「量産地獄」に苦しむテスラ、コスト削減道半ば
http://mw.nikkei.com/sp/#!/article/DGXMZO23039980S7A101C1000000/
「電池のラインで契約先がへまをやらかした」。会見でマスク氏はぼやいた。
EVの中核部品である蓄電池のコスト削減がいま直面する最大の壁だ。蓄電池の温度を最適に調整し、劣化を最小限に食い止める冷却システムはテスラの大きな強み。
モデル3ではこの設計を変えてコストを大幅に下げるはずだった。だが、関係者によれば現時点でうまくいっていないという。

 テスラのあまりの要求の厳しさに取引先が逃げるのは今に始まったことではない。電子部品大手の担当者は「テスラは原価を下回る価格をふっかけてくる」とあきれ顔だ。
テスラはトップダウン式にモデル3の価格を3万5千ドル(約400万円)と決め、そこから逆算して部品の調達価格交渉に入る。
将来的に100万台を超える成長性をエサに強気の交渉を持ちかけるが、あまりに非現実的な条件で取引先に拒否されることも多い。

 別の日本の電子部品大手の技術者は「テスラに納入している部品はまだ試作品レベル。量産仕様には全くなっていない」と明かす。
量産計画はさらに大幅に遅れる可能性も十分ある。テスラが挑んでいるのは3年で生産を現在の10倍の100万台にするという無謀にも見える目標だ。