で、翌朝、故人が部屋から出てきたんですが、いつもと違って、手で兎の足をつかんでいて、
しかもその兎は、まだ獲ったばかりだったのが、ズルズルに腐っていたそうです。
それと、故人の額に、?の字型の傷があり、血がしたたっていました。
故人は部屋から出てくるなり「不興をかった、何故だあ!!」
大声でそう叫ぶと、そのまま布団に入って3日3晩起きてこなかったそうです。
息子さんが責められるとかはありませんでしたが、そのときの取引は大損で、
一時は家が傾いてずいぶん困窮したそうです。ですから、それ以来、
部屋をのぞくことはしなかったということでした。
でね、故人は70歳を過ぎても、ときどき大きな取引をしてましたが、
亡くなる直前、子どもらの家族が実家に呼び集められまして。
ええ、故人からみたら、ひ孫にあたる幼児も何人かいたんです。