花陽「超常現象研究会?」 希「うん!」 [無断転載禁止]©2ch.net
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花陽「あ、あの――」
希「キミ1年生やろ?」
花陽「はい」
希「だから部活の勧誘や」
花陽「は、はあ……」
希「良かったら見学に来てなー」 花陽「行っちゃった」
花陽「高校にはああいう人もいるんだね」
凛「かよちーん」
花陽「凛ちゃん」
凛「入りたい部活決まった?」
花陽「えーっと」
凛「かよちん、チラシ1つしか持ってないじゃん!」
凛「ダメだよー、もっと積極的にいかないと」
花陽「うん……」
花陽「凛ちゃんは決まった?」
凛「凛? 凛は陸上部かなー」
凛「あ、じゃあかよちんも一緒に入ろうよ!」
花陽「ええ!? わ、私はいいよ。運動苦手だし」
凛「そっか。――って、そういえばその貰ったチラシはどの部?」
花陽「あ、これは貰ったっていうか押し付けられたっていうか――」 凛「見せて見せてー」
凛「……」
凛「なにこれ?」
花陽「さ、さあ」
凛「こんな怪しい部活は行っちゃダメだよ!」
花陽「でも、貰ったからには1回くらい見学に行かないと」
凛「いいよ別に! 変な宗教の勧誘でもされたらどうするの!?」
花陽「けど――」
凛「部活はまだまだいっぱいあるし、凛も一緒に行くから見にいこ!」
花陽「わわ、凛ちゃん引っ張らないでえー」 ・
・
・
凛「かよちん、どう?」
花陽「うーん、なんか、とくに……」
凛「でも部活に入らないと、せっかくの高校生活がもったいないよ」
花陽「そうだけど……」
花陽「はあ、アイドル研究部みたいなものがあればなあ」
凛「そんな部活の勧誘はなかったにゃ」
花陽「そうだよねー」
にこ「ちょっと」
花陽「は、はい!」
にこ「道ふさがないでくれる」
花陽「ご、ごめんなさい!」
にこ「ふん!」
にこ「狭い廊下で話し込んでんじゃないわよ」スタスタ
凛「怖い先輩だねー」
花陽「うう」ガタガタ
凛「かよちん、気にすることないよ」
花陽「ああいう人に比べたら」
花陽「このチラシくれた先輩は、すごく優しそうだったかも」 ―――――――
花陽「部室、ここで、合ってるよね」
花陽「うう、やっぱり一人じゃ心細いな」
凛『かよちんがどうしてもっていうなら止めないけど』
花陽「ううん、高校生になったんだもん。凛ちゃんにいつまでも頼ってちゃダメ」
凛『何かあったらすぐ電話してね!』
花陽「凛ちゃん、花陽は今日、一歩大人になります!」 コンコン
花陽「……」ドキドキ
シーン
花陽「あれ? よし、もう一度。今度はちょっと強く」
ゴンゴン
シーン
花陽「いないのかな?」
ゴトゴト
花陽「!」
花陽「いや、やっぱりいる」
カチャ
花陽「わっ、ドアに鍵はかかってない」
花陽「……」スーハー スーハー
花陽「し、失礼します」
花陽「あのー、見学しに――」 ゴオー
希「いにしえの火精よ、この劫火を贄に御身を具現したまえ」
希「もんちゃらへっぴー もけもけさー」
パタン
花陽「ど、どうしよう」
希「いらっしゃーい」ガチャ
花陽「ピャア!」 ―――――――
希「初めに自己紹介させてもらうね」
希「ウチは3年の東條希。超常現象研究会の部長や」
花陽「1年の、小泉花陽です」
希「よろしく、花陽ちゃん」
花陽「こちらこそ、よろしくお願いします」
希「にしても、やっぱりウチの目に狂いはなかったなー」
希「一目見た時から思ったんよ。キミは〈こっち〉側の女の子やって」
花陽「い、いえ、あの、わたし、こういうのは、初めてで」
希「そうなん?」
花陽「はい」
希「なら、花陽ちゃんの中に眠るスピリチュアルパワーをウチが嗅ぎ取ったんやね」
希「さすがウチ、もってるなー!」
花陽「は、はあ……」
花陽(どうしよう、いい人そうだけどやっぱり変だよ) 希「ま、せっかく来てくれたんやから、積もる話は後にして」
希「まずは、お茶でも飲も。いま用意するから」
花陽「すみません」
希「いいのいいの。花陽ちゃんが入部してくれて嬉しいんや」
花陽「ニュウブシチャッタノオ!?」
希「え、そのつもりで来たんじゃ……」
希「もしかして、ただの冷やかし」
希「……」シュン
花陽「あ……あの……」
希「いつもそうや、ウチ、いつも笑い者にされて――」
希「う、うう」ポロポロ 花陽「いいえ、入部希望……です」
花陽(こんな涙見せられたらどうしようもないよ〜)
希「やーっぱり!」ケロ
花陽「あ、あれ? 涙は……」
希「花陽ちゃんの優しさが嬉しくて飛んでいったよ」
希「さっ、まずはこの紙に名前書いて!」
花陽「……」
花陽「なんか騙された気がしないでもないけど」
花陽「ま、いいか」 ―――――――
凛「それで入部したの!?」
花陽「うん」
凛「大丈夫?」
花陽「希さん、ちょっと変なんだけど、でもすごくいい人だと思うよ」
凛「まあ、かよちんがそこまで言うなら」
花陽「わたしより凛ちゃんはどうだったの? あの後すぐに陸上部行ったんでしょ?」
凛「先輩たちに突然100m走を挑まれて」
花陽「ええ!?」
凛「全員ごぼう抜きしちゃった」
花陽「ええええ!? さ、さすが凛ちゃん……」
凛「だから昨日はちやほやされっぱなしだったにゃー」
花陽「良かったね!」 希「かよちーん」
花陽「希さん!」
凛「か、〈かよちん〉!?」
希「ウチもガールズトークに混ーぜーて」
花陽「あ、あの、おはようございます」
希「ん、おはようさん」
希「かよちんは礼儀正しい子やね」
花陽「い、いえそんな」
凛「それより!」
凛「どうして〈かよちん〉なんて呼んでるんですか!?」
希「花陽ちゃんの『花』、『陽』。だから、かよちんや」
凛「そういうことじゃなくて!」
希「凛ちゃんもそう呼んでるやん」
凛「どうして名前を!?」
希「にしてもキミすごいやん! 1年生にしてもう陸上部のエースやね」
凛「……最初から全部聞いてたんだにゃ」
希「まあそれはそれとして、ちょっとかよちん連れてくねー」
花陽「ええ!?」
凛「か、かよちんはいま凛と話してるんです!」
希「ちょっとだけやん」 凛「もうすぐホームルームも始まりますし!」
希「だからちょっとだけやん」
凛「ならここで話せばいいじゃないですか!」
希「部外者がいると、ね」
凛「ぶ、部外者〜?! 凛はかよちんの親友にゃ!」
花陽「凛ちゃん、やめて。ちょっと行ってくるだけだから」
花陽「行きましょう、希さん」
凛「かよちん……」
希「ごめんな」
希「けどキミ、かよちんのこと大好きなんやな!」
凛「なっ///」
希「けど百合はあかんよ」スタスタ
凛「……」
凛「百合ってなに?」 ―――――――
希「よし、ここなら誰もいないね」
希「かよちん!」
花陽「は、はい!」
希「ウチな、今朝水晶で占ってたら」
希「ついに見てしまったんよ」
花陽「な、なにをですか……」ゴクッ
希「今夜、音ノ木坂のグラウンドにUFOが着陸する」
花陽「…………へ?」
希「というわけで、今夜グラウンドに集合ね。ほなー」
花陽「エエエエ!?」 ―――――――
〈夜、グラウンド〉
ホー ホー
希「きれいな満月やねぇ」
花陽「はい」
花陽(うう、こんな時間に外出してるなんて初めてかも)
希「こういう日は何かが起こるんよ」
花陽(UFOなんて来ませんようにUFOなんて来ませんように)
キラッ
花陽「ひっ!」
希「ちぇ、流れ星かー」
花陽(ロマンあふれる流れ星に対してあの冷めた反応)
花陽(やっぱり希さんは根っからのオカルトマニア!)
希「こっちから呼ばんとダメかなぁ」
希「よし! かよちん、交信するよ」
花陽「へ?」 ・
・
・
希「宇宙の彼方からの客人よ、我らはそなたらを受け入れる」
希「」ブツブツ
花陽(希さんと手を繋いで早30分)
花陽(一体、いつまで回り続ければいいんだろう)
希「かよちん、声が小さくなってるよ」
花陽「は、はい、すみません」
花陽「宇宙の彼方からの――」 ・
・
・
希「なんで……なんでなん!?」
希「ウチは確かに、この目で見たんや!」
希「でももう夜明けやん!」
花陽「zzz」 ―――――――
凛「もう絶対あの人と関わっちゃダメ!」
花陽「で、でも……」
凛「でもじゃないよ! 凛たちが朝練に来なかったら――」
凛「かよちん、ずっと砂まみれで寝てたんだよ!」
花陽「それは希さんも一緒だし……」
凛「だから余計にダメなの! なんでかよちんを起こさないわけ!?」
花陽「きっと運動部と同じだよ」
花陽「部員同士の結束を固めるために同室で寝泊まりを――」
凛「グラウンドは部屋じゃないよ!」
花陽「けど……」
凛「ねえ、かよちん」
凛「かよちんは超常現象なんて、全然興味ないでしょ?」
花陽「そ、それは」
凛「凛は知ってるよ。かよちんが本当に好きなのはアイドルとお米ってこと」
花陽「……」
凛「興味ないのに、ある振りして付き合ってもらっても、希先輩は嬉しくないんじゃないかな」
花陽「凛ちゃん……」 カヨチーン
凛「この声は――!」
希「ビッグニュースや!」
花陽「希さん、どうしたんですか?」
希「ウチ、保健室で今までずっと横になってたんやけど」
凛「サボり魔だにゃ……」
希「そこで小耳に挟んでね」
希「オトノキ山に、ヤマンバが出るらしいんよ」
花陽「ピャア!」
希「ということで、放課後さっそく調査や!」
凛「ちょっと待ってください!」
希「おお、キミはかよちんの友達の――」
希「チンちゃん!」
凛「凛だにゃ! 中国人みたいな名前になってるよ!」
希「ごめんごめん」
凛「それより! かよちんを変なことに巻き込まないで!」
希「部のれっきとした活動やん」
凛「かよちんはそんなものに興味ないんです」
凛「ほら、かよちんもはっきり言ってあげて」
花陽「あ、あの……」 希「かよちん、ホント?」
花陽「その……」
希「」ウルウル
花陽「で、では、これから打ち合わせをしましょう!」
希「オッケー」
タタタタ
凛「ど、どうしよう」
凛「かよちんが別世界に行っちゃうよー」 ―――――――
希「ここがオトノキ山や」
花陽「鬱蒼とした山ですね」
希「ヤマンバの一人や二人いそうやろ?」
花陽「けど大丈夫でしょうか。わたしたち、武器も持たずに」
希「大丈夫、たとえヤマンバに襲われたとしても」
希「かよちんはウチが命がけで守るから」
花陽「希さん」ジーン ・
・
・
希「ヤマンバー、出てきー」
花陽(できれば出てこないでくださーい)
希「ふむ、この茂みの中かな」ガサガサ
花陽「いませんね。やっぱりデマだったんでしょうか」
希「いや、絶対にいる。カードがウチにそう告げてたんや」
花陽「は、はあ」
チュンチュンチュン バサバサ
花陽「ひゃ!」
希「鳥たちが騒ぎ出した! あの方角に何かいる!」
希「きっとヤマンバや!」ダダダ
花陽「希さん、待ってくださーい」 ・
・
・
花陽「ふう……ふう……やっと、追いついた」
花陽「のぞ――」
希「シッ!」
希「あそこに何か見えるやろ」
花陽「は、はい」
希「ヤマンバや」
花陽「ひっ!」
花陽(ホントにいたんだ……)
花陽(じゃあ、超常現象ってやっぱり現実に――)
希「ウチが取り押さえる。かよちん、援護して」
花陽「取り押さえるって――そんな、危ないですよ!」
希「やるんや」
花陽「なんか棒みたいなのブンブン振り回してますよ!」
希「サポートお願い」
花陽「食べられたりするかもしれないんですよ!」
希「それでもいい!」
希「食べられたっていい……やっと出会えたチャンスなんや」
花陽「希さん……」
花陽「……分かりました。サポートは任せてください」
希「ありがとう、花陽ちゃん」
花陽「あれ? いま呼び方が――」
希「じゃ、いくよ!」
花陽「は、はい!」 ソローリ ソローリ
希「……」
花陽「……」
希「今や!」ガバッ
?「曲者!」
ビュン バシーン
希「はぎゃあ!」
バタン
花陽「希さん!」
花陽「しっかりしてください、希さーん!」
?「人間! しかも音ノ木坂の制服!」
?「ご、ごめんなさい!」
花陽「あ、あなたは?」
?「あなた方と同じ、音ノ木坂学院の、園田海未と申します」 ・
・
・
希「いてて」
海未「大変失礼しました。つい防衛反応が」
希「額に当たったのが竹刀で良かったよ」
花陽「これがもっと堅い棒でしたら――」ブルブル
海未「本当にすみません」
希「まあ、よく確認せずに襲ったウチも悪いし」
希「お互い、水に流そ!」
海未「はい!」
希「それにしても、ヤマンバの正体は海未ちゃんやったんやね」
海未「お騒がせしたようで」
花陽「でも、どうしてこんな所で?」
海未「修練と保養ですよ」
海未「ここ最近、いろいろとストレスが溜まってまして」
海未「山で思いっきり発散してたんです」
希「ストレス?」 海未「……音ノ木坂が廃校になるのは、当然ご存知ですよね」
花陽「は、はい」
海未「実は私の親友が――」
海未「廃校を阻止するためとか言って」
海未「剣道を辞めてアイドルを始めたんです」
花陽「! アイドル!」
海未「これまで一緒に剣道を頑張ってきたというのに」
海未「アイドルだなんて浮ついたものにうつつを抜かして!」
花陽「アイドルは浮ついてなんていません!」
海未「!」ビクッ
希「かよちん!?」
花陽「あ、すみません……」
花陽「けど、軽そうに見えるアイドルでも、きっと裏では凄まじい頑張りがあると思うんです」
花陽「だから――」
海未「いえ、私のほうこそすみません。軽率な発言でした」
海未「でも、やっぱりまだ許せないんです」
花陽「海未さん……」 希「」ジー
花陽「の、希さん、何ですか……?」
希「ううん、何でも」
花陽「?」
海未「まあ、私のことはこれくらいにして」
海未「お二人は、山をどう思いますか?」
希「これはまた唐突やね」
花陽「そうですねえ」
花陽「空気がとてもおいしいです」
希「町中よりはスピリチュアルパワーを感じます」
花陽「あと、自然が豊かで癒されます」
希「UMAが潜むには持ってこいです」
海未「そうです! 山は素晴らしいのです!」
花陽「!」ビクッ
希「お、なんかのスイッチが入ったなあ」
海未「お二人とも、ここで出会ったのも何かの縁です」
海未「ぜひ一緒に行きましょう!」
花陽「あの、どこへ?」
海未「もちろん、頂上目指してレッツゴー♪」
海未「さあ、山が呼んでますよー」
花陽「の、希さーん」
希「ウチらが出会ったのは、ヤマンバじゃなくて山ガールやったね」 かよちんはこれはこれで楽しい3年間を過ごせそうだけどのんたんが3年生だから卒業しちゃったら実質的に廃部やね __
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/ し 足 命 お i l:::i::::|:::::::::::///::::::::::::;;;;;/'' ''/' ヾ,:::::::::::::i:::ヽ
れ .を 運 れ ト、|:::::::::::::::::/ ''//''′ , ,, ,,/::.、 ヾlヾi i 'l:::!
ん .踏 に 達 ヽ:::::::::::::::::/,,,, ,,,,/,, /:/::::::::::::::ヾ, ,,i::|
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i\ :::::::::::: /:: ト、
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,. ィ/ / .:; .: .: | 穂乃果ちゃんいないとかゴミ
穂乃果ちゃんがいてのμ’s μ'sのミの字も出てきてないのにμ'sじゃないとか
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