統一地方選挙前半戦で奈良県知事戦をはじめ、大阪府議会・市議会で単独過半数をとり、関西圏で議席を伸ばした日本維新の会。後半戦でも首都圏で議席を伸ばし、全国で774議席を獲得。我が世の春を謳歌しているかと思いきや、足元で新たな火種が燻っている。

フライデーデジタルで’22年6月に報じた事件(『日本維新の会が「殺人未遂で逮捕」の秘書を党職員として再雇用』)が、驚きの展開を見せているのだ。

事の経緯を振り返る。

’21年4月、梅村みずほ参議院議員(44)の公設第一秘書のA氏が大阪府内に住む友人B氏の新築祝いに招かれた。友人とA氏は同い年。家族を伴って楽しい会となったが、近くのバーに行って新築の邸宅に戻ってから酒に酔ったA氏はB氏と口論となった。深夜1時ごろのことだ。

その会には他の同級生C氏、A氏の兄の知人・D氏も参加しており、「酒飲んでんのやから、代行呼んで帰りや」と皆で諭すと、A氏は妻から愛車スカイラインのキーを受け取り、自ら運転して帰路についたという。だがその後、信じられない悲劇が起きる。

「クラクションの音がしたので、Bが様子を見に外に出るやいなや、Aにスカイラインで轢かれたのです。AはBを2度轢いたようで、もう一回、急ブレーキの音がした。慌ててCとDさんが玄関から飛び出すと、ボンネットに跳ね上げられたBをAが路上に引き倒して馬乗りになり、ボッコボコに殴っていたんだとか。見かねたDさんが暴れるAの顔面を蹴ってBから引き離し、110番通報を受けた警察官が来たのですが、その頃には皆、冷静になっていたので『友だち同士なので自分たちで話し合います』『酔ってました』と、いったん警察官には帰ってもらったそうです」(B氏の知人)

B氏の知人が表情を曇らせながら続ける。

「Bの家に戻ると、Aは『殺すつもりで轢いた』と打ち明けて、みんなを驚かせたそうです。ただ、『秘書を辞める』と反省している様子だったので、そこで解散となった。問題はその後ですわ。なんとAは『蹴られたせいで左目が見えなくなったから病院に行く』とBに電話でクレームを入れてきたのです。『お前がそういう態度でくるなら、わかった。俺も動くわ!』と激高したBは警察に相談。Aは殺人未遂容疑で逮捕されました」

A氏の妻の父、つまり義父は当選10回超の大阪維新の会の重鎮。この前代未聞のスキャンダルで維新の看板に傷がつくのを恐れてか、A氏の父は泣き落としでB氏に示談を持ちかけてきたという。

「Aのお父さんは『息子は反省しとる。矛を収めるようBを説得してくれんか』とBの友人たちにも接触してきたんだとか。当初、A氏側が用意した示談金は100万円。額はひとまずおいといて、Bを怒らせたのは示談書の内容です。『Aは車をBにぶつけてしまった』と書かれていたのです。本人が『殺すつもりで轢いた』と言っていたのに『故意じゃなかった』と。もちろん、Bは拒否しました。検察会議というんですかね? 起訴するかどうかを決める会議の前日になって示談金の額が500万円に上がり、『故意に轢いた』と示談書の内容も修正してきたそうです。それならば、と皆でBを説得して、ギリギリのタイミングで示談が成立したのです」(B氏の知人)

拘留中、面会に訪れた知人にA氏は泣きながら謝罪。目の治療費の話になっても、「そんなことを言い出すつもりはない」と恐縮していたという。5月14日に不起訴となった後、A氏はあらためて知人らに「この度はご迷惑をおかけしまして、本当に申し訳ございませんでした」という趣旨のメッセージを送った。

その後、A氏は梅村事務所を退職したが、大阪維新の会の党本部職員として採用され、広報・報道を担当。示談の1ヵ月後、件(くだん)の記事をフライデーデジタルで公開した。

当時、大阪維新の会は本誌取材に「起訴猶予であり、示談も終え本人も反省しており、職務経験も踏まえて採用しました」と答えていた。

「A氏の義父は松井一郎前市長と自民党時代からの仲。松井さんにモノ言える大物府議ですからね。維新は政党として急拡大していて、実務を担える人材が不足していた。おとなしく職員として働いてくれるなら……と思ったのですが、A氏は全くといっていいほど反省の色がないですし、むしろ自分が被害者のような発言をして、周囲を引かせていました」(維新関係者)

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FRIDAYデジタル
5/19(金) 12:00
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