千歌「こっくりさん、やろうよ!」 [無断転載禁止]©2ch.net
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千歌「はぁー…暇じゃない?」
曜「しょうがないよ、多分もうすぐ来るんじゃない?」
梨子「……図書委員の仕事多くてもしかしたら部活行けないかも、って連絡が…」
千歌「えぇー!?」
曜「生徒会の仕事も結構あるみたいだし、今日はもうやめとく?せっかく作った新曲だけど、お披露目は明日だね」 千歌「えーでも、まだ帰りたい気分じゃないし……二人はこの後用事ある?」
梨子「特に無いけど…」
曜「うん、私もしばらくは試合とかないし大丈夫かな」
千歌「よーし!じゃあこっくりさんやろ!」
曜「これまた懐かしいものを…小学校のとき流行ったよねぇ」 千歌「まあ、私たちはやったことなかったし!ものは試し、だよね」
梨子「え、二人ともそういうの好きそうなのにやったことないんだ……」
千歌「うん、私はやろーって言ったんだけど曜ちゃんが「わぁあぁぁあぁ!?」
曜「昔のことはいーの!」
梨子「顔真っ赤だよ」クスクス
曜「からかうのはやめてよー!」 千歌「はいはい、ほら。やろ!」
梨子「え、ほ、本当にやるの?」
千歌「あれれ、もしかして怖い?」
曜「梨子ちゃんはおこちゃまですなぁ」ニヤニヤ
梨子「ちが…ただ、危ないって聞くし……やめておいた方がいいんじゃないかな、って」
千歌「へーきへーき!そんな事件なんて起きた事ないし!」 曜「そうそう。そんなに怖いなら私たち二人でやるし、見てるだけでもいいよー?」
梨子「あーもう!わかったわよ!やればいいんでしょ?どうなってもしらないから…」
曜「心配性だなあ。大丈夫大丈夫!怖くなーい怖くなーい」ナデナデ
梨子「ちょっと曜ちゃん…」
千歌「こらこら。私を置いていちゃつかないでくださーい」 曜「嫉妬ファイアーしちゃったかなん?」
千歌「曜ちゃんちょっとめんどくさい…それに、果南ちゃんのネタだし」
曜「う、ごめん…」
千歌「さて、じゃあそろそろやろっか!」バサッ
梨子「なんでもう用意してるの…?」
千歌「うーん、いつかやりたいなーって思って!」 曜「千歌ちゃんらしいね」
梨子「だからって、ずっと持ってたの?」
千歌「うん!」
梨子「ね、ねえ曜ちゃん…」
曜「言いたいことはなんとなくわかるけど、慣れて?」
梨子「そうだよね…あんまり深く考えちゃ駄目だよね」 千歌「どういうこと?」
曜「なんでもないよ。ほら、十円玉は?」
千歌「んー…あれ、ないや。さっき飲み物買ったときに全部使っちゃった」
曜「じゃあ私ので…」
千歌「あー!これギザ十じゃん!」
曜「なんか守ってくれそうじゃない?」
梨子「そうかなぁ…」 千歌「よーし始めよ!知ってると思うけど、確認するね。みんなで十円玉に人差し指を置いて『こっくりさん、こっくりさん、おいでください。もしおいでになりましたら「はい」へお進みください』って言って、はいへ動いたら質問をする。」
千歌「長くても飽きそうだから一人につき一・二個くらいにしよ!それで、帰ってもらうときは『こっくりさん。こっくりさん、どうぞお帰りください』って言ってはいへ進めばおしまい!」 梨子「いいえに進んだら…?」
曜「帰ってもらうまで頑張るしかないね!」
梨子「な、なにそれ…絶対やめた方が…」
千歌「二人とも早く指置いてー!」
曜「はーい」
梨子「え、本当に…?」 曜「ほらほら、梨子ちゃん」
梨子「うぅ…」
千歌「よーし、じゃあ、せーの!」
「こっくりさん、こっくりさん、おいでください。もしおいでになりましたらはいへお進みください」
ズズッ…
『はい』 曜「え、うご、いた…」
千歌「そりゃそーでしょ!そういうやつだもん!」
梨子「え、えっと、どうするんだっけ?」
千歌「こっくりさん、梨子ちゃんの好きなシチュエーションはなんですかー?」
梨子「え」
『かべどん』 曜「あっはは!だよねー!」
『三零零』
千歌「ん?さんぜろぜろ…もしかして、三百冊も持ってるの!?」
『はい』
梨子「そんなに持ってないってば!」
千歌「やっぱり好きなんだねー」ニヤニヤ
曜「隠さなくてもいいのに」ニヤニヤ 梨子「そういう反応をされると思ったから言わなかったの!三百冊もないし!」
曜「ごめんごめん…そういえば、なんでゼロを漢字にしたの?」
千歌「こっちの方がかっこいいから!」
曜「な、なるほど」
梨子「じゃあ次は曜ちゃんね!」 曜「いいけど…何を質問するの?」
千歌「あ、じゃあ!曜ちゃんが好きなものはなんですか−?」
『せいふく』
曜「いやー恥ずかしいですなあ!」
千歌「だよね」
梨子「うん、知ってた」
曜「……あれ?」 梨子「最後は千歌ちゃんね」
曜「ちょっと。私あっさり終わりすぎじゃない?」
千歌「後味さわやかだよ」
梨子「なんていうか…曜ちゃんってわかりやすいから改めて聞くことってないよね」
千歌「うん。それすっごいわかる!」
曜「なにそれーまあ、いいけど。千歌ちゃんも似たような感じじゃない?」
梨子「うーん……」 梨子「千歌ちゃんは曜ちゃんが好きですか?」
千歌「えっ!?」カァァ
曜「ちょ、梨子ちゃん?」
『いいえ』
千歌「へ?」
千歌「いや、私は曜ちゃんのこと好きだよ?」
『いいえ』
千歌「……なんで?」 梨子「千歌ちゃん?」
千歌「こっくりさんはなんでも知ってるんでしょ?」
『はい』
千歌「…っ!高海千歌は、渡辺曜ちゃんのことが好きですか!?」
『いいえ』
千歌「嘘じゃん!なにもわかってない!」
『いいえ』 梨子「ほ、ほら。これは遊びでしょ?たまたまだって…」
千歌「うるさい!」
梨子「っ…ごめん、なさい……」
曜「ど、どうしたの?そんなに、気にすることじゃ…」
千歌「違う…違うの!本当は…」
曜「うん。わかったから…大丈夫、落ち着いて?」 千歌「……」
曜「ね、もうやめない…?千歌ちゃん、なんか…変だし」
梨子「うん、その方がいいよ…」
千歌「…私は、曜ちゃんのことが、嫌い、ですか」
曜「ちょ、千歌ちゃん!?」
『はい』 千歌「っ…!?」
ガタッ
千歌「ひっ…!」
梨子「あっ、手離しちゃ…!」
千歌「ち、が…っ」フラッ
曜「千歌ちゃん、本当にどうしたの!?」ガッ
千歌「や、やだ!」パシッ 曜「え…?」
千歌「あ、ちが、わたし…」
曜「う、うん。大丈夫。気にしてないから!ね?」
千歌「ごめ、ごめん、なさい。ごめんなさい…」
ダッ
梨子「千歌ちゃん!?」 曜「……」
梨子「曜ちゃん、なにしてるの!?早く追いかけないと!」
曜「あ、ごめ…」
梨子「私も、よくわかってなくて混乱してるけど…今は探さないと」
曜「……うん、そうだよね。ありがとう」 ***
曜「なんでどこにもいないの…?」
梨子「……一度部室に戻ろうか」
曜「そう、だね」
ガラッ
ダイヤ「どうしたのですか?そんなに汗をかいて…」
果南「千歌がいないみたいだけど、トイレ?」 ダイヤ「お手洗いと言いなさい」
果南「そんなに変わらないよ」
曜「……で」
果南「え?」
曜「千歌ちゃん、変で…どこにもいないし、わたし、どうすれば…」
鞠莉「OK…曜、落ち着いて。深呼吸よ」 梨子「ごめんなさい…私が、ちゃんと止めていれば…」
善子「ちょっと、どういうこと?話が見えてこないんだけど……」
梨子「さっき…部室で暇だからってこっくりさんを始めて……最初は普通だったのに、私が『千歌ちゃんは曜ちゃんのことが好きですか』って聞いたらいいえ、ってなって…そこから、なんか千歌ちゃんが変で…」
梨子「何度も何度も聞いて、それでも駄目で…。多分…物音、に驚いて手離しちゃって。それで、謝りながら走って行っちゃったから、探してたんだけど、いなくって」 ルビィ「こ、こっくりさん、って…お化けが出てくるやつ、だよね…?」
花丸「手、離しちゃった…って、最後までやってないの?」
曜「う、うん…いきなりだったから止められなかったよ」
花丸「一人では、やってないよね?」
曜「やってないけど、どうしたの?」 花丸「覚えてない…?小学校低学年くらいのときに、女の子が一人入水自殺をしちゃったの」
果南「あぁ、あったね…見つかったときにはもう遅かったんだよね……」
花丸「その子の部屋にはね、こっくりさんをやった跡があったんだよ。はいとかいいえとか、五十音とかが書いてある紙と、十円玉が転がってた」
曜「な、なにそれ…確かに自殺しちゃった子はいたけど…そんなこと、なにも」 花丸「マルのおうちに…その子の両親が来たの。除霊をしてくれ、って」
ダイヤ「除霊…?亡くなった後になにかあったのですか?」
花丸「ううん、ただ…そのこっくりさんをやった紙にね、赤い字で『もらった』って書いてあったんだって」
鞠莉「もらった、ってその子はこっくりさんに操られて自殺してしまった、ってこと?」
花丸「うーん…どうなんだろ。そうなのかもしれないずら」 梨子「でも、千歌ちゃんは一人でやったわけじゃないし、やってる途中から、変だったよね…私が、あの質問をしてから」
善子「でも、変じゃない?」
ルビィ「う、うん……なんでそんなに過剰反応したのかな」
果南「好きだからじゃないの?」
曜「へ?」 果南「千歌が、曜を」
曜「でも、こっくりさんは…」
ダイヤ「それが本当かはわかりませんよ。普段見ている限り、とても仲がよろしかったですし、千歌さんが曜さんを嫌うようには、とても…」
鞠莉「相思相愛な二人が面白くなかったのかもね、ゴーストは」 善子「…とりあえず、早く千歌さんを見つけましょうよ」
曜「そうだよね、私、千歌ちゃんの家行ってみる!梨子ちゃん行こう!」
鞠莉「私たちは…普段よく行く場所を探してみましょう。二人とも、なにかあったら連絡してね?」
梨子「わかりました!」 >>38
寧ろウィジャボード知ってるやつの方が少ないだろ こっくりさんが明治初頭に日本上陸したのは伊豆下田から
流行の中心も伊豆だった ***
曜「…」ソワソワ
梨子「ご、ごめんね?私が体力あったら、走れたんだけど…」
曜「え?いや、そんなこと…私も学校から走ってたら絶対バテてたし……大丈夫だよ?」
梨子「そう…」
曜「うん。ただ、気になっちゃって」 梨子「曜ちゃん、大丈夫?」
曜「大丈夫!ほら、今は千歌ちゃんが一番大変だろうしさ」
梨子「あんまり…無理しすぎないでね」
曜「お母さんみたい」クスッ
梨子「もう、人が心配してるのに!」
曜「……うん、ありがと」クシャッ 梨子「曜ちゃんは、お父さんみたいだよ…髪ぐしゃぐしゃになっちゃう」
曜「あ、ごめんごめん。じゃあ千歌ちゃんは娘かな?」
梨子「そうかもね」フフッ
曜「……ん、着いたよ。降りよ!」
梨子「うん」
「ありがとうございましたー」 曜「もう夕方に近いのに、暑いねー」
梨子「うん…溶けちゃいそう……うっ」
曜「ん?…って、あぁ。しいたけか」
しいたけ「わんっ」
梨子「よ、曜ちゃーん…!」
曜「大丈夫大丈夫ー」 志満「あれ、曜ちゃんと梨子ちゃん?どうしたの?」
曜「千歌ちゃん帰ってますか?」
志満「うん…帰ってなにも言わずに上行ったから喧嘩でもしたのかな、って思ってたけど…どうしたの?」
曜「ううん、大丈夫です!入って平気ですか?」
志満「えぇ、それはもちろん。お茶でも持っていくね」 梨子「い、いえ……それよりも、しいたけちゃんをちゃんと繋いでおいてくれれば…」
志満「そう?わかった。美渡ちゃんもお仕事でいないから平気よ」
梨子「ありがとうございます…」
「すみませーん」
志満「はーい!金曜日だから忙しくてあんまり構えないけど…ゆっくりしていってね」
曜「うん!お邪魔しまーす」
梨子「お邪魔します!」 曜「……」
梨子「……平気?」
曜「う、うん。なんか…緊張、しちゃって」
梨子「じゃあ、はい」スッ
曜「え?」
梨子「手つないでたら大丈夫かな、って」
曜「ありがとう…」ギュッ
梨子「ううん。正直、私もだったから…」
曜「ふふ、そっか」 梨子「……千歌ちゃん、いる?」
「……」
曜「ち、千歌ちゃーん…?」
「…帰って」
曜「え、で、でも」
「わたし、曜ちゃんに……会いたくない」
曜「っ…!」ジワッ 梨子「…曜ちゃん、これ」
曜「……鍵?」
梨子「うん…今、家に誰もいないから……好きなだけ泣いていいんだよ?……千歌ちゃんは、私が説得してみるから」
曜「………ごめん。おねがい」トトッ
梨子「うん」 梨子「……」
梨子「千歌ちゃん、入っていい?もう曜ちゃんはいないよ」
「…………」
梨子「千歌ちゃん?」
「……いいよ」
ガラッ
千歌「……ごめん。今はあんまり顔見られたくないから…その……」
梨子「うん、そのままでいいよ」 千歌「……ありがとう」
千歌「…………わたしね、曜ちゃんのこと大好きだった、はずなのに」
千歌「なんでだろ…好きなとこ、わかんなくて……嫌いなとこばっか目立っちゃって」
梨子「……うん」
千歌「本当に、曜ちゃんのこと………好きだったのかな」 梨子「千歌ちゃんは……あのとき、なにかが見えたの?」
千歌「ううん…なんにも見えてない。けど……小さな物音とかも、怖くて。曜ちゃんに触られたときに……ゾワッて、して」
梨子「そっか……大丈夫、大丈夫だからね」 ***
ガチャッ
曜「お、お邪魔しまーす……」
曜「……はぁ」
コンコン
曜「まぁ……梨子ちゃんの部屋だから誰もいるはずないよね…お邪魔します」
曜(梨子ちゃんは、強い…なぁ)ポスンッ 曜「はぁぁあ……ひぐっ…ち、かちゃ……」ボロボロ
曜「うあ、うぅっ…っ」
曜「わた、し…なにか、しちゃってた…の、かな…?」
曜「すき……っ!千歌ちゃん、すき…!」
ピラッ
曜「ひぐ…なにか、落としちゃった……?」ヒョイッ 曜「……え?」
曜「こ、これ……私の写真、だよ…ね?」
曜「なんで、こんなものが……」
梨子「曜ちゃん」
曜「ひっ……!」サッ
梨子「もう、なあに?……大丈夫?」
曜「う、うん!いきなりだったからびっくりしちゃっただけ!」
曜(咄嗟に隠しちゃった…これ、どうしよう) 曜「千歌ちゃん、どうだった?」
梨子「うん…とりあえず今は疲れたのか眠ってるけど……えっと…曜ちゃんのこと、好きかわからない、って」
曜「そっ、か……」
梨子「ご、ごめん……言わない方がよかった…かな」
曜「ううん、ちゃんと教えて欲しい。他には何か言ってた?」 梨子「……嫌いなところばっかりで好きだったはずのことがわからない、って」
梨子「あと…小さな物音が怖くて、曜ちゃんに触られたときにゾワッてした、んだって」
曜「……うん」
梨子「それくらいかな…」
曜「ふぅ…うん、そっか」 曜「よし、みんなに連絡入れるね!」
梨子「あ、千歌ちゃんを起こさないようにうちに来て、って言ってくれる?開いてるから入ってきて、って!」
曜「わかった!」 ***
バタバタ…
果南「ち、千歌は?寝てるって、どうだったの!?」
善子「なにか変だったりとかはしてないの!?」
ルビィ「お、お化けに取り憑かれたりし、してないよね!?」
ダイヤ「ええい、落ち着きなさい!」
花丸「気になるのはわかるけど…二人ともびっくりしてるずら」 善子「なんでそんなに落ち着いて……」
鞠莉「自分より焦ってる人を見ると逆に冷静になるアレかしら…」
ダイヤ「それで……何があったのですか?」
曜「じゃあ私が…」
梨子「ううん、私が説明するね」
曜「え?」 梨子「……本当はつらいんでしょ?誰だって、そうだよ。無理しないで」
曜「梨子ちゃん…うん、お願い」
梨子「とりあえず、千歌ちゃんは今自分の部屋で寝てます。さっき…変になったときよりは落ち着いてるけど、曜ちゃんのことは……好きかわからなくなった、みたい」
果南「千歌がそんなことを……?」
梨子「うん……顔、見られたくないからってずっと布団を被ったままで…」 鞠莉「umm…でも、取り憑かれてる、ってのとはちょっと違うような感じね……」
梨子「う、うん。そんな風には見えなかった……すごく混乱してて…」
善子「じゃあ……どうしてああなっちゃったのよ?」
花丸「……もしかしたら千歌さんは催眠状態にあるのかも、しれないずら」
ルビィ「催眠状態……?それって、さっき見てた本?」 花丸「うん。こっくりさんって、やったら危ないとか、呪われる。ってよく言われてるでしょ?でも、本当はなにもいない。ただの思い込み……とか」
ルビィ「で、でも……その、自殺しちゃった子は…」
花丸「それは……わからない、けど」
善子「言霊みたいなものかしら」
梨子「ことだま……って、なんか聞いたことあるような…」 善子「言葉には霊力みたいなのが溜まるのよ。いいことを口に出せばいいことが起きるし、悪いことを口に出せば悪いことが起きるの」
善子「だから…本当のことを教えてくれるはずのこっくりさんが曜さんが嫌い、って言ったから、それが本当なんだって勘違いしたんじゃないかって…まぁ、ただの想像なんだけど」
ダイヤ「……そうだったら、どうやって千歌さんを…」 ルビィ「お化けじゃないから除霊も効かないんじゃ……」
梨子「……曜ちゃん?」
曜「あ、う、うん…なに?」
梨子「大丈夫?…じゃ、ないよね」
曜「……ごめん」 梨子「ちょっと二人で外の空気吸ってくるね」
果南「うん、よろしくー」
梨子「行こ、曜ちゃん」
曜「うん……ありがとう」 *
梨子「もうだいぶ涼しくなってきたね」
曜「………うん」
梨子「曜ちゃん、今は私しかいないから…おいで」
曜「っ…」ギュッ
曜「な、んで……なんで、こんなことに…ただの遊びのつもりだったのに…」
梨子「…うん」ナデナデ 曜「………ありがとう。だいぶ、落ち着いた!」
梨子「ほんと?」
曜「うん。もう平気」
梨子「それなら、よかった」
曜「みんなのところ戻ろっか」
梨子「……」
曜「ん?なに見てるの?」 梨子「こっくりさんって、最後に鳥居に戻さなきゃいけなかったんだよね」
曜「うん、そうだけど…」
梨子「うーん…ちょっと思い付いたかも。戻ってから教える!」タタッ
曜「わ、待ってよ梨子ちゃん!」 *
鞠莉「あら、おかえり」
ダイヤ「大丈夫ですか?」
曜「うん、平気!みんなごめんね」
善子「別に謝るようなことじゃないでしょ…」
果南「曜さん大丈夫かしら…ってオロオロしてたのにね」
善子「し、してないわよ!」 梨子「あはは……えっと、千歌ちゃんのことで…思い付いたことがあるんだ」
花丸「思い付いたこと?」
梨子「うん。えっと…千歌ちゃんは今、催眠状態にある……かもしれないんだよね?だったら、嘘でも元に戻れる方法を試してみたら……どうかなって」
ルビィ「そんなに…うまくいく、かなぁ」 果南「千歌はよくも悪くも影響されやすいし…やってみないとわからないよね」
曜「嘘でも、って…それをどうにかして千歌ちゃんに信じさせなきゃいけないのが大変そうだけど……」
梨子「ほら、さっきの。こっくりさんは鳥居に戻さなきゃいけないんだから、鳥居に戻せばいいんだよ」
花丸「でもあの紙は危ないからもう処分しちゃったよ?」 善子「鳥居ならあるじゃない、大きいのが」
果南「……もしかして、神社の?」
鞠莉「たしかに、それっぽくはなるかもね」
ダイヤ「ふむ…鳥居をくぐりながらお帰りください、と言う……ですか」
曜「あ、で、でも……私、どうしよ…会いたくないって言われちゃったし……」 鞠莉「じゃあ梨子っちと曜は留守番でどう?疲れてるだろうし、ちょっと休んだ方がいいわ」
梨子「え、でも……」
果南「大丈夫大丈夫!善子とか話すの得意そうだし!」
ダイヤ「えぇ、ゆっくりしていてください」
梨子「……じゃあ、お願いします」 ***
果南「千歌、起きてる?」
「………果南ちゃん?」
果南「うん、曜ちゃんと梨子ちゃん以外みんないるよ。入っていい?」
「……うん、いいよ」
ガラッ
千歌「話、聞いたんだよね?…その、私…曜ちゃんに……」 花丸「こっくりさん、やったんだよね」
千歌「…うん」
花丸「あれは降霊術の一種なんだって。だから……千歌さんが曜さんへ抱く気持ちが変わっちゃったのは…悪い幽霊のしわざ、なんだよ」
千歌「幽霊……?それって、私に…取り憑いてる、ってこと?」
善子「中途半端でやめたんでしょ?だから怒ってるのかもしれないわね」
千歌「じゃ、じゃあどうすれば…」 善子「ずら丸が古い書物?を見つけて……ちゃんと対処法があるみたい」
善子「え、と……」チラッ
鞠莉「こっくりさんって、最後は鳥居に戻さなきゃいけないのを、戻さずに終わったのよね。だから、儀式を最後までやればいいのよ」
千歌「でも、あの紙は……?」
果南「あのままにすると危ないらしいからもう処分してある。でも、紙の上じゃ、あんまり意味がないんだって」 ダイヤ「こっくりさん、って狐の妖怪なのは知っていますか?淡島神社は狐を奉っているのですよ。なので、淡島神社へ向かいましょう」
ルビィ「う、うん…鳥居をくぐりながら、こっくりさん、こっくりさん、どうぞお帰りください、って言えば大丈夫なんだって!」
千歌「ほ、ほんとに…?曜ちゃんのこと、また…好きになれる、かな」
ルビィ「うん!だって、今は狐さんに騙されちゃってるだけなんだから、大丈夫だよ!」 千歌「よ、かったぁ……わたし、こわくて…っ」グスッ
果南「……大丈夫、大丈夫だからね」ナデナデ
鞠莉「千歌っち、今から…行けそう?そろそろ日も暮れちゃうし、大丈夫そうなら……」
千歌「うん。平気…!早く、曜ちゃんに謝りたい、し」
千歌「二人は……どこにいるの?」
ダイヤ「梨子さんの家でお休みになってます。戻ってきたら、またお話しましょう」
千歌「うん、わかった…!」 *
ルビィ「う、うぅ…もう結構暗いね……」
ダイヤ「早く終わらせて…帰りましょう」
果南「なんかこう…不気味に見えるよね」
鞠莉「じゃあみんな準備はいい?」
花丸「あ、怖いし…みんなで手つながない?」 善子「ずら丸は子どもねぇ」
花丸「……手、震えてるずら」
善子「うっ」
千歌「……えへへ、なんか、安心する」
鞠莉「じゃあ今度こそ……」
「こっくりさん、こっくりさん、どうぞお帰りください」 ***
曜「……梨子ちゃん、起きてる?」
梨子「うん…疲れてて眠いけど、なんだか眠れないよね」
曜「みんな大丈夫かな…」
梨子「ほら、鞠莉さんから神社行ってくるって連絡もあったし、大丈夫だったみたいだよ」
曜「ほんと?じゃあもうすぐ千歌ちゃんに会える、よね」 梨子「うん、もう少しだけ待ってようね」
曜「……あのさ、梨子ちゃん」
梨子「どうしたの?」
曜「すっごく聞きにくいんだけど…これ」ピラッ
梨子「あ、そ、それは…!」
梨子「……あのね、実は…千歌ちゃんから、曜ちゃんをイメージした曲を作って欲しいって言われてて」 曜「え?私を…?」
梨子「うん。いつもの感謝とか、そういうのを伝えたい、って…だから、写真見てたらモチベーションが上がるというか……イメージしやすい、というか……」
曜「そ、そうだったんだ……なんか、ごめんね…?」
梨子「ううん。私も出しっぱなしだったし……でもどうしよう。秘密にしててって言われてたのに…」 曜「あはは、じゃあ私は聞かなかったことにするよ」
梨子「ふふ、そうしてくれるとありがたいな」
曜「じゃあこれは一応…お返しするね?よっ、と」ギシッ
曜「………あれ?」
梨子「どうかした?」
曜「梨子ちゃんって、そんなつり目キツかったっけ?」 つまりこれは梨子ちゃんが憑かれてしまったってことか? 梨子が意図的に指動かしてたのかもと思ったら本当に心霊系だったのか
こわい 心霊作品じゃなければ梨子ちゃんが黒幕になってたんだろうけど
題材がこっくりさんだし神社に行ったメンバーも心配 何も起こらないんじゃない?
コックリさん(梨子ちゃん)が欲しかったのは曜ちゃんで貰ったのも曜ちゃん
体良く2人になるための時間稼ぎだったのではないかと ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています