>>948
これは、三昧の景色でありましょうか?
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閻浮樹 閻ぶ樹
閻浮樹逼塞乾坤    乾坤にひっそくす
葉葉枝枝我脚跟 ようようしし
太極梅開紙窓外    うめ開くしそうのほか
暗香疎影月黄昏  あんこうそえいつきこうこん

*閻浮樹:閻浮提(えんぶだい)の大森林中にあると伝えられる想像上の大樹。常緑樹で、高さ百由旬(ゆ
じゅん)あるという。
*閻浮提:古代インドの宇宙説において世界の中心とされている須弥山 (しゅみせん) の南方に位する大陸
で,四大洲の一つ。
*太極:万物の根源

naitoukonan先生HP訳
閻浮樹は天地をふさぎ、
葉も枝もわしの足もとにある
宇宙を象徴する梅花は紙障子の外にあって、
ひそかな香りとまばらな影を黄昏の月が浮かび上がらせている。

naitoukonan先生解説
閻浮樹の根には黄金が埋まっているという。閻浮樹の根は、頭頂サハスラーラ・チャクラであり、葉と枝は
その下方に位置するから、一休の足の側にあるとはそのとおりである。さりげない人間の位置と窮極との逆
転がこの構図に秘められている。

くま訳
閻浮樹(私の身体)は天地いっぱいに拡がり
葉や枝は、私の脚である。
万物の根源である梅花は、障子の明かり窓のそとにある。
(梅花=悟の)かすかな香りと、黄昏時の月(=悟り)のうつろな影だけが、悟りの痕跡だ。

naitoukonan先生は、軍荼利明王に結び付けて説明しようとしてるのでありましょうか?
くまは、サマディに入った時の様子の喩え話ではないかと愚考してみたであります。


あなたは、うなずく石を信じますか?
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題點頭石訝虎丘祖師 点頭石に題して くきゅう祖師をいぶかる
不信道石點頭 いふことを信ぜず、石てんとうすと、
若點頭非石流 もしてんとうせば石のたぐいにあらず。
石有霊是妖怪 石霊あらばこれ妖怪
吾祖師老虎丘 わが祖師のろうくきゅう

くま訳
うむ。ワシは、石がうなずくなどということは信じないのだ。
もし、石がうなずいたら、それは、もはや、石のたぐいではない。
石に霊があるのなら、それは妖怪である。
けど、わしの祖師が、うなずくと、言うておるのであるよ。うむ。

*頑石点頭:意味説得力や影響力が大きいことのたとえ。僧の道生が石を集めて説法すると、その説法を理解
して石はうなずいたという故事から。
*虎丘庵:一休さんが森女と住んだ庵。 二畳の水屋と、六畳、三畳の小部屋だけの、とても簡素なたたずま
いの建物。扁額「虎丘」は一休さん直筆だそうである。
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