このようにレヴォーグはメリットの多いクルマだが、いくつか欠点も見受けられる。
■CVTのステップ変速は、意味がないし楽しくないし

まずはCVTだが、無段変速なのに、ステップ変速と呼ばれる有段式を真似するような制御をしている。
Dレンジで加速しても、エンジン回転が高まるとシフトアップするかのように一度下がり、再び上昇する上下動を繰り返しながら速度を高めていく。

この制御はメリットがない。停車状態でフルにアクセルペダルを踏み込むと、ステップ変速を開始した時点で、速度は制限速度に近い領域まで高まっている。ステップ変速を満喫していたら速度違反になってしまう。

そして本物の有段ATではないから、ステップ変速といってもメリハリと切れの良さが乏しく、全然楽しくない。

さらに明確な欠点もある。CVTの加速性能におけるメリットは、アクセルペダルをフルに踏み込んだ時、最も高い性能を発揮できる回転域を維持しながら、速度を高めていけることだ(低燃費走行をする時も、燃費効率の優れた回転域を保てる)。
しかしステップ変速をしたら、効率の良い高回転域を維持するメリットが損なわれてしまう。

レヴォーグにはパドルシフトが装着されて疑似的なステップ変速ができるのだから、Dレンジにまでこれ持ち込む必要はない。スバルは技術指向の強いメーカーで、デザインまで含めて理詰めのクルマ造りを行うが、ステップ変速はこれに反する。