穂乃果「七月十日は」真姫「納豆の日?」 [無断転載禁止]©2ch.net
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【十二年前】
絵里(5歳)「おばあさま。これなに?」
祖母「これは納豆。大豆から作る発酵食品で、体にいいんですって」
絵里「エリチカ、たべられる…?」
祖母「もちろんよ。日本人はみんな納豆が好きなのよ♪」
※個人の感想です
絵里「…」クンクン
絵里「ヘンなニオイ…」
祖母「ふふふ。そうね。発酵してるから、チーズや漬物みたいに…」
絵里「そっか。チーズ…」
祖母「お箸でよくかきまぜるとネバネバになるのよ」
絵里「こう…?」マゼマゼ
ネバー
絵里「わー。おもしろーい♪」キャッキャ
絵里「いただきます」パク
絵里「…?」モグモグ
祖母「おいしい?」
絵里「んー。エリチカ、チーズのほうがすき!」
絵里(苦手な海苔と梅干しに比べて、味や食感のインパクトはそれほどでもなく…ネバネバ糸をひくのが面白くて、すぐに納豆が好きになった)
【十一年前】
穂乃果(5歳)「こっち!」
ほの母「え?…でも国産大豆のほうが美味しいわよ。少し高いけど…」
穂乃果「それ、よっつはいってないもん!おとうさんの!」
雪穂(3歳)「いち、に、さん…よん!」
ほの母「穂乃果、雪穂…ふふふ」ナデナデ
穂乃果「えへへ」ギュー
雪穂「えへー♪」キャッキャ
ほの母(数を数えることを覚えて、納豆に4パック入りの商品があることを知ると、いつもそれを選ぼうとする…中身は分けられるんだから、ぴったり割り切れる必要はないんだけど)クス 【高坂家】
穂乃果「じゅうしち、じゅうはち、じゅうく…にじゅう!」マゼマゼ
雪穂「ねばねばー」ネバー
ほの母「どうして二十回なの?」
穂乃果「あのね、20さいになるとオトナなんだって!こいずみせんせいがゆってた!」
雪穂「おとな?」
穂乃果「ほのか、はやくオトナになるの!そしたら、およめさんになれるんだよね♪」
ほの母「ほ、穂乃果…」
ほの父「…」シクシク
ほの母(納豆が大豆から作られることを知って…節分の豆を歳の数だけ食べることから、どうも豆と年齢には関係があると思ってるらしい)
ほの母(でも結婚だけなら二十歳にならなくてもできる…っていうのは、まだ穂乃果には教えなくていいわよね)
ほの母「…ところで、穂乃果は誰のお嫁さんになりたいの?」ヒソヒソ
穂乃果「えーとね…おかあさん!」
ほの母(…まだ当分はお嫁に行くこともないわよね)クス
【十年前】
絵里(今日は、てまきずしの日…)ハァ
希(小2)「おいしい♪」パリッ
にこ(小2)「でも、きゅうしょくのてまきずしって、とんかつやエビフライがないのよねー」
希「それって、せつぶんのえほうまきやない?」
にこ「てまきずしもあるでしょ?…っていうか、おうちで作れば何でも好きなもの入れていいんだから」
希(おうちで、かぞくといっしょに…)
『おかずは冷蔵庫の中です。オーブンレンジであたためて食べてね』
希(…ウチにはともだちがいるもん)
希「あやせさん。のり、いらないんやったらちょうだい。ウチのひきわりなっとうあげるから」
絵里(小2)「え。…いいの?」
希「うん。はい、とりかえっこ♪」
絵里「とうじょうさん…ありがとう♪」
絵里(のりがキライだから、てまきずしも好きじゃないけど…ひきわりなっとうは好き♪)
にこ「のりばっかりじゃない。半分ちょうだい。ひきわりなっとう半分あげるから」
希「う、うん。ありがと…」 【九年前】
凛(小1)「ざりがに、大きかったにゃー♪」
花陽(小1)「うん。また見に行きたいね…」
真姫(ザリガニはカッコいいけど、食べられないし…エビのほうが好き)パリッ
凛「こういうひきわりなっとうって、スーパーでうってるのかにゃ?」
花陽「さあ…見たことないけど」ネバー
凛「だよねー?かよちんがしらないんだったら、うってないのかも」
真姫(ひきわりなっとうとふつうのなっとうは…同じ大豆のはずだけど。どうして味がちがう気がするのかしら?)
真姫(…おいしい)モグモグ
【八年前】
穂乃果(小3)「なんとか…でん?こ、くみ。なんとか、え…でない」
ことり(小3)「それ、いでんしくみかえでない、って読むの。お母さんが言ってた」
穂乃果「いでん、しくみ、かえで…ない?なにそれ?」
真姫(小2)「Genetically Modified Orgasnisms…いでんしくみかえっていうのは、じゃがいもや大豆、とうもろこしなんかにつかわれるの。じょ草ざいがきかないようにしたり、虫が食べないようにどくをもつようにしたり…」
ことほのうみ「えっ」
真姫「つまり、のうかの人がそだてやすいように人工的に作りかえたやさいなのよ。だけどそれは、食べておいしいとか安全とか、そういうこととはかんけいない。本当はしなくてすめばしないほうがいいことだから。
たとえば、のうやくをたくさんつかってそだてたやさいより、のうやくをぜんぜんつかってないほうが安全でしょ」
海未(小3)「そ、そうですね…」
穂乃果「むのうやくのおやさいには、はっぱを食べちゃうテントウムシさんがいるんだよね♪」
ことり「うん。ジャガイモ畑にもいるよね。ニジュウヤホシテントウ♪」
海未「虫に食べられてしまうのは大変ですけど、それだけおいしいやさいなんですよね…」
真姫「…じゃあね」
パタパタ
穂乃果「行っちゃった…」
海未「何をしに来たんでしょう…?」
ことり「さあ…?」 【七年前】
英玲奈(小5)「むう…」
ツバサ(小5)「どうしたの?えれなちゃん」
英玲奈「この納豆…昆布だし、と書いてある」
あんじゅ(小5)「そーね」
英玲奈「そして、こっちは“かつおだし”と書いてある」
ツバサ「それがどうかしたの?」
英玲奈「同じメーカーの、この納豆には何も書いてないんだ。何だしを使っているのか」
あんじゅ「材料のところに小さく書いてあるでしょ?」
英玲奈「それはわかる。だから書いてないものにも“だし”が入ってるんだ」
ツバサ「へー」
英玲奈「だが、食べてみてもちがいがよくわからない…それが悔しい」
あんじゅ「別にいいんじゃない?…納豆のタレなんて、自分で作っちゃえばいいのよ」
えれツバ「えっ」
あんじゅ「好きなダシを使って好きな味のタレを作って食べれば、わからないことないでしょ」
英玲奈「そ、そんなことが…できるのか?」
あんじゅ「できるわよ。わたし、お料理とくいだもん♪」ドヤァ
ツバサ(納豆のタレのことなんてあまり考えたことなかったわ。ついてる物を使うのが当たり前だと思ってたから…)
【六年前】
絵里(小6)「え。…な、何してるの!?」
にこ(小6)「何って…小ねぎを入れただけよ」マゼマゼ
絵里「こねぎ…って、ネギ?」
希(小6)「葉ネギっていう、もともと西日本で多く作られてたネギやな。関東では白ねぎが多いんよ」
絵里「へー。ネギにも種類があるのね…」
にこ「当たり前よ。白ねぎを入れる人もいるみたいだけど、小ねぎは緑黄色野菜なのよ。もともと栄養のある納豆に小ねぎを入れれば、まさしく万能よ!」ドヤァ
希「そうそう、万能ねぎとも言うんやったね」
絵里「ハラショー!万能ねぎ…すごく賢そうね」 希「ねぎもいいけど…ウチは、やっぱりこれやな♪」パラパラ
絵里「そ、それは…小魚!?」
希「そ。ちりめんじゃこ。これも栄養あるやろ?もともと栄養のある納豆にちりめんじゃこをプラスすれば…」
絵里「ハラショー!頭が良くなりそう…」
にこ「でも、ちりめんじゃこって味ついてるじゃない。それだと塩分が多くない?」
希「ごはんを食べるから大丈夫や。夏は水分と塩分が必要やんな」
絵里(あれが好き、これがキライ…それしか考えてなかった小さい頃に比べて、いろんなことを知って…納豆が体にいいことや、納豆に何かを混ぜて食べることも覚えた)
【五年前】
花陽(小5)「え。これ何!?」
花陽ママ「しょぼろ納豆っていうの。切干大根の漬物が入ってるのよー♪」
※そぼろ納豆とも
花陽「納豆に最初から何かを混ぜて売ってるなんて初めて見たかも…」
花陽ママ「ごはんに合うし、花陽が好きそうかなって」
凛ママ「へー。どれどれ…」
花陽ママ「こらっ。ちゃんと手を洗わなくちゃダメよー?」
凛ママ「はーい…」パタパタ
ママりんぱな「いただきます♪」
花陽「おいしい♪」パリポリ
凛ママ「独特の味わいね」
凛「納豆だけよりにおうにゃー><」
花陽「言われてみればそうかも…(っていうか、二人とも当たり前のようにうちでごはん食べてる)」
花陽ママ「この食感がくせになるわねー」パリポリ 【今年四月】
穂乃果「いやー、今日も納豆がうまいっ♪」パリッ
海未「また納豆巻きですか…においますよ」
穂乃果「海未ちゃんも食べればいいのに」モグモグ
海未「お弁当に納豆はちょっと…」
ことり「納豆巻き以外のメニューは考えにくいよね…」
穂乃果「そうかなぁ?海未ちゃんが作ってくれる納豆チャーハンもすごく美味しいよ」
海未「まあ、納豆をそのままお弁当に入れるよりはいいかもしれませんが…」
絵里「ねえ。ちょっといい?」
穂乃果「あ、はい。たくさん入ってるのもありますよ♪よかったらどうぞ」
絵里「い、いや私は…」
希「エリちは海苔が苦手なんよ」
絵里「希!もう…ごめんなさい。納豆は好きなんだけど…」
穂乃果「ほら、やっぱり納豆チャーハンのほうがよかったじゃん!」
海未「ほら!と言われても…穂乃果が納豆巻きにしたんじゃないですか」
希「ふふふ。納豆巻き美味しいよね。これが食べられないなんてエリちは人生の3割くらい損してるんやない?」
絵里「そこまで!?別に海苔を巻かなくたって、ごはんと納豆だけで充分おいしいわよ」
ことり「でもそれだけだと、お弁当にはちょっと…」
希「それに言うほどごはんと納豆だけかな?薬味はいろいろ入れるやろ?」
絵里「まあね…希たちに教わったようなものだし」
穂乃果「納豆に何か混ぜるとしたら、何が一番好きですか!?」
希「ウチはちりめんじゃこ♪塩分が多いから入れすぎないのがポイントやな」
海未「私は“めかぶ”ですね。無ければダシをとったあとの昆布を刻んだものでも良いです」
ことり「私は刻んだオクラかなぁ。かつおぶしも一緒に入れるといいかも」
穂乃果「私はゴマをよく入れたりするよ。うちにはいつもたくさんあるし…小ねぎと一緒に入れてもいいし♪」
希「エリちは?」
絵里「私?…そうね…やっぱり小ねぎは入れるわ。それと…干しエビ」
穂乃果「えび!?」
絵里「ええ。私の場合、海苔巻きにしないし…ボリュームのある物を入れて食べられるから。美味しくて栄養もあるし、食感も楽しめる」 希「ウチは納豆巻きにしないんやったら刻み海苔も入れたいくらいや」
絵里「…」
ことり「あとは…ゆでて刻んだ小松菜、かなぁ♪」
希「え。…小松菜?」
ことり「はい♪」
希「そやね…塩分のあるちりめんじゃこと組み合わせても良さそうやし。小松菜」
ことり「えへへ♪」
穂乃果「廃校を防ぐためには、納豆の粘りが必要だよね!?」
ことうみのぞえり「えっ」
海未「納豆のように粘り強く活動していこう…という話ですか?」
穂乃果「じゃなくて、納豆の力で廃校を阻止するの!」
ことり「それはちょっと無理があるような…」
絵里「廃校を防ぐためには入学希望者を増やすしかないわ。納豆は関係ないでしょう?」
穂乃果「でも、みんな納豆は好きですよね?」
希「まあ、好きやけど…それがどうして音ノ木坂に結びつくん?」
穂乃果「じゃあ、ちょっといろいろ見てみましょう!」
海未「はあ」
穂乃果「ほら、たとえば…この像。これは平安時代に納豆を初めて作ったといわれる源義家の像です」
絵里「え!?」
希「ちょ、ちょっと待って。それがどうして音ノ木坂にあるん?」
穂乃果「音ノ木坂と納豆がネバネバの糸で繋がっている証拠ですよ!」
ことり「納豆の糸じゃ簡単に切れちゃいそうだけど…」
海未「はて…前からこんな像だったでしょうか?」
絵里「納豆を初めて作った人と音ノ木坂…いったいどんな関係があるのかしら?」 【アルパカ小屋】
花陽「よいしょ」ドサ
希「お。アルパカさんも食事の時間?」
花陽「は、はい」
海未「これは…稲わら、ですか?」
花陽「はい」
ことり「アルパカさんって稲わらを食べるの?」
絵里「わらは小屋に敷いておくんじゃない?消臭とかそういう…」
穂乃果「消臭?…でも、なんかにおうような…」
花陽「アルパカさんは稲わらに包んである納豆を食べるんです」
ことほのうみのぞえり「納豆!?」
アルパカ「ウメ゙ェー♪」ネバー
穂乃果「ホントに食べてる…」
希「しかもウチらでもなかなかお目にかかれない藁苞(わらづと)納豆…高級品やんな?」
花陽「もちろん私たちも食べられますよ。たくさんありますから…」
絵里「アルパカの飼料を勝手に食べちゃっていいの?」
花陽「そうじゃなくて、これ以外にもたくさんあるんです。アルパカさん二頭だけで全部は食べきれないし…」
穂乃果「ど、どういうこと?」
花陽「行ってみればわかりますよ」
凛「行っくにゃー♪」
【室内プール】
穂乃果「ここって室内プール…んん!?なに、このニオイ…まさか」
ことり「プールに…水じゃなくて」
海未「大量の稲わらが敷き詰められて…」
希「どれどれ…」ガサ
希「うわ、中身は納豆や」ネバー
絵里「じゃあ、これ…全部納豆なの!?」
花陽「はい。これだけあればみんなで食べてもなくならないと思います…」
凛「凛も持っていこーっと♪」ガサ 穂乃果「で、でもどうしてプールに納豆が…これじゃ泳げないよ!?」
ヒデコ「泳げるよ」
穂乃果「ヒデコ、フミコ、ミカ…どういうこと?」
フミコ「プールに飛び込めば…」
ミカ「水はないけど、納豆の海で泳げるじゃん」
穂乃果「飛び込まないよ!ネバネバで臭くなっちゃうじゃん…」
花陽「だ、ダメですよ。そんなことしたら…」
海未「そうですよ。食べ物を粗末にしてはいけません」
穂乃果「そっち!?」
花陽「そうじゃなくて…飛び込んだら先輩も納豆になっちゃうから…」
穂乃果「え!?」
ことり「穂乃果ちゃんが納豆に…」
絵里「おいしく食べられるってこと…?」
穂乃果「え?…な、なに?…みんな、目が怖いよ?」
希「穂むらちゃん…試しに飛び込んでみてくれる?」
穂乃果「い、嫌ですよ。そんな──」
「飛べるよ」
ドン
穂乃果「わぁ!?…っていうか誰──」ドサッ
海未「穂乃果!何をしてるんですか。納豆になってしまいますよ!」
穂乃果「そ、そんなこと言われても…稲わらがネバネバ絡みついて動けないよ><」
花陽「おいしそう…」ゴクリ
凛「穂むらちゃん納豆ができるにゃー♪」
穂乃果「ちょっとー!納豆は好きだけど、私は納豆になりたくないよ><」
ヒデコ「脱出するには、周りの納豆を全部食べるしかないよ」
フミコ「頑張って、穂乃果ちゃん!」
穂乃果「そんなぁ!?こんなにたくさん食べられないよ><」
\ダレカタスケテー!/
のぞりんぱなヒフミ「チョットマッテテー」 穂乃果「うーん…タスケテ…」ギュー
真姫「ちょっ…な、何してるのよ!?///」チョップ
穂乃果「いたっ><」
真姫「まったく…図書館は居眠りする場所じゃないわよ」
穂乃果「あ、あれぇ?…いつの間に図書館に…納豆のプールは?」
真姫「はぁ?…納豆?」
穂乃果(どこから夢だったんだろう…?)
海未「納豆の起源は弥生時代とする説もあるようですね…」
絵里「でも弥生時代である根拠は?…大豆は縄文時代には伝わっていて、稲わらも手に入ったのなら縄文時代でも納豆は作れたんじゃないの?」
花陽「確かに…最古のおにぎりの化石といわれる物が縄文時代の物とされているなら、大豆と稲わらが縄文時代には揃っていたことになりますね…」
希「ウチはやっぱり、秋田と茨城両方に伝わる源義家説を推すけどね。縄文や弥生時代に材料があるからといって納豆を作ったとは限らないやん?」
ことり「資料はたくさんあるけど、どれも信憑性は…読めば読むほどわからなくなっちゃうね」
凛「起源なんて考えてもしょうがないにゃ。これからどうやって納豆で廃校を防ぐか、でしょ?」
真姫「そもそも納豆で廃校を防ぐなんて…無理でしょ?」
ことほのうみのぞえりりんぱな「うーん…」 【絢瀬家】
絵里「ただいま」
亜里沙「お姉ちゃん。おかえりなさい♪」
絵里「今日はちょっと珍しい物を持って帰ったわよ」
亜里沙「おみやげ?なに?」ワクワク
絵里「じゃーん!藁苞納豆よ♪」
亜里沙「くるみ?」
絵里「それはwalnut」
亜里沙「Царевна-Несмеяна」
絵里「それは“笑わない王女”ね」
亜里沙「俺んとこ、来ないか?」
絵里「それはONE NIGHT CARNIVAL」
亜里沙「これ、テレビで見たことあるわ…夜中に釘を打って」フルフル
絵里「いや、わら人形じゃないから…」
亜里沙「サムライが刀で斬るの!」
絵里「それも違うわよ。…ほら、においがするでしょ?」
亜里沙「におい?」クンクン
亜里沙「Ужас…」
絵里「ふふふ。ちょっとにおうけど、とっても美味しいのよ」ガサ
亜里沙「豆が入ってる…もしかして、ナットー!?」
絵里「最初にそう言ったけど…とにかく食べてみましょ」
亜里沙「これがナットー?四角い白いのと、三つ入ってるカップのだけじゃないのね」キラキラ
絵里「そうね。私も藁苞納豆なんて(さっきまで名前も知らなかったし)実際に食べるのは初めて…」
マゼマゼ
亜里沙「あれ?…前に食べたナットーよりネバネバが少ない気がするわ」ネバー
絵里「言われてみればそうかも…どうしてかしら?」
亜里沙「このワラはどうするの?」ネバー
絵里「ネバネバで扱いに困るわね…あ。もしかして、この稲わらにネバネバがたくさんついてる分、納豆に残ったネバネバが減ってるんじゃないかしら?」
亜里沙「そっか」
絵里「稲わらは捨てちゃいましょう。ネバネバでにおうし、使いみちも無さそうだから…」バサッ 亜里沙「タラシのカレシがついてないわ」
絵里「タレと“からし”ね。からしはチューブのがあるから大丈夫。タレのかわりに今日はお醤油を使いましょう」
ポタ ブチュー マゼマゼ
えりあり「いただきます♪」パク
えりあり「…」モグモグ
亜里沙「Хорошо♪」
絵里「今までの納豆とは全然違うけど、おいしい…きっと、これが千年の伝統の味なのね!」キラキラ
亜里沙「千年!?」
絵里「ええ。納豆って平安時代にはもうあったっていわれてるんですって。弥生時代には作られてたなんて説もあるのよ」
亜里沙「Хорошо!ナットーってすごいのね…そんなに長持ちなんて…」
絵里「いや、これが弥生時代の納豆ってわけじゃなくてね…」
【高坂家】
穂乃果「ただいま…」
雪穂「お姉ちゃんおかえり。チョコいる?」
穂乃果「ありがと」パク
穂乃果「!?…これ、納豆入ってるじゃん!」ネバー
雪穂「お姉ちゃん、納豆好きでしょ?」
穂乃果「納豆は好きだけどチョコレートには合わないよ!」プンプン
花陽「あれ?…これって」ヒョイ
穂乃果「ちょっ…いつの間に来たの!?」
ことうみのぞまきりんぱな「お邪魔してます」ゾロゾロ
雪穂「えぇ…」
穂乃果「ゆ、雪穂。お茶!」
雪穂「はいはい…」パタパタ
凛「UTXって書いてあるにゃ」
穂乃果「聞いたことないメーカーだなぁ…どんな納豆を作ってるの?」
花陽「知らないんですか!?…UTXといえばA-RISE!今、日本で一番人気があるスクール納豆なんですよ!」
穂乃果「スクール…納豆?」
ことり「音ノ木坂の室内プールに藁苞納豆がたくさんあったでしょ?あれが音ノ木坂のスクール納豆なの」
穂乃果「え。…あ、あれって夢じゃなかったの!?」ヒヤアセ 真姫「ま、UTXと違って音ノ木坂のスクール納豆はさっぱり売れなくて在庫の山みたいだけど…」
凛「賞味期限が切れる前にみんなで食べるにゃー」
穂乃果「音ノ木坂でも納豆を作ってるなんて…全然知らなかった」
希「でも、このままじゃ廃校になっちゃうやん?」
海未「そうですね…行ってみますか。UTXへ」
ことのぞほのまきりんぱな「えっ」
ギュー
穂乃果「いたたた><…な、何するの!?」
ことり「納豆のプールに飛び込んで…穂乃果ちゃんは納豆になっちゃったの」
穂乃果「え。うそ!?」
海未「本当ですよ。…ほら、こんなにネバネバしています」ネバー
希「ほのまげを解くと中から納豆が出てくるんよ」
穂乃果「そ、そんなぁ!?…そういえば、なんか…におう」クンクン
花陽「穂むらちゃん…美味しそう♪」
穂乃果「た、食べないで><」
凛「稲わらに包んで出荷するにゃ!」
絵里「さあ、稲わらを巻きつけるのよ!」グイグイ
穂乃果「や、やめて><」
\ダレカタスケテー!/
ゆきりんぱな「チョットマッテテー」
ギュー
穂乃果「うーん…ワラが…ネバネバ…」
真姫「…」スヤスヤ
穂乃果「はっ!?…あ、あれ?」
穂乃果「ワラが…ない」クシャ
真姫「んぅ…やめなさいよ…」ギュ
穂乃果「って、誰!?」
真姫「西木野真姫…だって、言ってるでしょ…」ムニャムニャ
穂乃果「そのニシキノさんがどーして私のベッドで寝てるの!?」 真姫「…」ファー
穂乃果「あ、起きた」
真姫「もう朝?…めんどくさいわね」
穂乃果「いや、だったら自分の家に帰って寝てよ…」
真姫「UTXへ行くって言ってたでしょ。あなたが寝坊するといけないから、起こしに来てあげたのよ」
穂乃果「はあ。それはどうも…いつからいたの?」
真姫「昨日そのまま泊まったの」
穂乃果「えぇ…」
真姫「もうみんな集まってる頃かも…私たちも急ぎましょ」
【秋葉原】
穂乃果「おぉー!…す、すごい」ベター
真姫「本当に納豆工場なのね。日本一売れてるっていうから、機械でやってるのは想像ついたけど…」
穂乃果「…ん?」ネバネバ
穂乃果「わぁ!?…な、なにこれ…ネバネバしてる!?」ネバー
にこ「はぁ?…あんた、そんなことも知らないの?」
花陽「毎日大量に納豆を作ってるから、こういうところにもネバネバの成分が付着してしまうんです」
穂乃果「で、でも外側だよ?どうしてネバネバがつくのかわからないんだけど…」
にこ「納豆のネバネバって、いつも決まった範囲に収まってるわけじゃないでしょ。気づかない間に変なところについたりするじゃない」
穂乃果「それは…そうかも…わぷっ><」
絵里「ここにいても仕方ないし…早く中に入りましょ」フキフキ
穂乃果「あ、ありがとうございます…」
【UTX一階】
凛「わあー!すっごいにゃ♪」
海未「これが納豆工場の中ですか…」
ことり「す、すごいニオイだね…」
希「んー。でもなぁ…」
にこ「なによ?」
希「いや、音ノ木坂のスクール納豆は本格的な藁苞納豆やろ?…UTXの納豆は普通のパックやんな」
穂乃果「そういえば…スーパーとかでよく見かける、おなじみのパックだね」
絵里「私も音ノ木坂の藁苞納豆を食べてみたけど、すごく美味しかったわ。UTXの納豆はどうなのかしら…」 にこ「A-RISEよ。A-RISE。ただの大豆じゃない、新たな大豆と書いてアライズ!」
穂乃果「新大豆!?」
海未「つまり納豆の製法よりも、原料の大豆に秘密があるということですか…?」
にこ「ま、それだけじゃないと思うけどね」
「フフフ…その通り」
にこぱな「!?」
絵里「あなたは…納豆工場の責任者?」
「ああ。私がA-RISEの主力商品、エレ納豆道を開発した…」
にこ「統堂…英玲奈!」
英玲奈「君たちは音ノ木坂の生徒のようだが…見学かな?」
穂乃果「はい!…でも納豆の秘密って、やっぱり非公開ですよね?」
英玲奈「ここではパック詰めなど仕上げの工程を見せているに過ぎない。自由に見てくれて構わない」
希「なるほど。重要な秘密はやっぱり簡単には見せてもらえないみたいやね」
英玲奈「フッ…君たちも納豆を作っているなら、真似をするより独自に何かを見つけることだ。私たちに勝ちたければ、な」
真姫(機械で大量生産…確かにすごいけど、音ノ木坂には音ノ木坂ならではの良さがあるはず。あの藁苞納豆のように…)
【音ノ木坂】
絵里「藁苞納豆の売上が費用を下回った場合、パック商品に変更せざるを得ないと発表にはありました」
希「つまり費用をうま」
絵里「うま?」
理事長(ウマー♪^8^)ネバネバ
希「あ、あのー。理事長?」
理事長「なあに?東條さん」ネバー
絵里「ま、まさか…納豆をごはんにかけないで食べるんですか!?」
理事長「確かに…ですが、そう簡単に粘りが出ないからこそ、この食べ方なのです。何かいい方法があるんですか?」ネバネバ
希「ごはんにかけると納豆そのものの粘りが半減するってこと?」
絵里「藁苞納豆の稲わらにネバネバが付着するように…ごはんが納豆のネバネバを吸着してしまうのね」
希「んー。稲わらに付着するのは仕方ないけど、ごはんにかけた分はごはんと一緒に食べるんやから、ネバネバ成分自体は摂取してるはずやろ?」
絵里「そうね…そもそも納豆のネバネバって、そこまで重要なのかしら?」 理事長「思いつきで行動しても、簡単に状況は変わりません。生徒会は今いる生徒の学校生活をより良くすることを考えるべきです」ネバー
絵里「でも!このまめ」
希「まめ?」
にこ「そう、豆よ!」バーン
のぞえりりじ「!」
絵里「矢澤さん…」
にこ「美味しい納豆を作るには、大豆が美味しくなきゃダメなのよ。大豆の栽培からやり直しましょ!」
【二年教室】
穂乃果「国産だよ!国産!」バサ
海未「ああ、納豆の原料の大豆の話ですか」
穂乃果「これは北海道産で、こっちは宮城県産の大豆を使ってるんだって!」
ことり「へー。国産大豆ってそんなにあるんだ…」
海未「東京でも作っているんですね…知りませんでした」
穂乃果「人気の納豆を作ってる学校は、入学希望者も増えてるんだって♪」
ことり「源義家の逸話が伝わる秋田県も、国産大豆の生産量ベスト3に入ってるんだね」
穂乃果「それで私、考えたんだけど」
海未「私たちで大豆を栽培しようとか言い出すつもりでしょう!?」
穂乃果「え?…いや、今からそんなことしてたら廃校になっちゃうじゃん…」
海未「そ、それもそうですね…」
【屋上】
真姫(UTXの納豆…貰ってきたけど)ネバー
真姫「食べただけで秘密がわかったら苦労しないわよね…」ハァ
ザバー
真姫「…ん?」
花陽「まだまだ!土が全然足りないよ!」
凛「こんな手作業じゃきりがないにゃ><」
真姫「ヴェぇ…あ、あなたたち…何してるの!?」
凛「見てのとおり、盛り土にゃ」
花陽「ここに畑を作ることにしたの。西木野さんも手伝って!」
真姫「ここって…屋上を畑にするっていうの!?」
凛「デジャヴュを感じる展開にゃ」 花陽「私たちに残された時間は少ない…とにかく急いで大豆を栽培しなくちゃ!」
真姫「い、いや…今から大豆を栽培したって間に合わないでしょ!?しかも屋上に畑なんて無理があるわ」
花陽「夢の舞台へ!」
凛「駆け上がれ!><」
真姫(だ、ダメだわ。二人とも正気を失ってる…こうなったら)
真姫「はっ」チョップ
凛「にゃ><」
真姫「えいっ」チョップ
花陽「ピャァ!?」
りんぱな「」ドサドサッ
真姫「ふー。一人ずつ保健室にでも運びましょ…」ガシッ
真姫「まったく。なんで私がこんなこと…」ズルズル
【保健室】
りんぱな「…」スヤスヤ
真姫「ありがと。手伝ってくれて助かったわ」
穂乃果「いえいえ…西木野さんって意外と力持ちなんだね」
真姫「まあね。私は、こう見えても…」
穂乃果「こう見えても?」
真姫「毎日、納豆を食べ続けて十七年よ!」ドヤァ
穂乃果「え?十七年?…十五歳じゃないの?」
真姫「それは言わない約束よ」
穂乃果「よくわかんないけど…それより、これからどうすればいいのかなぁ?」
真姫「今から大豆を栽培しても間に合うわけないし…良さそうな国産大豆を仕入れて、藁苞納豆を作りましょ」
穂乃果「作るのはいいけど…大量の在庫はどうするの?」
真姫「うぐっ…どうしようかしら」 【生徒会室】
絵里「…これは?」
穂乃果「納豆部設立の申請書です」ペラッ
希「アメリカまたはカナダ。遺伝子組み換えでない」
穂乃果「あ、あれ?…これ4パック入り納豆の外装フィルムじゃん!」
真姫「どうやったら間違えるのよ…」
穂乃果「では、認めていただけますね?」
絵里「いいえ。納豆は最低5パックは必要なの」
穂乃果「そんな!?五つ入ってる納豆なんてあるんですか?」
絵里「3パック入りを二つ買えば6食分になるはずよ」
希「あと二人やね」
穂乃果「あと二人…わかりました。保健室で寝てる二人をたたき起こしてきます!」
真姫「まあ、屋上を畑にしてまで大豆を栽培しようとしてたみたいだし…納豆部ができたら入るわよね」
絵里「待ちなさい!あなたたち二年生でしょ?」
真姫「私は一年生ですけど」
絵里「あ、そう…」
穂乃果「失礼しました」
パタン
【再び保健室】
穂乃果「あ、あれ?…二人ともいないや」
真姫「起きて帰ったみたいね」
穂乃果「イエニカエッチャッタノ!?」
海未「全然似てませんよ」
穂乃果「うぅ…」ガクッ
ことり「がっかりしないで。穂乃果ちゃんが悪いわけじゃないんだから…」
にこ「それより藁苞納豆の在庫よ。少しでも食べて減らしましょ」 【室内プール】
花陽「あ。西木野さんに、穂むらちゃん…」
凛「穂むらちゃんも納豆食べに来たんですかー?」
穂乃果「穂乃果だよ!高坂穂乃果!…っていうか、私一応先輩なのに西木野さんはさんづけで私は“ちゃん”なの!?」
花陽「あ、アハハ…すみません」
真姫「それより納豆!食べきれる分だけ持っていきましょ」
絵里「私たちも結構たくさんもらったけど…」
希「全然減ってない気がするなぁ…」
にこ「んなことないわよ。こうやって少しずつでも食べて…」
ガーッ
ことほのうみのぞえりにこまきりんぱな「!?」
ドサドサ…
凛「な、何が起きたのー!?><」
海未「天井が開いて…藁苞納豆が大量にプールの中に降ってきましたね」
にこ「さっきより増えてんじゃない!?どーなってんのよ!?」
希「これは…呪いやな」
穂乃果「の、のろい?…それって」
にこ「絵里が苦手な食べ物よ。納豆巻きには欠かせない」
絵里「それは海苔」
海未「甲冑ですね」
ことり「それはヨロイ」
真姫「主に冬季に流行する感染性胃腸炎の原因。感染力が非常に強く有効な治療薬も無いわ。飲食店などから発生するケースが多いみたいね」
花陽「それはノロウイルス…」
凛「呪いって何の呪いですかー?><」
希「売れ残った納豆の呪いや。食べても食べても増え続ける…」
絵里「そ、そんなこと…ありえないでしょ?」
花陽「でも、本当に納豆は増えてるし…」
穂乃果「ちょっと待って。これって…チャンスじゃない!?」
ことうみのぞえりにこまきりんぱな「えっ」 『音ノ木坂に入れば、いつでも藁苞納豆が食べ放題!』
フミコ「納豆なんて…と思ってたんですけど、やっぱり藁苞納豆は違いますね。ホントに美味しいです!これなら毎日食べても飽きません♪」
ミカ「最初は、ちょっとニオイがきついかな?って思ったけど…今では全然気になりません!(ネバネバの稲わらの扱いに困ってそれどころじゃないし)」
絵里「え?あなた、まだ紙や発泡スチロール?…素人にしか見えない」キリッ
『日本人なら誰もが憧れる高級品!あの藁苞納豆が、国立音ノ木坂学院に入るだけで食べ放題!お申し込みは今すぐ!』
\0120〜♪/
海未「でも、いったい誰が…どうやって無限に藁苞納豆を作り続けているんでしょうか?」
真姫「それに、室内プールの天井が開いて藁苞納豆が降ってくる仕組みね…屋根の上に誰かがいるわけでも無さそうだし」
穂乃果「不思議だよねー!…ね、ことりちゃん」
ことり「えっ。…う、うん。そうだね…アハハ」
希「…?」
ことり「…」ヒヤアセ
【旧空き教室・コトリのアトリエ】
コンコン
希「南さん。いる?」
ことり「あ…ちょ、ちょっと待っt」ガラ
ドサドサ…
希「わぁ!?…な、納豆!?」
ことり「あ、アハハ…ごめんなさい」
希「この藁苞納豆…プールにあるのと同じ物やんな?」
ことり「…そうです」
希「やっぱり…じゃあ、藁苞納豆を作ったのは…」
ことり「遺伝子組み換えではないけど、増え続ける納豆はオリジナルのコピーなの…」
希「藁苞納豆を作ったのはいいけど、どうして無限に増やそうと思ったん?」
ことり「想定では、あんなに増えるはずじゃなかったんです。なくなったら補充くらいのつもりだったんだけど…」
希「もしかしてあれ?二個ずつ増やすつもりが間違えて二乗になっちゃった的な…」
ことり「そんな感じです…」シュン
希「んー。実際に食べれば美味しいのはわかってもらえるはずやから、何とか売る方法を考えないと…市販品に比べて長持ちしないのがネックやな」
ことり「それに稲わらの扱いに困るのが欠点ですよね…」
希「たぶん売れない原因はそこやろね。たとえば切り身の魚より尾頭つきのほうが豪華で新鮮で美味しくて信頼性も高いとしても、誰もが魚をさばけるわけやないし生ゴミがどうしても出る」 希(ただ…やっぱり音ノ木坂は昔からある学校やし、だからこそ昔ながらの藁苞納豆でアピールしていく方向性は間違ってないと思う)
【西木野邸】
真姫「ただいま。…ふー」ドサ
真姫ママ「おかえりなさい。真姫ちゃん♪…あら、どうしたの?その荷物…」
真姫「藁苞納豆を持って帰ったの。食べる?」
真姫ママ「へえ。いまどき珍しいわね…うふふ。結び目に黄色いリボンなんて、かわいい♪」グイ
穂乃果「わ><」
ママまき「えっ」
真姫「穂乃果先輩!?な、なんで藁苞の束の中に入ってるのよ!?」
穂乃果「さっき、うっかりプールに落ちちゃって…西木野さんが拾ってくれて助かったよ。エヘヘ」
真姫「いや、家に着く前に言いなさいよ…なんで納豆に混じったまま静かにしてるのよ」
穂乃果「いやぁ、落っこちたときはさすがに慌てたけど…動けないし、稲わらの中ってあったかくて眠くなっちゃって…」
真姫ママ「あらあら。先輩をお持ち帰りしちゃったの?」
真姫「ヴェ、別にそんなつもりじゃ…」
穂乃果「エヘヘ。お邪魔します♪」
マゼマゼ
真姫ママ「はい、お醤油」
真姫「ありがと」
穂乃果「あ。その醤油…」
真姫「なに?」ネバネバ
穂乃果「やっぱり。うちで使ってるのと同じだ…」
真姫ママ「お店で使ってるのよね?」ネバー
穂乃果「はい!このお醤油すごく美味しいんですよね。ちょっと高いけど…」
真姫「店って和菓子屋でしょ?…なんで醤油…あ、みたらし団子?」
穂乃果「そうだよ♪ほかにもあるけど」ネバネバ
真姫「ママは知ってたの?」 真姫ママ「うふふ。実は…このお醤油教えてくれたの、きぃちゃんだから♪」
穂乃果「え。そうなんだ…」
真姫「きーちゃん?」
穂乃果「私のお母さん」
真姫「へー。…友達なの?」
真姫ママ「お友達っていうか…恋人?」
真姫「は!?」
真姫ママ「冗談よ♪」
穂乃果「あ、アハハ…」
真姫ママ「真姫ちゃんと穂乃果ちゃんはどうなの?」
穂乃果「え?」
真姫「どうって…何の話?」
真姫ママ「お嫁さんを紹介するつもりで連れて帰ったんじゃないの?」
真姫「ち、違うわよ。藁苞の束に混じってただけ…」
穂乃果「お嫁さん…///」
真姫ママ(うふふ。穂乃果ちゃんはその気が全く無いわけでもなさそうね♪)
ドバババ
穂乃果「す、すごいお風呂だね…広ーい♪」
真姫「そう?…別に普通でしょ?」
穂乃果「ドラゴンの像の口からお湯が出てるなんて…普通の家のお風呂じゃちょっと無いよね。ライオンとかならまだわかるけど…」
真姫「ライオンっていえば…穂乃果先輩、確か獅子座だったわよね」
穂乃果「うん。誕生日は“はちみつの日”だよ♪」
真姫「八月三日ね。覚えておこう…」
穂乃果「私の誕生日に何かくれるの!?」ワクワク
真姫「まあ…家族になるかもしれないし」
穂乃果「え。…そ、それって…」
『お嫁さんを紹介するつもりで連れて帰ったんじゃないの?』 穂乃果「西木野さん…本気!?///」
真姫「真姫って呼んで」
穂乃果「う、うん。真姫ちゃん…」
真姫「私も穂乃果って呼ぶけど、構わない?」
穂乃果「…うん///」
真姫「じゃあ、よろしく。穂乃果」ギュ
トプン…
ほのまき「ふー」
穂乃果「…ねえ、真姫ちゃんの誕生日はいつ?」
真姫「四月十九日」
穂乃果「もうすぐじゃん!?プレゼントどうしよう…納豆!?」
真姫「納豆なら穂乃果がくれなくても、幾らでも食べられるじゃない」クス
穂乃果「えー?じゃあ、国産大豆!」
真姫「もらってどうするのよ…」
穂乃果「もちろん、二人で納豆を作るんだよ!」
真姫「納豆ねえ…」
穂乃果「ネバネバの糸が二人を結びつけて…いつまでも粘り強い絆が」
真姫「いや、納豆の糸じゃすぐ切れちゃうでしょ?」
穂乃果「じゃあ、稲わらが二人を」
真姫「はいはい」グイ
穂乃果「わ」チュ
穂乃果「!…真姫ちゃん///」
真姫「さ、さて…あったまったし、もう出ましょ」ザバ
穂乃果「あ、待ってよ!真姫ちゃーん♪」ヒタヒタ
パタン
穂乃果「おぉー!和室もあるんだ…ここも広い!」
真姫「普段は使ってないけどね。この和室は客間」
穂乃果「二人で寝るには広すぎるね!」
真姫「へ?…二人?」
穂乃果「真姫ちゃんと私でしょ?」
真姫「いや、布団はひと組しか敷いてないし…」 穂乃果「え?…二人で寝るんじゃないの?」
真姫「…何、一緒に寝たいの?」
穂乃果「だって、せっかくのお泊まりなのに…」
真姫「ま、まあ…穂乃果がそうしたいんだったら、私は構わないけど」
穂乃果「真姫ちゃんのお嫁さんとして、一緒に寝る権利を主張します!」ギュ
真姫「はいはい///」
穂乃果「広いなぁー♪畳もまだ新しくてキレイだし」ゴロン
真姫「…」
穂乃果「真姫ちゃん?」
真姫「…なに?」
穂乃果「いや、もう寝ちゃったのかと思って…」
真姫「もう寝るわよ。穂乃果も畳に転がってないで…布団に入らないと風邪ひくわよ」
穂乃果「やっぱり真姫ちゃんも私と一緒がいいんだ?」
真姫「…いいから、納豆みたいにくっついてなさい」ギュ
穂乃果「はーい♪」ギュー
ほのまき「…」Zzz
チュン(・8・)チュン
真姫「行ってきます」
穂乃果「行ってきます!えっと…お、お義母…さん」
真姫ママ「あら、あら、まあ。…うふふ。行ってらっしゃい♪」ナデナデ
穂乃果「…///」
真姫ママ「頑張ってね。真姫ちゃん♪」
真姫「何を頑張るのよ。…まったく///」
【音ノ木坂・生徒会室】
絵里「朝から何?」ネバネバ
穂乃果「いや、どっちかっていうと私が訊きたいんですけど…」
絵里「勘違いしないで。別に寝坊したわけじゃなくて、藁苞納豆の在庫を少しでも減らそうと思って…」ネバー
真姫「生徒会室が納豆くさい…」
希「キミたちも一緒に食べたらいいんやない?」ネバネバ
穂乃果「藁苞納豆を持って帰って普通に家で朝ごはん食べればいいんじゃ…」 希「何度やっても、そうしろって言うんや…藁苞が」バサッ
希「藁苞がウチにそう告げるんや!」ネバー
絵里「希。片付けて」
希「…ごめん」シュン
【中庭】
穂乃果「んー。でも納豆って、パンみたいにいつでもどこでも手軽に食べられるわけじゃないよね…」パリッ
海未「そう言いながら納豆巻きを食べてるじゃないですか。お昼前に…においますよ」
穂乃果「海苔を先に巻いておかないで、別々に持ってきたんだ。食べる直前に海苔を巻けばパリパリだよ♪」
海未「はあ。…もしかして、生徒会長のために?」
穂乃果「んー。それもあるかな?ごはんと納豆だけじゃ少し見た目が寂しいから、ゴマをまぶすといいかも」
海未「なるほど。納豆に混ぜるのではなく、海苔のかわりに酢飯の周りにゴマですか。悪くないですね」
穂乃果「しそ、高菜、とろろ昆布…いろいろなバリエーションができそうだよね♪」
【廊下】
海未「タレが甘すぎます!」
穂乃果「えー?そうかなぁ…納豆のタレってだいたいこれくらいの味付けでしょ?」
海未「それは市販の納豆の基準でしょう?そもそも藁苞納豆にはタレがついていないのですから、わざわざ一般的な市販品の真似をする必要はないはずです」
穂乃果「そっか。せっかく個性的な藁苞納豆なのに、普通のと同じような味で食べなくてもいいよね」
海未「そういうことです」
【二年教室】
カキカキ
ことり「こんなもんかな?」
穂乃果「ことりちゃん?何してるの?」
ことり「新しいパッケージのデザインを考えてみたの♪どうかなぁ?」
海未「これって…藁苞納豆じゃないですよね?」
ことり「うん。藁苞納豆だけだと、やっぱり扱いにくいイメージがあるっていうか…実際、納豆を包んでネバネバになった稲わらを毎回処分するのは大変でしょ?」
穂乃果「うーん…確かに、オシャレで可愛いデザインだけど…」
海未「このスラッと伸びているものは…」
ことり「竹の皮よ」
穂乃果「!…そっか、竹の皮に包んだ納豆…これって藁苞よりさらに個性的なんじゃない!?」
海未「なるほど…これなら稲わらよりも嵩張らず、簡単に処分できますね」 ことり「うん。だから従来の藁苞納豆作りは続けつつ、竹の皮に包み直して売るのもいいかなって」
穂乃果「すごいよ、ことりちゃん!見た目も可愛いし、これならきっと売れるよ♪」
ことり「えへへ」
【五月】
絵里「どうするつもり?」
海未(藁苞納豆に竹皮納豆…出来は良かったのですが、生徒の反応は今ひとつ…結局、来たのはいつものメンバーだけ)
穂乃果「ここを大豆畑にしてみせます!」
絵里「なに言ってるの。そんなこと許可できるわけないでしょう!?バカなの?ねえバカなの?」ギュー
穂乃果「いたたた!冗談なのに><」
希「まあ、まあ。エリち…みんなで頑張って、もっといろいろやってみようよ」
ことり「まだ納豆には、いろんな可能性があるはず…だよね?」
真姫「そうね。まだ私たちがしてきたことは、ほんの一部…」
花陽「弥生時代から続くといわれる納豆の歴史に比べたら…」
凛「また新しい納豆を作るにゃ!」
にこ「宇宙ナンバーワン納豆を目指すわよ!」 【七月】
理事長「廃校。…いや、発酵です!」
穂乃果「二日でなんとかしますから!」
※大豆の発酵に一日、熟成に一日かかり二日で納豆ができるらしい
絵里「オープンキャンパスは二週間後の日曜日」
穂乃果「今度こそ、究極の納豆を作って入学希望者を集めなくちゃ!」
真姫(あれから私たちの納豆も人気が出てきて、かなり売れるようになったけど…まだまだA-RISEにはかなわない)
にこ「今こそアイドルよ!」
花陽「あ、アイドル?」
にこ「そうよ。私と絵里、真姫の三人で納豆をアピールする歌を歌うのよ!」
希「そんなんで納豆のアピールになるん?」
真姫「っていうか、なんで私が…」
絵里「そ、そうよ。三人なら小泉さんや星空さんと一緒にやればいいじゃない…」
にこ「納豆といえば豆に微生物でしょ?豆のBに微生物のBで、BiBiよ!」
ことり「微生物はともかく、豆はbeanだからBeだし大豆はsoyですよね?」
真姫「それに微生物って、納豆菌のことならBacillusだからBaよ」
にこ「うるさいうるさい!やるったらやるの!」
穂乃果「真姫ちゃん…」ウルウル
真姫「ほ、穂乃果…わかったわよ」ハァ
絵里「え。…ホントにやるの!?」
\♪ガンバラネーバネーバネバギブアプ/
海未(こうして…BiBiのライブのおかげで?オープンキャンパスは成功)
花陽「やっと大豆畑ができました♪」
凛「これで音ノ木坂産の大豆ができるにゃ♪」
穂乃果「よーし。今度は私たちが育てた大豆で私たちだけの納豆を作ろう!」
にこ「そーね。新大豆(アライズ)に対抗して、名前は…」
ことほのうみのぞえりにこまきりんぱな「μ'豆(ミューズ)!」
おわり >>22
Благодарю за помощь
>>27
冒頭でおばあさまも言ってるけど納豆がチーズに似てる(匂いとか)ってんで外国人は納豆好きが意外と多いらしい
まあ絵里の場合ほぼ日本人だけど ※関連スレ(納豆にはやっぱり小ねぎ!)
にこ「毎月23日は」絵里「国産小ねぎ消費拡大!?」穂乃果「6月23日は…」
http://fate.2ch.net/test/read.cgi/lovelive/1498143772/ ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています