ある日君はいつものように、笑いながら言った。
「ほら、見て今日も『あたりのキッチンの清美とセックスしたい』って書いたよ」

「あまりパソコンばっかいじってると身体に障るよ」
なんて僕が注意すると、

「ごめんねえ。 でもね、これ見てよ。
 ほらこのひと、僕はボルマン隊長!なんて言っちゃってさぁ、ふふ」

僕は黙っていた。君がすごく楽しそうで、僕は何も言えなかった。

「ほらみてこっちのひと、カボくんのキンタマ潰したい!だって。
 かわいいねえ。 ふふ。」

僕はまだ黙っていた。笑う君を見て、どうしようもなく悲しくなった。

「憶えててくれるかなあ」 君がふと言った。

「…このスレのひと、私がいなくなっても、『あたりのキッチンの清美とセックスしたい』
 なんて、憶えててくれないかなあ……無理かな……憶えてて、ほしいなぁ……」

それから数ヶ月後、君は家族と僕に見守られながら息を引き取った。
君はもうこの世に居ない、なのに僕は今アフタスレを開いている。

君の事を、アフタスレのひとが忘れないように、いつまでも、いつまでも忘れないように。

天国にいる君と一緒に、今ここに刻み込む
『あたりのキッチンの清美とセックスしたい』