【同情心の欠落や自己中心的な傾向】といった邪悪なファクターがサイコパス特性にはある。
暴力や精神的虐待といったトラウマが未成年期に根付くと、それがトリガーとなって、そういう邪悪なファクターが表面に出る。
ただし、その性質は現れるとは限らない。
エピジェネティクスに譬えてそういうことを説明していた。
エピジェネティクスとは、ざっくり言えば、遺伝子のオン・オフを環境が行っているというものである。
たとえば、がん遺伝子の多寡は人によるが、がん遺伝子を多く持っている人でも、
煙草はいっさい吸わない、酒はほどほどにするという具合に節制すれば、がんになるとは限らない。
それと同じようにサイコパス特性が強くても、ちゃんとした育てられ方をされていれば、残虐者にはならない。
否、それどころか社会的に有用な人間となりえる。
というのも、【冷静さや集中力や説得力や大胆さやストレス耐性】といった有益なファクターもサイコパス特性にはあるからだ。
反社会的なことと結びつかなければ、サイコパス特性は社会で成功するためには不可欠なものであるようだ。