古くて重い石の墓石のような匣(はこ)を選んだ場合

匣(はこ)開封から程なく、メリーは悪夢を見るようになる。悪夢の最後には必ず蓮子が死ぬ。

そうして目を覚ますと、夢で見た内容をそっくりなぞるかのような出来事が現実にも発生する。
その都度、夢と異なる微かな事象が発生し、辛くも事なきを得る。こんなことがたびたび続いた。

ここにつけメリーは、匣を開放したことで、「予知夢を見る程度の能力」が開眼したのだと悟る。
そして同時に、自身の家系を思い出す。メリーの一族は有史以前より世界中で災厄を生んできた。
蓮子に降りかかる災禍もまた自分のせいだと感じたメリーは、何も告げず、蓮子の元を去る。

一方、突如消えたメリーが消えたことに激しく動揺した蓮子は、血眼になって行方を追った。
そしてようやく見つけた彼女に「二人一緒なら何も怖くない!」と、男前発言で愛を叫んだ。

こうして無事に蓮子の手元に舞い戻ったかに見えたメリーだったが、その後まもなく自殺する。

蓮子の情熱を受けて「やはり自分は蓮子無しでは生きられない」と改めて確信したがゆえに
メリーは蓮子の元へと戻り、そして蓮子を不幸にしないために、自ら命を絶ったのである