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技術進歩とともに増え続ける 鉄の利用可能な埋蔵量

鉄鉱石には生成環境の違いによって、赤鉄鉱、磁鉄鉱、 褐鉄鉱などいくつかの種類があるが、太古代に生まれた鉄 鉱床(BIF)は主に赤鉄鉱でできている(※1)。現代の高炉法 による製鉄では、鉄鉱床の表土や岩石を除去した後に、地 面 か ら 直 接 掘 り 出 す「 露 天 掘 り 」で 大 量 に 採 掘 で き る B I F の 赤 鉄 鉱 を 主 要 原 料 と し て 使 用 し て き た( 写 真 4 )。
現在、世界で確認されている鉄の埋蔵量は 3,700 億トン で、その内 1,700 億トンが技術的、経済的に見て(採算の取 れる範囲で)採掘可能な量とされている。地表から盛り上 がっている鉱山や深度 200 ~ 300m 程度の場所を掘削する だけでそれだけの鉄資源を手に入れることができる。
さらに、地球の地殻内に存在すると考えられている資源 量は控えめに見ても数兆tになる。今後の資源需要変化に伴 っ て 、 ボ ー リ ン グ( 試 錐 探 鉱 )な ど に よ る 確 認 埋 蔵 量 も 変 わるため、利用可能な資源量を正確に特定することはでき ないが、現在の 18 億トン/年の採掘量を基準として、今後、 仮に鉄の生産量が 2 %ずつ増えたとしても、数百年という 長期間にわたり比較的地表から近い層で採掘することがで きるという試算があり、技術革新や新たな埋蔵場所の発見 により、将来的に確認埋蔵量はさらに増加すると考えられ ている。