岸田文雄首相の長男で政務秘書官の翔太郎氏や親族らが昨年末、首相公邸で「忘年会」をしていたと文春オンラインが報じた問題で、松野博一官房長官は25日午前の記者会見で「報道にあるような行為は適切さを欠くものだ。今後このようなことがないよう、(公邸の)適切な使用管理を徹底したい」と述べ、事実関係を認めた。

 文春オンラインが24日に配信した記事によると、翔太郎氏が親戚ら10人以上を公邸に招き「忘年会」を開催。掲載された昨年12月30日付とされる写真は、赤いじゅうたんが敷かれた階段で翔太郎氏が親族らと記念撮影したものや、親族の一人が階段に足を伸ばして座っているものだ。

 松野氏は会見で「岸田(翔太郎)秘書官に対しては、総理から厳しく注意されたと聞いている」と説明する一方、「一層の緊張感を持って職務に当たっていくものと承知している」として、処分や更迭はしない考えを示した。

 朝日新聞の首相動静によると、首相はこの日午後5時46分に公邸に入り、それ以降の動きはなかった。松野氏によると、首相は私的な居住スペースでの食事の場に顔を出し、あいさつをしたという。

 翔太郎氏はこれまでも「公私混同」を指摘されている。今年1月、首相の外国訪問に同行した際、パリやロンドンで大使館の公用車を使って観光名所を巡ったり、高級百貨店で土産物を購入したりしていた。

朝日新聞
2023/5/25 11:43
https://www.asahi.com/sp/articles/ASR5T3S9TR5TULFA003.html