0050これにて完了したと思いたい。
2022/06/21(火) 01:17:11.11ID:nrKWbyq1まともに言葉も教わらず、彼女たちに喋れるのは自分の名前と「はい」の返事のみであった。
ある日二人を知る賊が、富豪に双子で売りつけるために二人を誘拐した。
賊はトラックの荷台に双子を乗せて山中を走らせていた。が、道中で目の前に何かがよぎり、雨によるスリップ事故を起こしてしまった。賊が荷台に乗せていた双子を確認しに行くと、二人のうち片方は頭が真っ二つに割れ、息絶えていた。
雨が山道に降りしきり、霧が辺りに立ち込めている。
賊は仕方がなく死んだ方を土の中に埋めると共に、ふと死んだのがどちらの方か気になったので、死体の遺棄を終えたタイミングで生きている方に尋ねた。
「おい片割れ。今埋めたコイツの名前はマナか?カナか?ええ?どうなんだ?」
雨がざあざあと降っていた。
「マナ」
「じゃあお前はカナの方か。よく聞けカナ。今から素直に俺の指示に従っていれば解放してやる。だから黙って大人しく言う通りにしろ。いいな、カナちゃんよ?」
「はい」
返事がカナから返ってきた。