0001名無しで叶える物語(庭)@無断転載は禁止
2017/08/14(月) 13:51:52.76ID:QfsTj7uFセンター穂乃果が倒れ、ライブも中止になり惨敗だった
体育館に響くファンのため息、どこからか聞こえる「今年は出場無理だな」の声
無言で帰り始めるメンバーの中、アイドル部部長の矢澤にこは独り舞台裏で泣いていた
μ's結成で手にした栄冠、喜び、感動、そして何よりラブライブに出場できる・・・
それを今のμ'sで得ることは殆ど不可能と言ってよかった
「どうすりゃいいのよ…」にこは悔し涙を流し続けた
どれくらい経っただろうか、にこははっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たいベンチの感覚が現実に引き戻した
「やれやれ、帰ってにっこにっこにーの練習をしなきゃね」にこは苦笑しながら呟いた
立ち上がって伸びをした時、にこはふと気付いた
「あれ・・・?お客さんがいる・・・?」
舞台裏から飛び出したにこが目にしたのは、外野席まで埋めつくさんばかりの観客だった
千切れそうなほどにサイリウムが振られ、地鳴りのように輝夜のコールが響いていた
どういうことか分からずに呆然とするにこの背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「にこっち、ライブ始まるよ、はよ行こ」声の方に振り返ったにこは目を疑った
「の・・・希?」 「どうしたのにこちゃん、居眠りでもしてたの?」
「こ・・・ことり?留学は?」 「なによにこちゃん、かってにことりを留学させて」
「真姫ちゃん・・・」 にこは半分パニックになりながらセットリストを見上げた
1番:僕らは今のなかで
2番:WILD STARS
3番:ススメ→トゥモロウ
4番:これからのSomeday
5番:Wonder zone
6番:輝夜の城で踊りたい
7番:No brand girls
8番:START:DASH!!
9番:きっと青春が聞こえる
アンコール: 僕らのLIVE 君とのLIFE
暫時、唖然としていたにこだったが、全てを理解した時、もはや彼女の心には雲ひとつ無かった
「勝てる・・・勝てるんだ!」
ヒデコからハンズフリーマイクを受け取り、ステージへ全力疾走するにこ、その目に光る涙は悔しさとは無縁のものだった・・・
翌日、ベンチで冷たくなっているにこが発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った