【小説】スナック眞緒物語2【日向坂応援】
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宮田愛萌さんのブログや「ひらがな推し」やでネタにされている架空空間「スナック眞緒」を舞台とした小説のスレです。 なお、「ひらがな推し」や宮田ブログでの「スナック真緒」での井口真緒さんと宮田愛萌さんはひらがなメンバーとは別人格という設定ですが、 ここではひらがなメンバーであるのかないのかというのは曖昧にします。 タイトルと冒頭と末尾の文は、宮田愛萌さんがブログで書いているのをテンプレとして使いました。 原案や参照にしたものがある場合には、その小説が完了したとき必ず明記します。 前スレ 【小説】スナック眞緒物語【けやき坂応援】 https://rio2016.5ch.net/test/read.cgi/keyakizaka46/1548508699/ ブレーンワールド(その113) 「高校で習う基本的な波動関数は三角関数なのに、量子力学の波動関数は指数関数となりますよね。 なぜ全く違った形の式で表されるんですか?」と“ねる”は尋ねる。 「eのiθ乗は、cosθ+i sinθに等しいから、量子力学の波動関数も三角関数で表されるということでは同じようなものだけどね」と俺は答える。 「なぜ、わざわざ指数関数で表記するんですか?」 「指数関数で表わしたほうが、計算処理がシンプルになるんだ。 微分しても元の関数に戻り、しかも時間tで偏微分すればエネルギーEが取り出せ、 変位xで偏微分すれば運動量pが取り出すことができるのできわめて楽に計算処理ができる」 「ああ、なるほど。それは納得です。でも、量子力学の波動関数では、実数項cosθだけでなく、虚数項i sinθも出てきますよね。 そもそもなぜ虚数項を付け加えるんですか?」 「ぶっちゃければ、実験結果と矛盾しないから、そう表すとしか言いようがない。 ただ、実数項だけならそれによる確率波の変位が全領域で0となる時刻が必ずあり、一瞬とはいえ波が消滅し、 二重性のもう一面である粒子としての電子も消滅することになり、矛盾が起きてしまう。 ところが、cosθとsinθは位相がずれているので、虚数項があるため、波が完全に消え去るというのを防いでくれるというのは言える。 偽りの数である虚数が量子力学の肝となっているというのは神秘的と思わないかな?」(続く) ブレーンワールド(その114) 「虚数が現れるというのはそれほど神秘的なのですか? (a, b)+(c, d)=(a+c, b+d)、(a, b)×(c, d)=(ac-bd, ad+bc)という具合に、虚数の演算は実数ペアを対応させるだけのことですから」 「そういう指摘は的外れかな。 虚数の演算は実数ペアを対応させることができるといっても、それは存在しない虚数に概念的な計算を対応させただけのこと。 天使というのは白い大きな羽を持って、心清く、天上にいるというように言葉でならその概念を説明できる。 でも、存在しないはずの天使が実際に現れたら、驚きじゃない?それと同じ。 実際には存在しない虚数が量子力学の実在の現象の中に組み込まれていることを神秘的といっているんだ」 「学部生が習う物理で、他に虚数が現れるということはないのですか?」 「いくらでもあるよ。振動や交流の解を求めたりするときとか、 特殊相対性理論で、ミンコフスキー空間での三平方の定理や内積をユークリッド空間と同じ形にすることを考えるときとか。 でも、それらは数学的なテクニックにすぎない。あるいは、あくまで架空である虚数を寓意的に用いているにすぎない。 心の美しい人間の心を存在しないはずの天使の清い心に譬えるのと同じようなことかな。 だから、それらで虚数が出てきても驚きはしない。 だけど、量子力学での虚数は実在のものとして組み込まれている。 あたかも天使が現実に出現したということに等しい」 「なるほどそういうことですか!実数ペア云々という高校数学の知識だけでイキガった自身が恥ずかしいです」と“ねる”は頭を掻く。 あれから2か月経ち、秋が深まった季節となっていた。 俺は“ねる”と同棲して、高校課程までしか履修していない“ねる”に大学で習うことを教えている。(続く) 量子力学の波動関数を知らないと何のことか分からないので、その説明をしておこう。 ただし、最低限、高校物理を履修した人しか対象としない。 (1)高校物理で波動関数の式 高校物理で波動関数は、ある一点での単振動が空間的に伝播していくと説明される。 (ただし、高校物理では、「波動関数」という言い方ではなく、「波の式」と称することが多いようだ。) 単振動の式は、 ψ=Asinωt=Asin2πft (ψは振動の変位、ωは角振動数、fは振動数) 位置xの場所では、x/vだけ遅れた変位が伝わるので、 ψ=Asin2πf(t−x/v) 上の式では、sinという形で表されているが、一般的にはそうならない。 初期位相がπ/2であれば、cosとなるし、他の形にもなりえる。 ここでは、cosで表して、面倒だから、初期位相は0とする。 ψ=Acos2πf(t−x/v)=Acos2π(ft−x/λ) (v=fλの式を用いた。) (2) 量子力学の波動関数の式 量子力学の波動関数の式は、(1)の式に虚数項i Asin2π(ft−x/λ)を加えるだけである。 ψ=Acos2π(ft−x/λ)+i Asin2π(ft−x/λ) オイラーの式e^iθ=cosθ+isinθから、 ψ=Ae^i2π(ft−x/λ) ここで、量子力学らしい表記とするため、高校の原子物理分野でも習うE=hf、p=h/λを用いる。 Eはエネルギー、pは運動量である。 hはプランク定数で、Hをディラック定数(h/2π=Hである)とする。 (以前に、ダークエネルギー密度を求めたときには、hをディラック定数として、Hをハッブル定数としたが、ここでは文字が表す量を変えているので注意してほしい。) したがって、 ψ=Ae^i2π(Et−px)/h=Ae^i(Et−px)/H ただし、標準的な式の形は累乗のところの正負が逆になっている(累乗のところにマイナスが付いている)。 物理や数学では左回りを正とするのが原則だが、虚数が絡んでいる場合には右回りを正とするためである。 最初の単振動の三角関数の中にマイナスを入れれば済む話である。 そうすると、 ψ=Ae^i(px−Et)/H これが、量子力学における波動関数である。 なお、三角関数の形で表記にすれば、 ψ=Acos(px−Et)/H+i Asin(px−Et)/H (3)複素平面上の等速円運動の正射影 (2)の説明だと、i Asin2π(ft−x/λ)を唐突に加えたという感が強いので、その背景を掘り下げてみる。 単振動の変位の式を求める場合は、大学以後ではもちろんだが、高校でもある程度の進学校なら、2回線形微分方程式の解として教わることが多いと思う。 等速円運動の正射影であるというのは幼稚な方法だから無視しろと高校生のときに俺も言われた。 ただし、授業では使わなかったとはいえ、高校の物理の教科書は一応受け取ったので、その内容は知っている。 その幼稚な方法が量子力学における波動関数が何たるかを考えるときには役に立つ。 横軸が実軸 縦軸が虚軸 赤丸が初期位置 青丸が時刻tの位置 緑色の光が実軸へ正射影させている 黄色の光が虚軸へ正射影させている 複素平面上で、半径A、角速度(ω=)2πf、初期位置(A,0)の等速円運動を考える。 回転の向きは普通は左回りに取るが、(2)でも書いたように、ここでは右回りにとる。 t秒後において、実軸と虚軸に正射影した式はAcos(−2πft)とiAsin(−2πf t)であり、複素座標はAcos(−2πft)+iAsin(−2πf t)となる。 こういう振動が元となって、量子力学の波動関数はつくられていると見なしてやる。 後は(1)でやったのと同じように、位置xの場所では、x/vだけ遅れた変位が伝わるとすれば、 ψ=Acos(px−Et)/H+i Asin(px−Et)/H が導ける。 古典物理では実数の振動しか考えなかったのに、量子力学では実数の振動に虚数の振動が加わるということとなる。 上のことさえ理解できれば、量子力学の神秘性を必ずや感じることとなる。 (4)虚数項があるため確率波が0となるのを避けられる 電子の検出確率を表す確率波はψの絶対値の2乗で表される。 換言すれば、実部の係数Acos(px−Et)/Hと虚部の係数Asin(px−Et)/Hをそれぞれ2乗した和で表される。 この計算は面倒なのでやらないが、その様子は定常波と同じようなものだと受け止めていい。 定常波は入射波と反射波とが重ね合わされてできる。 その計算結果は、それぞれの因子が変数tと変数xだけで表されることになり、全ての領域で変位が0となる時刻が必ずある。 それと同様に、実数項だけで確率波を考えた場合には必ずある時刻で検出確率がゼロとなる。 つまし、電子が消えてなくなるという矛盾が起きる。 したがって、波動関数の実数項だけでは無矛盾の波動関数は絶対につくれないこととなる。 しかし、量子力学の波動関数には、虚数項も含まれていて。cosとsinの位相がずれているため、 実数項の係数の2乗で時間tを含む因子がゼロとなっても、虚数項のほうのそれは0とはならない。 したがって電子が消滅するという矛盾を回避できる。 (5) シュレディンガー方程式 波動関数の式からシュレディンガー方程式(波動方程式)がどのような式になるかというのを示しておく。 疲れてきたので、簡単にポイントだけ書いておく。 ψ=Ae^i(px−Et)/Hと指数関数の形で表わせば、計算が楽な上に、偏微分しても元の形のままで、エネルギーと運動量を係数として外に出せるのがポイントである。 ・ψをtで偏微分した式とψをxで2回偏微分した式をつくる。 ∂ψ/∂t=−iEψ/H、∂^2ψ/∂x^2=−p^2ψ/ H^2 (Eψ=iH・∂ψ/∂t、p^2ψ=−H^2・∂^2ψ/∂x^2) ・ポテンシャルエネルギーをVとして、エネルギー保存則の式をつくる。 E= p^2 /2m+V ・上の式にψを左から作用させる。 なぜ、素直にψを乗ずると言わないのかというと、ここがまた量子力学の奇妙なところだが、 エネルギーEと運動量 pを演算子と見なさなければならず、一般的に交換法則が成立しないので、上のような言い方となる。 ・以上から、シュレディンガー方程式が導ける。 iH・∂ψ/∂t=−H^2/2m・∂^2ψ/∂x^2+Vψ 実際の計算では上の流れたは逆で、シュレディンガー方程式の解から波動関数を求めることとなる。 そのシュレディンガー方程式にも虚数項があるので、量子力学の波動関数も必ず虚数項を含むこととなる >>315 再度、訂正。 313の図のほうが正しく、314のほうが間違っていた。 【右回りを正】としているので、314のように右回りしている場合には、位相角が2πftとなる。 −2πftとするためには、313のように左回りに回っているとしなければいけない。 ブレーンワールド(その115) あの六本木の夜の出来事から丸一日は泣き続け、食事は喉を通らなかった。 死にそうなほど苦しんでいるという嘘の報告をヘタレ先輩が教授にしていたため、 研究室の同級生が見舞いにきてくれて、俺の様子を教授に報告した。 その衰弱を見て、ずる休みではなく本当に具合が悪かったと教授に訴えてくれた。 かいがいしく俺を世話する一方で、客人に対しても心あるもてなしを“ねる”はした。 “ねる”の深い献身のおかげで立ち直ることができ、“ねる”を受け入れることに時間はかからなかった。 だが、ときどきあの夜のことがフラッシュバックする。 それが心配だからということで“ねる”は寮には一度も行かず、ねるの持ち物をウザ女に運んでもらって、俺と一緒に住んだ。 ねるのスマホやパソコンには、メーラーやスケジュールやファイルやディレクトリーやハイパーリンクが残されていたはずである。 それらをセーブデータとして受け継ぎ、首尾よくコンティニューしたためか、ねると“ねる”との区別が俺はつきにくくなっていた。 というよりも、ねると“ねる”の区別がつくこととねると“ねる”の区別がつかないこととの間の区別がつきにくくなっていた。 あの六本木の夜のことは偽の記憶で、最初から“ねる”と出会っていたというのが本当だったという気もしている。 量子力学では実数と虚数の区別をつける必要がないように、ねると“ねる”との区別をつける必要もない気もしている。 “ねる”は虚数的な存在であるとしても、俺の前にリアルに存在している。(続く) ブレーンワールド(その116) 1Kの狭い部屋が俺の住処だった。 シルエットとなった雑居ビルと電信柱のわずかな隙間から夕方にだけ日が差す安アパートに住んでいた。 “ねる”と同棲するのは住環境が悪すぎるので引っ越すことにした。 家庭教師のアルバイトなどで溜めていた金も十分にあったが、引っ越しや新居の費用に充てるための思わぬ臨時収入があった。 あの11人と公安調査庁の連中との間で裁判沙汰となっていた。 闇で暗躍する公安調査庁の人間が恥も外聞もかなぐり捨てて訴訟したということで、世間の注目が注がれていた。 何の疑惑もないないのに、公安調査庁の人間からつきまとわれて困っている友人を守るために、ああいう行動に出たというのが11人の言い分だった。 しかし、その友人がつきまとわれていたという証拠がないので、11人側は不利な状況だった。 タクシーの中でねるが俺の胸ポケットに入れたのは日付入りのカメラ画像のメモリーカードで、 あの能面のような男がねるの住む寮の前で、何か月間も見張りをしている様子がそこにははっきりと映っていた。 それを11人側に直接に渡してもよかったのだが、もっと効果的な方法をあると思った。 今では安本敦の関連するアイドルを追わなくなった週刊誌の編集者に連絡を取った。 待ち合わせたファミレスで、そのメモリーカードの画像をノートパソコンで見せたら、「10万円までなら出しましょう」と言ってきた。 金を貰うことなどそのときまで全く考えていなかったのだが、どうせなら吹っ掛けてやろうと方針を急転換した。 「安すぎやしませんか?秘密のベールに包まれてきた公安調査庁の人間のスキャンダルな画像ですよ。 正義の行いをしているはずの公安調査庁の人間が何の罪もない一人の女子大生にストーカーしていたという貴重な証拠ですよ。 これを掲載できたら、売り上げを伸ばすだけでなく、会社の社会的ステータスも上がりますよ」 メモリーカードは100万円で売れた。(続く) ブレーンワールド(その117) 週刊誌は売れに売れ、能面男は訴訟を取り下げ、あの11人の正当性が報じられ、そのデビューも注目された。 「けやき坂46」というグループの正式名称も決定した。 敵の敵は味方ということで、安本敦が関係するアイドルのスキャンダルを狙ってきたあの週刊誌も掌を返したようにけやき坂46の応援キャンペーンを始めた。 カラーグラビアで3人ずつを4週連続にわたって取り上げることとなった。 鳥居坂46の最終オーディションを当欠した11人に加え、 鳥居坂46デビュー直前にグループを離脱した平手友梨奈の12人でけやき坂46はデビューすることとなった。 「とりい坂46」と記して「ひらがなとりい坂46」と読ませ、鳥居坂46のアンダーグループというように当初には予定されていたが、 世間を賑わかせたことがいい宣伝となり、しかも完全に勝利したことが好印象となり、独立したグループにするという方針に変わった。 それに合わせて、グループの名称も「けやき坂46」に変更されたという次第である。 俺はまとまった金が手にでき、週刊誌も売れ、けやき坂46の運も上向いた。 三者が得をしたというわけだ。(続く) ブレーンワールド(その118) アイドルには全く興味を示さない“ねる”だったが、けやき坂46には何か思い入れがあるようだ。 平手友梨奈がけやき坂のメンバーとなったことがテレビを報じられているのを驚いた様子で見ていた。 けやき坂46のデビューシングルはダブルセンターの体制で、もう一人は柿崎芽実だった。 芽実の頭の匂いとともに彼女が言ったことを思い出した。 「今日、発つんでしょ」「ねるの気持ちを分かってあげてね」「アイドルになりたいというコのためには身を引こうとする心掛けはよしとするわ」 芽実を始め、あの11人はどこまでねるの事情を知っていたのだろうか? 「一本のけやき」は心地いいメロディで、このグループのデビューシングルの表題曲にふさわしい。 だが、アルファベット表記のカップリング曲「Another Possibility」のほうが俺には興味深かった。 歌詞の冒頭はエリオットの有名な英語詩から引用されている。 What might have been is an abstraction remaining a perpetual possibility only in a world of speculation. What might have been and what has been point to one end, which is always present. そうなっていたかもしれないことは、憶測の世界の中だけであり得続けるという抽象にすぎない。 けど、そうなっていたかもしれないこともそうであったことも結局は同じで、いつもそこにある。 拙訳すればそういう意味である。 人生の岐路に立ったとき、選び取るのはたった一つの道だけだが、選ばなかった人生も実は存在していて、それと出会うこともあるかもしれない。 そういったたような日本語の歌詞が後に続いた。 ねるが差し出し人じゃないかと博物館の中で芽実が指摘した手紙のことを思い出した。 その手紙から安本がインスピレーションを得て作詞したのではあるまいか。(続く) ブレーンワールド(その119) “ねる”の胸には何が去来しているのだろうか? だが、“ねる”とはいっさいそういう話はしなかった。 けやき坂46のことだけでなく、ねるのことも、あの日のことも。 言葉にすれば、“ねる”が消えてしまうような気がするから。 それにしても、ねるが使っていたスマホやパソコンを“ねる”はいま使っているが、機能不足で不服という様子ではない。 また、“ねる”の元の世界は、少なくとも高校生が量子力学を履修しているというレベルには達していない。 そういうことから察するに、あの世界とこの世界の文明レベルはほぼ同じくらいと考えるのが妥当だろう。 そうすると重力波をコントロールして「長濱ねる」や「けやき坂」という文字列を意図して送信したのは誰の仕業なのだろうか? 高次元に棲息する超高度知性生命体と呼ぼうが、神と呼ぼうがかまわないが、そんなものの仕業とすれば、その動機はなんなのか? 同情なのか? 離れた二つの水槽があり、その一つの水槽の中のミジンコともう一つの水槽の中の“ミジンコ”がその住みにくさに喘いでいる。 その二匹を取り換えれば、二匹にとって望ましい環境になるということが分かっていて、それを実行したのか? あるいは単なる遊びなのか? ねるも“ねる”もそして俺もRPGの中のキャラクターのようなもので、神というプレーヤーが与えた役割通りに動いただけなのか?(続く) ブレーンワールド(その120) 彗星ならその位置と速度が分かれば、太陽や近くにある惑星の重力の影響でその運動は決定するので、簡単に軌道計算はできる。 だが、ゲートはどういう仕組みで運動しているのかは分からないので、その軌道は謎のままだった。 あの夜の後、嗚咽し苦しみ続けながらも、やっていたことがあった。 9月3日19時ジャストにおとめ座の中のどの場所が光ったのかは鮮明に覚えていた。 それがゲートに違いないことは確信していた。 おとめ座のα星スピカとδ星ポリマを結ぶ直線上で、スピカからポリマへ満月4個分がゲートの位置だった。 その時刻におけるゲートの赤経αと赤緯δを、α=13h 19m 11.99s、δ=−9°49′27.3″と算出し、 けやき坂にある横断歩道のセーフティアイランドの東経λと北緯Φは、ネット地図から、Φ=35°39′33.2″、λ=139°43′48.7″とあったので、 けやき坂にある横断歩道のセーフティアイランドから見たゲートの出現位置を、 高度は9°32′8.47″で、真南からの方位角は70°31′13.4″と算出した。 そのデータと計算式と計算結果を教授に報告した。 その日の高度による温度勾配のデータを調べて、大気による光の屈折などの補正をして、より正確な出現位置を研究室では計算した。 ゲートの位置を特定する他のデータは曖昧なものばかりで、それらの寄せ集めだけではゲートの軌道を特定するのに決め手を欠いたが、 俺の提出したデータが功を奏して、俺の研究室でははっきりとした軌道が算出された。 それは論文として「ネーチャー」に教授名義で提出された。 なお、教授のパソコンを勝手に覗いたということを正直に告白して、その非礼を詫びた。 教授からは何の返答もなく、眉ひとつ動かさない無反応だったが、ペナルティを受けることは特になかった。(続く) 上に書いたゲートのけやき坂の場所から見たゲートの方向は一応は計算したので、その導出過程を書いておく。 (1)必要なデータ値 スピカの赤経、赤緯は、13h 25m 11.57937s、−11° 9′40.7501″である。 ポリマの赤経、赤緯は、12h 41m 39.64344s、−1° 26′57.7421″である。 2017年の9月3日0時のグリニッジ恒星時Θ_0は、Θ_0=22h41m16.6sである。 けやき坂にある横断歩道のセーフティアイランド(以下、セーフティアイランドと略す)の東経λ、北緯Φは、 Φ=35°39′33.2″、λ=139°43′48.7″とした。 (なお、実際には、けやき坂にはセーフティアイランドどころか歩行者用信号機もないようだ。 ここでは横断歩道のある場所を一つ選んで、東経と北緯の値を調べた。) (2)計算は球面幾何における三角関数の式を使う。 球面幾何の三角関数の式は平面幾何のものよりは複雑で、理解するためには三次元空間の把握能力も必要だが、それ専門の理工書を見れば誰でも理解できると思うので、ここでは割愛する。 ただ、角距離を球面三角形の辺の長さなぜしていいのか?というのはよく尋ねられるので、簡単に説明しておく。 基本的には球面上の球面三角形の辺の長さは、平面の場合と同じように、実際の長さを使わなければならない。 半径1の単位球では、その球面上の2点間の距離は角距離をラジアンで表したものに等しい。 天球の半径は1ではないし、用いる角度もラジアンではなく度を用いるのが普通だ。 だが、半径1の単位球の球面上に球面三角形が描かれていて、その全体を拡大したとき、拡大前後の2つの球面三角関数は相似となるので、球面三角関数の式は全く同じとなる。 また、sinやcosの中身はラジアンでも度でもどっちでもかまわない。 したがって、天球上の角距離を度で表したものを球面三角形の辺の長さとしてもかまわないことになる。 (3) 2017年の9月3日19時のゲートの赤経、赤緯 スピカ、ポリマの位置を、A、Bとし、また北極星の位置をPとする。 PA、PBの角距離は、101° 9′40.7501″、91° 26′57.7421″となる。 大円PAと大円PBのなす角度は、 13h 25m 11.57937s−12h 41m 39.64344s=0 h 43m 31.94s=10° 52′59.1″ AB間の角距離をθとすれば、球面余弦定理から、 cos θ=cos 101° 9′40.7501″cos91° 26′57.7421″+sin101° 9′40.7501″sin91° 26′57.7421″ cos 10° 52′59.1″ =14.52720678°(=14° 31′37.94″) スピカからポリマへのほうに満月4個分がゲートの位置であるとした。 満月の視直径は30′なので、満月4個分の角距離は2°である。 A、Bを通る大円上にあり、AからBに向かって、満月4個分の位置をCとすれば、 AC、CBの角距離は、2°、12.52720678°である。 角距離の比によって、大円は内分されるので、平面幾何における内分の式がそのまま使える。点Cの赤経α、赤緯δは、 α=(13h 25m 11.57937s×12.52720678°+12h 41m 39.64344s×2)÷14.52720678° =13h 19m 11.99s δ=(−11° 9′40.7501″×12.52720678°−1° 26′57.7421″×2)÷14.52720678° =−9° 49′27.3″ (4) 2017年の9月3日0時のセーフティアイランドの地方恒星時Θとセーフティアイランドに対するゲートの時角H 2017年の9月3日0時のグリニッジ恒星時Θ_0は、Θ_0=22h41m16.6sである。 2017年の9月3日0時のセーフティアイランドの地方恒星時Θは、時差9時間を考慮して、 Θ=Θ_0+(19−9)ν+λ/15 (ただし、νは太陽時間に対する恒星時間の比の値で、ν=1.00273791となる。) 値を代入すれば、Θ>24となるので、求まった値から24を引くと、 Θ=18h1m50.41s セーフティアイランドに対するゲートの時角Hは、 H=Θ−α=4h42m38.42s=70°39′36.3″ (5) 2017年の9月3日19時のゲートの角高度hと方位角A セーフティアイランドから見たゲートの角高度をhとすれば、球面余弦定理から cos(90°−h )= cos(90°−φ )cos(90°−δ )+sin(90°−φ )sin(90°−δ )cos H ∴sin h =sin Φ sin δ+cos Φ cos δ cos H 値を代入すると、sin h =0.1656618799 ∴h =9°32′8.47″ セーフティアイランドから見て、ゲートの真南からの方位角をAとすれば、球面正弦定理から、 sin (90°−δ )/ sin(180°−A )= sin (90°−h )/ sin H ∴sin A=cos δ sin H/cos h 値を代入すると、sin A =0.9427602104 ∴A =70°31′13.4″、109°28′41.6″・・・(a) 南の空に見えたのは分かっているので。A =70°31′13.4″と決定してもいいのだが、念のために球面幾何の座標変換で使うもう一つの式を用いると、 sin (90°−h )cos(180°−A )= sin (90°−φ )cos(90°−δ )−cos (90°−φ )sin(90°−δ )cos H ∴cos A =(sinφ cos δ cos H−cosφsinδ)/ cos h 値を代入するとcos A =0.3334714125 A =70°31′13.4″、289°28′46.6″・・・(b) (a)、(b)の両方を満たすのは、A =70°31′13.4″ セーフティアイランドからゲートまでの距離は上の計算では明らかにはならないが、その方向だけは算出できる。 >>327 ×ただ、角距離を球面三角形の辺の長さなぜしていいのか? ○ただ、角距離を球面三角形の辺の長さであるとなぜしていいのか? >>327 の7、8行目を訂正 球面三角形の辺の長さがsinやcosで表されるわけがなかった。 × だが、半径1の単位球の球面上に球面三角形が描かれていて、その全体を拡大したとき、拡大前後の2つの球面三角関数は相似となるので、球面三角関数の式は全く同じとなる。 また、sinやcosの中身はラジアンでも度でもどっちでもかまわない。 ○ だが、半径1の単位球の球面上に球面三角形が描かれていて、その全体を拡大して半径rの球としたとき、拡大前後の2つの球面三角関数は相似となり、 球面三角関数の式の両者の違いは、前者に対し後者の辺の長さが180r/π倍になっているだけにすぎない。 そして、その180r/π倍は球面三角関数の左辺と右辺とで相殺されるだけである。 ブレーンワールド(その121) 「量子力学はとても関心をそそられるんですけど、難しいですね。少し疲れました。ちょっと休憩にしましょう」 “ねる”の言葉に反応し、俺はカーテンを閉め、“ねる”に抱きつく。 “ねる”は長崎弁 で咎める。 「あんたん頭の中はそれしかなかと?しょっちゅうそがんことされたら私の身がもたんたい。こがん朝っぱらからホントいやらしか」 “ねる”は少しS気があり、自分の主張を通すときには長崎弁にスイッチする。 “ねる”は俺の腕からするりと抜け、俺が閉めたカーテンを開け、レースのカーテンまで開ける。 秋の透明な光が部屋いっぱいに差し込んで、ワックスがけしたフローリングの床に反射する。 さらに窓も開けながら、「ああ、いい天気、今日は涼しいというか暖かいですね。お散歩に出ましょう」と“ねる”は言う。 この“ねる”は本心をさらけ出してくれて、気兼ねせずに思った事を言い合える。 いや、もっと親密になっていたら、あのねるとも遠慮の入らない仲となり、同じように心を通わることができていたかもしれないな。 いずれにしても、心のコアの部分では優しさと気品にあふれているというのはこの“ねる”にもあのねるにも共通している。(続く) ブレーンワールド(その122) 丘の上にある近くの公園まで辿り着いたら、広々した芝生は日差しを浴びて眩しく輝いている。 大きな黒揚羽蝶が飛んでいる。 斜面を吹き上がってきた突風が芝生を波打たせ、一本の影が前方から背後へと運ばれていく。 黒揚羽蝶はあっという間に遠くへ去ってしまう。 “ねる”も連れ去られるような不安にとらわれて、あの六本木の夜のことがフラッシュバックする。 悟られまいと平然と装うが、体が小刻みに震える。 “ねる”は俺を掴んでベンチまで引っ張ってきて、膝枕に誘導する。 “ねる”は美しい瞳で俺を見つめる。 “ねる”の体臭と香水と柔軟剤の混じった甘美な匂いが漂う。 俺の顔や腹をなでて、心地いい振動を与えてくれる。 「大丈夫ですよ。あなたの傍にはいつも私がいます」と“ねる”の声が優しく囁く。 不安は霧散し、エクスタシーに包まれ、時が止まったかのようだ。 “ねる”が俺の終着駅であってくれと願う。 「ピーッヒョロー」と甲高く鳴く声が聞こえる。 水彩画で描かれたような鮮やかな青空を見ると、トンビがサーマルを捕まえ、高く高く上昇している。 “ねる”は俺の視線の先を追って、見上げる。 「トンビに何をお願いしたの?」と“ねる”はいたずらっぽく笑った。(続く) 昨日は朝から神経をすり減らすような数式とずっと格闘していて、その式とここで使う式とを混同するという錯乱を起こしてしまった。 >>327 のままでかまわない、>>332 のほうが間違っている。 ブレーンワールド(そのi) ねるは身震いしている。 原爆が投下され焼け野原となった地獄絵図がそこにあった。 きのこ雲と火柱が上がっていて、どこもかしこも死人の山となっている。 生き残った人はさらに悲惨だった。 死んだ赤ちゃんを抱きながら、「起きて、起きて」と叫ぶ母親。 熱線によるやけどの火ぶくれが破れ、ボロキレのように皮膚にぶら下がった人。 血の泡を吹きながらのた打ち回る人。 目の玉が飛び出している人。 肉がちぎれ、内臓が飛び出している人。 長崎市にある原爆資料館にねるは来て、その悲惨な状況の写真を見て身震いしている。 けやき坂46および欅坂46の中心メンバーである長濱ねるは長崎県の大使となった。 その仕事の一つとして、原爆資料館を市のホームページで紹介する役割を請け負った。 大使とか仕事とかからではなく一人の人間として、原爆で亡くなった人々に祈りを捧げる。 原爆という悪魔の兵器がこの地上からなくなることを強く願う。(続く) ブレーンワールド(その2i) その後、浦上天主堂に移動した。 カトリックとプロテスタントの合同500周年記念祭が秋に浦上天主堂で行われる予定で、そのゲストとしての予行のために来た。 ステンドグラスからふりそそぐ七色の光は美しく、まるで神の国が目の前に現れたようだ。 小聖堂の中にある被爆マリア像に案内される。 被爆してケロイドとなった皮膚を晒すという自己犠牲をしてまで戦争の悲惨さを訴える人を被爆マリア像は彷彿とさせる。 ねるは涙を流す。 さらに、その後には、長崎と天草のキリシタン文化が世界文化遺産に推薦されたことを受けて、 ユネスコへアピールするために地元のテレビ局の番組への出演をする。 日本の土俗宗教とカトリックとが融合して独自なものとなったキリシタン文化の中心が長崎であることを誇らしく思う。 それらが終わったら、飛行機でとんぼ返りし、東京での仕事が待っている。 充実しながらも、忙しい日々が続く。(続く) ブレーンワールド(その3i) 今いる世界にねるがやって来で数日経ったが、前の世界と今の世界とでは2か月ほどの時差があり、今日は2017年7月22日である。 富士急ハイランド施設内のコニファーフォレストで欅共和国2017が行われている。 ねるはコンサート会場のバックヤードの中にいる。 けやき坂46のメンバー全員を不思議そうにねるは見つめる。 あの11人がそろったときに天啓を聞いて、それに導かれて私はやって来たんだった。 今どうしているのだろうか?順風満帆であってほしい。 バックヤードにやって来た女性マネージャーからねるは尋ねられる。 「例のこと深慮した?」 激務が続いているため、欅坂46かけやき坂46かのどちらか一方に専念するように運営から促されているが、ねるは決断はしかねている。 メンバーにはまだ秘密にされているが、何とはなしに聞いていた東村芽衣が、「アヤ、シンリョってなに?」と尋ねる。 「お医者様に診てもらうことよ」と高本彩佳は誇らしげに答える。 あちゃー、アヤちゃん、それは診療だよ。 「アヤ、物知りやね」と芽衣は言う。 どひゃー、どの世界にいてもアヤちゃんはアヤちゃんで、メイちゃんはメイちゃんだな。二人のおバカは並行世界を超越している。 あっ!ものすごく失礼なことを思ってしまった。心の中だけでだけでも謝っておこう。ごめんね、アヤちゃん、メイちゃん。(続く) ブレーンワールド(その4i) マネージャーの問いかけへの答をねるは考え込む。 ああ、迷うな。でも、恐れはしない。もっと大きな決断をすでに私はしているのだから。 ひらがなメンバーと離れ離れになるのは絶対にできないけど、一人ひとりのメンバーにスポットが当たるためには私がいないほうがいいような気もするしなあ。 「ねえ、みんな聞いて。ひらがなけやき坂を離脱したり、あるいは芸能界に残らない人が出てきても、私たちはいつまでも仲間だよね。 嬉しいときも悲しいときも、近くにいても遠くにいても、ずっと友達でいましょう」 ねるの唐突な呼びかけに他のメンバー全員は一瞬あっけにとられるが、すぐに誰もが同意し、全員が温かい気持ちになる。 ライブが始まり、欅坂46の歌の後、けやき坂16の「ひらがなけやき」「僕たちは付き合っている」が続いて、 また、欅坂46の歌が続き、ねるのソロ曲「また会ってください」が続く。 ねるには休みがない。 ソロ曲が始まると、サイリウムの色がねる個人のシンボルカラーである紫色に一斉に変わる。 そこにねるは幻影を見る。ああこれが私の希望の光だったんだ。 歌い終えると、万雷の拍手が鳴り響く。 歓喜と熱気がねるの身体を満たしていく。 万感の思いがねるの脳裏に去来する。とめどなく溢れては流れ出ていく。その思いは汲めども汲めども尽きない。 この先、何もまだ決めていないし、何が待ち受けているのかも分からない。でも、今はアイドルであることをとにかく心の底から楽しもう!(了) けっこう加筆することになるだろうと思っていたが、予想よりもかなりその分量が増えて、精も根も尽き果ててしまったので、もう小説文は書きたくない。 ただし、もしかすれば、また書きたくなるかもしれないので、スレは当面は維持しようかと思う。 >>299 の出来事が起こった日を9月3日に選んだのは、欅坂46の4thシングルに収録されている長濱ねるの個人PV↓がその日を取り上げているためである。 https://www.youtube.com/watch?v=6vRn72IjRfE >9月3日の夜空におとめ座は見えますか? 9月4日が長濱の誕生日なので、自分の占星月の星座であるおとめ座がその前日の9月3日に見えるのか?と語りかけている。 占星月とその星座が見えるかどうかは、>>12 の「エル・エステ」の中でも説明しているが、少し補足説明をしておこう。 黄道十二宮の決められたその当時なら、9月3日にはおとめ座は日中にだけ出現するので、太陽の強烈な光で見ることはできない。 ところが、歳差が起きていることによって、現在なら見ることができる。 歳差とは太陽による潮汐力によって地球の自転軸の方向がずれることである。 歳差を定量的に求めるのはかなり難しいが、定性的にどういう具合にずれていくのかというだけなら、比較的簡単である。 力のモーメントの向きを外積の向きに定めるということを知っていれば、高校生でも理解できるので、ざっと説明しておこう、 地球とともに公転する座標系でみれば、太陽からの重力と回転による遠心力とが地球の中心ではつり合っている。 ところが、太陽に近い側では重力のほうが、太陽に遠い側では遠心力のほうが大きくなっているため潮汐力が働く。 公転面に対して地軸が垂直なら、その潮汐力は地球を両側から引っ張る力にしかならないが、地軸が傾いているため、偶力モーメントが働くこととなる。 地球を回転させる力の外積の向き(もちろん、地軸の向きである)とその偶力モーメントの外積の向きとを合成させたものが変化後の地軸の向きとなり、 その微小変化をつなぎ合わせていけば、【時計回り】に小さな円を描いて地軸は回転することとなる。 地軸が回転している状態で考えると混乱しやすいので、地軸が回転していない、つまり、地軸の向きが常に一定の方向を向いているとして考えてやる。 そのとき、相対的に天球が【反時計回り】に回転するということになる。 つまり、地球の公転の向きに黄道十二宮の星座はずれていくこととなり、歳月が後のほうにずれていくこととなる。 天の北極から見たとき、地球の公転や自転の向きは実際の向きである【反時計回り】で、 地軸が回転している(その向きは【時計回り】)効果は、それと逆向きに天球が回転している(その向きは【反時計回り】)としていて、錯綜しているので注意しておきたい。 面倒な定量的な計算から歳差の周期(地軸が1回転する周期)は26000年ほどになることは知られているので、 それが天下り的に与えられているとして、西暦2017年における黄道十二宮の星座のずれの値を求めてやる。 占星月が決められたのが紀元前150年ほどなので、 西暦2017年においては、 (2017+150)÷26000×365日≒30日 ということになり、 そして、それは地球の公転の向きと同じ向きにずれるので、1か月ほど後にずれることになる。 ざっくりといえば、占星術でおとめ座に対応する8月23日から9月22日までの期間は現在ではしし座ということになり、 その期間ではおとめ座はしし座から地球が好転する方向へ30°(1か月間に相当)だけずれているということとなる。 そうすると、夕方の短い時間になら、9月3日におとめ座を観ることはできるというわけである。 左図は紀元前150年のときの黄道十二宮の状態で、右図は現在の黄道十二宮の状態である。 中心の赤いのが太陽である。 下の円が地球で、上半分の白い部分で昼に、下半分の黒い部分で夜となっている。 Vはおとめ座Virgoで、Lはしし座Leoである。 右図で、下半分の黒い部分の欠けたところで夕方となっていて、そのときおとめ座は見える。 >>334 の次の一文は、幾度か考え直した。 >“ねる”の体臭と香水と柔軟剤の混じった甘美な匂いが漂う。 最初は体臭の匂いとしていたのだが、生々しくなると思って、前に投稿したものは柔軟剤に変えた。 味気なく物足りないと思って、今回、さらに上のように変えた。 実は、「欅って、書けない?」で高本彩佳が言ったことを実は参照とした。 字句は不正確だが、高本は次のように語っていた。 「私は柔軟剤の匂いが好きなんです。特に、その人の匂いと香水の匂いと柔軟剤の匂いが混じり合った匂いが好きなんです」 で、そのミックスされた匂いが最高なのが守屋茜で、香水の匂いだけがちょっときついのが加藤志保だと言っていた。 「ブレーンワールド」の中で、高本彩佳と東村芽衣をおバカあつかいにして悪かったが、 あくまで学校のお勉強はできないというだけで、けっして二人とも頭は悪くない。 東村に関してはぱっと思いだせないが、高本に関しては初期のブログは読んでいて面白かった。 頭の中から泡のように浮かんでき考えに向き合って、未消化のままだが誠実に自分の深層心理を表現していた。 整理して書けたらもっとよかったんだが、深層心理を引き出すというのは難しい作業で、訥々と語るように書くというだけでも馬鹿にはけっしてできない。 自分を見つめ直す時間がコロナ禍のおかげでできたといったようなことを最近もブログに書いていたが、うまくまとめなくていいからもう少し掘り下げて書いてほしいとこだったな。 日記のように自分のためだけに書こうとしてもそんなにやる気は起きない。 けど、誰かに見せる、とりわけ不特定多数の者に見せるということであれば、自然と絞り出そうとする。 後で見返したとき、自分がこんなことまで考えていたんだなあと思い出すことができれば、感受性が深まっていく。 人というのは慣れによって感受性が弱くなってしまうが、書いていくことを続ければ、感じる能力が深まっていく。 感じたから書くのだけど、また書くことで感受性が磨かれていく。 絢音の今日のブログで次のような記述があった。 >最近、銀河系には少なくとも36の知的文明が存在するはずだ、という研究報告がありましたが、現在の技術では信号を検知することも不可能とのこと。 >私が生きている間に交信することは出来ないようなので、星が綺麗に見える場所に行きたいな、と思う今日この頃です。 概算で知的文明間の距離を計算してみる。 天の川銀河の半径を5万光年、厚みを千光年とする。 その体積は、 50000^2×3.14×1000=7.85×10^12 36の知的文明が存在するのなら、その平均の占有体積は、 7.85×10^12÷36=2.18×10^11 よって、知的文明が存在する星と星と平均距離は、 (2.18×10^11)^1/3≒6000光年 地球から最短の知的文明の星までの距離もその平均程度だとすれば、往復に要する時間は6000×2=1万2千年となるので、 絢音が生きている間には交信できないというのは正しい。 リライトする前の「ブレーンワールド」が終了したのが2017年の春ごろだったので、2017年の秋のことはいい加減なことが書けた。 だからKAGRAは稼働しているし、欅坂かけやき坂かの長濱ねるの去就もまだ決定していないという設定にできた。 今回リライトするにあたってその修正は苦肉の策だった。 KAGRAの代わりにtama300を重力波検出装置として登場させたり、ねるの世界と“ねる”の世界とに2か月の時差を設けたりした。 なお、先週の「サイエンスZERO」予告にtama300の様子が一瞬だけ映っていたので、明日の放送でおそらく紹介される。 長濱ねるのサイリウムの色は紫×紫であることは2017年当時は誰でも知っていると思ったので前はあえて書かなかったが、今回は>>339 で明記した。 というのも、長濱が欅坂を卒業した後に、サイリウムカラーを紫×紫に丹生が変更していたため、混乱が生じると思ったからだ。 日向坂(けやき坂)で長濱のサイリウムカラーを受け継ぐということは、大袈裟に言えば、オリックスでイチロウの永久欠番の51を受け継ぐのと同じようなものだが、 長濱ほどではないにしても丹生もかなりの人気メンだし、先輩からも同期からも後輩からも好かれるという丹生だから、長濱もきっと喜んでいただろうと思う。 ところが、2020年11月2日の丹生のブログでサイリウムカラーの変更の告知があった。 >以前は紫×紫だったのですが、今年に入ってくらいからずーっと悩んでおりまして、 (中略) >これから丹生のサイリウムカラーはオレンジ×オレンジとなります 長濱ももしかすれば残念がっているかもしれないが、日向坂のライブに長濱が登場する可能性が出てきたようにも思える。 もちろんメンバーとしての復帰はほぼ100%ないと思うが、ゲストとしてステージに上がる可能性はありな気もする。 柿崎や井口も一緒に上がってくれればより嬉しいが、さすがにそれは無理かな? ソロ曲に加え、一期生と共に「ひらがなけやき」を、日向坂メンバー全員と共に「誰よりも高く跳べ」を歌ってくれれば言うことはない。 ソロ曲のとき、会場が紫一色に染まったら、丹生のサイリウムカラーの変更が生きてくることになる。 「丹生ちゃんはサイコパスか?」というスレが最近まであったので、それについて考えてみる。 サイコパスというと悪いイメージだけを持っている人も多いと思う。 6年前だったと思うが、NHK Eテレの「白熱教室」で常識とは少し違った見方をしていた。 サイコパス特性が強い者の率が多い職業の第1位が企業の最高責任者で、第2位が弁護士だった。 全ては覚えていないが、ベストテンの殆どが、聖職者・外科医・救急隊といった社会的にステータスの高い職業だった。 そして、サイコパスの特性は凶悪犯よりも社会的に成功した者のほうにより多くみられるということも言っていた。 また歴史的な偉人の中にもそこそこにはサイコパス特性があるという。 イエス・キリストもサイコパス特性がある人物とされていた。 ただし、その特性があまりにも強すぎると、ヒットラーとかヘンリー8世のような残虐者となってしまうようだ。 【同情心の欠落や自己中心的な傾向】といった邪悪なファクターがサイコパス特性にはある。 暴力や精神的虐待といったトラウマが未成年期に根付くと、それがトリガーとなって、そういう邪悪なファクターが表面に出る。 ただし、その性質は現れるとは限らない。 エピジェネティクスに譬えてそういうことを説明していた。 エピジェネティクスとは、ざっくり言えば、遺伝子のオン・オフを環境が行っているというものである。 たとえば、がん遺伝子の多寡は人によるが、がん遺伝子を多く持っている人でも、 煙草はいっさい吸わない、酒はほどほどにするという具合に節制すれば、がんになるとは限らない。 それと同じようにサイコパス特性が強くても、ちゃんとした育てられ方をされていれば、残虐者にはならない。 否、それどころか社会的に有用な人間となりえる。 というのも、【冷静さや集中力や説得力や大胆さやストレス耐性】といった有益なファクターもサイコパス特性にはあるからだ。 反社会的なことと結びつかなければ、サイコパス特性は社会で成功するためには不可欠なものであるようだ。 社会的に成功するためには、特定の職業に対する能力だけでなくその能力を最大限に活用できる人格が必要であるというのは言うまでもない。 カリスマ性、プレゼン力、コミュ力、戦略好きといった社会で成功するのに必要な人格とサイコパスとの間には強い相関関係があるという。 馬鹿もくせに自信満々という奴を学生時代に誰でもよく目にしていたんじゃないか? 実力は全くないのにコミュ力抜群のシューカツ番長とか、中身ゼロだがプレゼンで聴衆を惹きつける湘南SFC野郎とか。 久しぶりに会ってみると、そこそこには成功している。 たとえ、その職業に必要な能力を持ち合わせていないとしても、サイコパス特性があれば、ゴリ押しとハッタリで成り上がれるからだと思う。 さらに、その職業に高い能力があり、サイコパス特性もあれば、社会的に成功する確率はきわめて大きくなるはずだ。 さて、丹生についてである。 金曜日の夜のラジオはすべて聞いたが、もう数年間はラジオパーソナリティをやっているかのような見事な喋りっぷりだ。 喋ったことを文字起こしして、それを読んだらおそらくつまらないだろうが、音声でなら惹きつけられ、次が待ち遠しかった。 また、一人でのテレビの外仕事も丹生はすべてうまくこなしている。 >>353 に挙げた【冷静さや集中力や説得力や大胆さやストレス耐性】というサイコパス特性があるからだと思う。 そして、金持ちの上品な家で育ったというのとは少し違うだろうが、温かい家庭で大切に育てられたというのは間違いなさそうだ。 そのため、【同情心の欠落や自己中心的な傾向】といった悪いファクターはまったく顕在化していない。 結論を言う。 丹生にはサイコパス特性があると個人的には思っているが、いい面だけが出ている。 うまく使いこなせば、人前に出るアイドルにはサイコパス特性は大きな武器である。 何十年も専門としている研究者くらいしか超紐理論(超弦理論)は理解できないというから、当然その関連の理工書は読んでいない。 知識を仕入れたのはいくつかの啓蒙書からである。 全て図書館で借りて読んだので、手元にはなく、思い出す限り挙げておく。 (1)エレガントな宇宙 ブライアン・グリーン (2)隠れていた宇宙(上・下巻) ブライアン・グリーン (3)奇想、宇宙をゆく マーカス・チャウン (4)数学的な宇宙 テグマーク (5)宇宙は何でできているのか 村山斉 (6)宇宙はどのような時空でできているのか 群和範 (7)不自然な宇宙 須藤靖 マルチバースや並行宇宙に関しては特に(4)が詳しくて面白いが、相応の理解や知識がないと読みこなすのは厳しいと思う。 また、テグマーク独自の科学哲学も理解するのにかなり骨が折れる。 この類の本はだいたい1時間あれば読破できるが、(4)だけは読み終えるのに3時間以上はかかった。 (7)が、(4)の内容をコンパクトにまとめていて読みやすいので、興味ある人には勧めたい。 ■ このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています
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