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果南「あれれ〜? 千歌が可愛いぞ〜」 [無断転載禁止]©2ch.net
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2017/07/17(月) 00:00:08.71ID:0J403SIr
果南「ただいまー」


  ドア「ガチャ」


千歌「あ、おかえりー、待ってたよー」

果南「来てたんだ。なら一緒に潜ればよかったのに」

  ゴソゴソ

千歌「はい、これ。わかめケーキとサザエ」

果南「え?」

千歌「いつもお世話になってる果南ちゃんへのプレゼント」

果南「あ、ありがと。でも何で急に――」

千歌「あー! そういえば果南ちゃんってさ」

千歌「3年生になってから、ますます大人っぽくなったっていうか」

千歌「もともとそうだけど、なんかもっともっと美人さんになったっていうか」

千歌「あ、別に今のは『もともと』と『もっともっと』をかけたわけじゃなくて」

果南「……」

千歌「それとそれと」

果南「で、お願いごとは何?」

千歌「え、何で分かった――あ、いや、その……」

果南「そりゃあ突然モノ送られたりお世辞言われたりしたら、ね」

千歌「うう」

果南「それで?」

千歌「うん、あのね果南ちゃん」

千歌「私と一緒に、スクールアイドルやってください!」
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2017/07/17(月) 00:02:07.93ID:0J403SIr
果南「スクールアイドル?」

千歌「そう!」

果南「って、なに?」

千歌「もう! ホントそういうの知らないんだから」

千歌「いい、 スクールアイドルって言うのは――」ペラペラ


果南「で、千歌はそのμ'sってのになりたいの?」

千歌「さすがにμ'sになれるとは思ってないよ」

千歌「でも、やってみたいなー、って」

千歌「なんでやりたいかっていうと――」ペラペラ


果南「そっか、本気なんだね」

千歌「うん! だから果南ちゃん、お願い!」

果南「でも私は千歌と違って女の子女の子したのは苦手だし」

千歌「そんなことないって。 果南ちゃんそんなに綺麗でスタイルいいんだし、人気出るよー」

果南「そ、そうは言ってもねえ///」
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2017/07/17(月) 00:04:32.57ID:0J403SIr
千歌「じゃあさ、 私、踊るから見てて!」

果南「できるの?」

千歌「やってみる」

千歌「それじゃいくよ。えっと、前に出たら左手をあげて…っと」

千歌「♪」

   シャンシャンシャンシャン 

果南「!」

   シャンシャンシャンシャンシャン

   PERFECT PERFECT PERFECT

千歌「はいっ!」ニコ
 
   FULL COMBO

果南「おー」パチパチパチ

千歌「どう? スクールアイドルって楽しそうでしょ?」

千歌「それともやっぱり、ダメ?」

果南「――いいよ。一緒にやろっか」

千歌「え、ほ、ホント!?」

果南「他ならない千歌の頼みだしね」

果南「さっ、具体的には何すればいいの?」

千歌「果南ちゃん……」ウルウル

果南「ん?」

千歌「ありがとー!」ダキッ

果南「ちょ、千歌!」

   ムニュ

果南(む、胸が……///)
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2017/07/17(月) 00:07:03.23ID:2chNNNon
わかめケーキとはいったい……
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2017/07/17(月) 00:08:53.89ID:0J403SIr
 
―――――――
 

 私は松浦果南。

 幼なじみで同級生じゃない高海千歌に誘われてスクールアイドルをやっている途中、

 更衣室でちかっちのちちっちを目撃した。

 そのあまりのでかっちを見るのに夢中になっていた私は、

 心の奥底から湧き上がってくる興奮を抑えられなかった。
 
 その光景を脳裏に焼き付けたまま海とベッドに潜り、

 目が覚めたら――ノンケをやめてしまっていた。



 〜数日後〜


果南(ふふ、ここ最近は千歌とのアイドル練習で楽しいなー)

果南(なにせ二人っきり)ムフフ


果南「千歌ー、お待たせー」

千歌「あ、果南ちゃーん」

千歌「人数あと7人増やしておいたよー」


果南「え…?」
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2017/07/17(月) 00:12:08.70ID:0J403SIr
《数か月後》


〈生徒会室〉


果南「なんかこう、千歌を見てると胸がドキドキっていうか」

果南「もちろん、あの子のことは昔から妹みたいに大切に想ってたけど」

果南「ここ数ヶ月は、それとは違うようなって」

果南「だって、アイドルやってる時の千歌って、ホント可愛いんだよ///」

ダイヤ「――果南さん」

ダイヤ「それは恐らく、恋、ですわ」

鞠莉「カープ! 広島カープ!」

ダイヤ「鯉ではありません! 恋、ラブですわ!」

果南「恋…? 私が、千歌に?」

果南「はは、まさか。だってあのチカだよ」

鞠莉「まだそんなこと言ってるの?」

ダイヤ「他の皆さんは分かりませんが、私たち2人はとっくに気付いてましたわ」

ダイヤ「これは恋以外の何物でもありません!」

果南「ええ!?」

鞠莉「いつ話してくれるか待ってたのに」

果南「あう///」
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2017/07/17(月) 00:15:11.89ID:0J403SIr
鞠莉「それで、どうするの?」

果南「なにが?」

鞠莉「千歌との関係は、このままずっと、仲のいい幼馴染でいいのかってこと」

果南「だって、それ以上になりようがないでしょ」

|c||^.-^||「何を言います。このご時世、同性愛なんて当たり前ですわよ」

果南「そうなの?」

ダイヤ「私の睨んだところによると、千歌さんのほうも満更ではないでしょう」

果南「ホント!?」

果南「じゃ、じゃあちょっと頑張ってみようかなあ」

ダイヤ「かといって、いきなり大胆に攻めるのは得策ではありませんわ」

ダイヤ「一歩一歩、着実に千歌さんの心を捉えていきましょう」

鞠莉「STEP BY STEPよ」

果南「うん!」
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2017/07/17(月) 00:23:18.17ID:0J403SIr
〈屋上〉


果南「あれ、まだ誰もいない」

果南「仕方ない、ストレッチでもしてようかな」

果南「よっと」

  オイッチニー シャーイニー


千歌「――あ、果南ちゃんだ」

千歌「へへへ」

  ソローリ

千歌「えい!」

  ピトッ

  ヒヤ

果南「ひゃあ!」

千歌「えへへ、気持ちよかった?」

果南「もう、なんなの〜」

千歌「缶ジュースだよー」

果南「そんなのいきなり頬に当てられたらビックリするじゃん」

千歌「ごめんごめん」
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2017/07/17(月) 00:24:04.46ID:0J403SIr
千歌「果南ちゃんがカンカンだあー」

千歌「あ、今のは缶とカンカンをかけたー」

果南「ふふ、相変わらずだね」

千歌「へへ〜」

 カチ プシュ

千歌「この季節は水分補給が欠かせないよね」

 ゴクゴク

千歌「ふう――はい、果南ちゃん」

果南「え?」

千歌「一緒に飲も」

果南「ええ!?///」

千歌「どーしたの?」

果南「い、いや何でも」

果南「いただきます」


果南(ジュースの飲み合いっこなんて昔からやってるし)

果南(そうそう、変に意識することなんてない)
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2017/07/17(月) 00:25:29.12ID:0J403SIr
  ゴクゴク


果南「はい、ありがと///」

千歌「わ、まだけっこう残ってる。遠慮することないのに」

果南「そういうわけにはいかないよ。千歌のお金なんだし」

千歌「いいよそんなの。それに、ちょっとしたお礼も兼ねてるし」

果南「お礼?」

千歌「うん、だって果南ちゃん、ショップの手伝いとかでいろいろ忙しいのに」

千歌「スクールアイドルに誘ったら、私のためだって、すぐ一緒に始めてくれて」

果南「そんなの別に。私は自分が楽しそうだなってだけで始めただけだから」

果南「ていうか今更? もう夏だよ」

千歌「もお、そういうこと言うんだから!」

果南「あはは、ごめんごめん」

千歌「知らない!」
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2017/07/17(月) 00:27:12.15ID:0J403SIr
果南「ホントにごめんてば。その気持ち、嬉しかったよ」

千歌「……じゃあいつものしてくれたら許してあげる」

果南「いつもの?」

千歌「むうぅ、じゃあこっちから行く!」


   ダキッ


果南「!!」

千歌「ハグは果南ちゃんの専売特許じゃないのだ」

   ムニュ

果南(またしても胸が…///)

果南「///」

果南「千歌……///」ギュ
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2017/07/17(月) 00:28:05.66ID:0J403SIr
果南(はっ――!)

果南(そうか、そういうことだったんだ!)

果南(間接キス、ハグ、胸当て――これはみんな千歌からのアクション)

果南(さらに、千歌のあの不自然な発言)


千歌『お礼も兼ねてるし』

千歌『スクールアイドルに誘ったら、私のためだって、すぐ一緒に始めてくれて』


果南(やっぱり、始めて数か月経ってからお礼なんて不自然だ)

果南(そしてまた、ダイヤの昨日の言葉……)


ダイヤ『千歌さんのほうも満更ではないでしょう』


果南(間違いない)

果南(千歌は誘っている!)

果南(なんてことなの…そうとも知らずに私は……)
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2017/07/17(月) 00:28:57.52ID:0J403SIr
果南「千歌」

千歌「なーに?」

果南「私も、同じ気持ちだよ」

千歌「?」

果南「じゃあ、目、つぶってくれる?」

千歌「? こお?」トジ

果南「///」ドキドキ


果南(……)スッ


  ピロリン♪


千歌「あ、LINEだ」パチ

果南「ひえ!」

千歌「確認するねー」

果南「え、そんな……」

果南(今はそれより大事なことあるんじゃ)

果南(どういうこと? 私の推理が間違ってたの……?)
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2017/07/17(月) 00:29:54.90ID:0J403SIr
千歌「ほうほう」

千歌「あのね、1年生のみんな、ちょっと遅れるって」

果南「そ、そう」

千歌「どうする? 暑いし、一旦部室に戻る?」

果南「うーん、でもせっかく来たんだし、やれるところやってようよ」

千歌「はーい!」

千歌「それじゃ、鋭気を養わないとね」

  ゴクゴク

千歌「はい、最後あげる!」

果南(うわー///)
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2017/07/17(月) 00:30:46.66ID:0J403SIr
曜「あれ、まだ二人しかいないの?」

果南「!」

千歌「うん、そうなんだー」

曜「それにしても、今日も暑いねー」

千歌「ほんと、倒れそうだよ」

千歌「今も果南ちゃんと一緒に水分補給してたんだー」

曜「冷たいジュースかー。なんか喉乾いてきたし、私も買ってこようかな」

果南「曜」

曜「ん?」

果南「飲む?」

曜「いいの!?」

果南「まあ、半分もないけど。千歌、いいよね」

千歌「うん!」

曜「ありがとー」ゴクゴク


果南(Oh……)
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