日本中央競馬会(JRA)は9日、騎手が開催日前日に入室する調整ルームへのウーバーイーツ、出前館、ウォルトなどのフードデリバリーサービスの注文を全面的に禁止することを決めた。騎手を始め、調整ルームに従事するすべての職員にも適用する。地方開催の場合はJRAが指定したホテル、自宅からもフードデリバリーを利用することができなくなる。
JRAは「公正を期す観点から外部との接触を遮断することを徹底させるため」としている。地方競馬全国協会(NAR)では2020年7月より全面禁止にしているが、JRAが正式に通達したのは初めて。
フードデリバリーに関するトラブルは2021年に栗東で岩田康誠騎手がウーバーイーツの配達員への職員の対応をめぐり、職員の胸ぐらを掴んで恫喝する行為で過怠金3000円、岩田望来騎手が同様の案件でトラブルを起こし規定違反で過怠金1万円、美浦でも戸崎圭太騎手がフードデリバリーによる規定違反で同じく過怠金1万円の処分を受けている。
またトレセンでは木村哲也調教師が出前館の配達員に対応の不手際に腹を立て殴る蹴るの暴行に及んでいるが不起訴処分となっている。
JRAは「公正なレースと運営の観点から今後も不備な点は徹底して是正していく」とコメントしている。