野菊は野菊で母親の足跡を辿っていくうちに、今までの認識を改めざるを得ない状況になっていく展開だから何とも。

病床で弱りながらも自分を慈しみ愛を注いでくれた『美貌を奪われた母親』こそ、自分たち母娘の人生を狂わせた女だった。
しかも、その女と母親は仲の良い姉妹の如く常に寄り添い合って生きていた。

その女の娘を助けるために本物の母親は命を失ったが、自分はその女の娘が受けるはずだった愛情を一心に受けて育っていた……この事実を知ったら、ただでさえ混乱が収まらない野菊はますますパニックに陥るのでは。