの)
善子「…ううんなんでもないわ、それよりもルビィ」
ルビィ「なに?」
善子「私ね、あんたに謝らなきゃいけないことがあるの」 ルビィ「謝るって?」
善子「…昨日のこと、本当にごめんなさい」ペコリ
ルビィ「……」
善子「今日…実際にルビィと離れてみて、分かったことがあるわ」
ルビィ「……なに?」
善子「それは……それはね…」
善子(ああ、なんでこんなに戸惑っているのかしらね…) 善子「私、ルビィが隣にいないほうがよっぽど苦しいんだなって」
ルビィ「!」
善子「そう、思ったのよ」
ルビィ「…そっか」
善子「…ねえルビィ、私勝手なことばかり言ってるわよね」
ルビィ「……」
善子「離れろだの、やっぱり離れた方が辛いだの…ルビィの気持ちも考えずに」 ルビィ「善子ちゃん…」
善子「でもね」
善子「嘘だけは、吐きたくなかったのよ……誰でもない、貴女だから」
ルビィ「…うん」
ルビィ「善子ちゃん、ルビィもね…善子ちゃんと同じ気持ちだよ」 ルビィ「今日ね、ずっと辛かったの……それが善子ちゃんのためなんだって分かってても」
ルビィ「それでもね、いつもみたいに善子ちゃんの隣でお話ししたいなぁってずっと思ってたんだ」
善子「……ルビィ…あの…」
ルビィ「だからね」
ルビィ「ルビィは今すごく嬉しいよ」
善子「……え?」 ルビィ「善子ちゃんもルビィと離れるのが辛いんだってそう言ってくれたから」
ルビィ「それなら…また一緒にいられるんだねって」
善子「!」
ルビィ「ねえ善子ちゃん、ルビィもね今日気付いたことがあるんだ」
ルビィ「聞いてくれる?」
善子「……ええ」 ルビィ「……あのね、ルビィは善子ちゃんのことが好きです」
善子「─! それって…」
ルビィ「うん、多分…友達としてじゃなくて」
善子「……」
ルビィ「考えたの、どうしてこんなに辛いんだろうって…最初はお友達と話せなくなるからかなぁってそれだけだと思ってたけど」
ルビィ「今日善子ちゃんが他の人と話しているのを見た時に思ったんだ」
善子(……ああ…同じだ)
ルビィ「ルビィも善子ちゃんの隣にいたいなぁって」
善子(ルビィ…私もね、そうだったのよ) ルビィ「だから、嬉しかったんだ…善子ちゃんもそう思ってくれたことが」
善子「……そう」
ルビィ「でもね、やっぱり聞かないと不安だから」
ルビィ「…ねぇ善子ちゃん、善子ちゃんはルビィのこと…どう思ってるの?」
善子「……」
ルビィ「ルビィに教えて?」 善子「……好きよ、私も」
善子「ルビィのことが好き」
ルビィ「……!」
善子「最初はね、よく分からなかった…いや違うわね、ついさっきまでかしら」
善子「だけどルビィの話を聞いて、今までの自分の気持ちを思い出して…そうしたらねようやく分かったのよ」
善子「ああ、好きだから今までこんなに苦しくて…今こんなにも嬉しいんだなって」
善子「そんな感情、好きにならないとなるわけがないのよ」 善子「だから─」ダキッ
ルビィ「!?」
善子「ごめんねルビィ…もう一回謝らせて」
善子「つらい思いをさせてごめん…これからはもう、あんなこと言わないから」
善子「だからっ…! また私の隣に…いてほしいのっ……!」
ルビィ「善子ちゃん……うん、ずっと一緒にいるよ…ルビィもね同じ気持ちだから」ギュ
善子「…ありがとう」 善子「…ねえルビィ」
ルビィ「なに?」
善子「好きよ」ギュゥ
ルビィ「うん、ルビィも」
善子「フフッ…そう」
ルビィ「うん、そうなの」ニコッ
善子「! ……あっ…」 ルビィ「? どうしたの善子ちゃん」
善子「…いや、やっとルビィの笑ってるところ見れたなあって…」
ルビィ「あれ? そうだったっけ?」
善子「ええ、やっぱりルビィは笑ってるほうが……「おめでとうーっ!」
善子・ルビィ「!?」ビクッ
曜「善子ちゃんおめでとう! 告白出来たんだね!」
千歌「ルビィちゃんも元気になったみたいだし、これにて一件落着なのだ!」
善子「……」 鞠莉「いや〜いいものが見れたわね」
ダイヤ「何を言ってるんですか、よくないでしょう」
果南「一番心配してたくせに、素直じゃないよねダイヤも」
梨子「見ていてすごくドキドキしたよ…おめでとう二人とも」
善子「…ああ……」
善子「……すっかり忘れていたわ」
花丸「それって惚気?」
善子「違うわよ!」 ワイワイガヤガヤ
ルビィ「……」
ルビィ「……えへへっ」
曜「? ルビィちゃん、どうかしたの?」
ルビィ「善子ちゃん、嬉しそうだなぁって」
千歌「そうだね」ニコッ
ルビィ「うん、ルビィねそれだけでも良かったなあって思うんです」
曜「えっ、どうして?」 ルビィ「善子ちゃんが笑うと、ルビィも嬉しくなるから」
ルビィ「それに──」タッ
ダキッ
「「おぉーっ!」」
善子「なっ…ちょっとルビィ!?」
ルビィ「やっぱり善子ちゃんは笑ってる顔が一番可愛いんです、そして」
ルビィ「それを知ってるのは善子ちゃんの隣にいるルビィだけですから、ね? 善子ちゃん!」ニコッ 善子「……」
ルビィ「あれ? 善子ちゃん?」
善子「…………ぃや、なんていうか…」
ルビィ「?」
善子「近すぎるのも考え物ね…って思っただけよ…///」 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています