自動車会社名を言うと、大衆が思い浮かべる象徴的な商品・技術がある。トヨタの「プリウス」、日産の「e―POWER」、マツダの「スカイアクティブエンジン」などだ。
ところが、今のホンダにはそうした「顔」となる独創的な商品・技術がなく、ファンを失望させている。

 そして、株価も低迷中だ。直近の2019年1〜3月期決算で四輪事業が530億円の赤字に陥ったことも影響している。
ホンダのモノづくりは、二輪、四輪、汎用(発電機など)で構成され、売上高の7割を占める主力の四輪が赤字に転落し、その理由は一過性のものではなく、過剰設備と開発コストの高さという構造的な要因だから事態は深刻だ。
不振の理由をさらに突き詰めていくと、ブランドイメージの良さにあぐらをかき、挑戦的な社風が消えてしまったのだ。典型的な大企業病とも言えるだろう。