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岩頭船居圖 二首    の図
會昌以後毀僧形 えしょう  そうぎょうをやぶる
一段風流何似生     かじせい
舞棹未懐為人手 棹(とう)をまわして  為人(いにん)の手をふところにせず
杜鵑叫月夜三更 杜鵑(とけん・ほととぎす)月に叫んで夜さんこう

くま訳
岩頭和尚が船に乗る絵を見ながら2首
会昌の仏教弾圧(845年)以後、還俗した
一段と風流でありのままに生きている
棹を舞わせ、未だに何ものにも束縛されない。
杜鵑(ほととぎす)が月に向かって鳴く、深夜の0時ころであろうか

*会昌の廃仏: 中国の唐代、845年、武宗によって行われた仏教弾圧
*岩頭和尚;巌頭全奯(がんとう ぜんかつ、828 – 887年)は、唐代の禅僧。弾圧により還俗して船頭を
やりながら修行。最後は賊に襲われて首を斬られて死ぬ。

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蒲葉半凋江漢秋 ほよう半ばしぼむ
生涯受用在扁舟     へんしゅにあり
乾坤一箇閑家具 けんこんいっこのかんかぐ
年代撈波情未休

蒲葉(ほよう・ガマの葉)しぼみかける江漢の秋
一生小船のうえでの生活を受け入れて
天地の全てが唯一の我が家だ。
長い年月波にもまれても、未だ詩情がやむことはない。

岩頭和尚の最後は壮絶な人生だったでありますが、一休さんが理想とした生き方だったのでありましょう。
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