自己統制を長年強いてきた理由は罪滅ぼしの理由以外に、他者を演じることで強い自己嫌悪から一時的に目を逸らせられる効果もあったのでは
防衛本能から発する暗示が辛うじて自己への破壊衝動を抑制してきたのであれば、呪縛ともいうべき姉の影が消えた瞬間、それは解放ではなく長年抑圧され不在とされてきた七海燈子自身を直視することになる
そこに不安や恐怖を感じたとしても仕方ないのでは