https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00109/042100212/
脱炭素が本命、EVは手段

佐藤恒治トヨタ自動車社長(以下、佐藤氏):
説明会で一番自分の思いを込めたのはそこです。CO2を減らすことが我々がやるべき一番大切なことであり、電気自動車(EV)がどうなるかなどはすべて手段の話です。

結局、EVへの投資規模やEVを何台売るかということも方法論にすぎません。それは状況が変われば、変わるものです。あるときに目標としていたものについて、それが達成できたか、できなかったかだけをトラッキング(追跡・検証)されることに対して違和感があります。

 我々がトラッキングされるべきなのはCO2の削減であり、それには全力で取り組みます。ですが、実現するための手段は「状況に応じて変える」と言いたい。脱炭素は我々が取り組むべき「1丁目1番地」で、いかに実行できるかだと思います。

 実際、我々は既に19年比でCO2を約30%減らしています。これはハイブリッド車(HV)の生産コストを下げて普及させ、収益性とCO2の低減を両立していることを表しています。この先も脱炭素へ向けて一定の方法論を持ちながら進めますが、もし目標に届かないようなら戦術を見直せばいいのです。