御輿の左右に3人ずつ、先頭の2人は何度か参加したことがあるらしい人が立つ。俺は右側の真ん中。
自治会のおっさんの説明もそこそこに、御輿は境内から出発する。
この神社の参道には、どんな謂れがあるのかは知らないが北側だけに狛犬が何体も並んでいる。横を通りすぎるたびに狛犬に睨まれてるような気味の悪さを感じて、俺はなるべく前だけ見るようにして鳥居へ向かった。
鳥居を抜け夕暮れの町内を御輿は進む。見物人はほとんど居ない。なんせ掛け声さえ出さない巡幸なので、神輿が通っていることさえ誰も気づいてないのだろう。