――音ノ木坂学院、生徒会室

絵里「今日はいい風が吹いてるわね……ほら、見て。木漏れ日が綺麗で……」

にこ「なによ、髪なんかかきあげちゃって。かっこつけのつもり?」

希「えりちがそう言うと、なんか映画のワンシーンみたいやね。さすがは才色兼備の生徒会長様……」

絵里「も、もう! 茶化さないでよ! ……ねぇ、ちょっと昔のことを思い出さない? 三人で広場の木の下で、お弁当を食べた時」

希「あ〜……そういえばそんなこともあったなぁ。普段は教室で食べたり別々で食べたりなのに、にこっちが突然『親睦を深めるために食事会よ!』とか言い始めて……」

にこ「ふふん、我ながらあの時は冴えていたわね。お互いがお互いを知って更なる友情を深め……! どう?! 今思えばあの頃からにこのカリスマ性は素晴らしいものが……ほら、もっと崇めなさい」

希「……」

絵里「……」

にこ「って、なんで黙るのよ! 私が痛い子みたいじゃない?!」

絵里「……ねえ、久しぶりにゲームセンターでも行かない?」

にこ「うわ、完全スルー……さすがに傷つくわね。ゲーセンねぇ、私は構わないけど。希はどうなのかしら」

希「ええよ。それにしてもえりちがゲームセンターなんて珍しいね。……他に何か意図があるみたいやん?」

絵里「……ふふ、希は何でもお見通しね。長い間一緒にいると、言わなくても伝わっちゃうのかしら……面倒ね」クスッ