日産、4千台追加リコールへ 検査員増員が出荷再開の前提(産経)
                      2017.10.21 00:05
http://www.sankei.com/economy/news/171021/ecn1710210002-n1.html

新車の無資格検査問題で日産自動車は20日、近く国土交通省へ追加リコール
を届け出る準備に入った。「是正した」と表明した9月以降も無資格検査を
続けていたことに伴う措置で、販売した約4千台が対象になる見通し。完成
車の国内全6工場で国内向けの出荷も停止。再開には再発防止策の履行が前
提になるとみられ、約300人という完成検査員の増員も焦点となる。

日産の問題について菅義偉官房長官は20日の会見で「ユーザーの信頼を著し
く損なうものであり、極めて遺憾だ」と非難。

再発防止策としては、セキュリティーゲートで完成検査のラインへの立ち入
りを制限し、資格のある検査員しか入れないように管理を厳重にする。指紋
認証の活用も検討。管理が徹底されているか外部機関に監査してもらう方針だ。

大手証券の試算では、2週間の生産停止により、販売で2万台、営業利益で
100億円の減少要因になるという。米格付け会社スタンダード・アンド・プア
ーズ(S&P)は、「格付けへの影響は限定的」としながらも、「出荷再開
の遅れや、ブランド毀損(きそん)による大幅な販売台数減」に懸念を示した。

日産の完成検査員の資格者は500〜600人程度で、うち工場で従事する
のは約300人。SUBARU(スバル)の資格者は約250人、マツダは約600人
としているが、生産規模に対して日産は少ないとの見方もある。従事者の少
なさが問題の一因となった可能性は否めない。

検査員の資格の認定基準は自動車各社が独自に定めているが、日産幹部は「
他社と比べて資格を取得するまでが大変なルール。それが人手不足などで維
持できなくなっていた」という。