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謹白久参人  二首 1/2  謹んで  の人にもうす
圓頂方袍淫奸 えんちょうほうほういんかん
威風鎭逼人寒 威風とこしなへに人にせまって寒し
古則参得家業     の家業
可媿妄長我慢 愧ずべし妄りに我慢を長ずることを

くま訳
謹んで長く修行をしている人に申す
坊主は淫らな行為をするのである。
堂々とした態度で穏やかに人にせまるが、実は貧弱なのである。
古則公案を習得するのは家業である。
愧ずべきは、その知識を振りかざして、妄りに慢心長ずることである。

*方袍(ほうほう): 袈裟
*円頂(えんちょう)坊主頭、僧侶
*我慢:強い自我意識から生まれる慢心のこと。仏教では、自分を固定的な実体とみて、それに執着することで起こる、自分を高く見て他を軽視する思い上がりの心を〈慢まん(māna)〉と呼ぶ。

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謹白久参人  二首 2/2
莫言公案則圓成 言ふなかれ    円じょう
八角磨盤心上横   の  心じょうに横たふ
邂逅難知自屎臭 かいこう知り難し自しの臭きを
他人敗闕鏡中明 他人のはいけつ  に明らかなり

くま訳
宇宙所現の万法、其のままが悟りの現われである、と言ってはならない。
其の一言で全て解決してしなうような究極兵器になってしまう。
自分の糞が臭いことに、気づくことは少ない。
他人の欠点に気づいたら、それは我が身を映す鏡であると明らかにとらえろ。

*公案則 圓成:宇宙所現の万法、其のままが悟りの現われである
*八角磨盤(はっかくのまばん):鋭い岩でできた石臼のような古代の武器。それが、空中を飛ぶ、ものすごい破壊力をもつ。

うむ。今夜の一休さんは、立派な師家である。
(´・(ェ)・`)つ