思春期に「自分の家族は社会的地位が高い」と評価するほど人は健やかに育ちやすい

「思春期の若者が自分の家族の社会的地位をどのように評価しているのか」が若者のメンタルヘルスや
教育・仕事へのモチベーションに大きく影響するという研究結果が発表されました。
18歳までに自分の家族の社会的地位を高く評価した若者は、精神衛生面の問題が
少ない傾向にあったとのことです。

デューク大学医学博士課程のジョシュア・リベンバーク氏が率いる研究チームは、1994年から
95年までにイングランドとウェールズで生まれた双子2232人を追跡しました。研究チームは
双子が12歳と18歳になった時に、「家族の社会的地位」に対する双子の評価、そして双子の
メンタルヘルスと教育成果、社会的成果を調査しました。

調査の結果、18歳の段階で家族の社会的地位に対する評価が高いほど、メンタルヘルスも良好で
教育成果・社会的成果も高い傾向がありました。この傾向は12歳では見られず、子どもが家族の
社会的地位から影響を受けるのは思春期の中期から後期だと、研究チームは論じています。

また、双子は同じ家庭の中で育ちますが、それでも多くの双子の間で家族の社会的地位に対する
評価が異なることがわかりました。双子の間でも、家族の地位を高く評価している方は、自身の
兄弟よりもメンタルヘルスの問題が少なく、教育機関での学習や仕事の訓練をちゃんと受けている
パターンが多く見られました。

さらに、若者のメンタルヘルスや社会的成果は、客観的に評価された「実際の家族の社会的地位」とは
関係なく、あくまでも若者自身が家族に対して抱いた主観的な評価に左右されていることも
わかったと研究チームは主張しています。

つまり、思春期の時に「自分の家は恵まれている」と認識していると、精神的に健康に成長し、
学習や仕事へモチベーションも上がりやすくなるというわけです。リベンバーク氏は「幸福に関する若者の
認識が、同じ家族の子どもたちが共有する環境的・遺伝的要因と同様に大きな影響を与えることが
わかりました」とコメントしました。

https://gigazine.net/news/20200116-teen-family-standing/