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トヨタ、商用燃料電池車を拡充 定期ルートに水素供給網

 燃料電池車(FCV)の普及に弾みをつけようと、トヨタ自動車は二〇二〇年以降、商用車を中心に
FCVの車種を拡大させる。小型バス「コースター」をベースにしたバスを皮切りに、トラックや
ライトバンなどの発売を検討する。燃料となる水素の需要を産業分野から増やし、水素供給網を拡充。
乗用車タイプのFCVの本格的な普及につなげる。

 トヨタは一四年十二月にセダン型の「ミライ」を世界に先駆けて発売。商用車ではミライの燃料電池
システムを転用した大型バスを販売し、大型トラックも運用の実証実験が今年十月から米国で始まった。
二〇年以降は商用車専用の燃料電池システムを開発、小型のバスやトラックへの搭載を検討している。

 ミライも二〇年をめどに全面改良する。発電に使う燃料電池を小さくして水素タンクの配置を変える
ことで現在の四人乗りを五人乗りに改善する。水素タンクの数を増やして搭載できる水素の量を増やし、
満タンでの航続距離を現行の六百五十キロより大幅に長い「八百キロ以上にしたい」考えだ。人気の
高いスポーツタイプ多目的車(SUV)や高級ブランド「レクサス」のFCVも構想している。

 トヨタはエネルギー関連企業などと手を組み、二〇二二年三月末までに、新たに八十カ所の
水素ステーション整備を計画。これに合わせFCVの車種拡大とインフラ整備を進めていく。
政府も二十六日に水素の普及に向けたビジョンを示す「水素基本戦略」を策定。燃料電池を使ったバスや
フォークリフトに力を入れ、三〇年度に水素ステーション九百カ所の整備、FCV八十万台の普及目標を
掲げ、水素の販売価格を引き下げていく構えだ。
http://www.chunichi.co.jp/article/front/list/CK2017122702000100.html