ランヌは「会戦の日の元帥は兵士の目に晴れの日の花婿の如く映らなければならない」という独特のポリシーがあった
豪華な元帥用の軍服だろうが礼服だろうが少しでもダメになると容赦なく廃棄していた
服代がかさむのは当然のことで、いつの間にか借金まみれになってしまった
借金取りから逃げ回る元帥という珍妙な光景があちこちで目撃されたという
見かねたオージュローが無償で大金を用意してくれたけど、またすぐ借金が増えた
とうとう借金取りが皇帝の執務室に泣きながら押し掛けるという騒ぎになってしまった
ナポレオンはこの時点で重度のアル中でギャンブラーのラサルの借金を肩代わりしていたのだが…
借金取りがあまりにかわいそうなのでランヌの借金も肩代わりしてやることにした
なお、ランヌの服代は生涯にわたって減ることはなかったのであった…