ブレーンワールド(その68)
2017年の3月28日のメールを開いた。
「例の孫娘さんを使って、先生が今度行われる池袋の書店でのトークイベントに長濱ねるを参加させることに成功したようです。
何か手がかりが見つかれば、ご一報ください。
なお、長濱ねるには公安警察で常時、監視を行うことにしました。総理の許可もいただいております」
ウザ女が意図的にねるから情報を引き出していたとは思えない。知らず知らずのうちに操られていたと考えるのが妥当だろう。
それにしてもあのストーカー男は公安だったのか!
悪質な巨大宗教団体はたしかにあるが、日本を転覆しようと企てるほどのカルト宗教は今は存在していない。
デモや組合活動で国に反旗を翻す左翼は多いが、テロ行為でクーデタを起こそうとするほどの暴力極左は今はいない。
だから、公安は用済みになりかけているというのはよく聞く。
そこで、自分たちの組織の延命を謀るために、どうでもいいような人間を人権無視までして監視して仕事をしている振りをするという噂もある。
そのターゲットとしてねるを監視していたのか。
吐き気にも似た不快感が喉元に上がってきて、次いで激しい怒りが沸きあがった。(続く)