幾を叩いたところで、彼女のポジションが累にとっての祐天上人であることには変わらないのに。

彼女が真摯に累と向き合い、認め、抱えるコンプレックスを受け止めた。
その上、コンプレックスから生じるあらゆる負の感情を共有しようと演技でぶつかった。

累の醜さを嘲笑うことも怯むこともなく、ひとりの人間として向き合った2人目の人物が幾。
最初に向き合った透世が累の命を救ったのであれば、次に向き合った幾が累の魂を救う流れになりつつある。