参院選長野選挙区(改選数1)に自民党から立候補したタレントの松山三四六氏が、女性問題を報じられてから一夜明けた7日、佐久市で街頭演説した後、報道陣に「何も反論はございません」と語った。

 2012年に当時20代の女性と不倫し、女性が妊娠した際には人工妊娠中絶同意書に偽名で署名していたと伝えられた松山氏。演説中は終始硬い表情。かすれた声で「この信州をくまなく旅して掘り起こしたい希望と可能性を見て回った」と訴えた際には、聴衆の一人から「まずはお前の過去を掘り起こせよ」ときついヤジが飛んだ。陣営が「頑張ろう」コールをしている間、拳を突き上げる代わりに何度もこうべを垂れたが、聴衆の前で女性問題について言及することはなかった。

 終了後は足早に選挙カーに乗り込んだ。その際、本紙記者が報道について直撃すると「何も言うことはありません。そのままですので、何も反論はございません。過去のことですので、今は選挙のことをしっかりと頑張りたい」と口を開いた。期日前投票で自身に一票を投じてくれた有権者に対する心境を問われると「申し訳ありません」と謝罪。献身的に選挙戦をサポートしている妻でタレントの網浜直子から何か言われたかについても質問が飛んだが、答えることなく次の演説会場へ向かった。

 同氏の事務所は6日夜「選挙後のしかるべきタイミングで取材対応したい」とのコメントを発表。立憲民主党の逢坂誠二代表代行は7日、ツイッターで「選挙の投票で有権者の皆さんの意思を示すのが筋です。選挙後では意味がありません」と指摘した。立民は現職の杉尾秀哉氏が長野選挙区に立候補しており、松山氏と激しい接戦を繰り広げている。

 この日は自民の麻生太郎副総裁、山際大志郎経済再生担当相が相次いで長野入りし松山氏を応援。麻生氏が安全保障問題を巡り「弱い子がいじめられる」、山際氏が「野党の話は聞かない」と発言し物議を醸したばかりで、今回はともに安全運転に終始した。ただ、松山氏が麻生氏と並んで軽井沢町で訴えている最中には「県民に今すぐ説明を」と書かれた抗議のプラカードを掲げる人と、支援者とみられる男性が言い争う場面も。異様な雰囲気が漂う中、選挙戦は最終コーナーを迎えている。

スポニチアネックス
7/8(金) 5:30
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