SS 東條さんちの猫事情 [無断転載禁止]©2ch.net
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-とある女子大
女子A「わー可愛い!」
女子S「うちの子なの、可愛いでしょー」
女子C「東條さんも見てかない?可愛いよ〜!」
希「ん、なにー?」
女子S「うちで飼ってる猫の動画なの」
希「わぁ、めっちゃ可愛いやん」
女子C「うちも飼ってるけどここまで懐いてくれないよ」
女子A「いいよね〜猫」
希「そうやねぇ」
女子C「東條さんはペットとか飼ってないの?」
希「うちマンションだから…」
女子S「一人暮らしって気楽そうだけど、ペット禁止だと寂しいかもね」
希「うん……」
------
希「猫についてあれこれ教えてもらったけど……」カチ…
タタタタ…
希「これって、うちの猫にはどれくらい当てはまるんやろ?」ガチャ
バタン
希「ただい……」
凛「希ちゃん、おかえりにゃ〜〜!!」バッ
希「ただいま〜凛ちゃん」
-SS 東條さんちの猫事情-
希「ちゃんとお昼食べた〜?」
凛「うん、昨日のカレーの残り食べたよ」
希「そっかー、エライエライ」ナデナデ
凛「えへへ〜」ゴロゴロ
希「ちょっとまっといてな、すぐ晩御飯の用意するね」
凛「うん〜」
さて……春過ぎ辺りからなぜかうちに居座るようになった凛ちゃん
高校を卒業してから特に何をするわけでもなくうちでのんびりしている凛ちゃん
そんなにうちが居心地いいのかなと思うけど
凛「今日の晩御飯なにかにゃ〜?」
希「いたわさ」
凛「うー…凛あれ苦手にゃー……」
希「それだけじゃないから安心し」
凛「わかった〜」
以前から凛ちゃんは友達の家に遊びにいったりして、そのまま居つく事が多々あるという
花陽『凛ちゃんはきまぐれなところがありますから、フラっときて数日遊んではまたフラっとどこかへ…』tell
希「野良猫か」
そのフラっと遊びに来るようになったのが去年の秋頃くらいから
まぁもともと仲のいい間柄だし、家がにぎやかになるのは嬉しかったけど
希「気がつけば三か月かー」
凛「どしたの?」
希「んーん、なんでも〜」
凛「凛も何か手伝う?」
希「大丈夫〜、のんびりしとって〜」
凛「はーい」トテテテ…
希「あ、そういえば…」
女子S「猫っておもしろいよねー」
女子A「人差し指とかだすと、とりあえずにおうよね」
・猫は顔に何かを近づけると匂いを嗅ぐ
希「ふむ…」
希「凛ちゃ〜ん」チョイチョイ
凛「ん、どしたのー?」
希(とりあえず指でためしてみよ)スッ
凛「ん?」
希「……………」ススス…
凛「?」ジー
希「…………」ドキドキ
凛「…………」
パクッ
希「ひゃあっ、な、なんで銜えるん!?」パッ
凛「え、なにかなーと思って…?」
希「ってことがあったんやけど…」
花陽『凛ちゃんの場合、匂いを嗅ぐと同時に味見する習性があるんです』
希「なにそれめっちゃおもろい」
花陽『基本的には食べられるもの…カテゴリー的に口に含んでも大丈夫なものという前提がありますけど』
希「うちの指は食べられるって思ってるんかな?」
花陽『それはおそらく親愛の証です』
希「親愛?」
花陽『凛ちゃんは心を許した相手にはとことん甘えるタイプで、甘噛み行為もその一つです』
希「は、はー……」
花陽『ちなみに私や真姫ちゃんなんかもよく噛まれてましたよ、高校時代』
希「そうやったんかー…」
花陽『凛ちゃんの生態にはまだ謎な部分が多いのですけど、希ちゃんもなにかしら気づいたら報告してください』
希「なんで凛ちゃん、こんな観察対象になってるんやろ…」
花陽『私が提唱する、凛ちゃんぶっちゃけ猫説に有益な情報がありましたらまたぜひ……』
凛「希ちゃ〜ん、お風呂あいたにゃ〜」
希「わかった〜。あ、じゃあ切るね、ありがと」
花陽『いえいえ、凛ちゃんによろしくお伝えください』
凛「電話?」
希「うん、ちょっとしたクライアントと」
凛「暗いアント?」
希「まぁまぁ気にせんとって。じゃあうちお風呂入ってくるね」
凛「いってらっしゃいにゃー」
希(花陽ちゃんとのやり取りは伏せとこ…)
・うなじの部分をつまむと大人しくなる
女子S「この状態でお腹とかコチョコチョするとなんともいえない表情するのよねぇ」
希「ふむ…」
凛「あっはっは、このコントおもしろいにゃ〜」ゴロゴロ
希「凛ちゃん何見てるん?」ソー
凛「テレビのお笑い番組だよー」ケラケラ
希「そーなんかー」ササッ
凛「にゃ?」
ギュムッ
凛「にゃっ!?」ビクッ
希(お、動きとまった? じゃあこのままお腹を…)コショコショ
凛「は、はわわ…」
希(こ、この表情は!?)
凛「にゃふ……んっ、や…ぁっ…」
希「って、なんでそんな声だすん!?」バッ
凛「び、びっくりしたにゃー……もう、凛は首筋弱いんだよ〜」
希「そ、そうなん…」
凛「ところでなにかようにゃ?」
希「いや、たんにマッサージしてあげようかなって…」
凛「そなの? じゃあ横になる〜」ゴロン
希(これはこれでおもしろい反応ではあるけど……)
希「っていう事があったんやけど…」
花陽『なんて羨ま……ん、んん』
希「ん?」
花陽『それでは音声データを送ってください』
希「え?」
花陽『………録音……してないんですか?』
希「いや、そんなん最初からしてないけど…」
花陽『………チッ』
希「えー……」
花陽『ちなみにそれは凛ちゃんの習性というよりたんなる性感帯です』
希「なるほど」
花陽『あんまり刺激しすぎるとおもわぬ反撃にあうかもしれません』
希「は、反撃…?」ゴクリ
凛「希ちゃ〜ん、寝よ〜」
希「うん、いまいく〜」
花陽『まぁ私としては反撃にあう一部始終を動画に収めるという希ちゃんの勇気ある行動を期待し…』
希「あ、じゃあ切るね、ありがと」ピッ
凛「また電話にゃ?」
希「うん」
・寝てる猫と寝てる猫をくっつけるとお互いをなめ合いだす
女子S「これは習性かどうかは微妙だけど、可愛いのよね〜」
女子A「たまりませんな〜」
希「ふむ…」
凛「くぴ〜……Zzz……」
希(寝顔可愛い…)
希(でももう一方の猫がいないか……)
凛「んにぅ……ぐぴー…Zzz……」
希(ためしにうちが横にピッタリと…)モゾモゾ…
凛「ん、ん〜♪」グイ
希「ぐふっ、り、凛ちゃ……く、首…しま……ぅぅ…!」バタバタ
希「っていう事があったんやけど…」
花陽『凛ちゃんはなんでも抱いて寝る習性があるのです』
希「それはあんまり猫と関係ない気が……」
花陽『体勢に注意すればいい感じに抱き合って寝られますよ。冬はおすすめです』
希「まだまだ夜も暑いからな〜遠慮しとくよー」
-とある女子大
希「怪しい空模様やなー……」
女子A「今日雨だって言ってたよ?」
希「え、そうなんかー。洗濯物干しっぱなしやん。あ、そうだ」
prrrr……ピッ
凛『はいは〜い、希ちゃんどうしたにゃー?』
希「凛ちゃん、もし雨が降り出して来たら洗濯物取り込んどいてくれる?」
凛『ん、わかった〜。でもいいお天気だよ?』
希「こっちは若干怪しくなってきたから、そのうちそっちも降るかも」
凛『了解、おまかせにゃ〜』ピッ
希「これでよしっと…」
女子S「うちの子の新しい動画〜」
女子C「見る〜」
女子A「みるみる〜」
希「同じく見る〜」
シュドドドドドドドドドドドドドドドド!!!
希「めっちゃ大雨やんかっ!」ダダダダ…
ガチャ バタン
希「あう…ずぶ濡れになっちゃった…」ボタボタ…
凛「くひゅ〜……Zzz……しぴー……Zzz…」
希「凛ちゃんソファで寝てるん? あーもう、とりあえずシャワー……」
ドドドドドドドドドドドド……
希「洗濯物………そのままやん……」
凛「む……あ、希ちゃーん、おかえりにゃ〜……あふ…」
希「凛ちゃん……雨降ってきたら洗濯物取り込んでってゆーたやん…」
凛「え……わ、わあ、すごい雨! って、あー……」
希「もう……とりあえずうちはシャワー浴びてくるから」
凛「い、急いで取り込むにゃ〜!」
希「いいよもう、あんだけ濡れてるんやから、取り込んだら中まで濡れちゃうやん…」
凛「うぅ……ゴメンにゃー……」シュン
希「………………」
希「っていう事があったんやけど…」
花陽『それで今凛ちゃんはどうしてます?』
希「部屋のすみっこでしょんぼりしてる」
花陽『凛ちゃんは叱られると動かなくなる習性がありますから…』
希「なんかこっちまで罪悪感でてくるんやけど……」
花陽『大事なのはちゃんと声をかけてあげることですかね』
希「声……か…なんてかけたら……」
花陽『凛ちゃんもちゃんと悪かった部分を理解して反省していると思います』
希「そやんな……ん、ありがとね」
花陽『いえいえ、あ、できればしょんぼりしてる凛ちゃんの画像などありましたら…』
ピッ
凛「……………」
希「凛ちゃん……ご飯食べよ……」
凛「……………」
希「元気だして…うちもちゃんと天気予報確認してなかったん悪かったし…」
凛「……………」
希「そうだ、晩御飯ラーメン作ったるわ!」パン
凛「……………」
希「反応してくれへん…」
花陽『ラーメンで動かないなんて……一体どんな叱り方したんですか!?』
希「どんなって……声は別に荒げてないし、ただ愚痴ったっていう感じで……」
花陽『あーそれが原因かもしれません』
希「ど、どういうこと?」
花陽『凛ちゃんは人との関わりを大事にする子で、それは良くも悪くも接していたいって事です』
希「ん……という事は……」
花陽『強く叱られなかった…むしろ諦めたような感じが凛ちゃんには避けられたって思えたんじゃないでしょうか』
希「そうか……」
花陽『私は凛ちゃんとケンカしちゃった時は、いつもお互い全力です!』
希「うん…ありがとう……」
猫っぽいとか習性とか、そんなのよりもっと大事な部分
他の誰より自分が一番知っている事なだけに、すごく悪い事をしちゃった感じがした
希「一人は……嫌やもんな……」
いつのまにか凛ちゃんは部屋のすみっこで丸まって眠ってしまっていた
明日起きたらちゃんとお話しして、また一緒に遊ぼう
希「おやすみ、凛ちゃん…」
・猫はきまぐれ。突然フラっといなくなる
女子S「うちの子、たま〜に近所散策にでかけることあるんだけど、一日帰ってこないこととかあるよ」
女子A「大丈夫なのそれ?」
女子C「それでノミとか持ち帰っちゃった日にゃー」
女子S「勿論そういう対策はしてあるけどね」
希「……………」
花陽『そうですか、朝起きたらいなくなってたと……』
希「そ、そっちに行ったり…してない?」
花陽『いえ、こちらには来ていません』
希「そう………」
花陽『心配ですか?』
希「そりゃそうだよ、凛ちゃん夕べから何も食べてないし……それに…あんなお別れの仕方なんて、嫌や……」
花陽『お別れなんて深刻なものではないと思いますけど……あ、もしかして』
希「心当たりあるん!?」
花陽『私とケンカしたとき、気まずくなった凛ちゃんが行くところ……』
・猫はせまいところが大好き
女子S「見てみて、猫鍋〜」
女子A「テラカワ!」
女子C「すっぽりハマるとこ好きだよね」
ガラ…
希「わっ………」
凛「………」
希(ほんとに押し入れにいた……)
希「凛ちゃん………」
凛「…………」
希「そんなとこいないで、おいで」
凛「…………怒ってない?」
希「怒ってないよ」
凛「凛のこと、いらなくなったりしない?」
希「そんなこと絶対にないよ。うちには凛ちゃんが必要や」
凛「うぅ………」
希「ほら……」サッ
凛「希ちゃ〜〜〜ん」バッ
希「無事保護したよ」
花陽『それはなによりです』
希「花陽ちゃんは凛ちゃんの事、よく知ってるんやね…」
花陽『ええ、それはもう』
希「……………」
花陽『?』
希「やっぱり……凛ちゃんの事、好きなん?」
花陽『はい、大好きですよ』
希「そうなんや…。じ、じゃあやっぱり凛ちゃんがうちにいるのは嫌?」
花陽『いえ、特にそういうわけでは…』
花陽『希ちゃん』
希「ん……?」
花陽『こっちがどれだけ手間をかけても、猫はきまぐれなものです』
希(凛ちゃんの話が猫の話に……)
花陽『遊びたいときにいなかったり、忙しい時にじゃれてきたり、それはもうマイペースです』
希「まぁ……そうやね……」
花陽『それをいちいち気にしていたら疲れるだけなのですよ』
希「な、なるほど…」
花陽『それに……』
・猫に与えるのは、無償の愛のみ!
女子S「別にそっけないときがあっても、それ含めて全部好きなのよ」
女子A「愛だねえ」
女子C「愛ね」
希「ふむ…」
希(見返りとかそういうのじゃなく、ただ愛でる存在か…)
ガチャ タタタタ…
凛「おかえりにゃ〜」
希「ただいま!」
希(うん、それならなんとなく分かるかな)
花陽『ついに希ちゃんもその境地に達しましたか』
希「そうみたいやね」
花陽『それでは希ちゃんも集会に参加していただきましょう』
希「し、集会?」
花陽『ぶっちゃけ凛ちゃん猫説を唱える私達の集まりです』
希「そ、そんなものが……ん、私達?」
花陽『真姫ちゃん、ことりちゃんも同じ同士なのです』
希「へー……」
花陽『ようこそ、希ちゃん。私達は希ちゃんを歓迎しますよ』
希(大丈夫かな……)
・猫は先手を打つと固まる
女子S「うちの子をとにかくもふもふするときね、」
女子A「いいなぁもふもふしたい」
女子C「お腹とかに鼻うずめたいよね」
女子S「もうあちこちに顔うずめたり、わしゃわしゃするんだけど、やっぱり嫌がってね」
希「ふむ……」
女子S「そこで突然パっと離れて、唯一の逃げ場である部屋のドアにささっと先回りするの」
女子A「よくわからん行動ね」
女子S「そしたらとにかく外へ行きたいのに行く場所に立ちふさがる私との間で膠着状態になるの」
希「ふむ……」
女子S「その時のなんとも言えない表情がまた可愛いのよ」
女子C「あんたの猫好きも、たまに変な方向に行くよね」
希(そのままほっとくとその場で毛づくろいを始める…か)
凛「希ちゃんどうしたの?」
希「ん、なんでもないよ〜」
凛「そっか」ズズ…
希(実際どんな表情するんだろ…?)
凛「ラーメンおいしいにゃ〜」ズズズ…
希(お、凛ちゃんがベッドの上で雑誌読んで寛いでる)
凛「〜♪」
希(ひさしぶりのわしわしマックスやっ!)ソー
凛「………ん?」
希「とりゃ〜〜!!」ガバッ
凛「にゃ!?」
希「わしわしマ〜〜〜ックス!!」バババッ
凛「に、にゃあ〜〜!!!!」ギシギシ
ワシワシワシ…モミモミモミ!!
凛「やっ、の、希っ…ちゃ、ひゃあぁっ!」バタバタ
希(柔らかくて気持ちいいなぁ〜えへへ)ワシワシ
凛「や、やめ、そこ、にゃぅっ」
希(さて、そろそろタイミング見計らって撤収を…)ワシワシ
ガシッ
希「え…?」
凛「もう、よくもやったにゃ〜!!」ガバッ
希「ひ、ひゃあああ!!」
花陽『だから刺激しすぎるとおもわぬ反撃がくると言ったのに……』
希「油断してたわー……」
花陽『それで動画は……』
希「ないけど」
花陽『はぁ……学習してくださいよ……』
希(なにを期待されてるんやろ……)
花陽『ちなみに凛ちゃんのテクニックもなかなかのものでしょう?』
希「なんや揉み慣れしとるんやね……あれってやっぱり…」
花陽『ええ、私を練習台にいろいろ勉強していた時期がありましたので』
希(二人してなにやってるん……)
・猫の頭に何かかぶせると後退する
女子S「視界が真っ暗になるととりあえず下がるよね」
女子A「前か後ろにしか行けないせいだとか聞いた事があるよ」
希「ふむ……」
------
希「ちょりゃー!」ガサッ
凛「にゃにゃー!?」
ゴスッ
希「ぐふっ………」ドサ
希「っていう事があったんやけど…」
花陽『凛ちゃんの視界を奪うと、取り敢えず周囲に危険がないか暴れますので注意です』
希(けっこう猫とかけ離れてる気がするんだけど……)
花陽『それより、来週に集会を開きますのでぜひご参加を』
希「うん、楽しみやわ〜」
花陽『毎回凛ちゃん関連の情報や写真、動画を持ち寄るのが決まりなのですが、何かありますか?』
希「え、そうなんや……じゃあなんか用意しとくわー」
花陽『現保護者である希ちゃんならいい写真も用意できると、期待しています』
-都内某所居酒屋
ことり「あ、希ちゃ〜んこっちだよ」
希「ことりちゃん、それに真姫ちゃんもひさしぶりやね」
真姫「元気そうね」
花陽「ようそこ、凛ちゃん集会へ」
ことり「といってもたんなる女子会だけどね」
真姫「とりあえず何にする?」
希「えーっと……って、真姫ちゃんのそれ、カクテル?」
真姫「そうよ」
希「あれ、でも真姫ちゃんって確かまだ……」
真姫「ふふ、こういうのは堂々としてれば怪しまれないものよ」
ことり「さっき注文するときに聞かれたんだけど、あまりに自然に二十歳ですって言うから驚いちゃった」
花陽「真姫ちゃん大人っぽいからいいよねぇ」
希「なるほどな、じゃあうちも同じやつにしとこうかな」
花陽「今日は凛ちゃんはどうしてます?」
希「一回荷物や着替えを取りに帰るって、家に帰ってるよ」
ことり「あいかわらずだね〜凛ちゃん」
-30分後
ことり「そしたらね、穂乃果ちゃんがひっくり返っちゃってー」
花陽「あはは、大変だったんだねー」
真姫「まったくなにやってるんだか」
希(集会っていうからどんなものかと思ってたけど、普通におしゃべりして楽しむ会やんね)
花陽「ふー……さて、ではそろそろ本題に入りましょうか」
ことり「はーい」
真姫「オッケー」
希「ん?」
花陽「それでは私から……コホン」
ことり「……」サッ
真姫「……」カタ
希(み、みんな真剣な顔つきでスマホやノーパソ準備し始めた……)
花陽「まずはこちらの写真から、先週火曜日に凛ちゃんと映画を見に行った時のです」
ことり「あ、凛ちゃん新しいお洋服だ、可愛い♪」
真姫「これは先月私と買い物にいった時に選んであげた服ね」
希「え、買い物? 映画? 凛ちゃんいつのまに……」
花陽「凛ちゃんは日中けっこう出歩いてますよ?」
希「大学行ってるあいだに色々してたんやねぇ…」
ことり「じゃあ貰うね」スッ
真姫「私も…」サッ
希(なるほど、こんな感じで写真や動画のやり取りをするわけね)
ことり「猫カフェで猫と戯れる凛ちゃん〜」
花陽「くはっ、か、可愛い!」
真姫「猫の相乗効果ね」
希「確かにあのお店行ったことなかったけど、いい感じやねー」
ことり「来週は遊園地いくんだよ」
花陽「楽しそうですね」
真姫「それじゃ、これも貰うわね」
希「あ、うちも」
真姫「私のはこれ、うちでホームパーティーした時の写真よ」
ことり「絵里ちゃんと海未ちゃんも参加したって言ってたやつだね」
希「楽しそうやね〜」
花陽「この時用事で行けなかったのが残念です」
真姫「またみんなの時間が合いそうなタイミングでやりましょ」
ことり「貰うね〜」
花陽「いただきます」
希「同じく」
希「それじゃ、次はうちの番やね」
花陽「初参加の希ちゃんがどんな物を用意しているのか…」
ことり「楽しみだね〜」
真姫「現保護者の実力、見せてもらうわ」
希「じゃあまずはこれ、ぬいぐるみを抱いて寝る凛ちゃん」サッ
花陽「おぉっ」ガタ
ことり「や〜ん、かわい〜♪」
真姫「なんて無防備な恰好……」
希「クッション抱えてテレビ見てる凛ちゃん」
花陽「いい感じにダラけてますねー」
真姫「貴重な部屋着姿ね」
ことり「これもかわい〜♪」
希「好感触のようで安心したわ」
花陽「とてもいい写真だと思います」
希「それじゃこっちの……あ……」
ことり「どうしたの?」
希「初参加なのに手持ち全部出していくのって、いいんかな?」
真姫「別に出し合って何か競ってるわけじゃないんだし、いいんじゃない?」
花陽「まだあるならぜひ!」
ことり「うんうん」
希「じゃあ……」スッ
希「お風呂上りの全裸凛ちゃん」
花陽「!!!?」ガタタッ
ことり「ひゃあ〜〜〜!!!!」カシャン
真姫「ぶふっ……こ、これはっ!!?」
希「おもわず撮ってしもてん……」
花陽「ハラショー!!」
ことり「ハラショー!」
真姫「ハラショー!!」
希(エリチの影響がこんなところに……)
花陽「やはり私の目に狂いはなかったようです」
ことり「凛ちゃん、いい飼い主さんに出会えてよかったです」
真姫「最初は少し心配していたんだけどね」
希(隠し撮り写真でこうまで認められるなんて…)
花陽「今日はとても実りのある集会になりそうです」
-2時間後
ことり「真姫ちゃん大丈夫〜?」
真姫「らいじょ〜ぶよっ……ぅぃ…」フラッ
希「どうしよ、このまま家に帰すわけにもいかんしねー…」
花陽「さっきにこちゃんに連絡いれておいたのでそのうち迎えに来てくれるでしょう」
希「ん、なんでにこっちが?」
ことり「真姫ちゃんとにこちゃん、一緒に住んでるんだよ」
希「え、そうなん?」
花陽「まだ暮らし始めたばかりだそうですけど、にこちゃんが借りているマンションに真姫ちゃんが…」
希「ほえ〜いつのまに……」
花陽「結局のところ、私達も凛ちゃんと同じなのかもしれません……」
希「ん……?」
花陽「知ってますか、猫って寂しがり屋さんなんですよ。一人は…嫌なんです…」
希(それは良く知ってるよ……一人の寂しさは…)
花陽「まだ実家暮らしですが、私もそのうち一人暮らしとかしてみたいです…でも…」
希(なんか語りだした……)
花陽「きっと……私もみんなと一緒、一人の寂しさに耐えなられないかもしれませんね」フッ…
希「ん……あれ、それって、凛ちゃんも?」
花陽「凛ちゃんの家、いまは凛ちゃんしか住んでいないんですよ」
希「え、ご両親は!?」
花陽「お仕事の都合で家族で海外へ…。凛ちゃんは一人でも大丈夫って、残ったんです」
希「そんなん一言も……」
花陽「心配かけたくなかったんですよ……」
希(それでも、花陽ちゃんにはそういう話はするんだね…)
花陽「そうだ、希ちゃんに渡すものがあるんでした」ササッ
希「ん、封筒?」
花陽「凛ちゃんのエサ代です」
希「エサ代て……って、うち凛ちゃんからそれなりに貰ってるよ?」ガサッ
希「なんやこれ!? ん……十万どころじゃないやん!!?」
花陽「おいしいものでも食べさせてあげてください」
希「う、受け取れんよこんなの、なんで花陽ちゃんが……」
花陽「いえ、それは凛ちゃんのお母さんからです」
希「え?」
花陽「生活費は毎月振り込んでいるようなのですが、それだけじゃ心配だって追加でだそうとしたらしいですけど…」
希「過保護やなぁ……」
花陽「子供扱いが嫌なのか、凛ちゃんは必要なぶんだけでいいって断っちゃったそうなんです」
希(その必要な分ってのもけっこうな金額だったような……)
花陽「それでも心配なのか親心なのか、お母さんが凛ちゃんに内緒で私に……それとなくサポートしてあげてと…」
希「それでもこの金額をポンと渡すとは……」
ことり「真姫ちゃんが吐いちゃった〜〜〜!」
花陽「あらら…あ、ちょっと行ってきますね、それは凛ちゃんのために使ってあげてください」スタタタ
希「え、でも…」
ことり「お店の看板に……」オロオロ
花陽「にこちゃんに連絡して、待ち合わせ場所を変更しましょう」
ことり「これはどうするの?」
花陽「目撃者はいませんっ!」
ことり「えー…ごめんなさ〜い!」
希「…………」
・猫の睡眠は8割がノンレム睡眠
女子S「浅い眠りが多いかわりに、こまかいサイクルで寝るらしいよ。これ動画」
女子A「かわい〜ん」
女子C「よくピクピク動くよね」
女子S「どんな夢みてるのかな」
希「ふむ…」
希「いろいろあったけど……これはハズレてるっぽいなー」
スタスタ… ガチャ
希「たいてい寝てる時の凛ちゃんって……」
凛「ZZZ……すぴー………」
希「爆睡してるからねぇ……お腹でてるし…」カシャ
凛「zz……ヒクッ……」
希「ん?」
凛「っ!」ガバッ
希「わあ」
凛「あ、希ちゃんおかえりにゃ〜」
希「た、ただいま……起きてたん?」
凛「ん…寝てたけど、希ちゃんの匂いがするなーって感じたら目が覚めた」
希「そうなんや……」
凛「最近希ちゃんの匂いは嗅ぎ分けられるようになってきたかも?」
希「えぇー…うちそんな独特な匂いしてるかなぁ?」
凛「独特っていうか……んー…凛の好きな匂いかな」
希「う……」ドキ
凛「ん、どしたの?」ニコニコ
希「……………」
希「凛ちゃん……」
凛「んー?」
希「おいしいラーメン食べにいかへん?」
凛「ラーメン! 行きたいにゃ〜!!」
希「じゃあすぐに出かけるから、顔洗っといで」
凛「わかったにゃ〜〜」バタバタ
凛「他のみんなにも聞いてみる?」
希「ちょっと遠いとこいくから、どうかなー?」
凛「どこいくの?」
希「北海道」
凛「ほっ!?」
希「小旅行やんね」
凛「おー楽しそう!」
希「ふふ、週末は食べ歩きするで!」
凛「おー!」
-それからしばらくして……
prrrr……
花陽「ん、希ちゃんから…」ピッ
花陽「もしもしー?」
希『は、花陽ちゃん…た、たすけて……』
花陽「ど、どうしたんですか?」
希『凛ちゃんが…最近……その…夜になると……もう……体がもたへんよ……』
花陽「あー……そういえばそんな時期ですね…」
希『こ、これってやっぱり……?』
花陽「はい、凛ちゃんはいま発情期ですね」
希『どうしたら……』
花陽「初めての希ちゃんには少し負担が大きかったですか。それでは応援にいきましょう」
希『き、来てくれるん?』
花陽「一人で凛ちゃんの相手をするのは大変でしょう」
希『なんなんあれ……うちまったくペース握れないんやけど……』
花陽「そこは慣れですよ。あとで伺いますね」
希『ほんまゴメンなー。でも花陽ちゃんきてくれたら凛ちゃんも喜ぶと思うわー』
花陽「私もひさしぶりに凛ちゃん会いたいですし、それに丁度よかったのもあります」
希『よかったって?』
花陽「私も今発情期ですから」
こうして猫が一匹増えた東條さんちでした
-SS 東條さんちの猫事情-
おわりにゃー
それから1年後
凛、花陽と、凛と花陽にそっくりな子猫と一緒に暮らす望みの姿が 乙!終始いいふいんきやった
しかちゃんひさしぶりやん! ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています