隣人花陽「え?今日の朝ごはんはパンなんですか?」 [無断転載禁止]©2ch.net
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久し振りに1人で食べる朝食
美味しいのか不味いのかすら解らないまま口に運ぶだけの作業を繰り返す 「どうせ明日は来るだろ…」そんな誰に向けるでもない独り言を呟きながら1人で飯を食らう 気付いたらお隣さんが来なくなってから1週間が経つ
もう一日20合も米を炊かなくて済むしわざわざ休みの日に早起きしてまで弁当を作らなくても済むと言うのに俺の心は晴れない いつの間にかお隣さんの事ばかり考えている俺が居る
どうしてこんなにも胸が熱くなるのだろう
ただの隣人の筈なのに 気付いたら俺はお隣さんの部屋の前に居た
震える手を抑えながらインターフォンを押す それでもお隣さんは…出ない
肩を落として自分の部屋に戻ろうとした所で丁度帰宅途中のお隣さんとバッタリ出くわす 咄嗟の事で言葉が出ないそれでも何とか言葉を捻り出そうとしていると隣人さんは「ごめんなさい今まで無理させちゃって…これからは心置きなくパン食べて良いですよ?」と悲しい笑顔を浮かべながら通り過ぎて行った 気付いたら俺は通り過ぎていくお隣さんの手を掴んでいた
「これから…毎朝貴女の味噌汁を作らせて下さい」 言ってしまってから気付いた、これじゃまるでプロポーズじゃないか俺とお隣さんはただの隣人でそれ以上でもそれ以下でもない筈なのに
それでもお隣さんはまるで少女のような笑顔で言った「えへへ…三食白米じゃないとダメですよ?」 それ以来隣人さんは以前にも増して図々しくなった
オカズは指定してくるしお米の炊き方にも口うるさくなった
でも偶に一緒にご飯を食べに来る星空さんに付き合ってるんじゃないかと茶化されると真顔で否定される
友達でも恋人でもないただご飯を一緒に食べるだけの隣人
それでも俺はこんな日々がずっと続けば良いのになと思いながら今日も味噌汁を作らせて頂く ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています