>>262
インプットおよびアウトプットシャフトそれぞれに、ドライブ/ドリブンギヤを設けておき、間にインターミディエイトシャフトを加えて1速の伝達経路を形成するから。
インプットシャフトとドライブギヤ間、およびセカンダリーシャフトとセカンダリープーリー間に湿式多板クラッチを持っており、これをハンドオーバー制御することで、トルクフローを切り替えるんだなこれが、凄い。
インプットシャフトとプライマリープーリーの間に解放機構はないため、ギヤ伝達経路を使用している際にもプライマリープーリー〜ベルト〜セカンダリープーリーは回転するが、セカンダリープーリーとシャフトの拘束が解かれるため、そこでトルクフローが途切れる。
プライマリープーリー側にクラッチを付けて、CVTの伝達経路を止めてしまったほうが損失は少なくなるが、ここを回しておかないと、ハンドオーバーする際に、いろいろ問題が出てきそうなんだけどね。
ちなみにトヨタが公開している動画では、インターミディエイトギヤがシフトフォークで切り放される様子が見られるが、これはベルト駆動時に、ドリブンギヤからドライブギヤ方向に回転力を逆流させないための構造。
実走行で多用するベルト駆動領域でここを切り放さないと、引きずり抵抗が大きくなって効率が低下するため、MTと同じシンクロ+ドグクラッチ機構をここに設けているわけ、わかる?
このトランスミッションを初めて見たとき、プーリーとベルトのコンパクト化を図るのが主目的なのかと思った。
負荷が最大となる発進時をギヤに負担させれば、ベルトやプーリーの強度は落とせるし、滑りのリスクも減るから、ベルト挟圧を生み出す油圧も下げられ、機械損失も下げられるからだ。そういう効果もあるとのことだが、主目的はレシオカバレッジの拡大、マジで。
それでもプーリーの小径化やベルト幅の縮小で駆動系の慣性を40%減らせたというから、効果は決して小さくない。
挟み角を狭めれば、同じプーリーの変位幅でレシオの変化量が大きくなり、変速応答が速くなる反面、制御がシビアになる理屈。
燃費をハイブリッド仕様と較べたところ、概ね2割落ちという感触だったから「約6%の燃費向上」という公表値に偽りはなさそう。

理解した?