結党100年を迎えた共産党は政敵の安倍晋三元首相を失ったことで、闘争心の持って行き場に苦慮しそうだ。「のれんに腕押し」の岸田文雄首相とは対照的に、歯に衣(きぬ)着せぬ発言を売りにする安倍氏は、共産にとって元気の素≠ナあり続けたからだ。最近は憲法改正に前向きな日本維新の会や国民民主党への攻勢も強めていたが、安倍氏を上回るライバルに育つ可能性は低い。

「内政でも外交でも全面的に礼賛する立場での『国葬』を行うことは、国民の中で評価が大きく分かれている安倍氏の政治的立場や政治姿勢を、国家として全面的に公認し、国家として安倍氏の政治を賛美・礼賛することになる」

共産の志位和夫委員長は15日に発表した談話で、安倍氏の国葬に反対する考えを鮮明にした。また、「安倍氏の在任時に内政・外交政策の全般、政治姿勢に対して厳しい批判的立場を貫いてきた」と指摘した上で、「岸田政権がその基本点を継承することを言明しているもとで、今日の日本政治の問題点そのものだ」とも訴えた。

https://www.sankei.com/article/20220727-JIQMUT62LNMETBENZRILJEAVYQ/