(2)計算は球面幾何における三角関数の式を使う。
球面幾何の三角関数の式は平面幾何のものよりは複雑で、理解するためには三次元空間の把握能力も必要だが、それ専門の理工書を見れば誰でも理解できると思うので、ここでは割愛する。
ただ、角距離を球面三角形の辺の長さなぜしていいのか?というのはよく尋ねられるので、簡単に説明しておく。
基本的には球面上の球面三角形の辺の長さは、平面の場合と同じように、実際の長さを使わなければならない。
半径1の単位球では、その球面上の2点間の距離は角距離をラジアンで表したものに等しい。
天球の半径は1ではないし、用いる角度もラジアンではなく度を用いるのが普通だ。
だが、半径1の単位球の球面上に球面三角形が描かれていて、その全体を拡大したとき、拡大前後の2つの球面三角関数は相似となるので、球面三角関数の式は全く同じとなる。
また、sinやcosの中身はラジアンでも度でもどっちでもかまわない。
したがって、天球上の角距離を度で表したものを球面三角形の辺の長さとしてもかまわないことになる。