阪神・掛布雅之2軍監督(62)が29日、大阪市内の阪神電鉄本社を訪れ、坂井信也オーナー(69)=阪神電鉄相談役=に任期満了の報告を行った。
フロント入りを受諾することを明言して早速、ソフトバンクの2軍施設を視察するプランなどを思い描いた。ユニホームを脱いでも、愛するタイガースのために全国を駆け巡る。

 掛布2軍監督は水色とグレーの格子柄のオシャレなジャケット姿で大阪市内の阪神電鉄本社を訪問すると、坂井オーナーに任期満了の報告を行った。時間にして30〜40分。総帥と野球談義を交わし、2年間の労をねぎらわれた。

 「(坂井オーナーが)非常に恐縮されて『ありがとうございました』と…。かえってこっちが恐縮するような…」

 今後はオーナー付アドバイザーとしてフロント入りする。「シーズンが終了してから正式な発表があると思う」と前置きしつつ「球団の方でお世話になるように考えている。これは間違いない」と受諾を明言した。

 2年間、若虎とともに全国を駆け巡ったミスタータイガースの脳裏には、早くも次の“任務”の青写真があった。

 「2軍(の試合)で行ったときに、(設備の)中は見ていないけど、お願いすれば見せていただけるでしょうし。そういうのも踏まえて、全てはタイガースのプラスになるようにしないといけないと思いますので」

 同じウエスタン・リーグに属するソフトバンクの2軍施設のことだ。自身が2軍監督に就任したのとときを同じくして2016年3月に福岡・筑後市に開設。
2、3軍の若鷹が球界屈指の設備で日々、1軍を目指して汗を流していた。その選手層の厚さ、チーム内の競争が1軍を常勝たらしめている。「他球団の育成方法にも興味を強く持っている」。虎にフィードバックできるものがあるはず…と視察プランを思い描いた。

 ユニホームを着ていては、ゆっくり見る時間もなかったが、現場を離れたこれからならば思う存分、研究できる。

 「また違った、初めて違う角度から野球を見ますので。そういう意味では、どういう野球を自分で見て吸収するか、興味があります」

 11月1日からフロントとしての任務が始まる見込み。グラウンドを離れても、愛する虎のために全国を駆け回る。